○小泉親司君
日本共産党の小泉でございます。
私は、今回の
沖縄における
米兵の
暴行事件について、その関連の問題について
質問をさせていただきたいと
思います。
私、今回の
事件は大変怒りを禁じ得ないんですが、問題は、何でこういう
事件が繰り返されているのかと。特に、九五年の
少女暴行事件であれだけ
沖縄県民の怒りを買っているのになぜ再びこれが繰り返されるのかと、ここが私、一番大きな問題じゃないかというふうに思うんです。その点で私、
外務大臣に、一体こういう
事件が繰り返される原因は何だというふうにお考えなのか、私、まずその点をただしておきたいと
思います。
例えば、私、時間が限られておりますので、ちょっと御
紹介をしますと、これはダグラス・ラミスさんという元津田塾大学の教授の方が「
憲法と戦争」という本をお書きになっている。この中で何て書いておられるか、ちょっと御
紹介しますと。
日本で一番人気がないのは
米軍で、
米軍の中で一番人気がないのが海兵隊。海兵隊だけ帰ってほしいという運動もある。
海兵隊というのは人を殺す組織なのだから、人を殺せる人間に教育しなければならない。
アメリカ合衆国は暴力的な社会で人殺しが多いけれど、にもかかわらず、普通の十八歳、十九歳、二十歳の若い男は、そう簡単に人を殺す能力を持っていない。そう簡単に普通の、人を殺すことはできないのだ。だから、殺すための人間を作るための非常に厳しい基礎訓練がある。
基礎訓練について重要なのは次の二点だと思う。まず、十八歳、十九歳の若者の心の中に親の権威というものが入っている。幾ら反抗期があったとしても、大事なことをやろうとしたときは、自分のお父さん、お母さんが、私がこうやっている姿をどうだと思うだろうと、そういうふうに考えるわけだ。それが普通の若者の精神状態なのだが、海兵隊の基礎訓練はそれを一切なくすというのが一つの目標である。特に、
母親の権威が敵だ。だから、お母さんという言葉を使ってばかにする。人をばかにすることが基礎訓練の基本の一つなのだ。ちょっとでも弱みを見せると、じゃあ、お母さんのところに戻るか、お母さんのエプロンの後ろに隠れたいかとばかにする。そうすると、
母親の権威、
母親が、やっていることをどう思うだろうかということを考えるのが恥ずかしくなる。つまり、
女性の物の考え方、
女性の権威を否定するということだ。それはばかげたやり方ではなくて、目的から考えれば非常に偉い、昔から伝わってきた軍人の知恵に沿っているやり方なのである。
女性の権威を否定する、それが一つ。
ちょっと時間がないので、ちょっと飛ばしますと。
周知のとおり、南京虐殺という言葉を英語で言うと、南京
レイプという言葉になっている。英語で
レイプというのは、強姦と略奪、虐殺という
意味だ。つまり、英語の
レイプという言葉は一つの軍事
行動なのだ。昔から伝わってきた軍の一つのやり方である。町に入って、物を盗んで、老人や子供を殺して、家に放火して、
女性を強姦する。それが全部一緒にするものとして
レイプという言い方がある。そこで見えるように、
女性に対するそういう暴力と戦争の暴力とが深い深い歴史的な、そして潜在意識的な関係があると思うと、こういうふうに指摘されている。
ダグラス・ラミスさんは、いわゆる海兵隊に自分がいて訓練した経験をここの中で話すんだと。つまり、ラミスさんが言っておられるのは、こういう海兵隊の訓練、つまり
女性の権威を否定する、人間の権威を否定するという、この人殺しの訓練をやるというところに、こういう
事件の根底にあるんだということを私、指摘していると思うんですが、その点、こういう
事件が繰り返される原因というのは、
外務大臣は一体どういうお考えなのか、このラミスさんの指摘についてどういうふうにお考えなのか、この点をまずお尋ねしたいと
思います。