○石原
国務大臣 この点につきましては、先般の
予算委員会で
永田委員とも御議論をさせていただきましたが、私どもの閣議決定では、最大限ではなくて、「基本的に尊重する」とさせていただいたところでございます。前回の話も重複いたしますが、詳細にということでございますので、若干お時間をいただきましてお話をさせていただきたいと思います。
もう
永田委員も御承知のことだと思いますけれども、道路四公団改革につきましては、昨年の十二月に民営化推進
委員会の意見が取りまとめられました。
これは、今井
委員長が
委員長を
辞任されるというような不正常な状態ではございましたけれども、七人の
委員の方全員が、まず第一義的に
考えなければならないのは、四公団合わせて四十兆円という債務というものがあって、この債務を確実に返済していくということが重要である。さらには、建設コストというものを削減していかなければならない。また、公益法人あるいは子会社という形でつくっておりますファミリー企業のあり方、こういうものを見直して、透明性を高めていかなければならないというようなことで、これは、七人の
委員全員の方々が、そのとおりだということで、成果を出したところでございます。
そんな中で、
政府の閣議決定で、基本的にこの
委員会の意見というものを尊重する、さらに、必要に応じ与党とも協議しながら、改革の具体化に向けて取り組んでいくことが必要であるという旨を閣議決定させていただいたわけでございます。
そこで、質問の詳細に入るわけでございますけれども、この最終段階、私も
委員会に出席しておりましたが、すなわち、道路資産を新会社が民営化と同時に保有するのか、あるいは保有しないのか。また、期限を区切って、これは十年後を目途にということでございますが、資産を保有するのか。
この点につきましては、実は、七人の
委員の方々の
委員会での意見の御開陳を聞いている限り、必ずしも全員が全員、十年後に資産を買い取るというようなお
考えではなかったようでございます。さらには、
委員会で試算した結果、いろいろな金利状況あるいは交通状況の伸び等々から見ましても、十年後の有利子負債、これが十年後のキャッシュフローの大体何倍ぐらいあるのかということをいろいろなケースで試算をいたしました結果、大体八兆円から十兆円ぐらいの債務を切り離さないと、
委員の御懸念であるところの、新会社が資産を保有するどころか、その債務が切り離せないことによって経営が著しく阻害される、こんなような話も
委員会の審議の中でございました。
あるいは、新会社の株式の上場、この時期というものは、総理が明確に、新会社は株式の上場を目指すという言い方をされておりまして、即座に一年、二年、三年や十年で上場ができるということは、債務の巨額さ等々を
考えて、やはり無理であると。JRの中でも、昨年でございますか、十六年かかりまして、東
日本が完全民営化をしたわけでございます。
あるいは、ここが最大の焦点だったと私は感じるんでございますけれども、新規建設の資金の支出スキーム。すなわち、現在は全国プール制で、採算のとれている四つぐらい、東名とか中央とかいったようなところの料金収入を、料金収入が乏しい区間の補てん、さらには新規路線の建設に充てているわけですけれども、このプール制をどうすべきか。
さらに、余剰資金を、もう既に、極端なことを言いますと、東名などは、三十年の償還、当初の計画では過ぎておりますし、建設資金はもう十分払い終わって、さらにおつりが来る状態になっておりますけれども、こういうものをさらに今後続けるのか、続けないのか。これはまた、分割論、どのように分割するかということによっても話が変わってまいります。
さらには、当初は、いわゆる資産を保有する保有機構と、分割された高速道路事業を行う会社との、いわゆる通称上下分離と言われている方式をとると意見書は申しておりますが、そのとき重要な問題となってきますのは、リース料、すなわち、貸付料の設定方法をどういうふうに置くのか。
そして、
説明が長くなるのでこのぐらいにさせていただきますけれども、もう一つぐらいお話をさせていただきますと、料金の値下げでございますね。どこの路線をどうするのか、全国一律にするのか、あるいはどの程度するのか等といったような分野で、
委員の皆さん方の意見に、対立とは申しませんけれども、
考えの相違がありました。
こういうものは、実際にこれから具体化の検討作業、これも、前回の
予算委員会で扇
大臣が御
答弁しておりましたけれども、今御
説明したような審議の経過の中での意見の相違、こういうものを十分精査した上で、
政府として責任を持って対処していくということで、この「基本的に尊重する」という文言をとらせていただいたものでございます。