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北側委員 公明党の
北側一雄でございます。
きょうは、私は、外交の問題、また経済問題についてお聞きをしたいと思っております。
今、
総理がちょっと席を外していらっしゃいますが、きょうも先ほど来、この
イラク問題につきまして、
けさ方
国連の安全保障
理事会に示された証拠に対する
日本政府の評価については、
総理からも
外務大臣からも御答弁がございました。だから重複は避
けさせていただきたいというふうに思うんですが、ちょっと私の意見を申させていただきますと、
アメリカの今回の
情報開示の努力、これは私は高く評価しなければならないと思います。また、今回のこの開示によって、
イラクに対する
疑惑というものがさらに深まったというふうにも言えると思います。
ただしかし、これからそういう
情報が収集されると思うんですけれども、各国の反応を見ますと、必ずしも現時点での
最後の手段としての
イラクへの武力行使を
国際社会の多くの国が十分に理解を示したとは言えないのではないかというふうに私は思います。そういうことも踏まえて、きょうの
質問をさせていただきたいと思っております。
まず、この
イラク問題とは一体何なのかということが、これは国民の皆様に正確に理解されているかということは、私は必ずしもそうじゃないんじゃないのかというふうに思っておりまして、私なりに簡単に、
イラク問題とは一体何が問題だったのかということを少しお話をさせていただきたいと思うんですが、御承知のように、九一年、今から十一年前に湾岸
戦争がございました。湾岸
戦争が終わりまして、終結いたしまして、そこで
イラクは、停戦条件として、生物
化学兵器、核兵器、こうした
大量破壊兵器の完全廃棄を
イラクは受け入れたわけでございます。それによって停戦が成立した。これが安全保障
理事会の
決議六百八十七号、ここから出発しているわけですね。
その六百八十七号では、九一年でございますが、核それから化学
生物兵器、弾道ミサイル、こうしたものは廃棄するんだ、さらには、そうした
大量破壊兵器開発のための研究とか開発とか設備なんかは廃棄するんだ、将来にわたっても
イラクはこれらを開発しない、こういう約束をしたわけでございます。これが九一年の話でございます。
しかしながら、その後、
国連がずっと
査察、監視を続けていくわけでございますが、その後は、この十一年前の
安保理決議六百八十七号、これが出発点ですが、それがあるにもかかわらず、
イラクは一貫してこの
国連の
査察に対して回避をしていくという行動に出ます。これがずっと続くわけですね。この間、何度も何度も、
安保理で
イラクに対する
決議が十数回と続きます。
そして、今から四年余り前の九八年の十月からは全くこの
国連の
査察団に対する
イラクの協力が停止をされまして、以降四年間、つい最近までの四年間、全く
国連の監視、
査察が、
イラクの
大量破壊兵器の完全廃棄をしなければならないということについて四年間全く
査察がないまま続くわけですね。そして、昨年の十一月の、先ほど来話題に出ております
安保理決議一四四一につながってくるわけですね。こういういきさつでございます。
国連の
査察団の先般の報告によりましても、例えばVXとか、それからサリン、こうした
化学兵器についてまだ残っているのではないかという
疑惑が
指摘されています。また、
けさ方の国務
長官の話にもありましたが、炭疽菌についてもまだ残っているのではないのか、こういう
疑惑が
指摘をされているんです。幾つかの
疑惑が、
大量破壊兵器が完全に廃棄されていない、こういう
疑惑が、いまだに
国連の
査察団からはそのような報告がなされているわけでございます。
こういう経過があるわけで、これがまさしく
イラク問題。こういう
大量破壊兵器というのは、まさしく
日本も含めた
国際社会の平和と安定に対する、安全に対する明白な脅威でございまして、これを取り除いていかないといけない。また、特にテロに対する恐怖もあります。
そういう
意味で、
国際社会の平和と安全に対するこの脅威を除くためにも、
イラクがまずもって
大量破壊兵器をきちんと廃棄する、検証可能な形で廃棄する、こういうことが一番大事な問題、
根本的な問題だというふうに思います。
そこで、こういうことをあくまで大前提にいたしまして、私は、この
イラク問題についての我が国
政府の基本姿勢といいますか、こういう基本姿勢を持つべきではないのかという三点を申し上げたいと思うんです。
第一に、これはもう今述べた話でございますが、累次にわたる、これまでも何回にもわたって
国連決議がありました。この何回にもわたった
国連決議、さらには昨年十一月の
安保理決議一四四一号ですね、これに従って
イラクは
国連の
査察を無条件に受け入れて協力する、そして
イラク自身が積極的に検証可能な形で本当に問題になっている
大量破壊兵器を廃棄する、これが一番大事なことです。これが第一。そのために、
日本政府がしっかりと、
イラクに対し、また
国際社会に対しメッセージを出すべきだ、これが第一点です。
第二点目に、こうした問題については、この
イラク問題への対処につきましては、あくまで
国連を中心とした
国際社会との緊密な連携を軸に行っていくべきだというふうに思います。やはり、国際協調主義というのが我が国外交の基本の原則だと私は思うんですね。
そして三番目に、私は、我が国、
日本政府の基本姿勢として、やはりぎりぎりまで平和的な
解決に向けての
最大限の外交努力を
日本国
政府もしっかりとやっていく、そういうメッセージをしっかり出していくということが大事じゃないのかなというふうに思っているわけでございます。
そこでお聞きをしたいわけでございますが、これからどう展開していくかわかりませんが、非常に緊迫した情勢にございます。
状況を見てどう判断するかということも大事でありますが、我が国として主体的に、この
イラク問題について、緊迫しているこの
イラク情勢について、どういう今後の外交努力を行っていこうとされているのか、そこをお聞きしたいわけです。
提案でございますけれども、私はやはり、
日本というのは、
アメリカに対していろいろな物が言える数少ない国の
一つだと思うんです。私はそう思います。そういう
意味で、私は、
アメリカに対して国際協調の重要性ということを繰り返し我が国
政府がやはり主張していくということが非常に大事じゃないかと思うんです。
この
イラク問題の
解決というのは、やはり単独行動であってはならないわけでございまして、
国際社会の連帯と
国際社会による
イラク包囲網をしっかり構築する、それによって
イラクに
大量破壊兵器の廃棄を強く迫っていくということがやはり非常に大事なことでございまして、これが万一、
アメリカ、米英の単独行動になってしまったならば、万一ですよ、これはやはり結果として、憎悪とか報復とかのそういう連鎖を結果として生んでしまうことになるんじゃないのかと私は思うんですね。そういう
意味で、
日本はあくまで国際協調ということを、
国際社会の理解ということが大事だということを強く
アメリカに訴えていくべきだと私はまだ思っております。
また、我が国は今、安全保障
理事会のメンバーではありません。だからこそ、この
イラク問題というのは我が国にとっても極めて重大な問題でありますので、あらゆる場を使ってこの
イラク問題についての我が国の主体的なメッセージを出していく、そういう努力が私はやはり
日本の外交として非常に重要であるというふうに思っているわけでございますが、その点、
総理、いかがでございましょうか。