○河村(た)
委員 それでは僕から言いますと、
平成六年、中等科の研修において、三十三名中第一位、
矯正協会長賞をもらっておる、そういう方でございます。
彼から手紙をいただきましたので、読みます。そのまま読みます。コメントは後でしますので、文章が残るように。
なぜかというと、これは
法務省の人間として言いたいことが書いてありますから、ぜひ、全
法務省の職員の
皆さん、これを読まれて、正義への行動を起こしていただきたい。
法務省というのは、英語で言うと、デパートメント・オブ・ジャスティスと言うんですね。ローじゃないんです。デパートメント・オブ・ローじゃない、ジャスティスですから。
そういうことで、じゃ読みます。
皆さんのところに資料で行っております。
前略
先日は、元松弁護士あてに、
中間報告書の写しを送っていただき誠にありがとうございました。
四月二十三日付けの
法務委員会の速記録から、
先生の御活躍の姿が
感じられ、その熱意に深く感謝致します。
また、五月十二日には、家族側の心情な
どもお聞きいただき、重ねてお礼申し上げます。
さて、今回お手紙を出させていただいたのは、
法務省側の
対応の悪さに、一国民として、事案の当事者として、同じ
法務省下の職員として、立腹の感を有したからに、ほかなりません。
矯正においては、司法、立法、
行政は三身一体の立場にあります。
矯正行政に問題や限界が到来していることは周知のことであり、法
制度そのものの
改正を要する立法問題でもあるのです。しかるに、
法務省の態度は、司法判断を口実に、真の
問題点を自ら提起して
議論し、改善して行こうとせず、誤った判断を行っている検察当局の擁護のための行動を行っている。
行刑運営に関する
調査検討委員会の
調査も、検察の捜査資料を
基本として、それに多少色を付けた程度のものであり、真正な視点、立場での
調査が行われていない。これは、他方において独自の
調査を行うと、検察を無視し、異なる結論となってしまうという事態を回避するために他なりません。
このようなやり方は、「組織」の王道です。
行ってもいない
調査を行ったように見せかけ、確認もしていない
内容から結論を出すなどという行為で、国民の視点を外そうとするやり方に、納得がいきません。ばかにしています。
大臣や、参考人は、すぐに「
裁判係属中ですので、お答えできません。」と言って回避していますが、歪曲された事実や捏造された証拠が
裁判によって明らかになって行くのは、時間の問題であることは、彼等も十分わかっているはずです。
そういったことが、すべて明確にならなければ、改善する気はないとでもいうつもりなのでしょうか。
検察の歪曲、捏造、誇張の一端は、すでに露見し始めています。
四月二十三日に行われた私達の公判廷において、
検察側は証人によって、私達の革手錠使用と緊度が、程度を超えた違法なものであったということを立証しようとしましたが、証人は、「適正な施用を行うためには、バンドをきつく締めることもある。」「適正と定まった緊度はない。」「施用上、バンドが上下左右に動いたり、手がバンド上を動くことは適正ではない。」などと、私達の施用
状況は、適正な運用の範囲内であったことを証言しました。
更に決定的であったのは、弁護士の一人が、証人の検察官調書を一部読み上げ、「あなたは、こう言っていますが、その
意味は何ですか。」と問われると、証人は、「私はそのようなことは言っていません。そのような
内容であったかも覚えていません。」と証言し、検察が自ら都合の良い
部分だけを寄せ集めて“供述調書を作った”ことが判明したのです。
重要な位置である第一回目の証人がこのような
状況であることから
考えただけでも、今後の証人の証言
内容も予想できるというものです。
放水事案に至っては、すでに検察のずさんな、およそ捜査とは言えない
対応の実態が次々に明らかになっています。
これらの事案を、中立、公正な視点によって、ひとつひとつ
調査されていたなら、このような
状況とはなっていなかったのは、確実なことです。
無給措置となって、本月で七か月となり、給与審査申立てを行って、人事院から申立受理通知があってから三か月が経過しようとしていますが、何の通知もありません。審査上、処分側の
説明を求めていると思いますが、何の
調査もせず、
起訴されたことのみで処分しているのですから
説明のしようもなく、何かと理由を付けて、回答の遅延を行っているものと推測します。
法務委員会で
矯正局長が答弁したように、
矯正局においては、
調査も確認も行っていないのです。このような
行政処分があって良いのでしょうか。
私が今の
法務省に望むことは、組織の問題を避けるために、個人の問題として終わらせようとせず、何を改善すべきかを十分に
議論検討し、法整備が必要なら、それを
検討するといった、前向きな態度で取り組んでもらいたいということです。
もし、今の
状況を認めてしまうと、第二、第三の私達と同じように、苦しむ必要のない職員が生まれる
状況を残すことになります。それを根絶するためにも、公けにすべきことは行い、
議論してもらいたいと思います。
先生が
法務委員会で述べておりましたとおり、この問題は、政党の枠を超えた分野として
議論されるべき
事柄であると思います。
正しい認識の下で
議論を行うためにも、
法務省には、予断を含まない真実を
報告し、答弁してもらいたいと思います。
先生のますますの御活躍を御祈り申し上げます。
平成十五年五月十四日
渡邉 貴志
以上でございます。
ここに封筒がございますけれ
ども、これは私の個人あてと、それから差出人としては、名古屋市東区白壁一—一、これは名古屋
拘置所の住所ですが、渡邉貴志、それから郵便番号が四六一—八五八六と書いてある手紙です。
それから、
法務大臣、きょうは出しませんでしたけれ
ども、その前に来たのに、こういうのがあるんですよ。
これは
平成十五年四月五日です。「
先生」、これは私のことですけれ
ども、私は
先生と呼んでいただかぬでもいいんですけれ
ども、書いてありますから。
先生としましては、
法務大臣の責任について追及するという姿勢がおありのようですが、私の見識としましては、法相の味方をするわけではありませんが、
森山法相ほど決意を持って臨んでおられる
大臣は、これまでの法相にはなかったと
感じております。確かに、職を辞することで責任を内外に示すことは簡単明瞭ではありますが、
森山法相は職務を続け、問題を徹底解明して責任を果たすという困難な道を選ばれたということにおいて、私は評価しております。
仮に、法相
辞任となった場合、現在抱えている諸々の問題も、新
大臣への切り換わりとともに、闇から闇へと消えてしまうこととなるでしょう。ですから、
法務改革が推進されようとする現在の気運を、
法務委員会で盛り上げていただきたいというのが、私の率直な
意見です。
こういうふうに書いてあります。これは後で
大臣に届けますから、本物の手紙を。
私も余りしょっちゅう謝っておってはいけませんけれ
ども、本当に事実の解明をせずに、当事者の
意見も聞かずに、本当に申しわけなかった、再度おわびしたい、
刑務官の
皆さんに、そう思っております。許していただきたいと思っております。
それで、
質問に行きましょう。
今手紙を読みましたけれ
ども、
大臣、御
感想はどうでしょうか。