○平野
委員 民主党の平野博文でございます。
与えられました時間を、
科学技術に関する
一般質疑ということでございますので、何点かに絞って御質問また議論をさせていただきたいと思うのであります。
けさの新聞にもありましたが、クローン
技術を使ってES細胞の問題、これも、クローン
技術の禁止法が施行されてことしでほぼ三年になるのでしょうか、一番の根幹でありました再生医療のところの問題については、私は改めてこの
委員会で議論をしなきゃならないと。けさの新聞を見ましたものですから、質問通告しておりませんので質問はいたしませんが、その問題と、先ほど
斉藤議員が御質問されていましたけれ
ども、
建築構造物の問題、さらには
原子力の問題。
実は、私は、二日前に仙台に、ちょうどあの地震のときにその場にいまして、かなり揺れているなと最初は思ったんですが、私も阪神・淡路の震災を大阪で感じた
人間ですから、じっと木造の一戸建ての家にいたんです。横揺れが非常に厳しくて、私はじっと家の中で見ておったんですが、一分もいるとちょっと限界になって、まずは窓をあけようということで窓をあけて、それでもずっと見ておったんですが、要は、その後の問題なんですね。
その地震の揺れていることの問題よりも、終わった後が、すべての機能がパニクっているんですね。まず、携帯電話が全く機能しない、高速道路網は安全のために遮断をする、JRはだめ、こんな状態でずっと数時間を過ごしたのですが、今、そういう対応の仕方がそれしかないんですね。
だから、特に大事なことは、通信事業において、そういう状態のときに別の回線というものを、ある地震で揺れたとき、地震でなくてもいいんですが、そういう事故が起こったときには、緊急避難的に
国民の皆さんが使い得る回線を用意しておく。こういうことでないと、そこに全く孤立した状態の
人間が何十万、何百万と一瞬の間おる、こういうことになると思いまして、改めて
科学技術の大切さを
認識してこの場に立っています。
きょうは、たくさんの方に来ていただいておりますが、本来、こんなにたくさんの方に来ていただかなくても、ある省庁が
科学技術について予算から
評価からすべてをしっかりと議論すれば、例えばそれが
文部科学省であれば遠山
大臣と副
大臣で即決して答弁をいただけるという仕組みになるんですが、いろいろな省庁が絡んでおるものですから、多くの副
大臣の方に御迷惑をかけて
出席をいただいているということでございます。
したがいまして、私は、
科学技術というのは、ある
意味では国策の
仕事が中心になって考えていくべきテーマが多いと思いますから、やはり一元管理をしてしっかりやる、こんな
制度設計がまず必要ではないか。多くの副
大臣に来ていただいて大変恐縮ですけれ
ども、来ていただかなきゃならない、答弁をしていただかなきゃならない、そういう今の実態にあることもまずぜひ御
認識をいただきたい、このように思うところであります。
それでは、何点か大きくあるわけですが、まず、
原子力に関してでございます。
昨今、発電所における原子炉のトラブルがたくさん出ているわけであります。そのトラブル自身が本当に安全性に直接かかわるトラブルなのか、
科学技術的に見たときにどうなのかということがよくわかっていませんが、事務的
制度設計上の問題としてこれはだめであるという基準のもとに
評価をされている仕組みと、
国民の立場から見ると、
原子力発電所で何か微細な事故が起こっても、これは
原子力発電所、原発の事故だ、こういうふうに
認識をする風潮が今の
社会にあるわけであります。
したがって、改めて
国民の皆さんに対しまして、
原子力における人的災害における事故とはこういう問題だと。メカニズムになって動いているわけですから、構造的に少しトラブるというのは、何十年と稼働しているわけですから、経年変化もあるでしょう、それに対するトラブルというのは当然起こってくるわけであります。そういう
意味合いで、改めて今、
原子力にかわる代替エネルギーがない現時点において、
原子力に依存をしなきゃならないというのは自明の理であります。そういう視点で、
国民の皆さんに、
原子力はこうしてありますから安全なんですという信頼性を取り戻すことが、今、
原子力行政を進めていく最大の課題である、私はこのように思っています。
そういう視点で、一、二点、質問いたします。
まず、東電を中心としてトラブルが起こっている。現実的には十七基あるんでしょうか、東京電力さんの管内に。今、十六基が実態的にはとまっている、こういうことであります。夏のピーク時においては大体八百万から九百万キロワットの電力が不足をする、このようにも言われているわけであります。その一基は、実は柏崎の六号機が稼働したということであります。
つい先日、お隣の鳩山
先生と
一緒に現場に行きました。私は改めて、現場では大変苦労されて、そのことに対して
努力はしておりますが、
制度設計、ルールというのは非常に大事でありますから、そのルールのもとに再開をしようと思いますと、
技術的には再開できても再開できない最大の要因は、地元の皆さんを含めて
国民の皆さんの信頼性をかち得ていないところが大きな問題だと思っているのであります。
したがって、その信頼性確保、こういう
取り組みに対して、これはどこが中心になってやるべきことなのか、国として、この信頼性確保のためにどのように行動をしなきゃならないか、こういう視点で
渡海副
大臣にまずお聞きをしたいと思います。
〔
委員長退席、鈴木(恒)
委員長代理着席〕