○津川
委員 どのくらい消費者の皆さんが認識をされているかは私は必ずしもよくわかりませんが、私は、やはりまだまだ認識をされていないのかなという思いがあります。
その一つが、
生産者の側も、どうすれば
HACCPなのかというのがよくわからないんですね。
HACCPの定義を言えば、危害を分析して、それぞれの危害を防止するためには重要なポイントがここだ、そこでこういう
管理をしなければならない、それから、各所各所においてしっかりとした
記録をとるというような話になろうかと思いますが、そういう言い方をすればその定義はわかるんですけれ
ども、実際の使われ方が必ずしもそうなっていないんですね。
きのう、埼玉の方に視察に行かせていただきましたが、その中でも、これはトレーサビリティーの話ですが、深谷牛の出荷牛の履歴
情報というものがホームページでも見られますと言って、その資料も見させていただきました。その中に、いろいろある中で、
HACCP方式に準じた
衛生管理及び
生産管理の
記録を行っていますというのがここに書いてあります。
ただ、これを出荷している卸売業者さんの高橋畜産さん、きのういろいろお話を伺いましたが、その社長に伺うと、そこの
加工工場は
HACCPやっていませんという話でした。
導入してみたいけれ
どもやっていませんという話でした。
つまり、牛の
生産をされている方が
HACCPやっていても、その解体をしているところでやっていなければ全然
HACCPじゃないんですね、これ。だから、本当に
HACCPに準じてやっていると言えるかどうかというと、言えないんですよ。これは全体でやらないと言えないものですから、全然、残念ながら
HACCPそのものが正確に認識されていない。
それどころか、厚労省さんに伺いましたが、マル総にかかわる
HACCPは何件かわかるけれ
ども、それ以外、自主的にやっているのはどのくらいあるかわかりませんという話ですね。だれも
理解していないんです。全く
統計的な
数字はありません。
そんな中でこれは
HACCPでございますと言われても、消費者がどう認識すればいいのか。マークだって、
HACCPでございますと書いてあるならそうなのかなという程度で、それが本当に科学的な
手法によって解析されたものなのか、
安全性が高いものなのかどうかすらだれも自信が持てないようなものが、何となく、
HACCPという言葉だけが先行しているという
状況です。
私は、そういった意味では、この
HACCPというものをもう少し定義からしっかりやり直して、実際に全国いろいろな業種、いろいろな
生産品目に関して、これは
HACCPで
生産されたというものであるかどうかをはっきりさせるということは、やはり国がしっかりやらなきゃならないところだと思うんです。
業界の皆さんが
手法をしっかり決めていただくのは重要な話でありますが、一方で、それが本当に
HACCPと言えるかどうかということ。
業界によって違うとか、県によって違うとか、あるいは農水省と厚労省で違うというんじゃとんでもない話でありまして、これはやはり国がしっかりとしたものをつくっていかなきゃいけない。
業界の皆さんにそれぞれの品目についてつくっていただいたら、それはまさに
HACCPであるか、あるいはそうではないかというところは明確にしなければならないし、それを明確にしない中で消費者の皆さんに幾ら普及しようとしても、これは
理解されるはずがないと思います。あるいは、消費者が
理解しているというふうに言っていたとしたら、それは誤解です。
私は、そういった意味で、農水省さんと厚労省さん、どちらかといえばこれは厚労省の役割だと思うんですが、そこをしっかりやっていただかなければならない。その中で、
中小企業や零細ができるようなものもしっかりと
承認をしていかなきゃいけない。中小零細が独自に、私たちも
HACCPでございますということを言われてそのままやられたのでは、これは
HACCP制度そのものが崩壊するわけでありますから、そこまでやはり目を配らなければならないと思います。
今、
齋藤委員からも、もっと安くすることができないかというような話がありました。
コーデックス委員会の方針の中でもいろいろと
ガイドラインが決められておりますが、この
法律の基本方針の中にある、清浄度別の区画を隔壁により仕切る。壁をしっかりつくりなさい、仕切りをしっかりつくりなさい。清浄
地域と非清浄
地域、それから仕掛かり品の作業
地域と、三つに分ける。三つに分けて、そこは壁をつくって空気の出入りがならないようになって、それぞれ別の人が作業するようになる。人がその
地域を行ったり来たりしないようにする。最低限それで人が三人にならなきゃいけないし、仕切りを二つつくるだけのスペースがなければならないという根拠になりますが、
コーデックス委員会の
ガイドラインの中にはそれは入っていないんですね。だから、中小に対しては必ずしもそういったものを強要する必要はないと思うんです。
ですから、中小ですとかあるいはその
業界ごとにもっと簡易に入れられるようなものをつくるべきだと思いますが、そういったことは取り組まれていらっしゃるでしょうか、どうでしょうか。