○吉井
委員 二兆円も発生したのはないから、去年のにはないんです。細かい、端数になってくるぐらいのはあるでしょう。私もそれを否定しているわけじゃないんだけれども。
それで、一九九七年の末から〇二年九月末までの間に国内
銀行の中小企業向け貸し出しが六十兆四千六十三億円減少したんですが、
小泉内閣になる寸前の〇一年三月末と〇二年九月末までの間で三十四兆一千五百三十億円貸出残高が減っているんですよ。つまり、過去五年間で中小企業向けの貸し出しが減った分の中で、六割が集中しているのが
小泉内閣誕生後のことであります。ここには、やはり不良債権早期最終処理とか加速策とかいって、どんどん
銀行の方が貸し出し減少に進んでいったということ。
この点では、同じような問題というのは、不良債権処理と言われて、貸し出しがどんどん減っていくことについて、これは昨年の八月の二十二日の日経新聞でも、業務改善命令を受けるからマイナス計画を組ませてくれという幹部の発言などを以前も
紹介したことがありますが、それぐらい、現場では貸しはがしとか貸し出しの減少がどんどん進んでおります。
同時に、それはまた、手形取引が大規模に縮小するという問題にも今つながってきております。これは実は、倒産にあらわれない、隠れ倒産と言われる問題にもつながってくるんですね。手形取引が縮小するものですから、手形取引ができなくて倒産に至るものと、手形取引ができないので現金取引に行く、しかし現金の調達がうまくいかないので取引ができなくなって廃業に進んでいっているもの、こういう問題なども出てきている。
私は、
小泉内閣になって、不良債権処理、早期最終処理だとか加速だとか言ってきている中でさまざまな
金融のゆがみが生まれてきている、そのことをやはり直視しなければいけないと思うわけです。
そうしたゆがみの中で、私、さまざまなゆがみが出てきている中の
一つ、金利
引き上げマニュアルの問題を前回も取り上げました。そのマニュアルの中では、顧客の方から、約束と違うじゃないかということで、
金融機関に対して金利
引き上げについてクレームがついたときには、ああ言って説得しなさい、こう言って説得しなさいというQアンドAまでつくっているということで、実は、公正取引
委員会から優越的地位の乱用に当たると指導されたので、言葉は丁寧にして、結局、金利
引き上げの主張は貫徹せよというのがマニュアルの実態だということも御
紹介しました。
私、きょう、ここで公正取引
委員会の方にちょっと伺っておきたいんですが、
金融庁の方は
銀行に、収益力の向上を図れということを今盛んに指導するわけですね。これに対して
銀行はどういう対応に出てきているか。収益力向上を図れと言われるものですから、例えば東京三菱は、二月十七日から、円と円の、銭の交換、百円玉を一円玉百個と交換すると交換手数料を二百円取るというんですね。百円の交換で二百円の手数料が取られる。三井住友もこれを検討中だというんですね。
それから、今
銀行の方は、ATMについても、夜間、土曜日など休日の手数料の
引き上げなどを一方的に行うということが進んでいて、UFJでは、土曜日に、既に十二月から百五円取るというふうになっております。東京三菱は二月十五日からですから、あしたからですか。それから、三井住友は三月に入ってからですね。みずほも〇三年度中にやるという話です。
今、庶民は
銀行と個別交渉できないんですよ。だけれども、その庶民に対しては、利用者には、例えば年間百万円預けても百円の利息になるかならないかぐらいですね。まあ、ならないでしょう。一万円引き出して百五円の手数料を取られるんですよ。一方的にそういう
値上げをやってくることについて、大手都銀が横並びで一斉にやるわけですね。これは、預金者との関係でいうたら、手数料についても本来一対一の契約関係になるのが普通なんですが、しかし、これは一方通行の、優越的地位の乱用に相当するものなんですが、横並びでやればまたカルテルという問題も起きてきますね。
公正取引
委員会はこの問題についてどういう取り組みをしておられるか、伺っておきたいと思います。