○
水島委員 ありがとうございます。
坂口
大臣がいい方であるというのはもう十分わかっているんですが、その温かさが内閣全体にちゃんとしみ渡るような、そういう内閣になっていただかないと、何かいつまでたってもひとり相撲をしているような感じで、こちらもここで審議していて、大丈夫なんだろうかとだんだん心配になってまいりますので、ぜひそこは、びしっと毅然とした態度で御発言をいただきたいと思っております。
さて、今回の
児童福祉法の
改正に当たりまして、施策が今まで
保育に欠ける児童に偏ってきたんじゃないかという反省のもとに今回の
改正があったというようなことをいろいろおっしゃっているわけですけれども、実際に、いわゆる
保育に欠ける児童という子供たちに対しての施策が十分なのかといえば、そちらも全くもって不十分であるわけです。例えば児童養護施設も、要保護児童のための施設をそうじゃない子供にも広く使っていこうというのが今回の趣旨であるわけですけれども、
保育の現場も養護の現場もあっぷあっぷのところで、そういうところの資源も不十分なのに、それ以外の子供に資源が分配できるのかというのは、これはもう素朴な疑問であるわけでございます。
保育に欠ける児童、私はこの言葉は大変嫌いでございますけれども、この
保育に欠ける児童という子供たちに対しての例えば延長
保育、夜間
保育、休日
保育、病児
保育などはまだまだ足りていないというのが子育て現場にいての実感でございます。確かに、
厚生労働省からいろいろとデータを見せていただくと、目標値があって、ここまで達成してきましたとか、それなりに数字を見せて説明はしていただくんですけれども、それでも相変わらずで、自分自身も、例えば、急に今晩、夫がどこかに行っているときに自分のぐあいが悪くなって、さあ子供を夜どこかに預かってもらえるかというと、たまたま私は近所の方が預かってくださいますけれども、そうじゃないところに住んでいたらどうなるんだろうかと考えたときに非常に不安になるわけでございます。
ですから、子育て現場にいるとまだまだ足りていないという現状がありますし、また、雑誌を読めば、相変わらず、
保育所難民といって、
保育園に入るためにどこかに引っ越してみたり、子供を産む時期を自分でコントロールしてみたりと、そんな記事ばかりが載っていて、こんなことではとても
安心して子供を産めないのは当たり前ではないかと思っております。
やっています、やっていますと言うけれども、一体、何で、現場での欠乏感というのが全然解消されていかないんだろうか、このずれは何なのかというのをお尋ねしたいと思うんです。
それで、以前、旧厚生省時代に担当の方とお話をさせていただいていましたところ、厚生省側としては多様な
保育を進めようとしているんだけれども、自治体側に、子供というのは夜は家に帰るものだとか、日曜日ぐらい親と一緒に過ごすべきだというような考え方が頑固にあるために、なかなか施策が進まないというような話を聞きました。二十四時間
保育などをやってしまうと、親が引き取りに来なくなるんじゃないかということを真剣に心配している自治体の方もいたというふうに聞きました。
こんなふうにやって
保育を組み立ててしまいますと、母子家庭で夜や休日にお母さんが働かざるを得ないという家庭の子供が現実にどこに置かれているかということを考えるとぞっとする話でございまして、夜の
保育とか休日の
保育が要らないなんということは、子供の人権を考えてももう絶対に言ってはいけないことだと思いますけれども、そんなことだけではなくて、現実に、きょうあすは延長
保育、休日
保育が必要でないかもしれないけれども、多様な
保育にアクセス可能だということは非常に大きな
安心感をもたらすものでございます。
ちなみに、私の子供が今東京で通っております無認可
保育所では、必要があれば夜九時まで預かってくれますし、夕食も出してくれます。私たちは夫婦で何とかやりくりして、ゼロ歳から預けていて、今まで一度も夕食のお世話になったということはないんですけれども、それでも、何かがあったらあそこで夕食も食べさせていただけて九時まで預かっていただけるということは、もう非常に
安心して暮らしていける根拠となっているわけでございます。
もちろん、きょう何時まで預かってもらいたい、これから日曜日に仕事をする、そういうような現実のニーズを満たすのは大前提なんですけれども、ただ、子育てというのは、もう皆様も十分御承知だと思いますけれども、常に予測しないことが起こることが子育ての特徴でもあるわけでして、もしものときに対応できるゆとりというものが必ず必要だと思っております。今はまだ、現実のニーズを満たすところまでも来ていないというふうに思っておりますけれども、そういうゆとりの部分まで含めますと、まだまだやらなければいけないことというのは本当にたくさんあるのになぜ進まないのかというのを、ちょっと簡単に総括していただけますでしょうか。