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中川(正)
委員 いや、私が言っているんじゃなくて、ここに巻き込まれた当事者が言っていると言っているんですよ。(
茂木副
大臣「自分で言っているじゃないか」と呼ぶ)そうですよ。当事者がそうやって
日本政府のことを憤慨していると言っているんです。それは当然でしょう。
そして、もう一つ
確認をしていかなきゃいけないんですが、このイム・チョルという本人が、実は直接北京の
大使館の担当者と電話で話をしているんです、その当時。担当者は、一つは、本国と相談をしなければいけないのでもう少しそのままの状況で待ってくれ、こういう話と、それから、現実に金銭の話、これも確かに出ているんですね。
ところが、本人の供述によると、その金銭の話というのは、
大使館の担当者の方から、実質的に、交通旅費、それからその地域で面倒を見てもらう、そのための宿泊費そして食費等々実費について、必要だろうから幾らぐらい要るのか言ってくれという話があって、それに対して、五百万かそれぐらいでしょうね、
日本の円にすると五十万円前後、それぐらいの実費というのが今かかっていますねという話をしたと。
本人、イム・チョルさんも私につくづく言っていましたが、そのときの両者の間の信頼
関係と、なるほど、
日本の
大使館というのはそんな形でこの
日本人妻というのを最終的には保護してくれるんだ、それまでの間自分がその面倒を見ているということについての自覚と、こういうものはしっかりとれていたというんですね。
もう一つ、その供述の中で話が出てくるのは、この直接逮捕された人とは違うもう一つの第三者なんです。もう一つ違う人間が、また
大使館、あるいはこれは
韓国の在ソウルの
日本大使館の担当者も含めてコンタクトがあって、ここで何が話し合われていたのかというのはこの直接逮捕されていた当事者は知らないんです。そういう構造の中で、
情報が錯綜をして、そして恐らく本省サイドあるいは北京サイドの
判断があったんだろうというふうに思うんです。
先ほど
茂木副
大臣言われたように、その限られた
情報の中で、恐らく本省でもそれなりの
判断をしなければならなかったということだと思うんですが、しかし、そこで欠けていたのは、現場の本
人たちがいる
場所も、それからそこでどういう状況であったかというのも直接わかっているんですね、担当者は。そこへ出かけていって確かめようと思ったら、幾らでも確かめられるような状況の中なんですよ。それにもかかわらず、もう一つ、この二人とは違った、第四者というんですか、その人間との交渉の問題だけを根拠に
判断して、
中国当局に対して
通報をした。どうも、全体の像を見ていると、そういうふうなものが見えてくる。
だから、先ほど私が第三者というのにこだわったというのは、そこなんですね。こういう世界の中にあると、さまざまな
関係者といいますか、それに携わる人間というのがかかわってくる。その中で、いかにも
日本の
大使館あるいは担当者、当局、当事者の
判断というのが稚拙だというか、問題の原点の把握をせずに走ってしまった。それがために、その直接の
世話をしている当事者が、さっきのような形で、
日本政府にだまされた、いわゆる
大使館の当事者にだまされた、我々の信頼
関係はそこまであったのに、何で結果的にこんなふうになったんだという憤りを持っているということなんです。そういう事実を、私が直接こういう
人たちに会って、かつ
韓国の
大使館の担当者にも、話をしっかりと聞いてきました。そういうところも全部総合して考えると、そんなことが事実だったのかなと私自身も今総括整理をしているわけであります。
そのことに対して、
外務省が把握している事実とどう違うか、あるいは、
外務省としては、あくまでもさっきのような単純な話で、直接
日本人妻を助けようということで努力した二人を犯罪者扱いにして、それで
中国当局に逮捕させたということに対する事実、これを認めようとしないのかどうか。そこのところをもう一回総括して、整理をして、説明してもらいたいというふうに思います。