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山内(惠)
委員 社民党の
山内惠子です。
川口大臣には、きょう初めて質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私は、昨年の十二月、戦争前の
イラクへ一週間、旅行日程を入れてですけれども、ことしの六月の十七日から一週間、社民党の
イラク調査団として
イラクに行ってまいりました。戦後と言われていましたけれども、でも、やはり戦争中だというのが私の実感でした。そして、やはり今戦争中であると思います。
イラクでは、UNHCRの方々、難民キャンプの方々、
国連、国際赤十字センター、赤新月母子保健病院、それから元サダム・フセインという名前のついていた小児病院、がん病棟を見せていただきました。また、ユニセフの
支援の手も届かないという小学校にも行ってまいりました。
どの方々も、
皆さん、治安の
状況が悪いとおっしゃるので、それであれば、
日本からの
自衛隊は歓迎されるのかという質問をしましたが、どの方も、お一人として、
自衛隊の派遣を待っていると言った方はいませんでした。
日本は憲法を持つ国だから、あくまでも平和のメッセンジャーとして来ていただきたいというのが、
イラクの人々の声でした。
その
意味では象徴的な写真、私たちが写してきた写真なんですけれども、これは母子保健病院で写した写真で、先日も、参考人として私が行ったときにお見せしたんです。
私たちの行った二日前に生まれたベニーンちゃんという赤ちゃん、このお母さんは二十八歳、お父さんは民間人で、お店を経営していたというんですけれども、向かいのスーパーがピンポイント爆弾で爆破されたときに、体に破片がたくさん刺さって、三回手術をしたけれども四十五日前に亡くなったという方です。このベニーンちゃんは、お父さんの顔も本当に知らないままこの世で生きていく、そのことを私は戦争の本当に悲劇の
状況だというふうに思ったお会いした方でした。
それから、こちらは大変見えにくいかと思いますけれども、行きも帰りも車の中から見た風景なんですけれども、これは、
イラクの旗を立てていて、米軍出ていけと言っている小さな集会、あちこちで開かれていました。これは私が見た中では大きな集会だったと思います。そういう
状況にあったのが現在の
イラクです。
その
意味でですが、今回は
外務委員会ですので、
日本の
外交ということを考えたときに、
イラクは本当に親日の国でした。それで、憲法のおかげで、アラブ諸国すべてにわたって、基本的に軍事的にシロであるという
日本の国がやはり愛されているんだと私は思います。しかし、今回、
自衛隊を派遣するということになれば、このきずなが壊されかねないと私は思っています。
なぜ
自衛隊でなければならないかということにつきまして、石破防衛庁長官は、一般の人であれば回避できないような危険を、
自衛官が武器を持つ権限を与えられて行けば回避できるとおっしゃっていますが、私の実感は全く逆でした。武器を持った
自衛隊が行くことは、むしろ危険を招き寄せると私は思います。
そもそも
自衛隊は安全な非
戦闘地域にしか行かないのですから、それであれば、なぜ武力で危険を回避する必要があるのかというのが
一つの質問。それから、もう
一つ。武装組織でなければ本当に回避できないと多くの
皆さんがおっしゃっているような
イラクの危険な
地域であっても、戦前、戦中、戦後とも、報道
関係者やNGOの方たちだとか一般の人々が大変多く滞在をしていらっしゃいます。武装しないで仕事をしていらっしゃいます。これらの安全を大臣はどうお考えでしょうか。
この二点、最初にお聞かせいただきたいと思います。