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川口国務大臣 また繰り返しになりますけれども、ブリクス
委員長の言っていることは、
査察を続けるときに前提が二つありますと言っているわけですね。
一つは、圧力の存在、そしてもう
一つは、
イラクが
大量破壊兵器の
廃棄を、積極的にといいますかプロアクティブにみずから
廃棄の証拠を見せるということですけれども、そういう態度で
対応をしているかどうか、この二つが存在をして、それでもなおかつ
査察を有効に続けていくには数カ月期間がかかる、これがブリクスの言っていることです。
それで、では、その二つの前提が存在をしているかどうかということですけれども、
日本としては、これは存在をしていないと
考える。
それは、
茂木副
大臣が
イラクに行って、アジズ副首相と二時間、ひざを合わせてといいますかひざ詰めの話をした、それでもなおかつそういうことであった、アジズは非常な、最高権力者の次ぐらいの人ですから、ということです。
それから、圧力を引き続き何カ月もでは置いておくことができるか。私はフランスに、これは余りこういうことをこういう公的な場では言ってはいけませんけれども、フランスはそれでは一緒に兵を出して
イラクに圧力をかける用意がありますかということを聞きました。フランスは私に対して、圧力をかけ続け
イラクの
査察が有効に行われるということを、それを説明することができませんでした。
日本としては、そういう圧力をかけ続ける、あるいは
イラクが積極的な態度で
査察に応ずる、その結果として
査察が有効になるということを残念ながら
判断することはできなかった、そういうことです。
それから、
イラクが少しずつ協力をしているではないかというお話がありました。手続面で、本来もっと前にやっていなければいけなかったことをずっとおくらせた。例えば、
査察官のインタビューの話。これも、五百人近い、四、五百人のリストがあって、なおかつ、最近の時点でも十人を超えた程度のことです。国外で
査察官がインタビューをするということは認められなかった、そういうことであります。
それから、今まで表に出ていることのほかに、二十九項目の
イラクに対して持たれている疑惑がある。
イラクがこの
大量破壊兵器の疑惑を晴らそうと思ったら、全く難しいことではないわけですね。非常に簡単にできることです。そのための
機会を何回も
国際社会は与えた。
最後にイギリスの出したノンペーパー、これも決して難しい条件ではありません。それも
イラクは
拒否をした。もっとも、
イラクが
拒否する前にフランスも
拒否をしたのは非常に残念だったと思いますけれども。
そういうさまざまな
努力を
日本は後押しをし、それを引っ張っていく
努力をし、その上でそういうことになった。
日本としてはできる
努力を全部し、それで非常に残念ながらこういうことにならざるを得なかった。これは
日本としてもそう思っていますし、その結果として
アメリカがそういう
判断をせざるを得なかったということは、真にやむにやまれない
判断、やむを得ない
判断であったということで、
日本は支持をするわけです。
本質は、
大量破壊兵器の
廃棄を、
世界の人類を
大量破壊兵器の危機から守るためにどうやったらそれができるかということであります。