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石破国務大臣 まさしく
先生の御
指摘のような御
議論をどう考えるかということは大事なことだと思っています。それが国民的なコンセンサスを得るというのも大事ですし、昨年も幾つかの答弁で申し上げたことですが、国際的な理解を得るということも大事なんだろうと思っています。
まさしく
先生がおっしゃるように、そんなことをやると、それを超えるような
システムを持とうじゃないか、ミサイルディフェンスの
システムでは
対応できないような、例えばもっと多弾頭化するとか、そういうことをやろうじゃないかという国が出るかもしれないという話はあるんです。
しかし、
ミサイル防衛というのは、常に原点に返らなきゃいけないと思っているんですけれ
ども、これは専守防衛的なものであるということは間違いない。向こうが撃たなければこっちは撃たないわけですね。そして、ミサイルディフェンスというものをどう間違ったって
攻撃的には転用のしようがないわけです、
技術として。そうすると、それに対して、それを乗り越える
システムを持つというのは一体どういう意図なんですかねということをまた考えてみなきゃいかぬということなんだろうと思っています。
私たちは、向こうが撃たなければ決して撃たないということ、そして、抑止力として、撃ったって
意味がないんだ、撃っても撃ち落とされてしまうんだということを確実にしていくことによって、そういう今までの抑止がきかないような国家あるいはテロリストグループ、そういうものに対して
対応ができるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
御批判はいろいろありまして、ミサイルだけではあるまいてと。例えばスーツケース爆弾みたいなものもあるだろう、そういうものに対してミサイル・ディフェンス・
システムは全く役に立たないだろうと。それは確かに、ミサイルの拡散ということに対してはある程度有効に
対応できるかもしれない、しかし
大量破壊兵器の拡散というものに対しては
意味がないじゃないかという御批判は、一面当たっているんです。一面当たっているけれ
ども、では、だからといって
ミサイル防衛やらなくてもいい、こういう理屈になるのにはちょっと無理があるだろうと私は思っているのですね。
私は、例えば日ロ
防衛首脳会談においてもこういう
議論はいたしました。やはりこれも、ヨーロッパにおいては長い長い
議論の末に今の立場があるわけです。
ミサイル防衛システムというのは、何も今日ただいま突然登場したものではございません。本当に直接当てて落とすという
システムは最近のものでございますが、昔の
ミサイル防衛システムというのはもっともっと荒っぽいものでしたよね。直接当てるよりも、近くでどおんと核爆発なんか起こして一遍に無力化してしまおう、こういう非常に荒っぽい
ミサイル防衛システムというのは昔からあったんです。だけれ
ども、そういうことをやりますと被害が拡大する、であるからして、直接当てて本当にミサイルそのものを撃ち落とすんだという発想に変わってきておるわけです。そういう昔の
ミサイル防衛の
考え方の時代から、一体どういうふうにするんだという
議論があり、そしてABM条約があり、ABM条約を合衆国が脱退した、そういうようなずっと歴史的な経緯があるわけでございます。
私
どもは、
ミサイル防衛につきましての
考え方は今副
長官から御答弁申し上げたとおりでございますが、本当に
ミサイル防衛というものが
我が国にとってどれほど重要なものであるのか、専守防衛的なものであり、しかしながら、その
費用対
効果はどうなのか、防衛全体の中でどうなるのかということをあわせて
議論をしていきたい。
それは、国民的なコンセンサスを得るということが大事なことであり、私
どもとしては、
安保会議の議を経、また国会でもいろいろな御
議論がございましょう。これは、いつも申し上げるように、バスやトラックを買ってくるわけじゃありませんから、注文してすぐ届くようなものではございません。それをどうするかということは極めて重要な課題である、その御
議論に供するだけの材料というものをきちんと整えるのが私
どもの責任だというふうに思っておるところでございます。