○渡辺秀央君 午前中の同僚議員の
質疑も承りまして、なるべく重複しない
観点からというふうに思いますが、同時に、先般の
大臣の所信表明のときに
人事制度についての私の
考え方も申し述べたりして御意見を承ったわけでありますが、今日も若干、いわゆるその中でもキャリア
制度ということを、私なりの
考え方も申し上げながら、
大臣と
人事院総裁の
考え方をお聞きしたいというふうに思います。
私は、十月三十一日の本
委員会でも
総裁と、今問題になっているⅠ種試験の合格者の数や
採用手順の透明化について私の
考え方を元に
議論させてもらいましたけれども、今日はその根幹である今申し上げたこのキャリア
制度に関して
質問をさせていただきたいと思っています。
前回も申し上げましたが、我が国においては、明治以来百三十年近くに及ぶこの言わば
官僚制度という
仕組み、その中でもいわゆるこのキャリアという問題について、私は極端に言うなら、徳川幕府の時代から国内の有能な人材を登用して時の国家に対する、
国民あるいはまた政府の仕事を十分にやってもらえる、能力を発揮しながら、そういう条件、環境というのを作ってきた。そういう
歴史的な背景も私はあって、この国の
基本はそういう
意味では、言うならばキャリアに依存しているとかそういうことだけではないけれども、しかしこれは見逃してはならない
一つの我が国の
政治、
行政をやっていく特徴があるある
意味においてはいい点であると、長所でもあると。
しかし、だけれども、今言われているキャリア
制度というものが批判をされているということは、これはもちろん、数々の大蔵省の不祥事だとか、あるいはまた厚生省の薬害エイズだとか農林水産省のBSEの問題だとか、更には昨今、外務省の一連の不祥事、そういうようなことは根っこはキャリア
制度にあるというふうに言われておりますけれども、私は、これは全く九九・九%、もっと有能な人、まじめに
国家公務員として
責任と使命を
考えて、かつまたキャリアとしての特徴ある大きな
責任、
意識の中で
行政に携わってきているというのが九九%以上そういう人たちであることはもう疑う余地もないことだと思うし、これはもう我々
政治に携わる者たちがひとしく
官僚諸君に対する信頼を置いていかなかったら
政治は成り立たないと思うんですね。さっきも、午前中にも同僚議員の中でも
質疑ありましたし、
大臣もまあまあその反対ではなくてという話もあった。それはそのとおりだと思う。
しかし、やっぱり
政治には、我々も
政治学を学んでみて、思い出してみると、多数決原理というのがあると同時にケルゼンの言う多数少数者理論というのがあるわけですね。そういう
意味では、やっぱり少数者の意見というのも聞いていかなきゃいかぬ、あるいは耳を傾ける、かつまた
政権はおごりがあってはいけないということの中で、私はこの問題について率直にこれから
大臣あるいは
総裁と意見の交換をしてみたいというふうに思うわけです、あるいは
議論をしてみたいと思う。
冒頭に、私はこの法案については賛成をいたします。今日的に
考えてもやむを得ざることであるというふうに思います。必ずしも百点満点とは言い難くとも、しかしここにまつわる
公務員制度の
改革、この
給与の問題はおいておいて、
公務員制度の
改革という問題について、これは後で同僚議員があるいは指摘あるのかも分かりませんが、国際的にもILOの
関係する問題になっているという問題点もこれありで、やっぱりこれまで百年以上続けてきた、軍事独裁
政権の中でもあるいは戦後の民主主義の中でも続いてきたこの、
日本の誇るべき
公務員制度と言っていいでしょう、こういうものについて取り組むときにはやっぱり粗製であってはいかぬ、乱造であってはいけない、あるいはまた極めて早急、性急なことであってもいかぬと思うんですね。とりわけこのキャリアの問題については私はそういうことが言えるのではないかと。
総裁は絶えず
議論をしてということを言っておられるが、正に、来年がどうとかこうとかということもあるけれども、私はやっぱり
議論をすることが大事だと。これは、悪いけれども、いつもここで悪口言うようなことで犬の遠ぼえみたいに聞こえると困るが、
政権というのは、それはいつまでも一党支配ということではないわけですよ。いや、百歩譲っても、一党支配であったにしても人間が替わればそれは政策の理念あるいは哲学が変わるわけですから、そういう
意味では、
一つの
政党政権下におけるこういう国の根幹という問題について早急な、性急な
議論、あるいはまた結論ということではなくて、慎重な
議論が必要ではないかと。あるいは、大方の
国民の同意、同感というものが、共鳴ということが得られてこそ
政治に対する信頼も置かれ、かつまた
政権を維持している
政党に対する信頼も維持できるということになることが本当だろうと思うんですね。
そういう
意味で私は、まだ演説やっていると終わっちゃうから終わりますけれども、
質問に入りますけれども、
総務大臣として、
人事院総裁に、このキャリアシステムの功罪ということについて、果たして今日、その
役割あるいはまたマイナス面、現時点でどういうふうに
考えておられるか、特にお二人からそれぞれ意見を承りたいというふうに思います。