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西山登紀子君 日本共産党の
西山登紀子でございます。
九九年の九月の三十日、日本のチェルノブイリとまで言われましたジェー・シー・オー事故が起こりました。私は、当時、
経済・
産業委員として、本
会議質問も含めて、当
委員会でも質問に立った一人でございます。今回、九月一日の東電の首脳陣が一斉に辞任をしたというニュースは、実は私、海外の視察中に知りました。重大な事故につながっていたらという、本当に背筋が寒くなった思いです。
放射能の被害というのは、スリーマイルのあの事故や、チェルノブイリの事故や、ジェー・シー・オーの事故でも明らかなように非常に広範囲ですし、しかも人を選びません。しかも、将来に甚大な被害を及ぼします。当
委員会で取り上げました三十九年前の
政府の試算でも、過酷事故が起こったような場合には、これはもう被害総額というのは国家予算の二倍から三倍にもなるわけですね。当時とは全く比べ物にならない、今は規模が大きくなっております。私、ハインリッヒの法則というのを思い出したんですけれ
ども、小さな不具合が三百、小さな事故が三十、こういうものが積み重なって大事故が起こるというようなことも言われているわけですね。本当にこういう不正が隠されていたということについてぞっとしたわけでございます。
私は、日本共産党は、国会では七〇年代から、この安全神話が安全対策の放棄を招き、逆に危険を招くという警鐘を鳴らしてまいりました。科学的に未確立な原発は危険なものとしての前提に立った厳重な安全対策が必要であり、とりわけ
推進機関とは完全に独立した許認可権を持った規制
機関の設置は、これは
立場の違いを超えて喫緊の課題だと
政府に求めてまいりました。しかし、いまだに
政府は
改善しようという方向が見られておりません。そこで、今度の不正が発覚したわけですけれ
ども、私たちは今回の事態に対しましても、直ちに
国民の安全を守るための措置ということで、第三者
機関による究明と独立した規制
機関の設置などを含みました原発損傷隠ぺい事件を踏まえての五つの緊急
提言というのを総理に申し入れてまいりました。今回の事態というのは、国の
原子力政策の根幹を揺るがす大事件でございます。
政府も
事業者も真剣な
反省と
対応が求められています。まず、何よりも徹底的な真相の究明が必要だと考えます。
今回、十数年も前からの東電やその他の電気
事業者による
一連の事故隠し、データの改ざん、
検査の偽造などが発覚したわけですけれ
ども、私たちは、電力業界全体が長い間の安全神話の呪縛にとらわれ、また効率優先の余りトラブル隠しにまで走っている腐敗体質になっている疑いが濃厚になったと考えております。そして、
国民の皆さんは、東電だけではなくて、
政府が一緒になってこの
申告隠しや不正隠しをしてきたという思いで、原発の
安全性に対する不信と行政不信を併せて強めている。こういう
国民の厳しい批判にこたえるためにも、
事業者はもちろんですが、
政府も、そして国会の取組もまた求められているのではないかと考えています。
最初に、東電の社長、
勝俣社長にお聞きしたいと思います。
言うまでもなく、原発の
安全確保の第一義的な
責任は電気
事業者にございます。私たちは党で東電不正追及チームというのを立ち上げまして、この二か月、東電の
福島第一、第二、新潟の刈羽、東北電力の女川、中部電力の浜岡、日本原電の敦賀など、ずっと原発の
調査に参りました。どこの地元
自治体からも住民からも、安全神話は完全に崩壊した、東電と国にだまされた、こういう声を聞いてまいりました。
そこで、二点お聞きしたいと思います。
東京電力の
中間報告でも、だれの
指示でデータを改ざんしたのか、不正の
指示をしたのか、
報告に記載をしなかったか、あるいはだれがそのことを認めたのかということについては明確にされていません。これでは社長就任の
あいさつの、うみの出しようがないと思うんです。体質を変えることもできない、
再発防止策も立てることができないというふうに考えます。
一つの事例ですけれ
ども、榎本さんという副社長、お辞めになったわけですが、当時の
原子力本部長、この方についても
調査をしていない、
調査委員会の顧問に据えている、こういうことでは
国民の
信頼は
回復できないと思いますが、きちっと
調査をして、そういうことも含めて
公表すべき義務がある、その決意がお聞きしたい。
二点目は、
国民の
信頼を
回復するためには、
原子力基本法第二条、自主、民主、公開の原則に立ち返ることです。
安全性と
信頼の
確保の第一歩として
国民が求めています、定期、自主を問わず、すべてのデータを
公表する決意がおありかどうか、この二点をお聞きしたいと思います。