○山井
委員 今の
坂口大臣の
答弁からも、どれぐらいかというイメージが正直言ってわからないわけですね。
言ったらなんですけれども、これはやってみないとわからない、人によってもさまざまだ、運が悪かったら十年、二十年になるかもしれない。そういうところが当事者の方が一番心配していることで、それだったら、きっちり起訴されて刑罰を受けた方がまだ、あと五年かとか、あと三年かとかいうことが言えるんじゃないかというふうな声が当事者の方からあるわけです。
そこで、私の資料の一ページ目を見ていただきたいんですけれども、これは
通常国会でもお示しした資料で、ドイツの場合は二年、四年、四年、イギリスの場合は、高度な病院から軽度な病院までいろいろありますから、十三・八カ月とか、三百五十日とか、各国によっていろいろありますが、
坂口大臣、私は一番心配していることが三つぐらいあるんですね。
一つは、今予算要求されていることで、専用病棟を建てて、最初は東京とか九州とか、全国に二、三カ所じゃないかと想定されるんですけれども、
地域から離されてしまうわけですね。遠く遠くの
地域に集められて、離されてしまうということ。
それと二番目は、レッテルを張られる。あの
患者さんは
精神病院の中でも
犯罪をされた大変なところから来られたらしいわよというようなレッテルを張られてしまうかもしれない。ただでさえ、私の知り合いも言っていましたけれども、
精神障害者の方が
精神病院から退院するときに、アパートを二十軒回っても全部断られる、病院から出てきた方はお断りですと。それが、こういう専用病棟からだったらますます難しくなるのではないか。
それと、先ほども言いましたように、三番目は、当事者の方々もいつまでここに入っていたらいいのかわからない、もしかしたら、乱暴なことをやっていたら二十年、三十年いるのかもしれないと思ったらやはり、リハビリというか
治療というか、そういうのにも身が入らないかもしれない。不安が募る。つけ加えるならば、そんな遠く行ってしまったら、なじみの友達にももう会いにくい、家族にも会いにくくなってしまうかもしれないんですね。
例えば、イギリスのブロードモアという
司法精神病棟でもこういう問題があって、思っていたより
社会復帰が難しいということが、長期化しているという問題が出ていて、直接はもう
地域が受け入れてくれないから、ほかの病院を転々として、ブロードモアにいたということを消さないと
地域が受け入れてくれない、そんなことも起こっているわけです。
次の二枚目、見てください。ドイツの例。これも、傍線が引いてありますように、「平均
入院期間は約六年。九〇年ごろは四、五年だったが長期化している。これは全国に共通する傾向だ。」これは下のところですね、今の
現状はどうかというと、「少なくとも保安の機能は果たしているが、
治療となると難しさが伴うのが
現実のようだ。」「施設収容には「無期限の自由刑」の側面があることは否めない」。
坂口大臣もドイツのハンブルクの
司法精神病棟を見学されて、そこを見てこられたと思うわけですけれども、私は心配しているのは、
塩崎議員とか
坂口大臣は、いや、もう
治療したら早く帰すんですというつもりでこの
法案をつくられた、ところが、いざふたをあけてみたらそんな簡単に帰せなかったということでは、これは大変なことになるわけですから。
今言った、
地域から切り離される、スティグマ、レッテルを張られる、そして無期限ということで本人の不安も大きい、こういうことで、かえって
社会復帰が難しくなるんではないかということに関して、
大臣、いかがですか。