○西村
委員 激変というものがいろいろな
方向があって、悪い
方向へ激変するとか、不便な
方向に激変するというのではなくて、例えば、前も例に挙げましたように、人民服が解除になって、あしたから、特に女性が、色とりどりの服を着てもいいんだと。これは激変ですが、明るくなる。冬のどんよりした空から一挙に春が来れば、木々が潤い、新緑が芽を吹き、ぱっと明るくなる。これは激変ですけれ
ども、明るくなる。
今私が
質問させていただいたのは、
行政組織との連携のもとで徐々に徐々に
特区をつくっていくということでありますが、このやり口、手法はよくわかりますが、私は、
総理が言っても事務が動かない状態だったんだという宮内さんの、十年にわたって
規制緩和のことを手がけておられるらしいですが、その言に深くうなずいたわけであります。民主主義の民意の付与という正当性を持っている最高者が申しても動かない組織とは何であろうか。この組織こそ、
社会主義パラダイムズの行き詰まりと同じような行き詰まりを来しているんではないか。そうでなければ
特区構想が出てくる前提がないわけであります。それは、我が国政治、
国民から信託を受けて政治的決断をすべきものが、手法が、従来型の手法というか、間違っているんじゃないかな。
ここで申し上げますと、前、山田方谷という方が、「それ、よく天下のことを制する者は、事の外に立って、事の内に屈せず」と。したがって、官僚組織のいろいろな長年の業務の慣例、思惑、それに一々配慮しておる、つまり、事の内に立てばそのことに屈してしまう。神経ずたずたになって十年議論しても結論が出ない。すべからく、事の外に立つべきではないか、事の外に立って、
自分はそのしがらみから離れて決断をすべきことではないかな、こういうふうに思うわけでありますが、まあこれは私の
意見として、つい最近めぐり会った方谷の「理財論」を読んでおると、ああそうか、今の
日本と同じだなと思うんですね。事の内に立って、事の内に屈してしまう。例えば、不良債権ばかりを追いかけて不良債権処理だ処理だといっていたら、内に屈してしまって、ついに不良債権を、キツネが
自分のしっぽを追いかけるようになってしまうんじゃないか、こういうことであります。これを本
法案審議の最中に読んで思い当たったから、
大臣にこの言葉をお伝えしておきます。
次に、
質問の第一項目に戻りますが、昨日の参考人の
意見でもありました。それで、本
法案審議の過程でも、なぜ株式会社が医療に携わってはならぬのかという
意見もありました。根本は、法人というものに関する我が国の
規制が少々おかしくなっているんだ、
時代の進展に合わないんだというふうに思います。
これはどういうことかといいますと、百年以上にわたって、民法三十四条が、自然人以外に権利の主体がある、これは法人だ、その法人のうち、教育や慈善等々、今で言う
社会福祉等々に携わるものは公益法人として役所の許可を受ける、これが公益法人だ、公のために有益なことをする公益法人だ。そのほかは営利法人だ。これは商法でやるという建前であります。最近、これだけでは処理し切れませんので、先ほ
ども話題になっておりました非営利法人法、そして、まだそれでも処理でき切れませんので、中間法人法というものができて、公益法人、営利法人では法人化できないものに法人格を与えるという道をつくっていっているわけです。そのうちに、その他の法人法ということができて、今申し上げた法人成りを可能にする
法律では法人になれない人間の財産や人間の集団も法人になるかもしれません。
ここらで、この百年続いた公益法人という
制度、営利法人という
制度を一度見直すべきではないのかな、こう思うわけです。なぜなら、出発点でお上が公益だと決めれば一貫して終生公益で、例えば、ブリキの仏像を一千万で売っても、そしてめちゃくちゃなぜいたくな
生活をしてもこれは公益法人だ、これはおかしいだろう。片や、営利法人と言われる株式会社は、金をもうける、みずからもうけるわけですね。みずから得た金銭を例えば養老院経営のために投入する、これは株式会社でも可能であって、そして、現実にそれをしている株式会社もおる。これは、営利法人ではなくて、やっていることは公益ではないのか。
こういうことを見ますれば、出発点においては公益も営利もないんだ。それが、現実に法人格を取得して活動しているこの活動の内容が公益であるか営利であるかはある。したがって、活動の実質に即して公益法人に付与されていた特権等々を与えてしかるべきではないのか。このように考えますと、出発点で公益法人とされた法人で、公益の特典を与えるべきではない法人が
日本ではわんさといる。
こういうふうな前提を抜きにして、医療には営利法人はタッチさせないんだという議論をやっていること自体が笑止である、前提が狂っておるという
感じがいたしますが、ぼちぼち本
法案の審議をきっかけとして、
大臣におかれましても、法人
制度の見直し、幾らでも言いますが、出発点でお上が公益と決めて公益の特典を与えれば、いかなる営利を営もうとも、いかなるぜいたくをしようとも、それは公益法人としての特典を享受し続けるという現在の法人
制度は不合理だということを思いますが、
大臣の御所感を
お願いいたします。