○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
私は、八年前の阪神・
淡路大震災の折に、震度七の激震が襲いました神戸市東灘区の
マンションに住んでおりまして、あのときの経験を通して、実は、
マンションの
建てかえというものは遠い将来いつかは来るだろうと。コンクリートは六十年ぐらいもつということでありますから、まだまだ先の話と思っていた
マンションの
建てかえ、または大規模修繕というものが、
現実のものとして一挙に大量に起こった。いまだに、そのときのルールづくりが明確でないがために、まだ裁判で争われている例もある。そういった混乱の中で、私
たちは二つのことを非常に教訓といたしました。
一つは、
マンションというのは、いかに維持管理が大事なのか、どういうふうに維持管理のレベルを上げていくのか。もう
一つは、大変なダメージを受けた場合、また、
老朽化といっても、
相当な
老朽化になると思いますが、そのときに大規模修繕にするのか、または
建てかえをするのか、そういった
合意形成または
合意形成後の段取りを進めていく枠組みをどのようにつくっていくのか。こういったことを問題点としながら、我が党も
マンション問題研究会というものを設立して、そして二〇〇〇年十二月に
マンション管理適正化法、そして通常国会に
マンション建替え円滑化法、そしてこの臨時国会で
区分所有法の二十年ぶりの
改正がなされるということは、私も阪神・
淡路大震災の
マンション居住者の被災者の一人として、感慨深いものがあるわけでございます。
この中身、もう委員会でも随分
質疑、
議論を繰り返しておりますが、まず質問の前に、私の
考えを一点申し上げておきたいのは、今回の
区分所有法で
建てかえの
決議要件が五分の四以上の賛成ということになった。このことについて、要するに
少数派に対する保護はと、こういったことが指摘され、それはもちろん当然なことでありますが、私の阪神大震災の経験からいいますと、あれだけ
マンションが被害を受けて、もう半分壊れている、大規模な被害を受けている状況の中であっても、五分の四の
合意形成というのは大変難しいものがあった。
建てかえをするというのは、やはりそれだけ経済的な要因、大変大きな圧迫になります。生涯で一回の買い物のはずの
マンションをもう一度買いかえなければいけないというのは、大変な困難が伴う。
その中で、私は逆の
考えで思うんですが、今後、
老朽化という中で
建てかえを希望する区分所有者というのは、恐らくほとんどいないんじゃないか。基本的には、やはり大規模修繕、リフォームでやっていこうとするのが当たり前の話だと思います。
しかし、最終的な区分所有者の希望として、やはりこうなった以上
建てかえをしなければいけない、こういう希望者が区分所有者全体の八割以上を占めるという状況というのはどんなものなのか、想像をすることもできないような恐らく大変な状況になるのではないか。そのときに、
建てかえをしようという人が五分の四以上いるのにもかかわらず、その
人たちの思いが、要求が通らないというのは、これは弱者保護というのももちろん大事でありますし、我が党もすごく真剣に
考えておりますが、それ以上に、多数の
皆さんの希望が通らないというのは、この民主主義の社会の中でどうなのかな、こういう思いがいたしまして、通常国会からもこういった
議論を重ねた中で、今回、
区分所有法の
建てかえ
決議が非常にシンプルに五分の四以上の賛成があるということに絞られ、それから先はやはり私的自治ということにゆだねられるというのは、私は、この
改正はよかったのではないかということをまず申し上げておきたいと思うのでございます。
同じ中で、
マンションの現状維持とか原状回復ですね、外壁の補修とか屋上防水、給排水管の定期的な修繕。
マンションを維持管理していく、状況をよくしていくためのいわば定期的な大規模修繕の
決議要件が、今回、これまでの四分の三以上ということから二分の一以上に要件緩和されたわけでございます。
私はここでこの前もちょっと質問をしたんですが、大規模修繕といってもやはり
相当な金額になる場合がある、そのために修繕積立金というのが積み立てられているわけでございますが、修繕積立金を超えてしまうような定期的な大規模修繕の場合に、やはり負担できない区分所有者というのは出てくると思うのです。そういった方
たちはどうなるのか。これについて、前回民事
局長の御
答弁では、一般論としての御
答弁だったと思いますが、究極的には、最悪のケースとしては競売になるというような形の御
答弁がありました。
これについては、私は前回の委員会でも申し上げましたが、やはり何らかの手だてがないと、大規模修繕はやりたい、積立金も積んできた、しかしそれを超える負担が発生する、こういった場合に今のルールではどうなるのか、ちょっとまず
局長からもう一度御
答弁をいただきたい。
局長、よくわかっていると思いますが、よろしくお願いいたします。