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山口(わ)
委員 私が先ほどから申し上げていますのは、やはり介護の本当の目的というのは、寝たきりをふやすことではないので、寝たきりを減らす、つまり、自立をどうさせていくかということにあると思います。それは施設でも同じですし、在宅でも同じだというふうに思っています。そういった意味で、やはり在宅をどう強化していくかということは物すごく大事だというふうに私は思っています。
私も、ついこの間、デンマーク、スウェーデンに行ってまいりまして、その施設を見てきましたが、あちらは、施設サービスも在宅サービスも、サービスの
内容は一緒なんですね。ただ、施設サービスの場合は、家賃という形で別に住宅費は払っているわけです。でも、サービスの
内容は施設であろうが在宅であろうが全く同じ、しかも料金は非常に安いという形になっています。もちろん、自己
負担は当然あります。住宅費の場合は、一〇〇%
負担する人もいれば、お金のない人はゼロという人もいますから、
負担はゼロということでなくて、それは、やはりお金のある人には
負担してもらうのはいいと思うんですが、サービスに不公平がありますと、これはとてもじゃないけれ
ども、こんな不公平なら施設を選んじゃおうということになりますから、やはり私は、施設であっても在宅であってもサービスの
内容を平等にしてほしい。これは私の要望です。
それから、もう一つ要望がございますが、サービスを考える場合に、人間の生活が基盤にならなければいけないと思うんですね。生活が基盤で、その上にサービスがなければいけないと思うんです。
例えば、看護師が看護の目的でサービスに行きます。行ったところが、例えばおむつが汚れていたとしますと、そのおむつのサービスは家事の介護だから看護師はやらないとか。じゃ、その場で見て帰るのかといえば、そうはいかないわけですね。おむつ交換したときに、じゃ、おむつの洗濯は家事だからといって見て見ぬふりして帰るわけにいかないんですよね。その人の生活の中でいろいろなサービスが組み合わされて初めて自立ができるわけですから、そういうサービスのあり方をやはり考えてほしいというふうに思うのです。
今はそうなっていないんですね。頭のいい人が考えるとこうなるのかなと思うんですが、やはり、一人の人間が生活していく上でどういうサービスが重要かということはぜひ考えてほしいし、今言ったように、家事のサービスが身体のサービスより安くて、看護のサービスはもっと高くてというのではなくて、その人の生活のシステムの中でその人にはどういうサービスが必要か、そのためにはどういう
人たちがどうかかわっていくかということで、やはりサービスの金額に余り差をつけるのは私は感心できないというふうに思っています。そういった意味で、ぜひその辺はこれからの改善としてやっていただきたい。
例えば、外国の方でサービスをちょっと私も見学してきたんですが、たまたま、全く文盲の、目の見えない方のところへ行ったんですけれ
ども、そこではヘルパーさんが来まして、夕食だけはその人と二人で考えて、買い物に一緒に行って物を買って帰ってきて、そこで一緒に食事をつくって、そしてそのヘルパーさんは帰られるわけです。ところが、じゃ、お掃除はといいますと、二週間に一回しかやらないんですね。でも、その彼女はとてもお部屋がきれいでした。どうやってやるのと言ったら、見えない手探りでもお掃除をするんだそうです。ですから、朝とお昼は
自分で自立して食べる。そういうふうに、向こうは自立に対する意識が非常に高いし、そういうサービスをきちっと提供していくわけですね。
そういった意味では、やはりヘルパーさんの
教育もそこを大事に、何でも行ってサービスをしてあげることが利用者のためになるのではなくて、利用者が自立していくためにはどういうサービスが必要か、そのためには私は何をしなければいけないかということをヘルパーさんの
教育の中でしていただかないと、幾らサービスをよくしても、自立できない、寝たきりになってしまう、ますますお金がかかって、結局最後は施設へ入らざるを得なくなるということになりますから、やはり私は、その辺は、自立を目的とする。そしてサービスの
内容は在宅、施設であっても同じ、あるいは、家事であっても看護であっても身体であっても、その一連の流れの中で行うサービスであるということを含めて、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
まだたくさん私はあるんですが、きょうは時間がございませんので、また後でやらせていただきたいというふうに思います。
最後に、皆様のお手元に資料が出されていると思うんですけれ
ども、実は、厚生省の管轄の公益法人で介護労働安定センターがありまして、私はこの前もこの
質問をさせていただきまして、百億も一般会計から出ているので非常にびっくりしたんです。
この介護労働安定センターの元職員の方から
厚生労働省職業
能力開発局特別
訓練対策室に要望書が出されていまして、その
内容は、
平成十一年度の出勤簿に、職員が九人いるわけですが、かなり多くの空出張印が押されていたということ、その出勤簿が二重帳簿になっていたということ、その職員を、勝手に職員の印鑑を不正に押して出張をふやしていたということ、そして、その出張旅費で生み出されたお金を飲食費に使われていたというようなことが出されていました。
お手元にあると思いますが、私もこれ、ちょっと見せていただいたんですけれ
ども、とにかく一年間で九人の出張回数が八百六十四回ということですから、二百日の労働時間、労働日数としますと、二日に一回はみんな九人が出張しているということになるので、これは本当におかしいなというふうに私は思ったんです。
この要請書が出されていることは御存じだと思いますが、現在、この要請に基づいて
調査が行われているのでしょうか。そのことをお答えいただきたいと思います。