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衆議院議員(
町村信孝君)
委員もお
考えをいただきたいのでありますが、それぞれの政党がいかなる
政治資金によって
政治活動を展開をしているのか、これは党の成り立ちその他によっていろいろ違います。多分、共産党以外のすべての政党が大なり小なり企業の献金を受け取っているという
実態もあるわけでございます。
また、共産党さん、私は党の内情のことは余り分からないので、もしかしたら間違っているかもしれませんが、赤旗の販売による事業収入というのがかなりの部分を占めているやに聞いておりますが、この赤旗の新聞販売もなかなかな御努力があるんだろうというふうに私も聞いておりますから、それはそれでまた、御党もまた苦労しておられる部分がある。
要するに、言いたいことは、それぞれの党が、やっぱり様々な基盤、よって立つ基盤も違います。私
どもは、幅広い
国民、党員、党友、そういう方々、もちろんその中には企業も入るわけでありまして、そういうものを基盤にしてやっているわけでございますから、そういう
意味で、企業献金あるいは個人献金、
団体寄附等々、様々なものになっております。
したがいまして、私
どもは、こういう企業による献金そのものがどうかということにかんがみますと、これは昭和四十五年の八幡製鉄
政治献金事件の最高裁判決というのがありまして、
委員もよく御承知であろうかと思いますけれ
ども、
憲法第三章に定める
国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能な限り内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しない限り、
政治的
行為の自由の一環として政党に対する
政治資金の寄附の自由を有するということが最高裁の判決で既に明確になっておりますし、また、つい最近でいいますと、生命保険に関する
政治献金の訴訟の大阪地裁判決、これは昨年の七月でございますか、これについても、最高裁判決の
趣旨を踏まえて、
政治献金を行うことの
社会的意義は今なお失われておらず、
政治献金が企業の
社会的役割を果たすことに通じるとの
社会的評価は失われていない、こういう判決もあり、更にこれが控訴されましたけれ
ども、今年の四月に大阪高裁でこの控訴は棄却をされるということで、大阪地裁判決が妥当であるという判断が出されております。
申し上げたいことは、そういう
意味で、共産党の
皆さんは企業献金を一切否定をしておられるのかもしれませんが、世の中では企業の
政治献金というものは認められるんだという前提で今すべてが動いているというふうに御理解を賜れればと、こう思います。
その中で、今、公共事業の受注企業からの献金をどう
考えるかという御
指摘がございました。
なかなか悩ましい難しい問題ではございますけれ
ども、なぜ公共事業だけか、さっき土木、建設の
関係の表をいただきましたが、これは土木、建設ばかりではなくて、場合によればそれはコンピューターシステムかもしれませんし、場合によればビルの清掃工事の受注かもしれません。そういう
意味では、政府、自治体が幅広く公共的に調達をしているものがすべて含まれるので、建築、土木に限定をするという理屈が率直に言って見当たりません。
そうなりますと、すべてそうした公共調達にかかわるものの献金は駄目だということになると、事実上の企業献金
禁止、全廃ということに等しくなります。それはやはり、先ほどの最高裁の判決を一々盾に取るわけじゃございませんが、それは世の中で認められていることとやはり反してくるわけでありまして、そういう
意味で、私
どもとしては公共事業受注企業からの献金の
禁止ということには、直ちにこれに賛同するわけにはまいらないわけでございます。
しかし、だからといって、こうした事件が公共土木事業
関係にあるという事実も私
どもは踏まえなきゃなりませんので、その辺をどのように今後
考えていくか、
政治資金の在り方について、民主主義のコストをどのように
国民に負担をしていただくかという観点から、今後とも真摯な議論をしていかなければならないテーマであるとは
考えております。