○佐藤道夫君 民主党の佐藤でございます。
法案の
提出者にお伺いいたしたいと思いますが、何といいましてもやはり
与党案を中心として
お尋ねをしたいと
考えておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
まずもって、ただいまも話に出ておりましたけれども、この
法律というのは一昨年の十月に制定されまして、昨年の三月から施行されまして、そして今に至る適用事例というのはただの一件でありまして、和歌山の市会
議員が口を利いて役所に圧力を掛けて
利得を得たと、こういう一件だけでございますね。
法律というのは、制定の際にありとあらゆる知能を傾けまして、問題点をお互いに指摘し合って、これはどうだろう、あれはどうだろう、これは是非とも同じようなケースだから入れておくべきだ、これはもう入れるべきではない、やるとすれば別な
法律だ、そういう
議論がありまして、慎重にも慎重を重ねてようやく成案を得まして、それを
国会に提出する。これは役所でもそうやっておりますし、
議員立法、
国会というのは正しく唯一の立法機関ですから、
国会議員というのは立法のためにここに座っていると、こう言ってもいいわけでありまして、これがとっさの思い付きで、まあやろうか、この程度でいいか、やってみよう、やってみておかしかったらそのときまた
考えようかというふうなことで
法律を作成している、
国民はゆめそう思っておりませんから、本当に
議員の先生方は心血を注いで成案をまとめて、
法律というものを世に送り出している、我々もそういうことで
法律というものを大切に大切にしていこうと、こう思っていることは間違いないわけであります。
ところが、この
法律はできて二年もたっていないのに早々と
改正と。これは制定する際に全然だれ一人
考えなかったと。立派な人が大勢いるんですけれども、七百五十人もいる
議員がだれ一人思いも付かなかったことが次々に発生してどうしようもなくなったというので、制定後一年、二年で
改正する、これならば分かる話でございますけれども、今
与党案が示している
私設秘書の問題、これはあの当時も
野党案の中に示されておりまして、この席でも大変口角泡を飛ばす大
議論になったわけでありまして、私もあの当時の
委員会の一
委員でありまして、
与党を代表していろいろと御
説明してくれたのは今、北海道開発庁長官をやっている尾身
衆議院議員でありまして、彼はこの問題について、なぜ
私設秘書を入れないんですかと、こういう
質問に対して、この
法律は
政治に携わる
公務員の
廉潔性を保つためにやるんだと。
私設秘書などというえたいの知れない、どこで何をやっているか分からない、そんな民間人をこんな立派な
法律で取り上げる必要はないんだということを何度聞いても何とかの一つ覚えのようにして答えておられまして、私も
質問しましたけれども一笑に付されまして、それはまた別な問題である、この
法律の
対象とする問題ではないと、こうはっきり断定的なこともおっしゃっておられましたが、余り情勢はそれから変わっていないんじゃないでしょうか、この
私設秘書を入れるということ。
確かに
秘書の
不祥事というのはありましたけれども、
私設秘書が暗躍したというのは、率直に申し上げますと、加藤紘一
議員の佐藤、私じゃございませんよ、佐藤とかいう
私設秘書が暗躍をした、あのケースだけじゃないでしょうかね。
いずれにしろ、
野党案は大体前回提出した案と同じように、いろんな、できるだけ適用幅を広くして
政治の倫理を確立しようと。
国民が、何だ、
国会議員は何をやっているんだ、
地方議員もそれに倣って悪いことばかりしていると、こういうふうに
国民は
考えている、それではいかぬと。別に、適用する適用しないは別として、
議員の
秘書というものはここまでしかやれないんですよ、これを超えたらあなた方は検挙されて起訴されますよ、よくよく御承知の上にと。刑罰法令というのはそういうふうに
国民に倫理を示すわけですからね。
私設秘書はこれは相手にしない、この
法律の性質には合わないと、こういうふうに高らかにうたい上げたこの
法律の基本的
性格が一体どういうことになったのか。
法律の基本的
性格を変えるというのはこれは大問題ですよ。大体、それは別な
法律でやってくれと、普通はそういうことになるわけです。どうしてもそれをやりたければ、この
法律ではだめですから別なところでやってくださいよと。そう簡単に
法律を、枠を広げたり縮めたりそうできるものではないし、しかも制定に当たって、これは断固として入れませんということを自民党の
議員を代表して提案者がそういうことを言っていた。
この
法案を出すについて
お尋ねしたいのは、尾身
議員に、先生はああいうことを言って、
国会で
私設秘書を入れないということを断定的におっしゃられた、今度入れることになりました、何か御意見がございましょうかと。当然お互い同士
議論をしたと思うんです。おれは入れるべきではないと、こういう人だって自民党の中に大勢いておかしくないと思うんですよ。何しろこの
法律はそのために作ったんじゃないんだ、
政治公務員の倫理を確立するために作った
法律なんだ、そんな余計なやつは別のところで
考えてくれと、多分こうおっしゃったと思いますけれども、まずその点、いかがでしょうか。尾身さんもお忙しいと思いますけれども、忙しいとかなんとか言っている問題じゃありませんから、これは。