○国務
大臣(扇千景君) おっしゃる意味はよく分かるんですけれ
ども、私、昨年、
国土交通省、一月の六日に発足いたしまして、四省庁統合したものですから、この
国土交通省の
在り方というものを探るために、全国十ブロックに分けまして全国を回りました。そのブロックごとの
知事さん、そして指定都市の市長さん、財界代表を集めまして、全部、全国回ってお話を
伺いました。
そのときに私は大変びっくりしたのは、隣同士の
知事さん同士でも一対一で話し合ったことがないという
地域、ブロックではもちろんのこと、そういう意味では私は大変大きな勉強をさせていただきました。
そして、一堂に会して話を聞きますと、本当にびっくりしましたことは、例えば例を挙げさせていただきますと、四国四県の
知事さん、集まられましてお話を聞きました。扇さん、これ四国が四県じゃなくて一県、四国県という県だったら、北海道開発庁と同じように四国開発庁ってできていたでしょうね、そうするともっと四国は早く良くなったんじゃありませんかねと、こういうお話、例えばそういうお話もあったり、例えば九州は
一つということで、九州全県の
知事さんがお集まりになって、これからの公共工事は順序も
地域で選択させていただきたい、飛び飛びに高速道路ができたり新幹線ができたのでは利用度がない、自分
たちで順番につないでいきたい、大変私は、九州は
一つという
考え方で我々は協力しますとおっしゃいました。
そのように、私は全国歩いていきますと、皆さん、公共工事は無駄だと言う方もあります。確かに今まで無駄もあったかもしれません。けれ
ども、全国歩いてみると、そういう
地域の発展をブロックでやっていこうという大変意欲に燃えた
地域がたくさんあるにもかかわらず、横の連絡が悪かったと。
しかも、今、
谷林議員がたまたまおっしゃいましたリトルトーキョーをいろんなところへ作っては意味がない。それと同じで、どこへ行ってもいろんなところで、私、商店街へ行くと、何とか銀座というんですね、上に
地域の名前は付いていますけれ
ども、銀座が付いている。何とか銀座商店街と、どこへ行っても銀座があるんですね。それも私もやっぱりもっと個性があっていいと思いますし、そういう意味では、新幹線の駅へ止まっても、今どこの駅へ止まったかというのは分かりませんよね。みんな同じようなビルに囲まれた大都市、中都市ばかりではこれは困ると。
我々が、少なくとも、
国土交通省、観光も受け持っておりますので、あそこへ行けばこれがある、外国のお客様にも
日本人にも是非あれを見ていただきたいと言えるようなそれぞれの
地域の
特性というものがあるんですけれ
ども、その
特性が余り知られていないというか、単発であってそのつながりがないということも含めて、私は実感として、
国土づくりというものは、均衡ある
国土の発展というのは、衣食住足りないときに何としても衣食住足りようという目標はあったことは事実です。けれ
ども、今やそれが全部、今たまたま
谷林議員御
自身がおっしゃったように、リトルトーキョー的なものが全部できたのでは何の魅力もありません。そういう意味では、私は何としても、均衡でどこを切っても金太郎あめじゃなくて、それぞれの個性のある
地域の発展があれば、もっと私は多くのお客様を呼び、また
地域の個性の発展によって
経済の活性化が進むであろう、都市づくりもそうでなければならないと。
そして、いろんな人が住むのにも選択ができると。あそこに行きたい、ここに住みたい、今はこうだけれ
ども、東京だけれ
ども、老後になったらあそこへ行きたいというような私は個性ある
地域の発展というものを願って申し上げているので、なおかつ、二十世紀のハードの世紀と違って、二十一世紀はソフトの世紀ですから、
環境とバリアフリーを考えれば、おのずと老齢
社会で対応できる、そういう受皿を作っていくのが
国土づくりの基本であろうと思って、今
国土交通省でやったことのないことも手を付けているというのが現実でございます。その
手法は長くなりますので失礼いたしますけれ
ども、そういうことに手を付けているのが
国土交通省の今の現状でございます。