○本田良一君 今、何も付け加えずに四番までの質問をお答えを聞いてやってまいりました。
そこで申し上げますが、私は、この官僚の天下り、そういうのは以前は、何と申しますか、批判をするとか、そういうことは実は持ち合わせておりませんでした。それが、今、
大臣がおっしゃったような能力とか、そういうものをずっと
考えて、経験とか、そういうすばらしい企業にとっても社会生活にとっても優秀な人材であると、こう思っておりましたが、この国会に来まして、本当に私は人材を活用するのであれば、五十幾つまでで、あと一人が事務次官になったら辞めるという、そういう
システムでなくて、やっぱりちゃんとした定年までともに切磋琢磨頑張ってもらって、同期の人であっても、そういう仕組みとか、そしてそのひとつの定年というのが終わったら、そういう
権益の中ででき上がった企業でなくて、全然違った異業種、そういうところに行って能力を発揮していただく、そのことが
日本のためにどれくらいのプラスに将来なるか。アメリカはそうしてきているからこれだけ切磋琢磨、
世界に君臨するアメリカに私はなってきたと思いますよ、アメリカの人材は。
それで、私はこの間、
石油公団を、初めて国政調査というのを経験をいたしましたが、行ってまいりますと、この
経済産業省の先輩たちが本当に、社長は何をやっておられますかと聞きましたら、社長として社長の業務をやっていると。特にショックだったのは専務、専務は何をやっておられますかと聞きましたら、社長の補佐をしていると言っておられました。これくらいの答えですね。
だから、本当に
石油公団の中で、
石油備蓄とかいろんな、ほかのところはQC的な安全
管理とか、そういうことをちゃんと年間の計画を持ってやっているという答弁をされた社長もおられましたが、中には今言ったような方がいらっしゃったわけですよ。しかし、この方は本当に立派な人材で、
産業省のときにはそういう方だったと思います。だから、私は思いましたけれ
ども、本当に五十幾つで辞めて、ここにおられて、今六十ぐらいだろうけれ
ども、これだけのまだ一番の能力を持った働き盛りの人が、そして十分などんな事業にでも堪え得る、そういう人がここで本当に社長の補佐ぐらいで一日漫然と過ごしていかれる、これは
日本の国にとっては本当に
損失だなというのを実感しましたよ、行きまして。
それと、私もある大企業の社員であったわけです。だから、よくこの天下りとかいうものには、人間関係よく分かります。私は当初、入社して五年目ぐらいは関連会社のいろんな契約のやり方について相当批判しました。こんな契約とかこういう随契ではいけないとか、金額の、契約金の問題から相当徹底的に私は関連会社を搾り上げて実は契約をやった経験があります。ところが、定年間際の先輩たちが、私がそういう見積り、契約書を作ると相当怒るわけですね。だから、なぜかなと思っておりますと、だんだん私が年が近づいてくると、それが分かるわけです。
私は、一番怖いのは自分の一番最もな課長か一番トップだと会社の中で思っておりました。ところが、トップが怖いのは、次に辞めていくところのどこかの先輩が怖いんですね。だから、関連会社のどこかにいる先輩に非常に気を遣っているんですよ。だんだん会社のことを、一生懸命に全員がトップを含めてやっていかなくちゃいけないときに、一番上の方はどこを
考えておるかといえば、関連会社の先輩のことを
考えて、いつかどこかそこに自分が行かなくちゃいかぬから、その人事も自分で、行き先の人事も含めて、もう頭の中には現
存在をしている自分の企業のことの経営の効率化とか改革とか、それにはもう頭がないというのが分かってきましたよ。
しかし、私もそこまでずっと定年までおったら恐らくそんな人間になっていったでしょうね。これはどんなに私が正義感があっても、そこにたどり着いていけば、当然、私も正義を捨てて次のことに頭はひらめいていったと、こう思います。だから、これは人間のさがと申しましょうか。だから、さがであれば、我々は政治家ですから、
日本の国家のためと国民のことを
考えれば、そのさがを打ち破って改革の方に人材を向けていく、
日本の国家と国民のために優秀な人材を活用していく、その方に向けて改革をしていくのがこれから本当に問われている私は政治の役目だと、こう思っております。
戦争が終わって、あの本当に優秀な人材があのときにどこに行きようもない、就職はない。そうしたときに、いろんな倒産の会社とか新しい会社とか、そういうところに行って新しい会社を起こして、今日のあるのを、高度成長を作り上げた、あの人材はそういう人たちです。本当に立派なキャリアの人は、本当にもう明日の職員に払う給料をどうしようかと、そういう悩んで立ち上げてこられた会社が今日の
日本の隆盛を生んだ大企業になってきているんです。
しかし、そこに今ずっと、官庁も企業も含めてそういうところに入っていった人材が、今はただ漫然と今日の自分のいすと次の行き先を
考えているからこそ、今、外務省のああいうていたらくな瀋陽事件とか、そういう正義感のない官僚ばかりが今、現実に二世、三世の世代の人たちが漫然と過ごしていっている今、今日の官僚の退廃のことになっていると思いますよ。
そこをぶち破るために、それではばっと昔のように戦争を起こして、国が敗れて、そして新しいそこでまた五十年、どうも五十年のスパンのようですね。だから、五十年のスパンでそういう人材が退廃したときに、何か今まで戦争が起こってそういう結果になったけれ
ども、戦争がなくてこれを改革をしていくのは政治は大変厳しい経緯をたどると思います。しかし、現実にアメリカはそれをやってきた。戦争に敗れなくて二百年、アメリカはずっとそういう
一つの機構、やっぱり行政というのがあるわけですから、三権分立で。しかし、アメリカは、そういう政治も頑張るけれ
ども、行政の人たちも頑張ってちゃんと国を支えていく三権分立の一翼を担ってきております。
それは、ある人間は、今、
日本の政治家の中でも、官僚機構をぶち破って、もう昔の戦争で崩壊したときのように、ぶち破って最初からやり直さにゃいかぬという、そういう政治家がおります。私はこれは反対です。そんなことを、それは中には我が党の中にもいるんですよ、そういう人は。だから、それはそんな危険なことはできないと。ちゃんと改革というのは三割か四割ずつ改革をしながら、ずっと歴史を踏んでアメリカのように改革をしていけばいいじゃないかと、こういうことを私は言っているんですけれ
ども。
だから、本当に今ここで、やっぱり官僚の皆さんよりも政治の我々がそこを変えていく。特に、
経済の最も先頭に立つ
大臣、
経済産業省の
大臣がそれをひとつ、小泉総理は自民党をぶち破ってと言って総理になられたけれ
ども、
平沼大臣は、官僚機構が正義と自由主義を徹底してこれを頭に置いて、
日本の
経済産業省がリーダーになって改革をしていくということになって、それを訓話とともに
大臣が改革をしていかれれば、私は次期総理
大臣になられると思いますよ。だから、ひとつそういうことでお願いをいたします。
それでは次に……(「答弁は」と呼ぶ者あり)答弁はようございます。じゃ、お願いします。