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2002-04-23 第154回国会 参議院 環境委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成十四年四月二十三日(火曜日) 正午開会 ─────────────
委員
の
異動
四月十九日
辞任
補欠選任
大仁田 厚君
加納
時男
君 四月二十二日
辞任
補欠選任
加納
時男
君
小泉
顕雄
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
堀
利和
君 理 事
大野つや子
君 佐藤 昭郎君 清水嘉与子君 福山 哲郎君
高橋紀世子
君 委 員 愛知 治郎君 山東 昭子君 西田 吉宏君 真鍋 賢二君 江本 孟紀君
小宮山洋子
君 谷 博之君 ツルネン
マルテイ
君 加藤 修一君 福本 潤一君
山下
栄一
君 岩佐 恵美君
国務大臣
環境大臣
大木
浩君 副
大臣
環境
副
大臣
山下
栄一
君
大臣政務官
環境大臣政務官
奥谷 通君
事務局側
常任委員会専門
員 山岸 完治君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
土壌汚染対策法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
環境
及び公害問題に関する
調査
(G8
環境大臣会合
及び第四回
日中韓
三カ国環
境大臣会合
に関する件) ─────────────
堀利和
1
○
委員長
(
堀利和
君) ただいまから
環境委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る十九日、大
仁田厚
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
加納時男
君が選任されました。 また、昨日、
加納時男
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
小泉顕雄
君が選任されました。 ─────────────
堀利和
2
○
委員長
(
堀利和
君)
土壌汚染対策法案
を
議題
といたします。
政府
から
趣旨説明
を
聴取
いたします。
大木環境大臣
。
大木浩
3
○
国務大臣
(
大木浩
君) ただいま
議題
となりました
土壌汚染対策法案
につきまして、その
提案
の
理由
及び
内容
の
概要
を御説明申し上げます。
土壌
が
有害物質
により
汚染
されると、その
汚染
された
土壌
を直接摂取したり、
汚染
された
土壌
から
有害物質
が溶け出した
地下水
を飲用すること等により人の健康に
影響
を及ぼすおそれがあります。 この
土壌汚染
につきましては、これまで明らかになることが多くありませんでしたが、近年、企業の
工場跡地等
の再
開発
や
事業者
による自主的な
汚染調査
の
実施等
に伴い、重金属、
揮発性有機化合物等
による
土壌汚染
が顕在化してきております。特に最近における
汚染事例
の
判明件数
の増加は著しく、ここ数年で新たに判明した
土壌汚染
の
事例数
は高い水準で推移してきております。 これらの
有害物質
による
土壌汚染
は、放置すれば人の健康に
影響
が及ぶことが懸念されることから、これらの
土壌汚染
による人の健康への
影響
の懸念や
対策
の確立への
社会的要請
が強まっており、このような
状況
を踏まえ、
国民
の安全と安心を確保するため、こうした
土壌汚染
の
状況
の
把握
、
土壌汚染
による人の
健康被害
の
防止
に関する
措置等
の
土壌汚染対策
を
実施
することを
内容
とする本
法律案
を提出した次第であります。 次に、この
法律案
の主な
内容
につきまして、御説明申し上げます。 第一に、この
法律
の
目的
は、
土壌
の
特定有害物質
による
汚染
の
状況
の
把握
に関する
措置
及びその
汚染
による人の健康に係る
被害
の
防止
に関する
措置
を定めること等により、
土壌汚染対策
の
実施
を図り、もって
国民
の健康を保護することとしております。 第二に、
土壌汚染
の
状況
を的確に
把握
するため、
有害物質
の製造、
使用
又は処理をする施設であって、
使用
が廃止されたものに係る
工場
又は
事業場
の敷地であった
土地
の
所有者等
は、その
土地
の
土壌汚染
の
状況
について、
環境大臣
が
指定
する者に
調査
させて、その結果を
都道府県知事
に
報告
すべきものとするとともに、
都道府県知事
は、
土壌汚染
により人の健康に係る
被害
が生ずるおそれがある
土地
があると認めるときは、その
土地
の
土壌汚染
の
状況
について、その
土地
の
所有者等
に対し、
環境大臣
が
指定
する者に
調査
させて、その結果を
報告
すべきことを命ずることができることとしております。 第三に、
土壌汚染
の
状況
の
調査
の結果、その
土地
の
土壌汚染
の状態が
一定
の
基準
に適合しない場合に、その
土壌汚染
の
管理
を適切に図るため、
都道府県知事
は、その
土地
の
区域
を
指定区域
として
指定
及び公示するとともに、
指定区域
の台帳を調製し、保管すべきこととしております。 第四に、
土壌汚染
による人の健康に係る
被害
の
防止
を図るための
措置
として、
都道府県知事
は、
指定区域
内の
土地
について、
土壌汚染
により人の健康に係る
被害
が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、その
土地
の
所有者等
以外の者の
行為
によって
汚染
が生じたことが明らかであって
一定
の場合には、その
行為
をした者に対し、それ以外の場合には、その
土地
の
所有者等
に対し、
汚染
の
除去等
の
措置
を講ずべきことを命ずることができることとしております。あわせて、この命令を受けた
所有者等
は、その
汚染
が他の者の
行為
によるものであるときは、その
行為
をした者に対し、
汚染
の
除去等
の
措置
に要した費用を請求することができる旨を
規定
しております。また、
指定区域
内において
土地
の形質の
変更
をしようとする者にその
施行方法等
を
都道府県知事
に届け出ることを義務付けるとともに、
都道府県知事
は、その届出に係る
施行方法
が
一定
の
基準
に適合しないと認めるときはその計画の
変更
を命ずることができることとしております。 第五に、本法に基づく
土壌汚染
の
状況
の
調査
を行う者として
環境大臣
が
指定
する
指定調査機関
について、その
指定手続
、
土壌汚染
の
状況調査
の
義務等
の
所要
の
規定
を設けることとしております。 第六に、
環境大臣
は、
指定区域
内の
土地
において
汚染
の
除去等
の
措置
を講ずる者に対して
助成
を行う
地方公共団体
に対する
助成金
の
交付等
の
業務
を適正かつ確実に行うことができると認められる者を
指定支援法人
として
指定
することができるものとし、
指定支援法人
は、その
業務
に関する基金を設け、
政府
から
交付
を受けた
補助金
と
政府
以外の者からの
出捐金
をもってこれに充てることとしております。 このほか、
環境大臣
及び
都道府県知事
による
報告
及び検査、国の援助、
国民
の理解の増進、必要な
罰則等
に関し、
所要
の
規定
を設けることとしております。 以上が、この
法律案
の
提案
の
理由
及びその
内容
の
概要
であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
堀利和
4
○
委員長
(
堀利和
君) 以上で
趣旨説明
の
聴取
は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
堀利和
5
○
委員長
(
堀利和
君)
環境
及び公害問題に関する
調査
のうち、G8
環境大臣会合
及び第四回
日中韓
三カ国
環境大臣会合
に関する件を
議題
といたします。 本件について
大木環境大臣
から
報告
を
聴取
いたします。
大木環境大臣
。
大木浩
6
○
国務大臣
(
大木浩
君) G8
環境大臣会合
が四月十二日から十四日まで
カナダ
のバンフで開催され、第四回
日中韓
三カ国
環境大臣会合
が四月二十日及び二十一日に
韓国
のソウルで開催されました。
我が国
からは、国会のお許しをいただきまして私が出席いたしましたので、本日はこれらの結果について簡潔に御
報告
申し上げます。 第一に、G8
環境大臣会合
は、本年八月から
ヨハネスブルク
で開催される持続可能な
開発
に関する
世界首脳会議
の成功に向けて取り組むべき
内容
について
閣僚宣言
を採択することが
目的
でありました。私は、この
会議
に出席するとともに、この
機会
を活用して、
気候変動
問題について
米国
、
ロシア
、
カナダ
、
英国
及び
欧州委員会
の
大臣等
と
意見交換
を行いました。 まず、G8
環境大臣会合
では、
環境
と
開発
の
関係
、
環境政策
についての国内的及び
国際的枠組み
の在り方、
環境
と健康の
関係等
の
分野
において活発な
議論
が行われ、その
成果
を
閣僚宣言
として採択いたしました。 今回
会合
における最大の焦点であった
気候変動
問題については、
気候変動
という緊急の課題に
地球規模
での
参加
により対処するため、
温室効果ガス
の排出を削減する
必要性
、
ヨハネスブルク
・
サミット
までの多くの国の
締結
による時宜を得た
京都議定書
の発効、
調査研究
や
技術開発
の
分野
での情報や
優良事例
の
交換
の
強化等
が
閣僚宣言
に盛り込まれました。 また、
ヨハネスブルク
・
サミット
において重点的に取り扱うべきテーマとして、持続可能な
水資源管理
及び省エネルギーのほか、
違法伐採対策
を含む持続可能な
森林経営
についても
閣僚宣言
に盛り込まれました。 このほか、健康と
環境
との関連の
重要性
、
ヨハネスブルク
・
サミット
がその解決のための具体的な行動を立ち上げる
機会
となることが
閣僚宣言
に盛り込まれました。
閣僚宣言
は、
カナダ
の
アンダーソン環境大臣
から、
カナナスキスG
8
サミット議長
でございます
カナダ
の
クレティエン首相
に
報告
される予定となっております。 次に、
気候変動
問題についての
各国大臣等
との
意見交換
について御
報告
申し上げます。 私は、
米国
の
ホイットマン環境保護庁長官
、
ロシア
の
ヤコベンコ天然資源省事務次官
、
カナダ
の
アンダーソン環境大臣
と会談し、すべての国が
参加
する
地球規模
の
取組
を進めること及び
京都議定書
の
早期批准
を行うことを強く
働き掛け
ました。また、
米国
に対しては、四月初頭に開催された
日米ハイレベル協議
によって合意された、
市場メカニズム
、
科学技術等
の三つの
分野
におけるプロジェクトを具体化していくこと及び
ハイレベル協議
を継続していくことを確認いたしました。
ロシア
と
カナダ
に対しては、
温暖化防止
のための
科学技術協力
の推進についても
意見交換
を行いました。 さらに、
英国
の
ベケット環境
・食糧・
農村大臣
及び
欧州委員会
の
ヴォルストローム環境担当委員
とも会談を行い、他国に対する
京都議定書
の
早期批准
に係る
働き掛け
を共同して行っていくことを確認し、
地球温暖化対策
に係る
連携等
について
意見交換
を行いました。 私は、今後とも、できるだけ多くの国の
参加
を得て、
京都議定書
が
早期
に発効するよう、
関係国
に対して一層
働き掛け
を行ってまいりたいと考えております。 また、
ヨハネスブルク
・
サミット
については、今回のG8
環境大臣会合
を踏まえ、各界の
関係者
とも密に連携しつつ、
我が国
の経験と知恵を生かした具体的な
貢献策
を練り上げ、
サミット
の
成果
に
我が国
の具体的な
提案
が盛り込まれるよう準備を進めてまいりたいと考えております。 第二に、第四回
日中韓
三カ国
環境大臣会合
について御
報告
いたします。
日中韓
三カ国
環境大臣会合
は、
北東アジア
の中核である日本、
中国
及び
韓国
において、
北東アジア地域
や
地球規模
での
環境
問題に関する
協力関係
を強化することを
目的
として開催しております。今回の
会合
では、
ヨハネスブルク
・
サミット
へ向けた
取組
、
気候変動
問題、最近関心を集めている黄砂の問題を始めとする
環境
問題についての
議論
を行い、その
成果
を
共同コミュニケ
として採択いたしました。
気候変動
問題に関しては、今後、三か国が
国内努力
と
国際協力
を強化していくべきことについて
意見
の一致を見ました。また、
中国政府
、
韓国政府
とも
京都議定書
の
締結
に前向きに取り組んでいることが確認できました。 また、この
機会
に、
李漢東
、
韓国
の
国務総理大臣
を訪問し、幅広い
意見交換
を行うことができました。 私は、引き続き、
北東アジア
、さらに
地球規模
の
環境保全
に資するよう、
中国
及び
韓国
との対話と
協力
を推進してまいりたいと考えております。 以上です。
堀利和
7
○
委員長
(
堀利和
君) 以上で
報告
の
聴取
は終わりました。 次回は来る二十五日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会