運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
2002-03-28 第154回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
平成十四年三月二十八日(木曜日) 午前九時開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
佐藤
雄平
君 理 事 中川 義雄君 脇 雅史君 海野 徹君 渡辺 孝男君 委 員 後藤 博子君
佐藤
泰三君 伊達 忠一君 仲道 俊哉君 西田 吉宏君
西銘順志郎
君 日出 英輔君 森田 次夫君 岩本 司君
佐藤
泰介君 遠山 清彦君 紙 智子君 小泉 親司君 島袋
宗康
君
事務局側
第一
特別調査室
長
鴫谷
潤君
参考人
琉球大学名誉教
授
放送大学沖縄学
習センター所長
尚
弘子
君
九州大学大学院
法学研究院助教
授
前泊
博盛
君
環境運動家
沖縄
県
高等学校
障害児学校教職
員組合教文部長
前川
盛治
君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
沖縄振興特別措置法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
佐藤雄平
1
○
委員長
(
佐藤雄平
君) ただいまから
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
を開会いたします。
沖縄振興特別措置法案
を議題といたします。 本日は、
本案
の
審査
のため、
参考人
として
琉球大学名誉教授
・
放送大学沖縄学習センター所長
尚
弘子
君、
九州大学大学院法学研究院助教授
前
泊博盛
君及び
環境運動家
・
沖縄
県
高等学校障害児学校教職員組合教文部長前川盛治
君に御
出席
いただいております。 この際、
参考人
の
方々
に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ、当
委員会
に御
出席
をいただき、誠にありがとうございます。 皆さんから忌憚のない御
意見
を賜り、
本案
の
審査
の
参考
にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 本日の議事の進め方でございますが、まず
参考人
の
方々
からそれぞれ十五分以内で御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の
質疑
にお答えいただきたいと存じます。 なお、
参考人
及び
質疑者
の発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず、尚
参考人
からお願いいたします。尚
参考人
。
尚弘子
2
○
参考人
(尚
弘子
君) ただいま御紹介いただきました
放送大学
の尚
弘子
でございます。
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
の
佐藤委員長
を始め
委員
の
先生方
には、
沖縄
のための
法案作り
に御尽力くださいまして、心から感謝申し上げたいと存じます。 本日は、与えられました時間の中で三点について述べたいと存じます。 まず一点でございますけれども、
沖縄
の
基幹産業
としての
観光
の
振興
についてでございます。 従来の典型的な
観光
のパターンですと、
パック旅行
で
旅行会社
の主導的なオファーによる、どちらかというと、二泊三日若しくは三泊四日というようなタイプのものでございました。しかし、近年の
観光客
は、
目的意識
をしっかり持った、いわゆる
家族中心
か
仲間同士
といった小さなグループによる形に変わってまいっております。名所旧跡や
観光ガイド
の説明を聞くというよりも、いわゆる受動的なものではなくて、
自身
でガイドブックから選び、
家族
、
仲間
で楽しむという自動的といいましょうか、むしろ自主的な
内容
となってまいりました。 今後の
観光
の
在り方
についての
希望
でございますけれども、入り込み客数というのももちろん大切ではございましょうけれども、
沖縄
の地理的・
地域特性
を生かしました多様化したメニューを提供する
観光形態
というのが重要ではないかと思うんです。いわゆる質の
向上
というのを私どもは目指さなければいけないのではないかというふうに感じております。特に、
沖縄
は
世界
的に
長寿地域
として知られておりますし、
沖縄
の
伝統文化
はいやしの
文化
とも言われております。これらの精神的な面と健康・
食文化
、
ウエルネス
というものの融合を実現できるような
観光産業
にするべきではないかというふうに考えております。 実は、私、先月、二月に
ベトナム
へ参りましたけれども、
沖縄
を立ちまして
羽田
、
羽田
から
成田
、そして
成田
から
沖縄
の
上空
を大体、
沖縄
を立ってから八時間か九時間後に
上空
を飛びまして
ベトナム
へ参りました。そのときに、帰りももちろんそうでございますけれども、たまたま
日本
の
航空会社
、機材に飛ばせていただいたということもございますけれども、やはり
沖縄
の場合は、一番南の玄関といいますか、南の
国々
に近いという点からいたしましても、
是非
、那覇空港の
沖合展開
ということが一刻も早く実現すればなということをつくづく感じた次第でございます。 特に、先ほど申し上げましたように、
沖縄
の
不利性
よりも
有利性
を生かしたという形で、例えば保養、療養の
基地
としての
沖縄
の
在り方
とか、それから、現在やっております
タラソ
、それから
マリンセラピー
というのを、私も
日本ウエルネス協会
の理事をしておりまして、ドルフィン、イルカを使いました
セラピー
なども現在行っております。それから、
沖縄
の
食文化
を生かしました
ダイエットセラピー
とか、そういうふうないやしの島としての特徴が
観光
の中で、
観光産業
を
振興
する
意味
で取り上げられたらというふうに考えております。 二点目でございますけれども、
人材育成
についてでございます。
資源
の乏しい
沖縄
にとりましては、
人材育成
ということは極めて重要ではないかと思うんです。
人材育成
への
投資
ほど確実な
投資
はないのではないかというふうに感じますけれども、最近、
新聞等
で
大学院大学
についての
計画
を知りまして、大きな
期待
と夢、感動を覚えているところでございます。 その中で、願わくば、
沖縄ならでは
の特化した
内容
に持っていっていただければ有り難いと思うんですけれども、二十一
世紀
は、私、
栄養生化学
が
専門
でございまして、特に
東洋医学
、いわゆる漢方というのが重要視されてくるのではないかと推察いたします。 私は、一九五二年に
アメリカ
へ留学いたしました。当時、もう終戦直後の本当に
物心とも
に貧しかった
時代
でございますけれども、
アメリカ
では、今では使っていない
言葉
ですけれども、低
開発国
だとかを
対象
といたしました
たんぱく質栄養
の
研究
というのが盛んでございました。それに続きまして
ビタミン時代
、そして
ミネラル時代
と移ってきまして、今はフリーラジカルといいましょうか、抗
酸化物質
の
研究
に
相当世界じゅう
が注目をしております。 そういう
意味
からいたしましても、
沖縄
は、薬草の宝庫と言われておりますし、地理的にも温帯の南限、そして熱帯の北限という、
世界
でも特異な
地理的状況
にございますし、
是非
、
沖縄
を本拠地としたITを駆使した形のバイオテクノロジーの
研究
が
世界
に発信できたらというふうに考えております。
長寿
の地からその最先端の高度な技術、知識というのが発信できるような、
大学院大学
の
内容
に
是非
加えていただきたいというふうに存じます。 三点目でございますけれども、現在、
国立高専
、
高等専門学校
の準備が進みつつありまして、私も
委員
の一人に加えていただいておりますけれども、
研究者
の中には、
学者
さんの中には、従来の
高専
を踏襲するようなものであってはならないと、何で今更というふうなことを耳にしたりしまして、いや、これだけ前向きに私たちやっているけれどもということを申し上げたことがございます。 せっかくこれから、二十一
世紀
になって作るわけでございますので、
是非
、
沖縄
型と申しましょうか、
国際化時代
にふさわしい、南の
国々
に開かれた、
思い
切った形の
高専
にしていただきたいというふうに願っております。 例えば、今、
文部科学省
でも、一クラスの
人数
を減らす、その
研究校
を作って少
人数クラス等
をもう既にスタートをしておりますけれども、
沖縄
の
高専
の場合には、最初からその少
人数クラス
だとか、可能であればそういう形、そしてさらには、南の
国々
、
発展途上国
もたくさんございますし、
沖縄
と地理的、気候的なとか
共通点
を持つ
国々
もございますので、そういうふうな
国々
から
推薦学生
を受け入れるというような、
国際化時代
の特化した形というものができれば大変すばらしいのではないかなというふうに考えております。 私
自身
、現在、
放送大学
に勤務いたしておりまして、
全国
一斉に同じものが学べると、いつでもどこでもだれでもが学べるという形のシステムでございまして、そういうふうな、本当に
日本じゅう
の者が
人材
の
育成
のために
一つ
に向かって学べる体制というのが
高専
の中にも取り入れていただけたらすばらしいなというふうに考えております。 そういう
意味
からも、本日は、
人材育成
、それから
観光
の
振興
という
意味
で、特に
長寿
を
キーワード
としたことにつきまして
希望
を述べさせていただきました。 ありがとうございました。
佐藤雄平
3
○
委員長
(
佐藤雄平
君) ありがとうございました。 次に、
前泊参考人
にお願いいたします。
前泊参考人
。
前泊博盛
4
○
参考人
(前
泊博盛
君) よろしくお願いいたします。 ただいま
九州大学
の方で教鞭を執らせていただいておりますが、
沖縄
の
振興開発
についてもう
研究
をして十五年ぐらいになりますけれども、その中から、
皆様
、
先生方
にたくさんの
法案
を作っていただきまして、この三十年間、ちょうど節目を迎えますけれども、その中で
沖縄
の
振興開発
がどのように進み、そして今どのような
課題
を抱えているのかといった
辺り
をここで少しまとめた形で御
報告
をして、そして
皆様
からまた改めてアドバイスをいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 この三十年間を振り返りましたときに、
復帰
の年、私はまだ小学生だったんですけれども、ドルから円に変わると、それから
基地
というものを抱えたその中で基本的な
人権
といったものがなかなか保障されにくいという
環境
、そういったものの中から
基本的人権
を保障してもらえる
日本国憲法
の下に行こうという、そういった熱い
思い
が、父親や母親や周囲の
大人たち
からの熱い
思い
を聞かされた覚えがあります。その
思い
を持って
本土
に
復帰
をしたのが三十年前の五月十五日であります。 そして、三十年たって、今
沖縄
がどのような
状況
にあるのか。
振興開発計画
が始まりまして三十年、この間に
公共事業費
、いわゆる
振興開発事業費
だけでも六兆七千億円、それから全省庁を入れると十一兆円余りの
予算
が投入をされてきました。その中で目指されたものは何だったのか。それは、
振興開発
においては、
本土
との
格差
を
是正
する、それからもう
一つ
の柱が
自立的発展
の
基礎条件
の
整備
、それから三次振計から加わりました特色ある
地域
としての
沖縄
の
整備
を通して
日本
全体に貢献できる
沖縄
にしていこうという形で進んできました。 実際に、その六兆七千億円投下されました国庫によりまして、
人口当たり
の道路の
普及率
、
整備率
、これは、
格差
で見ますと、一九七〇年
復帰
当時は四六・四%、
本土
の
水準
の四六・四%にすぎなかったものが今六二・四%、これは九九年度の
数字
ですけれども。それから、
面積当たり
でも七〇・四%が一〇七%と、いわゆる
本土
との
格差
を
是正
をするどころか上回る
部分
も一部は出てきています。下水道の
整備率
も八九・二%から九一・七%、それから、ごみの
焼却処理
についても四四・三%から八七・二%、
農業
に至っても、
基盤整備
が遅れていると言われた
部分
、この九・七%しかなかった
本土
との
格差
、それが八三%まで追い付いてきました。医療についても、医者の、
ベッド数
も含めて
整備率
が高まりまして、
本土
との
格差
二九・五%から今一〇六%と、
かなり
の
社会資本
の
整備
を終えています。 その中で、一番最も
沖縄県民
が望んでいる形といったもの、あるいは
政府
自らも
目標
としてきたものが恐らく
自立経済
という
キーワード
であったと
思い
ます。
沖縄
が、
財政
に
依存
しない、それから
基地経済
に
依存
をしない、そういう自立的な
経済
を営めるようにということでこの六兆七千億円が投下され、
沖縄振興開発特別措置法
といったものの中で、あるいは
復帰特別措置法
の中で
かなり
の手厚い
政策
を
展開
をされたということになっています。 ところが、実際に現実はいかがかということになりますと、この
自立経済
を
達成
するための
製造業
といったもの、これは
中城湾
に進んでいます
埋立
て、
中城湾
の
中城湾工業団地
、それからその前の糸満の
工業団地
、そこにいかなる新しい
産業
が立地をしてきたのか、あるいは、そこでの
製造業
といったものがどういう形で
展開
をされてきたのか。願ってやまない
自立経済
のための
内発的エンジン
と言われているこの
部分
で、少し
目標
としたものの
達成
が遅れているような気がいたします。
産業構成
というものを見ますと、
復帰
前に、一次
産業
でいいますと七・三%ありました
沖縄
の総
生産
に占める
構成比
ですけれども、これが九九年度には二・三%と、いわゆる
農業
の
振興
を
政府
が
目標
として打ち上げたにもかかわらず、比率的には残念ながら三分の一
程度
まで低下をしてしまっている。 二次
産業
についても、
復帰
時の二七・九%が一七・六%という
数字
になっております。これは、
全国
ももちろん比率を下げております。
産業
の
空洞化
の問題は
日本
全体の問題でもありますけれども、
日本
全体も、七二年当時四三・六%から二九・三%に下がっております。 ただ、
沖縄
県の場合、これだけの
産業インフラ
を
整備
し、
政府
の特別な
政策
、いわゆる
投資減税
でありますとかあるいは
法人税
の
減免措置
とか、そういったものを、この
委員会
の
先生方
からいただいた様々な
産業振興策
を
展開
してきたにもかかわらず、
製造業
については、
復帰
時に、まだ
振興開発計画
が始まる前の状態で一〇・九%ありました。これが、現在、九九年度の
段階
では五・七%という
数字
になっております。
製造業
の
振興
をうたったこの
振興開発計画
がなぜ
製造業
の半減という形になってしまっているのか、この
辺り
が恐らく次なる振計の
目標
の
課題
にはなるかと
思い
ます。 半面、増えましたのは、
製造業
の減り具合に対して若干減りは少しは抑えられてはおりますけれども、
建設業
、これは一六・四%から一一・四%、これも若干は減っております。しかし、二次
産業
全体の減りを支えるという
部分
では、この
建設業
といったものが今
沖縄
の
経済
の屋台骨にもなっている
部分
だと
思い
ます。これは、正に
公共事業
といったものが手厚く
投資
されてきたそのことによって支えられている
産業
と言えるかと
思い
ます。 今、正に三次振計が終わりまして次なる
振興開発計画
の策定を進めていこうという
沖縄
県でありますけれども、その三次振計の
目標
といったものを、十年前にこの
委員会
の中からも出てきたかと
思い
ます。その中で、やはり
産業構造
の問題、それから
県内
総
生産
の
目標値
、総
人口
、
労働力人口
の
増加
も含めて、
目標値
が掲げられておりました。 その総
人口
、これは、三次振計の
目標
は百三十万人を超えるという
目標
でありました。実際、これは見事に
達成
をいたしまして、百三十二万九千人というのが二〇〇一年の
沖縄
県
人口
であります。
労働力人口
も、六十五万人、これは若干数は少ないんですが、二〇〇〇年
段階
では六十二万人という
数字
になっております。
産業構造
でいえば、一次
産業
は八%の
水準
を
目標
といたしましたけれども、これは六・九%ということで若干落ちております。二次
産業
についても二〇%の
目標
に対して一九・五%ということで、若干の不足でありますけれども、三次
産業
については七二%
程度
の
産業構造
であるということだったんですが、八三・七%ということで、
サービス業
、
サービス産業
に特化した形の
産業構造
が作られているということが言えるかと
思い
ます。
県内
総
生産
については四兆九千億円という
目標
が掲げられました。しかし、二〇〇一年の見通しでありますけれども、これは三兆七千七百億円ということで、約一兆二千億円ほどの
目標値
との乖離が生じております。 大きな
格差是正論
といったものがこの三十年間の
目標
にはなってきたわけですけれども、
社会インフラ
の面につきましては
かなり
の
部分
で
目標
を
達成
していただいている
部分
もあります。しかし、その
産業インフラ
の
整備
が
目標
とした
製造業
、
自立経済
に向けた
産業
の
育成
という
部分
での
課題
をどうしていかなければならないのか、そこが大きな
課題
であります。 それから、
高率補助
という形で
沖縄
に特別な
産業インフラ
のための
財政措置
をいただいております。これによって
社会資本
の
整備
は進んだんですが、一方で、
財政依存度
といったものが
かなり
高まりました。
沖縄
県
経済
の
自立化
という
一つ
の目安になる
部分
ですけれども、
基地依存度
といったものは、
復帰
前の一五%
程度
から今五・六%、正確な
数字
は後ほど触れますけれども、三分の一
程度
に
基地
の
依存度
は落ちている。ところが、
財政依存度
の方は二三・五%から、
復帰
時の、現在三三・一%ということで、
財政依存度
が高まっている。こういった問題が
自立経済
と逆行している
部分
の
課題
と言えるかと
思い
ます。 それから、
インフラ重視
という
部分
で
社会資本
の
整備
に重点を置いてきたために
建設業
といったものが
肥大化
をしてしまった。それから、
農業
に至っても、
農業生産高
よりむしろ
農業土木
の
部分
で、
構造改善事業
といった形での
投資額
、そのことの方が実は
生産額
を上回るといった
逆転現象
も起こってしまっている。
産業振興策
、本当にこれは効果を上げたのだろうかといった疑問の声も
県内
では上がっているということを
是非先生方
にもお伝えをしたいと思っています。 この中で、また新しい
振興開発計画
に向けた三つの
理念
が挙がっています。
一つ
は、選択と集中という
言葉
であります。今、
日本財政
も厳しくなっている。その中で、限られた
資源
を集中的に伸びていく
産業
に投下をすることによって新しい
産業
を育てていこうというコンセプトが次なる振計の柱として出されています。 それからもう
一つ
は、
参画
と
責任
。正に
自立経済
のための、
沖縄
県の
県民
の自立的な活力を
期待
をしたいという
思い
がこの中に入っているかと
思い
ます。 それから、連携と
交流
。
日本
のみならず
アジア
に開かれた
沖縄
として、
アジア
の
人たち
との
交流
、
産業交流
も含めた
理念
が掲げられているかと
思い
ます。 この
辺り
の
理念
、このプラスを、じゃ、どのように作っていくのか、
県民
の知恵が今試されているかと
思い
ます。 ただ、一方で、
参画
と
責任
という
部分
で、
沖縄県民
に対して、このような
産業振興
に失敗したときに、
政府
が
沖縄
県の努力が足りなかったんだというふうな切捨ての論理にはならないことを祈りたいと思っています。 また、詳細については、質問がございましたらその中でもお答えをしたいと
思い
ます。 どうもありがとうございました。
佐藤雄平
5
○
委員長
(
佐藤雄平
君) ありがとうございました。 次に、
前川参考人
にお願いいたします。
前川参考人
。
前川盛治
6
○
参考人
(
前川盛治
君)
前川盛治
といいます。
環境運動家
、
沖縄
県
高等学校障害児学校教職員組合
の
教文部長
をしております。
意見
を述べます。 三月で期限切れになる
沖縄振興開発特別措置法
に代わる
沖縄振興特別措置法
、以下、
新法
と言わさせていただきます。
新法
が今審議されています。 この
新法
は、
沖縄
の
自立的発展
に資するとか、それから施策の配慮として、
沖縄
の地理的、
自然的特性
を考慮する、あるいは
環境保全
に努める等としており、大いに評価できるものです。 また、
観光振興計画
の中に、
環境保全型自然体験活動
の
推進
に関する基本的な方針というのが入っております。また、具体的に
保全利用協定等
も明記されています。これらのことは、
政府
として初めて法制化するものであり、
全国
で事例がない、
沖縄
がこの種の制度を導入した第一号になると言われています。
沖縄
県では、西表島あるいは東村、北部ですね、それから名護市、それから
沖縄
市の
泡瀬干潟
、そういうところで
県内
の豊かな
自然環境
を生かし
普及活動
に取り組んでおり、
推進規定
の
法整備
で弾みが付いてくる、あるいは
環境保全
、
観光
の資質の
向上
になると歓迎の声も大きいです。 二〇〇二年一月、
沖縄
市で行われた「渚の
エコツーリズム
と
地域振興
」というシンポジウムがありましたけれども、そこでも、
放送大学教授
の
濱田隆士
さん、あるいは
国立民族学博物館教授
の
秋道智
彌さん、
南伊豆海洋生物研究所
の
相生啓子
さん等が
沖縄
市
泡瀬
での
体験型ツーリズム
を提案をしています。 この
エコツーリズム
、いわゆる
環境保全型自然体験活動
、この
エコツーリズム
は
沖縄観光
の質的な
発展
であると思っています。これからの
沖縄観光
の目玉になると非常に
期待
をしております。 ところで、
沖縄復帰
後、これまで三次、三十年にわたる
振興計画
で莫大な
国家予算
、先ほど
前泊参考人
も述べておりました、約七兆円が投入されてきました。これらは、
沖縄
の
特殊事情
にかんがみということで、過重な
基地負担
による
沖縄振興
の遅れを取り戻すために行われてきました。それらは、
基地依存
からの
脱却
あるいは
自立型経済
の
発展
を
目標
に取り組まれてきましたが、これまで、そのことが実現されたとは言い難いものがあります。詳しくは、先ほど
前泊参考人
が述べましたので、その辺は割愛しますが、要するに、
公共事業
を
中心
とする
建設業
が比重を増してきて、
土木建築
県
沖縄
県になるのではないのかという指摘もあります。現に、
公有水面
の
埋立
ての
増加率
は、
沖縄
県は
全国
一になっております。
新法
の
施行
によって、国への
財政依存
あるいは
公共工事依存
あるいは
基地依存
による
振興
、そういう
沖縄
県になりはしないのかと非常に
懸念
をしております。そういう
懸念
が払拭されて、この
新法
の成立、
施行
によって、
基地経済
からの
脱却
、あるいは
沖縄
の
自立経済
の
振興
、あるいは
中小企業
、
地場産業
の
育成
、それから
亜熱帯気候
を活用した
農林水産業
の
振興
、それから
環境保全
、
エコツーリズム
を取り入れた新たな
観光
の
振興等
が実現することを強く望むものです。 さきに述べたいわゆる
環境保全型自然体験活動
、こういう
動き
と並行して国、
環境省
は、
沖縄
県の
中城湾泡瀬干潟
などを
重要湿地
に選定して、その
保全
を図るために
保全地域化
を進めていくとしています。 それから、
政府
は新
生物多様性国家戦略
を発表しています。これによりますと、湿原、河川、
干潟
、それから
藻場
、海の
藻場
、それから里山、森林などを
対象
に再生、修復の手だてをするとしています。こういう
動き
は
世界
的な
動き
です。オランダとか
アメリカ
でも今そういう
動き
が活発になっています。
自然環境
を
保全
するあるいは復元する、そういう
世界
的な潮流に今の
動き
はあります。そういう
動き
は積極的に
推進
をしてほしいと思っています。 それから、国連の
環境計画
、これが
沖縄周辺
の
ジュゴン
の保護を訴えて
報告書
を出しています。
ジュゴン
は
沖縄近海
で数頭生息しています。
辺野古沿岸
に主に生息をしていますが、そこへの
基地建設
で
ジュゴン
の絶滅が危惧されています。
環境省
は、今、本格的な
調査
を始めています。
中城湾
の
泡瀬干潟
、その
近海
でも
目撃例
があります。そこは
海草藻場
が非常に
発達
をしている
場所
です。そういうことで、
泡瀬近海
での詳細な
調査
も
是非
やってほしいと考えています。 それから、
沖縄周辺
は貴重な
生物
が最も多くすむサンゴ礁である。これは前から分かっていますが、
アメリカ
とかカナダとか、カリフォルニア、そういう
学者
からも指摘されています。特に、今、
泡瀬干潟
、
移植実験
が行われていますけれども、この
移植先
、ここも非常にサンゴが
発達
をしている
海草藻場
と群生をしています。非常に貴重な
場所
です。 今まで述べたように、この
自然環境
を
保全
する取組、これは全
世界
的な流れです。そして、
日本
国民の世論でもあります。豊かな自然を未来に残す、これは非常に大事な仕事です。自然と共生していく、そして
エコツーリズム
を活用していく、そういうことは非常に大事なことと考えています。今述べたことは、
沖縄振興特別措置法
の趣旨に合致するものです。 そういうことで、
沖縄
は東洋のガラパゴスと言われるほど非常に貴重な
場所
です。いろんな動植物が生息をしています。そういう豊かな
沖縄
を、自然を残す、そうして初めて
振興
の、いわゆる
エコツーリズム
の概念が生かされると私は考えています。そういうことで、この
泡瀬干潟
の
埋立
ては、この今の
沖縄
新法
の精神に反するというふうに私は考えています。 時間もありませんので、あと皆さんに資料をお上げしてあります。
一つ
は、こういう増し刷りの資料です。もう
一つ
は、「
泡瀬干潟
は
沖縄
の宝」というパンフレットですが、まず厚い資料、これのまず概略、ちょっと済みません、見てもらいます。 まず一ページ、開けてもらいます。これは、今、
泡瀬干潟
の
埋立
て予定地です。ちょっと黒っぽくてよく見えないと
思い
ますが、ちょうど真ん中の上
辺り
に米軍の
泡瀬
通信
基地
というのがあります。その下
辺り
、ここが今埋め立てられようとしているわけです。 次のページ、済みません、急いで行きます。この
地域
は、
沖縄
県が出した
自然環境
の
保全
に関する指針で、評価ランクⅠに指定されたところです。 評価ランクⅠというのは何を
意味
するかというと、三ページごらんになってください。そこの下の方に総合評価による区域区分の概要というのがありますが、評価ランクⅠというのは、
自然環境
の厳正な保護を図る区域、
藻場
、
干潟
、サンゴ等が
発達
するなど、健全で多様な生態系が維持されている沿岸海域で、厳正な保護を図る必要のある区域、要するに人が手を付けてはいけないという区域になっています。今、そういう区域が埋め立てられようとしているわけです。 次、
泡瀬干潟
が
重要湿地
に指定されたという、
環境省
が指定したという新聞報道の記事です。
干潟
の
保全
が今叫ばれている。
全国
的に
干潟
の
保全
が叫ばれています。 それから、五ページ。
政府
が発表した
生物多様性国家戦略
、この中でも、失われていく
干潟
、これを復元する。
干潟
を復元するんです。そういう復元作業をこれから
日本
全体でやっていくというようなことを今提唱をしています。 それから、次のページ、六ページ。
ジュゴン
保護についての国連の
環境計画
の
報告書
です。
沖縄
に数頭しかいません。
ジュゴン
は、
日本
では北限が
沖縄
です。ここにしかいないわけです、
日本
では。今それが絶滅の危惧に瀕しているという報道です。 それから、七ページは、
沖縄
のサンゴ礁には貴重な
生物
がたくさんいる非常に大事なところであると。先ほども言いました
泡瀬干潟
の
海草藻場
の
移植先
、ここもサンゴ礁が非常に
発達
をしているところです。これが今、危機に瀕しています。 それから、次のページは、
泡瀬干潟
は非常に豊かな自然である、それで、今後の
エコツーリズム
の拠点になっていく
場所
ということで、シンポジウムが行われています。 次の九ページ。
日本
蜘蛛学会が──
泡瀬干潟
には非常に貴重なクモが生息している。真ん中
辺り
に書いてありますが、ヤマトウシオグモという非常に貴重なクモが生息をしている。そういうことで、ここは
埋立
てはしないでほしいという蜘蛛学会の要請書です。 それから、次のページ、十ページから後は、日弁連が先ほど三月の十五日、内閣府、
環境省
、
沖縄
総合事務局、
沖縄
県、
沖縄
市に出した
意見
書です。 もう時間もありませんが、
意見
の趣旨を読み上げます。「国および
沖縄
県は、
中城湾
港(
泡瀬
地区)
公有水面
埋立
事業を中止し、
沖縄
市と協議のうえ、
泡瀬
(あわせ)
干潟
について国設鳥獣保護区を設定する等の
保全
措置を講じ、ラムサール条約上の湿地登録手続をなすべきである。」という
意見
書を出しています。これは、
意見
書がずっと続きます。 十九ページからは、
沖縄
の
泡瀬干潟
を守るために活動している
泡瀬干潟
を守る連絡会というのがありますが、そこが
沖縄
県知事に出した要望書です。詳しくは、もう時間がありませんから、また後で述べますが。 一番最後にカラーの写真が三枚載っております。ちょっとごらんになってください。 一枚目、
泡瀬干潟
の潮干狩りをしている風景です。その左の真ん中は、いろんな貝が取れる。右上は、
埋立
て予定地がこういうふうに
ジュゴン
のえさ場になる、海草が非常に
発達
をしている非常に貴重な
場所
です。右の真ん中、シギ、チドリの
仲間
のムナグロが、昨年の四月、千三百羽ほどこの地に飛来をしています。その写真です。それから、左下には、絶滅危惧種のクビレミドロがいます。右下には、ミナミコメツキガニが、人が住んでいるところの近くにこういうミナミコメツキガニの大群がいる非常に貴重な
干潟
です。 二枚目。二枚目は
移植先
の
環境
です。今、
海草藻場
の
移植実験
が行われていますが、
移植先
、左上、先ほど言ったように枝サンゴと海草が群生をしている本当に貴重な
場所
です。左中、ここはいろんな動物がいます。マダラウミヘビもいたり、それから右上、ワタリガニ、
海草藻場
が
発達
をしていますから、いろんな貴重な動物がいます。それから、右の写真は移植された移植塊です。右の真ん中、見てのとおり、周辺の土砂が流れ出して地下茎が露出しています。これは、そのままにしておくともう枯れてしまいます。右下、だんだん枯れていく状態ですね。左下、もう見てのとおり、白けた砂の捨て場みたいな状態になっていることを示しています。 一番最後の写真。一番最後、二枚の写真がありますが、上の写真は
埋立
て予定地、いわゆる
移植実験
の採取地です、採取地。真ん中、豊かな
藻場
がありますね。元々はこういう
場所
であったわけです。それが周辺がはぎ取られてしまっている
状況
を示しています。下、周辺がはぎ取られたために、残った
藻場
も地下茎が露出をして、やがて枯れていこうとしている、そういう
状況
を示しています。 そういうことで、
沖縄振興特別措置法
の趣旨を言うならば、こういう貴重な
泡瀬干潟
は
是非
残して
エコツーリズム
の拠点にしていくべきだというふうに私は考えています。 以上です。
佐藤雄平
7
○
委員長
(
佐藤雄平
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
からの
意見
聴取は終わりました。 これより
参考人
に対する
質疑
に入ります。 なお、
参考人
の
方々
にお願い申し上げます。 御発言の際は、その都度
委員長
の許可を得ることになっております。また、各
委員
の
質疑
時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。 それでは
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
西銘順志郎
8
○
西銘順志郎
君 どうも、
参考人
の
先生方
、大変御苦労さまでございます。貴重なお時間を費やしていただいて、当
委員会
で大変また貴重な御
意見
も拝聴させていただきました。 私どもの
委員会
、今、大変重要な
法案
を審議しておる中でありますから、
先生方
の
意見
等も
参考
にしながらこれから、明日が最終日になろうかと
思い
ますが、進めてまいりたいというふうに
思い
ますので、今日はよろしくお願いを申し上げたいというふうに
思い
ます。 限られた時間でございますので、十五分という大変短い時間でございますから、私は尚先生にお伺いをさせていただきたいというふうに
思い
ます。 尚先生は行政経験も大変豊富でいらっしゃいますんで、先ほど
前泊参考人
からお話があったんですが、第一次の
振興開発計画
から、第三次の
振興開発計画
がやがて終わるわけでありますけれども、これらの三次振計までの総括をしていただいて、どのようなお考えをお持ちになっているのか、お聞かせをいただきたいというふうに
思い
ます。
尚弘子
9
○
参考人
(尚
弘子
君) 今年が
沖縄
の
復帰
三十周年ということで、第一次、第二次、第三次と、先ほどから
参考人
の方も述べておられましたが、七兆円に近い
投資
がなされているというようなことから、正直申しまして、インフラだとか、それから高速道路とかというような大変便利さというものを私たちは享受しているということは確かでございます。 大変私的になりますけれども、私
自身
、第一次、第二次の
振興開発計画
の下では、国立移行という、琉球大学に三十五年勤務しましたので、国立移行という状態の中で
研究
活動を続けてまいりました。勤務していての
研究
環境
といいますか、そういう面では大きく差が出たということは確かでございます。
研究
費の面でも、それから学会等、結局
日本
の一県という
意味
で、
研究
の中での活動というのは大きく花が開いたというふうに私は考えております。 そういう
意味
で高く評価したいということを述べたいと
思い
ますけれども、
沖縄
の
県民
自身
のもっと自主的な前向きな行動というのも確かに必要ではなかったかなと。ただ享受するだけ、インフラその他で、それに甘んじてというふうな形のものは、私どももっと考えるべきではなかったかなという反省も大いにございます。
西銘順志郎
10
○
西銘順志郎
君
前泊参考人
、大変
数字
に裏打ちされた話をしていただいたというふうに
思い
ます。 確かに、おっしゃるとおり
財政依存度
が非常に高くなってきているんですが、
県民
の平均所得も
本土
の平均の約七二%ぐらいだというような、この三十年間で七兆円近い国費が投入されて、失業率は依然として
本土
の約倍ぐらいあるわけですね。
県民
所得はというと、もちろんこれ、
人口
の動態も分母が増えるわけだから、収入が増えてもなかなかパーセンテージは増えていかないという
部分
はあるかもしれませんけれども、やはり、どこにそういうような原因があったのかということをお考えですか。
前泊博盛
11
○
参考人
(前
泊博盛
君)
かなり
多くのもちろん
課題
があって、複合的な問題としてこの問題は考えなければならないかと思っています。 尚先生おっしゃいましたように、正に
沖縄県民
の自らの活力不足といったものもありましょうし、それから、作られた制度につきましても十分に周知徹底されていない
部分
もありまして、せっかくの制度が使われていないと、あるいは、制度そのものを使おうとしましたら、若干規制が多くて実際には使えない制度も多いといった
辺り
も
産業
界の方たちからお聞きしています。 本当に必要なものは何か。例えば、
観光
でいいますと、
観光産業
は
基幹産業
にはなったけれども、働いている
人たち
の意識といったものを見ますと、なかなかプライドを持って、誇りを持って、県を支えているというような意識にはちょっと遠いのかなと
思い
ます。若者が就職先として
観光産業
をまだ一番最初に挙げていない、この
辺り
の意識をきちんと作ってあげるような教育も取組が弱かったのかなと
思い
ます。 それから、貿易についても、やはりインフラ
整備
は進めたけれども、例えば、香港やシンガポールといった大きな物流
基地
と比べますと、もうほとんどないに等しいインフラであると。ガントリークレーンがたった一個です。百や二百あるところと勝負をしようといった
辺り
でも、南に開かれた玄関というには少し寂しいインフラのような気がします。 ですから、使おうと思ったときに十分ではないインフラ、あるいは使おうと思ったときに知らされていない制度、使おうと思ったときに実際には使い勝手の悪い制度といったものがあると、そこら辺も
課題
ではないかと思っています。
西銘順志郎
12
○
西銘順志郎
君 僕たちもよく
仲間同士
でいろんな話をするわけですけれども、例えば今、
県民
の平均所得が
本土
平均の七二%、これを逆に
本土
平均の一〇〇%というか、平均の一〇〇%に持っていくと、仮に
数字
の話をすると、
本土
四十七都道府県の中でベストテンに入ってくるんです。この辺をなかなか皆さんよくお分かりにならないんだけれども、大変厳しい難しい問題だというふうに僕は理解はしていますが、どういうふうにしたら、これ、この
本土
平均まで持っていけるかというようなお考えですか。持っていけるんじゃないかというふうなお考えがあればお聞かせを願いたい。
前泊
さん。
前泊博盛
13
○
参考人
(前
泊博盛
君) 正に、これはもう
先生方
にお知恵をいただきに参りましたのが私のこの場にいる理由でありますけれども、私はいろいろ考えまして、今、
県民
の一人としてこうありたいと思うような理想はございます。 例えば、今おっしゃいました
数字
の
部分
で言いますと、
全国
平均の七〇%を切ったり、あるいは、今回復して七一%
程度
だと
思い
ますけれども、東京都あるいは大阪、福岡といった主要都市圏の所得
格差
と比べますと、この差はもっと広がります。東京と比べますと、恐らく四九%ぐらいの
格差
になるかと
思い
ます。
全国
平均と比べるときに、その大都市が支えているという
部分
では、
日本
全体の
産業構造
の問題があるかと
思い
ます。その中で一番、一等の東京と一番下の
沖縄
を比べると、それほどの大きな
格差
になってまいります。 しかし、それを
目標値
ということで言えば、例えばOECDの、いわゆる金持ちクラブともやゆされますけれども、そのOECDの加盟国の中では、
沖縄
といえどもフランス、一時期はイギリス並みの
水準
になってくるという、国際的な比較で言いますと、
日本
の
経済
力からすればまだまだ十分な豊かさを持っているということになりますけれども、ストックの
部分
、いわゆる
社会インフラ
の
部分
では、やはり欧米に比べると
日本
は少し弱いといったのもあります。
観光
といった
部分
で言いますと、やはりその
辺り
を強化していただかないといけない。つまり、欧米が持っている
観光
資本といったものは、もう二百年、三百年、あるいは一千年の歴史をもって作られたものであると。
沖縄
の場合にはそれが、
沖縄
戦という悲劇もありますけれども、失われたものが
かなり
あります。失われたものを取り戻していくための仕事もこの
振興開発計画
の大きな役割ではなかったかと
思い
ます。この
部分
をもう少し強化していただきたい。つまり、戦争で失われたものをまだ取り戻していないのではないかと
思い
ます。その
部分
の
整備
。 それから、
観光
については、誇りを持てるように、
観光
に従事している
人たち
が、我々が
基幹産業
を支えているという意識をいかにしたらもたらすことができるのか。それはひとつ、本日、ちょっと一部報道にもありましたけれども、価格の決定権を
本土
にあります大手の
旅行会社
に握られているという
辺り
で、
沖縄
が打ち出したい
観光
政策
といったもの、
観光
プランあるいは
観光
商品といったものが、まだ十分に地元から発信されていないのではないかという指摘もありました。この
辺り
を、
沖縄
であれば、例えばホテル、リゾートホテルは高いですけれども、本来なら民宿がその半分のお金で泊まれるはずが、パック料金になると高級リゾートの方が民宿よりも安くなってしまっている。この
辺り
のニーズに即した形の
観光
商品の開発といったものも
課題
かと
思い
ます。 それから、
農業
につきましては、せっかくのこれだけの四百七十万人も来てくださる
観光客
に対して、提供していけるような食品をきちんと
生産
物として押さえていくといった
辺り
も
課題
かと
思い
ます。 済みません、時間を取ってしまいまして。
西銘順志郎
14
○
西銘順志郎
君 余りもう時間もないので最後の質問になろうかと
思い
ますが、
沖縄
のちょっと歴史を振り返って質問をさせていただきたいというふうに思っております。 十五
世紀
、やっぱり琉球に統一王朝ができると、当時、琉球国は
日本
、中国、東南
アジア
、朝鮮、そういうところに繰り出していくわけですね。これがいわゆる大交易
時代
。そのころには
人口
が三万人ぐらいだというふうに言われています。 それから、やっぱり一六〇五年、これは野国総管が中国からカライモを輸入してやってくる。救荒作物として
沖縄
全体に広げていくわけですね。そのころの
人口
は、また六万人ぐらいまでこの芋でちゃんと飯が食っていけるような状態になっていくわけです。このカライモは
かなり
普及をして、一七二七年、これは恐らく統計が取られたんだと
思い
ますが、詳しい
数字
が出ていますが、約十三万人ぐらいの
人口
にまで増えていっているわけであります。そして、十八
世紀
にはサイオンの
農業
振興
策といいますか、サトウキビ等の
振興
策によって
人口
が二十万人ぐらいまで増えてくるというふうに言われています。 こういうような歴史を振り返ってくるときに、私は、今回の
振興
新法
というのは、正に稲嶺知事が魚よりも釣り道具を下さいというような形のものに正に匹敵するような新しい法律だというふうに認識をしておりますが、尚
参考人
、それから
前泊参考人
、どのようにお考えになるのか、端的にひとつお答えをいただきたいなというふうに思っています。
尚弘子
15
○
参考人
(尚
弘子
君) 確かにおっしゃるとおりでございまして、
沖縄
の場合、十七
世紀
ですよね、カライモが入って。本当は十四
世紀
に中国からの帰化した人が豚を持ち込んでいるんですね。ですけれども、人が食べるにも事を欠くという状態の中で、結局豚というのが定着しなかった。しかしながら、十七
世紀
にカライモが持ち込まれたと同時に、芋と豚というコンビでもって
人口
がどんどん増えていったという歴史的なバックがございます。この豚と芋のコンビというのは、
世界
的に見まして
食文化
の中でいわゆる危機、飢饉を救うというようなストーリーの中でたくさん出てくるんですね。 ですから、そういうところを見ますと、
沖縄
も地理的な
不利性
というのが大変従来大きかったと思うんです。そんな中でこれだけの
振興計画
というのができて、そして従来、私もちょっと行政におりましたけれども、五十数兆くらいじゃなかったかと思うんですね、あの
振興開発計画
は。これが、今回ちょっと勉強させていただきまして見ましたら百二十兆という、七十兆も増えて、
先生方
のおかげで、そういうふうなソフトの面だとか、これから自立していかなければいけない
沖縄県民
へのいろんなものが盛り込まれてきたという
意味
では、私は、大いに私どもがそれをいかに生かすかという
意味
で頑張らなきゃいけないんじゃないかというふうに
思い
ます。 たくさん申し上げたいんですけれども、時間がないようですので。
前泊博盛
16
○
参考人
(前
泊博盛
君) 先生おっしゃるとおり、たくさんの制度を盛り込んでいただいておりますから、その活用に
期待
をしたいと思っています。
先生方
が作っていただいた制度、これがより実効性のある形になればと。今までの三次振計も含めて制度としては十分なものをいただきました。これが実際に運用される
段階
で若干骨抜きにされているという指摘があります。この
辺り
をきちんと
先生方
にも、この十年間監視をしていただいて、なぜ実効性が上がらないのかを毎年検証していただければ、恐らくや実効性のあるものになっていくかと
思い
ます。
海野徹
17
○海野徹君 おはようございます。 民主党・新緑風会の海野徹であります。
参考人
の諸
先生方
には大変早朝から御苦労さまです。 二、三、お話をお聞かせいただきたいなと
思い
ますが、尚
参考人
にまずお伺いしたいなと
思い
ます。
観光
振興
が非常に大事であるというお話でした。私もそう
思い
ます。四千六百億ほどのお金が
観光
に絡んで
沖縄
の
数字
で出ているわけなんですが、先ほども
前泊参考人
からも話もありましたが、何か
観光
植民地とやゆされているような状態があって価格決定権を持っていないと、あるいは旅行代理店がほとんど手数料で持っていってしまって中身がないというような、これは旅行代理店が二割から、多いと四割まで手数料で持っていってしまっているということで、四千六百億の中で
沖縄
に本当に落ちているのはその半分ではないかと言われておりますね。 しかも、土産物をなかなか買わなくなってきたということで、大変そういった
状況
の中でも、あるいはなかなか若年層が
沖縄
の
観光
が非常に
産業
の
基幹産業
だと言いながらも就職をしたがらない
一つ
の原因かなと私は思うわけなんですが、その
観光
振興
のために、
沖縄
が特にその四千六百億、あるいはこれから増えていくであろう五千億、六千億になったときに、
沖縄
に落ちるお金がより多くなるためには具体的にどんなことをこれからやっていった方がいいのか、行政の経験されている
参考人
ですから、その辺の日常的なお考えあると
思い
ますから、その辺をお聞かせいただきたいなと
思い
ます。
尚弘子
18
○
参考人
(尚
弘子
君) 確かにおっしゃるとおりで、
沖縄
の
観光産業
というのは大変不安定な状態というのは認めざるを得ないと思うんですね。ですけれども、私が一番望みますのは、国で健康休暇というのが法律で定められました。月曜日に法定休日を持ってくると。これから小学校、中学校
辺り
が週休二日になりますと、金曜日
辺り
から移動して最低二泊三日という旅行ができるような状態があるんですけれども、そういう健康休暇に対して、健康保養地的な何か立法化できるような方法はないものかというふうに私は考えるんですけれども、
沖縄
は、そういう
意味
では健康保養の地としては私はとても適していると思うんですね。 ですから、
沖縄
の持てるその特性といいますか、それを生かして、そして皆さんが
沖縄
にいらしていただけるような形のものを我々
自身
が作り上げていかなければいけないんじゃないかなというふうに考えております。 といいますのは、従来はほとんど
観光
バスか何かで移動するというのを、今ほとんどレンタカーに代わっているんですね、レンタカーパックといいまして。そして、そのレンタカーというのがほとんど
本土
の業者がやっているという形になりますと、今おっしゃるように旅行社に全部吸い上げられていくということになりますので、もっと我々地元の者がそういうふうなところへ進出するような知恵を出さなきゃいけないと
思い
ますし、これだけの御配慮をいただいていることに対しての我々の力といいますか、自主性というものを発揮しなければいけないんじゃないかというふうに考えております。 海も、若者たちが来てダイビングというのが盛んです。ダイビングの免許が取れるんだとか、いろんなスポットで条例までできて、県の条例まで、セイフティービューローの方も協力をしまして、海の
観光
といいますか、海を楽しむという若者たちへのメニューも出していますけれども、大変メニュー不足という感じがいたします。今後それらを積極的に作っていかなければというふうに考えております。
海野徹
19
○海野徹君 今、
参考人
からお話がありましたいろいろな商品開発やら知恵を出していかなくちゃいけないと。そのために、ある種の地元資本が主導権を握って価格を決定して
一つ
の商品を提供していくというようなために、やはりある特別な制度というか特例というか、そういうものも行政的に必要であるとお
思い
になるんでしょうか。でないと、なかなか、例えば本当にタクシーがだんだん減ってきてレンタカーになっているといったのを聞きます。ホテルのオーナーなんかに聞きますと、シーツ代の、クリーニング代の二千円も出ないよと。だけれども、とにかくお客さんが来てくれれば来てくれるだけ赤字になっちゃうんだよというような声も聞くんですよね。 そうすると、やはりビジネスチャンスがないと、なかなか地元では資本があってもそこへ資本が移動していかないということもありますから、その初期
段階
でのそういう
投資
ができる
環境
を作るために何らかの制度が必要じゃないかなと思うんですが、その点についてはどうでしょうか、尚
参考人
。
尚弘子
20
○
参考人
(尚
弘子
君) 確かにおっしゃるとおりでございまして、
沖縄
の場合には
中小企業
というのが九九%くらいじゃないかなと。その
中小企業
の中にも小の方が乱立しているという状態で、例えば泡盛を
一つ
取りましても、四十七、八社くらいで泡盛を造っているというような状態で、大変に小企業の集まりでございますので、もうここ二、三年は、市町村の統合だとか、いろいろそういう
動き
が出ておりますので、やっぱり企業の面でもおっしゃるとおりで、行政が指導して、そして小企業ができるだけ合体するような形で力を付けていくというのもこれは大事なことかもしれないというふうに感じております。
海野徹
21
○海野徹君 これは、私、この間、名護へ行きまして、北部の首長さん方との懇談会がありまして、その席でもお話しさせていただいたんですが、非常に
沖縄
には独特の
文化
がある。その
文化
とか歴史を背景とした地名あるいは人名がございますよね。我々には読めないような、しかしながら非常にほのぼのとするというか、今、
参考人
がおっしゃったある
意味
ではある種のいやしを感じさせるような、中城にしてもそうだし、東風平町にしてもそうです。非常にそういった歴史とか
文化
性を背景にした地名とか人名があるわけなんですね。 それを、南から北、北から南でもどっちでもいいんですが、そこに
一つ
の物語を付与しながら
沖縄
を紹介するという作業をやったらどうでしょうかというお話をさせていただいたんです。東海道中膝栗毛じゃないけれども、南からずっと北までそういうことをやって、やはり名前だけ、人名というか地名だけでも非常に私は
観光
振興
に資するんじゃないかなと。ただ、一生懸命メモしていただいた首長さんがいらっしゃいまして、そういう商品開発というんですか、そういうPR策というのも私は余りお金が掛からなくてできるんじゃないかと
思い
ますが、尚
参考人
、どうなんでしょう。
尚弘子
22
○
参考人
(尚
弘子
君) おっしゃるとおりで、ジッチャクという、勢理客と書きますけれども、そこで、ただいまの一着は勢理客ですというふうな報道、アナウンスをしたというのでその勢理客というのが一時有名になったりと、大変地名についてはいろんなエピソードがございます。そういう
意味
で、今おっしゃられたような形のものを考えるというのもまた
一つ
の、メニューの中の楽しいものではないかとも考えます。
海野徹
23
○海野徹君
前泊参考人
にお伺いしたいんですが、これから
県民
の知恵を生かすべきだというお話がありました。三十年間いろいろ分析していただいて検証していただいた分かりやすいお話だったと
思い
ますし、いろいろ
参考人
のお書きになったものを私も読ませていただきました。 三十年間、
沖縄
開発庁としてやってきたわけですよね。これから、省庁再編もありまして、内閣府の
振興
局として今後それに取り組んでいくわけなんです。そういう中で、
参考人
が三十年間を検証して将来を見通した中で、この開発庁から内閣府
沖縄振興
局に変わったときの
期待
と
懸念
がございますかと思うんですよ。その点について分かりやすくお教えいただければ有り難いなと
思い
ます。
前泊博盛
24
○
参考人
(前
泊博盛
君)
言葉
の中に含まれた深い
意味
をあえて無視して発言をさせていただきますが、開発庁方式といったものを検証したときに出てきた
言葉
というのが主役なき
経済
という
言葉
でありました。主役なき
経済
は何を指すのか。
産業
の主役を作り切れなかった、あるいは、
産業
の主役たる
人たち
が活躍するステージを作ってきたのが開発庁の役割だというような答えも出てまいりました。
産業
資本あるいは
社会インフラ
を
整備
をして、そのステージで踊っていただく、あるいは演じていただく
経済
界の
人たち
を本来の主役としてそこに上げていかなければならない、それが正に次の振計の新しい舞台ではないかと思っています。 開発庁方式といったものに対する私なりのその
意見
というのは、開発庁は正にその舞台を作ってきた、
社会資本
のインフラの
整備
については
かなり
効果を上げてきたかと
思い
ます。ただ、その上で演じる
経済
界、あるいは
産業
の立地あるいは誘致といったものでは少し弱かったのではないかと思っています。この
辺り
は、先ほど申し上げました
県民
の側の
責任
といったものも大きなポイントになっているかと
思い
ます。 それから、その開発庁、正にその舞台を作っていただいた開発庁が退場しまして、そしてそれに代わる組織として内閣府
沖縄振興
局といったものが出てまいりました。内閣府の中になぜ
沖縄
の問題が入っていったのか。その中で前の、尚先生いらっしゃいますけれども、大田前知事、あるいはその中で副知事をなさっておりました吉元さんも指摘をしておりますけれども、なぜ開発庁ではなく内閣府の中での
沖縄
の
振興開発
を望んだのか。答えは、
基地
問題に対する対応をきちんとしてほしいからだといったことを当時の県政の方たちはおっしゃっていました。開発庁方式では
基地
は所管外と言われてきたその
部分
を、内閣府に入れば
基地
の問題についても対応していただけるだろうといった
期待
感でありました。この
部分
を、私もその
期待
感を持って、長年の
沖縄県民
の願望であります
基地
の整理縮小といった問題に効果を発揮されんことを
期待
をしております。 一方、
懸念
ですけれども、
振興開発
予算
を見ますと、この間、この四年ほどは
振興開発事業費
といったものは、
予算
的に
財政
難というのもありますけれども、
数字
的には減っております。一方で、
沖縄
関係の事業費といったものは上昇に転じております。
振興開発事業費
といったもの、この
数字
を見ますと、九八年度
段階
で四千七百十三億円という
数字
があります。これは大田県政最後の年でありますけれども、その後、稲嶺県政に替わりまして三千八百十五億円、これは九九年度です。それから、二〇〇〇年度が三千六百八十七億円、それから二〇〇一年度が三千五百十八億円と若干減っておりますけれども、
振興開発事業費
以外の
沖縄
関係
予算
になりますと、今五千億を超す
数字
になっております。 この
数字
が、中身の検証はこれからですけれども、
基地
問題とのかかわりの中で
展開
される
振興
策になっていないかという
懸念
があります。
沖縄
の
発展
といったものが
基地
といったものを固定化するためのバーターとして
展開
されるようなことになっていないかという
懸念
であります。それを
是非
、
沖縄
というものの可能性に懸けるという形の
振興
策にこれからもしていただければいいなという
期待
感を持っております。
海野徹
25
○海野徹君 時間がありませんから、最後に
前泊参考人
に聞きたいんですが、
参考人
の文章を読ましていただいて、あるいは先ほどからの御説明を聞きましたら、百三十万人の
沖縄
の総合設計図を自らのペンを持って自らが描くときに来たのではないかということで、
参画
と
責任
、
県民
の知恵が正に求められているというお話がありました。その前提がある
部分
では整ってきたということも感じられます。だけれども、どうしてもそれが欠けている、決定的に欠けている
部分
があるんではないかなと
思い
ますが、それは私の印象です。そのことについての御
意見
をお伺いして、私の質問を終了させていただきます。
前泊博盛
26
○
参考人
(前
泊博盛
君) 尚先生からも指摘がありました人づくりの
部分
がもう少し大事だったのではないかと思っています。
沖縄
はよく言われます。厳しい方たちからの指摘ですけれども、
沖縄
はあるものを使わずないものをねだるというおしかりも受けました。今あるものを、この三十年間で
政府
に作っていただいたもの、あるいは制度も含めてもう一度見直して、それをフルに活用できるような形を
沖縄県民
も自ら始めていかなければならないのではないかと思っています。その
辺り
の努力を私も含めて頑張っていきたいと思っています。
海野徹
27
○海野徹君 ありがとうございました。
遠山清彦
28
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。 今日は、三名の
参考人
の方、大変に貴重な
意見
、ありがとうございました。 今、私たち、この
特別委員会
で
沖縄振興
新法
というものを議論をしているわけでありますけれども、私は、これから十年の
沖縄
の
振興
、これは
環境保全
も含めての話だと思っておりますが、やっていくために、やはり中途半端ではいけない、やるならやっぱり徹底的にやらなきゃいけないという
思い
を持っております。 〔
委員長
退席、理事海野徹君着席〕 今回、この
日本
で初めての金融特区を
沖縄
で作るという話もございます。また、IT特区の話、様々に、ある
意味
、ほかの、他府県の
方々
から見ればなぜここまで
沖縄
にというぐらいいろいろな特別な措置というものを盛り込もうということでやっているわけでございます。 ただ、これが特別だからといって成功するという保証は全くないわけでございまして、これはある官僚の方ですが、この金融特区に絡んでアイルランドのダブリンに行かれたときの話を聞いたそうなんですが、そこで言われたのは、
沖縄
で金融特区が成功するかどうかの
キーワード
は一に危機感だと。国の、
沖縄
関係の関係者の危機感、それから
沖縄県民
の危機感、これが本当にあるかないかだと。実際に、ダブリンとかバミューダの金融特区をまねて失敗した例の方が多いという話があるわけです。マレーシアとかポルトガルとか、失敗をしております。 ですから、私は、今回
沖縄
が新しいことをやるのであれば、やっぱり危機感がなきゃいけないというふうにすごく思っているわけでありますけれども、最初に三
参考人
全員に、この
沖縄
県の中で、いわゆる
沖縄振興
、
環境
問題も含めて結構ですけれども、
県民
が今後十年間で本当に──先ほどから
前泊参考人
が
依存
型の、
基地依存
経済
の問題あるいは
財政依存
の
経済
の問題、私は、これは物質的あるいは
財政
的な
依存
だけではなくて、
依存
的なメンタリティーの
部分
も、これは
前泊
さんなんかも論文の中に指摘されておりますけれども、あると思うんですね。そこからやはりこの十年、
脱却
しなきゃいけないと。そういう
意味
での危機感がどれぐらいあるのか。ちょっと、率直なところを簡潔にお聞きしたいと
思い
ますので、お願いいたします。
尚弘子
29
○
参考人
(尚
弘子
君) 確かに痛いところでございまして、御承知のように、
自然環境
だとか、それから
沖縄
の人の
県民
性がいろんなところで分析されております。 〔理事海野徹君退席、
委員長
着席〕 特に、NHKは
日本
の各県の
人たち
の特徴というものを調べておりますけれども、
沖縄
の
県民
性というのが
全国
の中でも突出していると。大変にゆったりとといいますか、
沖縄
から出たがらない。そして、ユイといいます、相互扶助の精神を大事にするというような、それが
長寿
の
一つ
の大きな要因につながっているかもしれませんけれども、おっしゃるように、戦争であれだけ私どもはすべてを失ってきて、そして今のところまではい上がってきたんですけれども、何かお互いに助け合っていると何とかなるという、方言で言う何とかなるさあというような、ああいう調子の
県民
性というのが確かに奥の奥にあって、危機感というものを私ども
自身
がむち打って持っていかなければいけないというふうに感じております。
前泊博盛
30
○
参考人
(前
泊博盛
君) 私も同感であります。 正に、失業率でいいますと今七・九%、二〇〇〇年の
数字
ですけれども、
全国
の倍の失業率の中で
沖縄
がこれだけ元気でいられるというのは、
沖縄
の風土がもたらす豊かさだと
思い
ます。ユイマールの精神がなければ、恐らく失業者であふれ返っている
沖縄
でこれだけの安定した生活は望めないかと
思い
ます。そのユイマール精神あるいはその
沖縄
のコミュニティーが支えるバッファー効果といったものに今支えられて
沖縄
経済
は何とか持ちこたえているような気がします。 ただ、それも一〇%を超えてきたら果たして支えられるだろうかといった
部分
、この危機感に至らなければ動かないかというと、そういうことはないと
思い
ます。悲劇的なところに行く前にやはり
振興
策は
展開
されるべきものだと思っています。
前川盛治
31
○
参考人
(
前川盛治
君) 私は逆に、逆の危機感を持っているんですよ。というのは、例えば
沖縄
では
基地
が集中していますよね。それで、例えば去年のテロ事件以来、
沖縄
の
観光
が非常に落ち込みました。そういうことがあって、要するに、
基地
をやっぱり撤去しない限り
沖縄
の
観光
の
振興
はあり得ないというふうに考えているんです。 それからもう
一つ
は、先ほども言いましたけれども、要するに国の
財政
投資
があって公共工事がどんどん進んでいく、そういう中で
沖縄
の自然がどんどん今破壊されている。例えば、先ほども言いました
公有水面
の
埋立
てが
全国
一なんですよね。
沖縄
の海岸、
沖縄
というのは海、空、自然が
沖縄
の売り物ですが、
沖縄
の海岸のほとんどがもう人工の護岸に変わっていってしまっていると、そういう
状況
があるわけですよ。 そういうことに危機感を持って、先ほど言ったように、今後は自然を大事にしていきながらのいわゆる
エコツーリズム
の
振興
、これが今後の
沖縄
の
観光
の目玉になってほしいということで、あちこちで
エコツーリズム
のことが今行われているわけですよ。 ですから、そういう
意味
でも、
是非
逆の危機感を持って、
沖縄
を大事にするような
振興
策であってほしいというふうに私は考えています。
遠山清彦
32
○遠山清彦君 ありがとうございました。 そこで、尚
参考人
の方にお聞きしますけれども、私も
人材育成
が大事だということは同感でございます。 それで、特に今、
沖縄
は金融特区とかIT特区とか、特区という
言葉
が、特別区というのがよく付いているわけですが、私は、個人的な
意見
なんですけれども、こういう大人の社会で特区を成功させるためには、教育も、教育特区というか、そういう発想がないと、それはやっぱり特区を担う
人材
が出てくるところは教育なわけでして、今
沖縄
で制度上やろうとしていることというのは、はっきり言うとほかの
日本
の
地域
でもそういう
人材
いるのかと言われてもおかしくないぐらい、
かなり
ユニークな
人材
というか変わった
人材
というか、そういうのが求められている。 例えば、語学に関して言えば、金融特区にしてもIT特区にしてもやっぱり英語は不可欠でありますし、そういった観点から尾身大臣も
大学院大学
は全部英語で授業をやろうという構想を持たれているわけでありますけれども、語学の問題が
一つ
ございます。 それから、私、以前、大学の講師を九州の宮崎でやっておりましたが、その大学はすべての授業が二十人以下のクラスで少
人数
でやっておりましたけれども、私、その経験を通して、やっぱりこれは小中学校から全クラス二十人以下にしたら相当教育効果が違うなというような
思い
を持っていたりするわけですけれども。 そういった
意味
で、
沖縄
の教育の
在り方
、公立教育の場合なかなかいろんな問題はありますけれども、
全国
との公平性とかありますけれども、この
沖縄
の国際化、また
人材育成
を進めていく上で教育改革は大事だと思うんですが、これについて尚
参考人
の御
意見
を伺いたいと
思い
ます。
尚弘子
33
○
参考人
(尚
弘子
君) 先ほど私が申し上げました
大学院大学
のこと、それから
国立高専
のことにつきましても、正にこの教育特区というのが
沖縄
からできたらなということで申し上げました。
高専
はもうここしばらくどこにもできていなくて、
沖縄
だけがなかったということもございますけれども、そういう点からも、
是非
、教育特区的な、少
人数クラス
だとか──それから、今おっしゃるように、もう東南
アジア
辺り
では高校から英語でしゃべれるような
人たち
はたくさんいるわけですね。特に英語でやっているシンガポールだとかフィリピンだとかというと、もうそれが大学でも学校でも使われているというところが多うございますので、ですから、そういう国の推薦のシステムという、いわゆる人物保証がなされたような形で
沖縄
までおいでいただくということになると大変すばらしいと思うんですね。 と申しますのは、今、
沖縄
にOICというのがございます。
沖縄
インターナショナルセンターという、JICAの下にあるんですけれども、そちらの研修生は、大変
沖縄
に来て何かアットホームな気持ちになれるということも話しておりますので、
沖縄
というのは南への玄関口として私は立派な機能を果たせると思うんですね。そういう
意味
で、今おっしゃるように、もう
是非
そういう形でこれから十年で変わっていけばなというふうに望んでおります。
遠山清彦
34
○遠山清彦君 次に、
前泊参考人
にお伺いいたします。
観光
振興
、これは
沖縄
で非常に重要なわけでありますけれども、私は、やはり
沖縄
に外国人をもっと呼ばなきゃいけないと。これは、私もこの
委員会
で実は議論しているわけでありますけれども、
沖縄
に来る
観光客
の総数は大体四百四十万人、四百五十万人と言われている中で、平成十二年度の実績でいいますと十四万九千人しか外国人の
観光客
が来ていない。そのうち、ほぼ十二万人ちょっとは台湾から来られているわけでありまして、ほかの国というのは誠に微々たるものなわけでございます。 当然、これは尾身担当大臣も何度もおっしゃっているんですけれども、先ほども、
ベトナム
へ行くのに
沖縄
から
羽田
、
成田
、
ベトナム
という、そしてまた帰りもそうだったというお話がありましたけれども、やはりこの国際交通ネットワークというものが
沖縄
でなかなか確立されていないということが
一つ
の大きな問題だとは思うんです。 ただ、これはちょっと長期的に考えていかなきゃいけない問題だと思うんですが、私、直近の
課題
として、やはり今後、中国がこれから
経済
発展
、高い
経済
成長率を持っておりますので、
人口
も十二億人以上いるわけでありますから、もし中国の
本土
の一割の方が海外旅行へ行けるとなったらこれは一億二千万人を超えるわけでありまして、しかも上海から二時間ぐらいでしたっけ、飛行機で、というふうに非常に近いということもありますので、これは
沖縄
にやはり中国語圏、これは当然、香港、台湾、中国
本土
と含めての話でありますけれども、中国をやたら脅威と見るんではなくて、やはり大事なお客様、将来、近い将来になるんだというような意識で、
沖縄
辺り
でもこの中国語圏からもっと誘客を大規模に行うというような戦略も必要ですし、その上でほかの
国々
からもお客さん持ってこようという、そういうのが大事なんじゃないかと私、思っているんですが、それについて所見をいただければと
思い
ます。
前泊博盛
35
○
参考人
(前
泊博盛
君) 正に本当に先生おっしゃるとおりで、外国からの
観光客
をどう迎え入れるかというのが恐らく、この四百五十万人、これから七百万人あるいは一千万人を目指す
沖縄
にとってはもう不可欠の
課題
だと
思い
ます。 実際に台湾の方たちに聞きました、どうやれば来てくれるのかと。幾つかの要望があって、その中にはノービザといったものがありました。もう少し来やすいビザ制度にしてほしいと。それから、ほかには、
観光
ビザだけではなくてビジネスのビザも欲しいと。ビジネスでこれだけ
交流
をしているのに、やはりちょっとした長期の滞在になると
かなり
厳しい制限があると。具体的なものはその中でも指摘もされていたんですけれども、そういったものを、目に見えない障壁をどう取り除いていくかといったものも
課題
かと
思い
ます。 それから、台湾の
航空会社
からは、やはり航空交渉が二国間協定であるということで、路線の拡充が
かなり
厳しいと。この路線の認可を
沖縄
に限って特例を設けて国際路線については認めてくれないかといった話もありました。 それから、国際線のターミナルの問題ですね。これは、国内の
観光客
に向けてサミットの際に十分なものを造っていただきました。ところが、その隣にある国際線、これを見ますと本当に悲しくなります。夏場のピークになりますと、入管の手続をする方たちが暑い外に列をはみ出してしまう。これだけの施設しかないのに
観光客
に来てくださいとは、今は申し訳ないけれども言える
状況
にはないと
思い
ます。この
辺り
のハードの
整備
も含めて、急がなければならない
課題
だと思っています。
遠山清彦
36
○遠山清彦君 もう時間がなくなってきましたので、最後の質問でありますが、私あるいは私が所属している公明党は、
沖縄
に
是非
国際機関あるいは国連の機関を誘致をしたいと。 これはいろんな
意味
がございまして、
沖縄
が唯一の地上戦の舞台に第二次
世界
大戦中になってしまったという
意味
もありますし、また
基地
があるということを、どうそこから、だれも
基地
があることをいいとは
沖縄
で思ってはいないわけですが、しかし、これを現実的に減らしていったときに、その
経済
的なマイナス効果とかいろんなものを相殺していくために、代替案として私どもはやはり国際機関をもっともっと
沖縄
に誘致をしていって、
沖縄
を本当に国際
交流
、平和の発信地にしていきたいという
思い
があるんですが、これについて尚
参考人
と
前泊参考人
から一言ずつ。
尚弘子
37
○
参考人
(尚
弘子
君) 確かにおっしゃるとおりで、私も大学におりましたころ、国連のいろいろな資料を大学内に置くようなその誘致ということで
委員
を務めたことがございます。今、そのコーナーもできまして、大きなメリットを得ていますけれども、
沖縄
に国連の、特に南に開かれた形のそういうネットワークを作る
意味
での国連の機関ができれば大変有り難いというふうに思っております。
前泊博盛
38
○
参考人
(前
泊博盛
君) 私も同感であります。
是非
、平和につながるものを
中心
に
沖縄
に置いていただければと思っています。
小泉親司
39
○小泉親司君
日本
共産党の小泉でございます。 今日は、お三人の
参考人
、大変御苦労さんでございます。 幾つか質問をさせていただきます。 まず
一つ
は、先ほどからもお話が出ていますように、米軍
基地
と
沖縄
の
振興
という問題であります。 もう御承知のとおり、
沖縄
県でも、第三次振計の総括文書においても、今後の二十一
世紀
の
沖縄
の
振興
においても、
基地
の大幅な整理縮小が欠かせないということを大変指摘しております。先ほども、各
参考人
からもその点の指摘が幾つか出ておりますが、例えば中部圏の、これからの開発だとしても、中部圏の
基地
占有率は二八・五%、今度北部に普天間
基地
が新たに、これは戦後初めて
日本
政府
が新たに米軍
基地
を建設するという、そういうふうなことをやるわけですが、それによって北部の
基地
占有率は二四・〇%に跳ね上がると。私は、こういうふうな形をしていると、いつまでたってもやっぱり
基地依存度
が非常に高まるばかりで、
地域
経済
にも非常に大きな制約を与えてくるし、土地の利用上も大変大きな問題が出てくるんじゃないかというふうに考えております。 その
意味
で、どういうふうに
地域
経済
に制約を及ぼすのか、その辺の点をどのように認識されているのか。 それから、ちょっと幾つかありまして申し訳ないんですが、例えば現在のSACO
計画
についてはどういうふうに評価しているか。 また、米軍
基地
の大幅な整理縮小がやはり私は不可欠だと考えておりますが、その辺の点についてどのようにお考えなのか。 全部というわけでは、結構でございますので、お三人方それぞれ、以上の三点につきまして御
意見
があったらお聞かせいただきたいと
思い
ます。
尚弘子
40
○
参考人
(尚
弘子
君) 大変私不勉強で難しいんでございますけれども、
基地
が、例えば今、新都心という
基地
が返還されたところ、御存じかと
思い
ますけれども、あそこが返還されてやっと今もう十数年になりますか、それ以上かもしれません、やっとそれらしき形になっておりますので、やはり今の
基地
の問題は、同時に移転をしたときの跡地利用、それを、私は大事ではないかなというふうに考えますので、
基地
の整理縮小と同時に、跡地利用というのはやはり考慮していただきたいというのが私の考えでございます。
前泊博盛
41
○
参考人
(前
泊博盛
君) 三つありまして、どれも重い質問なんで今ちゅうちょしておりますけれども、
地域
経済
に
基地
がどのような制約を及ぼすかという
部分
では、
基地
所在市町村の
財政
収入に占める
基地
関連収入といったものの比率で見ることができるかと思うんですけれども、その
辺り
で見ると、金武町というところが一番大きいんですけれども、歳入総額九十億円のうちの約三十億円、三三%が
基地
関連収入と。次いで恩納村、これは
観光
のメッカになっておりますけれども、この恩納村が七十九億円中二十五億円ということで三二%、これも占めております。宜野座村が七十億円中十九億円、これは二七%です。嘉手納
基地
を抱えております嘉手納町が八十四億円中二十一億円と、二六%です。北谷町が百三十八億円中十九億円、これは一三%。 これだけの
基地
関連収入を持っておりますと、
基地
が撤去されますとどうなりますか。九十億円のうち三十億円を失います。六十億円に減るということになりますと、皆さんの収入が本当に三割減、十万円もらっていた方が六万円に減ってしまう。これを、覚悟を決めないことには
基地
撤去ということには
動き
にくいという厳しい
状況
になっているかと
思い
ます。それは、
財政
でその
数字
ですから、民間
経済
では更に大きな
数字
になっていくかと思っています。これが大きな制約ではないかと
思い
ます。 SACOについては、これだけの、橋本総理が力を込めてクリントンさんと交渉し、かち取ってきた成果であります。ただ、それがまだ
一つ
しか実現をしておりません。日米この両大国が、
政府
首脳が合意をしたにもかかわらず実現できない理由は何であるのか。これは、庶民の側からすると、トップがこれだけの覚悟を決めて約束をしても実現できない、もう約束の期限が切れている、返還の期限が切れている
基地
もあります。もっと約束したことを実現できる
政府
を持ちたいなと願っています。 それから、米軍
基地
の大幅削減、もちろん私は必要だと思っております。 以上です。
前川盛治
42
○
参考人
(
前川盛治
君) まず、SACO
計画
についてですが、このSACO
計画
の特徴は、ある
基地
を返還する代わりにそれに代わる新たな
基地
を作るというのがSACOの
計画
です。例えば、今の普天間の問題ですが、普天間
基地
を撤去する代わりに辺野古に新たな
基地
を作る、それも新たな
基地
の機能の強化にもなっているわけですよね。そういう点では、このSACO合意については非常に不備な点がある。
沖縄
の
県民
の世論は、
基地
の整理縮小、
基地
の撤去が
沖縄県民
の大きな世論です。このSACO合意はそういう
沖縄県民
の要求にはこたえていないというふうに私は考えています。 それから、
沖縄
市についていいますと、今、私は
沖縄
市に住んでいますが、米軍
基地
に三四%を取られています。そういうことのために、
沖縄
市が新たな土地を求めていろんな施設を作るためには
場所
がない、だから
泡瀬干潟
を埋め立てるなんというような構想が出てくるわけですよね。そういう形で、
沖縄
市の
発展
のためにも
基地
は大きな弊害になっているわけです。そういう点では、
沖縄
の本当の
発展
のためには
基地
の撤去が大きな前提になっていると私は考えています。
小泉親司
43
○小泉親司君
前泊参考人
にまずお聞きしたいんですが、先ほども大変お話を興味深く聞いておりましたが、例えば、
製造業
の
振興
を実際にうたっていながら
振興
が大変遅れているというような御指摘がありまして、私も当
委員会
で、今度の法律にあります
産業
高度化
地域
の問題だとか特別自由貿易地区の問題だとか、いろいろと取り上げてまいりましたが、
沖縄
県もこの点については大変御苦労されているわけですね。 例えば、特別自由貿易地区などについては、当初見込みが九十一社ぐらいの見込みだったのが現実には分譲区画に一社しか入っていないと。
製造業
がなかなか育たない、そうすると逆に雇用を大量に生み出すような場がなくなると。この辺がどうも、何といいますか、ジレンマにいろんな形で陥っているわけで、
一つ
はこの辺をどういうふうに解消すべきなのかと。本当に
製造業
は育たないのか。例えば、今の
沖縄
の
地場産業
みたいなのを活性化するということもまた必要だと
思い
ますし、そのためにはどうしたらいいかというふうな難しい問題があるんですが、この辺を
一つ
お聞きしたいのと。 それから、いろんな需要予測を出されているわけですね、県の方が。例えば、特別自由貿易地区には九十一社が来て、そのためには四万トン級の大幅なバースが必要で、私はちょっとこれは
日本
の
本土
の
沖縄
並みというか、昔は
本土
並み返還なんてありましたが、言わば
本土
の悪いところを
沖縄
に引っ張ってくるようなもので、実質的には大型港湾を作るものだというような、私はそういうふうな指摘をしたんですが、そういう需要見通しというか、
前泊参考人
も百三十三万の設計図とおっしゃっているんだけれども、その全体の設計図をもう少しきちんと国が
責任
持ってやらないと私はこの問題というのはなかなか解決できないんじゃないかなというふうに
思い
ますので、その辺を
一つ
お聞きしたいのと。 それから、
前川参考人
に同じく、ちょっと時間もありませんので、その需要予測に基づいて今度は四万トンバースを作る、その土砂を今度は
泡瀬干潟
に持ってきてこれを埋め立てると、こういうふうになってくると、何か一方じゃ開発をやって、その一方で自然を破壊するということになりますと、これはちょっと
振興
法のこれまでの精神及びこれから二十一
世紀
に向かう
振興
法の精神とはやっぱり私は合致しないんじゃないかなというふうに
思い
ますので、その辺、もし御
意見
がありましたら、併せて
前川参考人
にお聞きしたいと
思い
ます。
前泊博盛
44
○
参考人
(前
泊博盛
君) まず、
産業振興
の問題でいきますと、特別自由貿易
地域
あるいは先行しています自由貿易
地域
の那覇地区というのがございます。これも、
沖縄
県からの要望を受けて特別な制度として鳴り物入りで本当に始まったんですけれども。 残念ながら、その中身はと申しますと、これは八八年にその制度ができたわけですけれども、自由貿易
地域
ですから当然外国とのやり取りが
中心
になるはずなんですけれども、この
振興開発
の点検
報告書
の中にあります
数字
を見ますと、八八年、できた当時は、
県内
、県外、国外の
数字
を見ますと、搬入先が、国外から九五%搬入されておりました。搬出先も二七%が国外にあったものが、八九年、翌年には、国外からの搬入が六六%に減って、搬出先は四%と。九〇年に入りますと、これが搬入先は五五%、搬出先は二%と。どんどん減りまして、今、搬入額、これは手元にあります最新の
数字
でいいますと、九九年の
段階
で搬入額の三六%が国外から、しかし国外向けは〇%ということになっています。 何をもって貿易というのか。海外向けの出荷がない貿易
地域
、これを更に拡充しようというのが特別自由貿易
地域
であります。 なぜそういうことが起こってしまうのか。実際に入りたいという企業の話をいろいろ聞きましたら、途中でやめた企業が幾つかありました。選択課税といったものも鳴り物入りでいただいた制度であります。ふたを開けてみましたら、牛肉の調製品を入れたいという企業に対して、入れてもいいがレトルトパックにしてほしい、ビニールでは駄目だ、中身が見えないようにしてほしいという形で注文を受けたそうです。選択課税で得られるその利益よりも新たな設備
投資
で失う額が大きいということで駄目になっちゃいました。 こういったものが、法律で作られたその
理念
が実際に運用しようとすると生かされていないケースがある、この
部分
をきちんと
先生方
に監視をしていただきたいというのが
一つ
の注文であります。 以上です。
前川盛治
45
○
参考人
(
前川盛治
君) 今の新港地区の活用について日弁連も非常に重要な点を指摘をしています。先ほどの資料を、手元に届けてありますけれども、日弁連の
意見
書の中の十四ページ、もし時間があれば開けてほしいんですが、そこに書かれておりますが、要するに、
泡瀬干潟
の
埋立
ては新港地区の土砂の処分というのが大きな目的になっていると。これについて
意見
書はこう述べております。 十四ページの上から五行目ですが、当該指定については、人件費等の理由から
製造業
の多くが海外に
生産
拠点を移している現在において、東南
アジア
に多数あるFTZとの競争上の優位性について十分検討を尽くしたとは言えない。川田
干潟
を埋め立て、二千百七十億円もの巨費を掛けて新港地区を流通加工機能を持たせた港湾として
整備
することに合理性があるかは疑問と言わざるを得ない。また、しゅんせつ土砂に余剰が発生したこと自体、この開発
計画
のずさんさを示していると。 そしてさらに、二十行ぐらい後に、百歩譲って、
埋立
てを認める場合があるとしても、代替案との費用対効果及び
環境
に対する影響の面についての比較検討は不可欠である。しかるに、国は、このような代替案との比較検討を十分に行うことなく本
埋立
事業に参加することを決定した。このように、しゅんせつ残土の処理目的で本
埋立
事業に参加するという意思決定は、
内容
的にもまた手続的にも合理性を欠いていると言わざるを得ないと。 そしてまた、私たちが関係している
泡瀬干潟
を守る連絡会の
意見
書、県知事への要望書、資料では二十三ページになります。二十三ページの後半です。新港地区の問題点ということで、しゅんせつ作業の緊急性、必要性の根拠が弱いです。仮に必要でも、
泡瀬
埋立
ての代替を検討すべきです。
泡瀬
埋立
事業は、新港地区の港のしゅんせつ土砂の有効活用、私たちから言わせれば土砂の捨て場なんですが、として位置付けられ、
計画
が
推進
されています。 新港地区の特別自由貿易
地域
は、以下に述べるように多くの問題点があります。 一、原料加工製品輸出企業が非常に少ない。二つ、県の建設した賃貸工場への入居であり、業績不振でいつでも転出できる。三、
沖縄
県のこれまでの様々な努力の結果、九十社入居予定が現在わずか六社、わずか六社です。将来の需要見通しも非常に厳しいと言われています。四番、現在使用している西埠頭は非常に利用
水準
が高いと言いますが、これの検討の余地もあります。それから、水深七・五から十一メーター、要するに四万トン級の船を必要としていますが、これも検討の必要があります。最後に、もししゅんせつが必要だったとしても、貴重な
泡瀬干潟
を埋め立てる理由にはならない、代替案を考えるべきだというふうに思っています。 以上です。
小泉親司
46
○小泉親司君 ありがとうございました。
島袋宗康
47
○島袋
宗康
君 御三名の
方々
、大変御苦労さんです。貴重な御
意見
を賜りまして、ありがとうございます。 尚先生の日程が次にあるようでありますから、尚先生の方からまず先にやって、私の方で済んだらお帰りになってよろしいですから、あらかじめ申し上げておきたいと
思い
ます。 これまでの沖振法では、
本土
との
格差
是正
というのは非常に掲げられてきたわけであります。
本土
各県に比べて、
沖縄
県は
県民
所得や失業率増が非常にワーストワンというふうなことが言われていて、しかし、その反面、
長寿
という点では
長寿
国
日本
の中でベストワンというふうに言われておるわけであります。 ところで、十年ほど前に尚先生が「
世界
」にお書きになっている論文を拝見いたしますと、昭和五十年以降、
沖縄
県の死亡原因は
全国
よりも三年ぐらい早く欧米型のパターンになりつつあるというふうなことを述べられておりますね。この
懸念
を裏付けるように、昨年の六月の「美ら島
沖縄
」で
沖縄
県福祉保健部長の新垣幸子さんは、
沖縄
県は
長寿
県なんですが、壮年期の死亡率が
全国
平均より高いこと、肺がんの死亡率が男性で
全国
一位、女性で二位であることが最近分かってまいりましたというふうに述べております。
沖縄
の
振興
といっても、その究極の目的は
県民
の福祉の
向上
にあると
思い
ますけれども、
長寿
県
沖縄
の未来に差し込む陰りがここに見えているんじゃないかというふうな気がするんですけれども、その辺の御見解を承りたいと
思い
ます。
尚弘子
48
○
参考人
(尚
弘子
君) 確かにおっしゃるとおりで、平成あれは四年、私が行政にいたときに依頼をされて書いた論文でございますけれども、あのときにいろいろ統計資料を全部ひもといてみますと、
沖縄
の
長寿
というのは、これ、のほほんとしておれない、大変危機感を、先ほどおっしゃったように危機感を持たなきゃいけないなということでああいうことを統計資料を基に書いたわけでございます。 肺がんが一位というので私も本当にびっくりしたんですけれども、医師会の
方々
、それから保健所の所長、
皆様
と何が原因かということで話し合った経緯がございます。これ、今のところお医者様はたばこじゃないかというふうなことをおっしゃいますけれども、これ、端的にそう決められるものではございませんで、いまだ私はそのメーンの理由といいますか原因というのが分からないんですけれども。 いずれにしましても、
沖縄
は元々歴史的に肉
食文化
というのがあったわけですね、豚肉をよく摂取するということで、米軍が入ってきて、
アメリカ
の統治の下にあったころからポークランチョンミートだとか、いわゆる肉類に対しては抵抗なく
沖縄
の
人たち
は入り込んでいったと。そうしますと、当時の状態では、脂も共々食べていたということから、近年は、もうここ十年くらいは大変に脂に対して、また豚肉を摂取するときも独特の方法で食べなければいけないというようなことが叫ばれてきておりますので、その点は私は何とか持ち直していくんではないかなというふうに感じております。それに、
沖縄
の
長寿
というのが
方々
から危機感を持って叫ばれておりますので、
沖縄
の
人たち
自身
、確かに自覚をしつつあると私は望んでおりますし、そうではないかなと思うんです。 肺がんが一位ではありましたけれども、あのとき、統計資料で見ますと、がんは全部でたしか二十七、八位ぐらいということで、その他はすべてもう最下位という、いわゆる
長寿
のもとであるというようなものでしたけれども、がんだけは当時高かったということが言えるんですね。 ですから、私どもも、そこいら辺はフリーラジカルの
研究
会
辺り
でも抗がん物質といいますか、いわゆる
沖縄
の
長寿
のもとになるウコンだとか、それから先ほどのゴーヤだとか「ちゅらさん」で出てきたああいうふうな食べ物というものに対する
研究
というのはどんどんどんどん産学官で進めていくというようなことをやっております。これから努力をしていって、絶対、
世界
一というのは
長寿
しか私は今現在ないと
思い
ますので、
是非
それを維持していけるように努力をしてまいりたいと思っております。 よろしくお願いいたします。
島袋宗康
49
○島袋
宗康
君 尚先生は
沖縄
の
食文化
の代表的な方ですので、そういった食に関するものによってそういった寿命が、長生きするとか、あるいは先ほどあったように肺がんが多くなっているとかというふうな関係がもしあるとするならば、
是非
、
食文化
の面でそういった
長寿
県が本当に長くともに維持できるような方策をひとつまた一緒に考えていきたいと
思い
ます。よろしくお願いします。 次、私は、
前泊参考人
が本年二月の建築ジャーナルに掲載されました「百三十万人の設計図」、サブタイトル「
沖縄
・
本土
復帰
三十年の検証」という優れた論文を読ませていただき、多くの点で共感を覚え、感銘を受けました。 そこで、
参考人
は、
沖縄
は、
政府
の
財政
移転や
公共事業
型
振興
策という施し
経済
や
基地
を人質に取って要求する物ごい
経済
から
脱却
して、
経済
的、精神的に自立すべし、そして、自らの目指すべき
振興
プランとなる設計図をかき上げて実現する気概を持つべしと論じております。もっともなことだと
思い
ます。 ただ、一点、気掛かりなことは、中央省庁の官僚が
沖縄振興
策を安保維持装置として規定し、
振興
策を施しと観念したとしても、それは彼らのおごりと独善であって、
沖縄
は、国家の国策によって人と財ともに戦災で灰じんに帰し、戦後は米軍占領と
日本
の政権放棄による米軍施政下に長い間呻吟した結果に対する償いであると考えても当然であると考えられると
思い
ます。 よって、
前泊参考人
の更なる御感想と、
沖縄
の真に物的、精神的自立を遂げるための具体的方策を幾つかお示しいただければありがたいと
思い
ます。
前泊博盛
50
○
参考人
(前
泊博盛
君) ありがとうございます。拙文を読んでいただいたことを感謝いたします。
振興
策については、本当に大きな宿題でありまして、私もこの十何年かいろいろ考えておりますけれども、なかなか決め手を欠いているというのが本音のところであります。 先ほど何人かの先生からも指摘がありましたけれども、
沖縄
の
経済
を見るときに、恐らく先ほど質問に対して十分な答えではなかったんですが、補足しますけれども、
沖縄
経済
といったものの実体
経済
が
数字
の上できちんと押さえられているのかなという疑問がありました。 例えば、
観光
の入域客についても、四百七十万人という
数字
がどこから出ているのか。この
数字
の検証を
沖縄
県庁でも始めているようです。つまり、航空機で入られるお客さんの中にアンケート、何回かですけれども、取って、その中のアンケートに基づいて、ビジネス客が何%、それから
観光
目的が何%という
数字
が出ます。これ、九五%ぐらいが
観光
だというふうに書いてしまって、それをそのまま入ってくる輸送力に掛けて
数字
を出してきている、こういう
数字
で本当にいいのかと。 それから、
観光
収入についても、今、一人当たり十万四百円
程度
の
数字
だと
思い
ますが、この
数字
も、七万円から最大十一万四千円ぐらいまで上がったのが、今十万円です。この
数字
の出どころはどこなのか。ホテルに置かれましたアンケートはがきに対して書き込んでくれた方の
数字
を基にしているようです。ところが、実際にそのホテルに置いてある
数字
、アンケートに答える方は比較的時間に余裕のある方、といいますと、年配の方たちが多いようです。若い
人たち
はそういったものに書いてくれない。つまり、
中心
になっている若い
人たち
の
観光客
の消費額といったものはその
数字
ではないだろうというふうに言われます。 ですから、そういったものを、公的な仕組みできちんとした
数字
を押さえて、そこから
振興
策を考えていかないことには、砂上の楼閣になりはしないかという
懸念
があると
思い
ます。その
数字
については、
是非
、
政府
の支援によって
数字
を押さえた上で
振興
策を考えていければと思っています。私も、その
段階
での
数字
のぶれがあってなかなか具体的な
振興
策というものが出しにくいといったものも、現場の方から声も聞いておりますので、
是非
、先生にはそのお力をかしていただければと思っています。 それから、具体的なものでは、一・五次
産業
のお話を先ほどしましたけれども、
観光
というものが輸送コストが掛かると。
沖縄
は、物を持ってくるにも運んでいくのにも、島嶼県であるというところで大きな障壁になってきました。ところが、
観光客
は、今、砂上の楼閣と言ったその
数字
でありますけれども、四百七十万人、この方たちが来て、食べていただける。これは、恐らく定住
人口
でいえば五万人ほどの
人口
を抱えているのと同じぐらいの消費効果があると
思い
ます。 この
人たち
は、自分たちで飛行機代を払って来てくれて、そして消費してくれます。輸送費が掛かりません。この
部分
の
観光
としてのインダストリーにどうリンクさせて
農業
や一次
産業
を
中心
にして
発展
をさせていくかというものが戦略的に出てくれば非常に効果的ではないかと思っています。 時間もないので少しはしょりますけれども、貿易についてもそういった可能性のあるものが結構あります。例えば、鋳物についても、
沖縄
からの特産として、横浜の下水道のふたは実は
沖縄
で作られている。こういったものは重いにもかかわらず売れている。なぜか。品質がいいからという話もあります。そのニーズをきちんとつかみ取る、そういったシンクタンクも
沖縄
に欲しいなと思っています。流通の、マーケティングの情報をきちんと
沖縄
に流してくれるような仕組みをこちらでも作っていければと思っています。
島袋宗康
51
○島袋
宗康
君 それじゃ、例えば
観光
などで
沖縄
に落ちる金が大体六千億円というふうな、五千億から六千億というふうなことについては、まだ実態としては今のお話によるとつかめていないというふうなことが言えるわけですか。
前泊博盛
52
○
参考人
(前
泊博盛
君) 今のその
数字
の出し方といったものも検証しながら、より現実を反映した形のデータをまず押さえていただければと思っています。
島袋宗康
53
○島袋
宗康
君
前川参考人
にお伺いいたします。
沖縄
県の教育
振興
策についてでありますけれども、
沖縄
県は様々な要因によって
全国
に比べ高校、大学への進学率が非常に低いと以前から言われております。
沖縄
の教育現場での実情や問題点等について率直にお話しいただきたいと
思い
ます。 また、
沖縄
県議会は昨年十二月二十日に三十人以下学級の早期実現を求める
意見
書を可決し、沖教組、高教組の両教職員組合も今年一月二十二日に、
沖縄
県に対して、三十人以下学級の早期実現を求める要請を二万七千四百十人分の署名とともに提出しているとのことであります。 そこで、学校の先生であられますから、この三十人以下学級の必要性が
沖縄振興
計画
の中に具体的な
予算
措置を伴って組み入れるべきものだというふうに
思い
ますけれども、その点について先生のお考え方をお聞かせ願いたいと
思い
ます。
前川盛治
54
○
参考人
(
前川盛治
君) まず、三十人以下学級についてですが、今、島袋先生から話があったように、
沖縄
県の両教組、沖教組、高教組合同で
沖縄
県議会に陳情しまして、全員の一致で採択されて国に要請をするというふうになりました。本当にありがとうございました。 この三十人以下学級は、今、
全国
的な
動き
です。今、子供たちは非常に難しい
状況
にあります。過去の四十人とかの
状況
ではもう対処できない。本当に子供たちを一人一人を大事にし、そして個性を伸ばしていくという教育のためにも、この三十人以下学級は本当に私は必要だと考えております。そういう点では、この
沖縄振興
新法
の中でもそういうことがちゃんと措置されるように強く望んでいます。 それから、進学率が
沖縄
県は確かに
全国
平均に比べて低いです。これはもういろんな要因があると
思い
ますが、一番大きな要因は、やっぱり
沖縄
の
県民
所得が
全国
平均の七割
程度
しかないということにまず大きな原因があると
思い
ます。もう
一つ
は、やっぱり
沖縄
が長年の間に
基地依存
の
経済
体系になっている。そういうことで、いわゆる
基地
収入で生活をできるような
人たち
も
かなり
いる。だからあえて進学しなくてもいいというような安易な、そういう風潮も一部あります。そういうことも一部原因しているんじゃないのかなと考えています。 そのほか、たくさん要因はあるとは
思い
ますけれども、そういう細かい点を分析をして、
是非
沖縄
の進学率を上げていくように、またこれも
沖縄振興
新法
の大きな
課題
だと
思い
ますので、この点もひとつ
先生方
の御協力をよろしくお願いします。
島袋宗康
55
○島袋
宗康
君 時間ですので終わります。 ありがとうございました。
佐藤雄平
56
○
委員長
(
佐藤雄平
君) 以上で
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。
参考人
の皆さんに御礼のごあいさつを申し上げます。
参考人
の
方々
には、長時間にわたり御
出席
を願い、貴重な御
意見
をお述べいただきまして誠にありがとうございました。
委員会
を代表して厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時散会