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斉藤(鉄)
分科員 ニュータウン
事業については余り
研究成果というのはないんですけれども、大妻女子大学の福原正弘教授が一貫してニュータウンについて
研究を進められておりまして、例えば「甦れニュータウン」とか、こういう著書もございます。
その方が、いろいろな
研究をされているんですが、首都圏で開発されたこの千葉ニュータウン、それから多摩ニュータウン、港北ニュータウン、それぞれの比較をされております。そういう
研究がございます。
港北ニュータウンと多摩ニュータウンについてはかなり満足度が高いんです。しかし、千葉ニュータウンの満足度は極端に低い。満足度が低いどころか、もう出たいという希望も千葉ニュータウンは極端に高い。その
研究によりますと、その唯一の原因は、特定できる唯一の原因は、唯一のアクセスである北総・
公団線の、一つ、電車の遅さ、
二つ、運賃の高さ、この
二つに尽きる、このように結論づけられております。学術論文として結論づけられております。
この北総・
公団線の北総電車の社内資料を見ましても、なぜ千葉ニュータウンの入居が進まないか、また町を捨てる人がふえているか、また、
公団が分譲住宅をやめました、そうすると民間しかないわけですけれども、民間もほとんどもう手をつけようとしない、その理由がこのアクセス電車の遅さと運賃の高さだ、このように結論づけております。ちょっとこの二点についてお聞きしたいと思います。
まず電車の遅さという点です。
この電車ですけれども、北総・
公団線、北総開発鉄道と
公団が一緒になって開発しているわけですが、北総・
公団線というのは京成の高砂という駅に、京成本線の駅に入ります。その京成高砂から京成本線を通って都営浅草線に入るという構造なんですけれども、北総線の中では電車の頻度はまだまだ低いということで、各駅停車しかいたし方ないと思うのですけれども、京成本線に入ってからもすべて各駅停車、朝の五本だけ除いてすべて各駅停車というのが現状でございます。つまり、千葉ニュータウンから都心まで、二十五、六個の駅があるわけですけれども、すべてにとまっていく。そういう電車しかないということが千葉ニュータウンが都心から大変遠いという大きな原因になっております。
例えば、比較される多摩ニュータウンはどうなっているかといいますと、多摩ニュータウンは全くこの千葉ニュータウンと同じように、相模原線という線を京王がつくりました。京王本線の調布に入ります。調布から京王本線を走って、これは都営新宿線に乗り入れるわけですけれども、例えば、この多摩ニュータウンの場合は、すべてこの京王本線の間は快速運転をして都営新宿線に乗り入れている。港北ニュータウンの場合はどうかというと、田園
都市線、それから新玉川線、それから半蔵門線へと入っているわけですけれども、もちろんこの田園
都市線、新玉川線、これは地下ですけれども、そこでも急行運転をして、都心に乗り入れている。
例えば、八千代台のニュータウンですと、東葉高速が
郊外区間では快速運転をして東西線に乗り入れている。京急ですと、三浦半島のニュータウンから、京急区間では快速特急運転をして、都営浅草線に乗り入れている。遠いところにあるニュータウンについては快速運転をして、都心に来て地下鉄の中で各駅というのが当たり前になっているわけで、比較的短い到達時間で来ているということなんですけれども、この千葉ニュータウンのアクセス鉄道だけは京成本線の中に入っても、京成の中だけの電車は特急運転、急行運転をしているにもかかわらず、千葉ニュータウンから来るものについてはすべて各駅、町内電車的な扱いしかしていない。こういうことが千葉ニュータウンが非常に遠いということの大きな原因になっているというふうにいろいろなところで言われておりますし、
住民も強い声がありますし、学術的にもそれが言われているわけでございます。
そういう声を受けて、朝五本だけ、急行運転をするものをこの九月十五日のダイヤ
改正で取り入れられましたけれども、私は、そのほかのニュータウンで行われているように、千葉ニュータウンから来るものについては、京成本線の中では基本的に快速運転にするということ、これはダイヤ
改正、お金をかけずに済むイメージアップ作戦でございます。
これは、北総開発鉄道が出した文書ですけれども、こういうところがございます。「経営が先行き不透明で、悪い見通ししか出せない当社が唯一出来ることとしては、スピードアップ、すなわち都心への所要時間の短縮しかないと思われます。」悲痛な叫びです。しかし、京成がそれを阻止している。千葉ニュータウンの
住民は言います。京成電鉄は千葉ニュータウンの
住民に意地悪しているのではないかとしか思えないようなダイヤだ、このような声もあるわけでございますが、この点については、これはお金をかけずにこのニュータウンのイメージをアップさせ、入居を促進させ——このニュータウン
事業は、このままいくと私は必ず破綻すると思います。それを
再生させる大きな方法だと思いますが、いかがでございましょうか。
〔
藤井(孝)
主査代理退席、
高鳥主査代理着席〕