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辻元委員 私は、社会民主党・市民連合を代表しまして、二〇〇二年度
政府提出
予算案に対し反対、そして四野党提出の修正案に賛成の立場から討論をいたします。
政府案は、初めに新規国債三十兆円枠ありきの
予算であって、たびたび
指摘してまいりましたけれども、そのために隠れ借金に手を出しておるというごまかし
予算であると言わざるを得ません。その内容も、名前を変えただけの旧来型公共事業の温存や既得権益に縛られたものであり、
改革断行
予算の名前に値しないと思います。このような
予算では、国民の生活不安は深刻化するだけであり、不況や
デフレを克服することはできないと思います。
また、
外務省によるアフガニスタン復興支援
会議へのNGOの
出席拒否への政治家の関与問題が顕在化して以来、現在に至っても、
外務省をめぐる一連の疑惑はさらに広がりを見せています。鈴木宗男議員の行政に関する不当な関与は、
外務省だけではなく
国土交通省、
防衛庁などにも広がっています。そんな中、
外務省の作成した調査報告書は不十分と言わざるを得ません。本
委員会で私も
質疑をしましたが、特に
外務省の人事についての鈴木宗男議員の関与が全く調査されていないのは、信じられないような調査報告書だと私は思います。
さらに、先ほどの
質問者である共産党の佐々木議員が本日示された
防衛庁に関する資料は、私の手元にも届いています。
告発者はこう言っているんですよ。鈴木問題は
外務省だけの問題ではない、もっと役所ぐるみとなっているのが旧北海道開発庁であり沖縄開発庁である、また盲点となっているのが実は
防衛庁であるというような長い手紙とともに、資料がついていました。たくさんついていました。私は、これは告発した人からも悲痛な思いが伝わってくるんです。まだまだ勇気ある内部告発は続くと思います。
官僚の皆さんの間にも、このような
状況では相互不信が生まれかねないという事態なんです。このような中で
予算の適正な執行ができるんでしょうか。小泉政権は、そして
政府全体が今や異常事態になっているという中で、この異常事態を正常に戻すまで、
予算を通すことなんかできませんよ。私はそう思います。
そしてさらに、
政府見解についても、今に至っても特定議員の関与はなかったと言い張っていらっしゃいます。この点の変更ということになると小泉政権の欺瞞性を認めざるを得なくなるということで政権を直撃するから、鈴木疑惑に封じ込めて何とか逃げ切ろうという態度が見え見えですよ。BSE問題についても、武部
大臣の
責任にほおかむりしたまま、うやむやにしようとしています。
私は、昨年の
予算委員会の反対討論を思い出します。この場所でやりました。昨年、KSD問題と機密費問題が焦点でした。このときの反対討論の一部はこう言っているんです。「票と金をくれる業界に抱えられた国
会議員が御用聞きになり、国会
質問や
予算編成そのものをねじ曲げるえこひいき政治と、税金を食い物にするたかり政治の構造を残したまま、幾ら立派な
政策を口で言っても、絵にかいたもちにすぎないと思います。」金科玉条のごとく、
予算の早期
成立をという主張は、全く説得力がない。
ことし、去年の反対討論をここで繰り返しても通用するような事態が続いているわけです。
総理大臣は、当時森さんでした。小泉さんにかわりましたが、何にも変わっていないじゃないですか、中身は。自民党を
中心にした政権では、だれが
総理になろうとも何も変わらないということを、本
予算委員会の
審議で私は明らかになっていったと思います。
さらに、自民党をぶっ壊すと絶叫した小泉
総理は、アフガン復興支援
会議へのNGO参加拒否問題の決着については、御自分の政権を守る保身に走り、鈴木宗男議員を含む自民党と自民党的なるものを守るために、恐れて、ひるんで、とらわれた、普通の自民党の
総理大臣であったということもこの
予算委員会で明らかになったと私は思います。
私は、最後に、今国会が始まった冒頭の代表
質問で、小泉
総理はええかっこしいで馬脚をそのうちあらわすだろうと申し上げましたが、そのとおりになったと思います。同時にそのとき、小泉
総理は自民党が生んだ、自民党しか知らない、ザ・自民党のチャンピオンにすぎないとも申し上げました。
私は、この
予算委員会を通じて、
改革を叫んだ小泉
総理及び小泉政権の限界と構造的問題がはっきりしたということを訴えて、二〇〇二年度
政府提出
予算に反対し、四野党提出の修正案に賛成の立場を表明して、討論を終わります。(拍手)