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2002-02-26 第154回国会 衆議院 文部科学委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十四年二月二十六日(火曜日) 午後零時十二分
開議
出席委員
委員長
河村
建夫君
理事
斉藤斗志
二君
理事
鈴木 恒夫君
理事
田野瀬良太郎
君
理事
増田 敏男君
理事
平野 博文君
理事
山谷えり子
君
理事
斉藤
鉄夫君
理事
武山百合子
君 小渕 優子君
岡下
信子君 近藤
基彦君
高市 早苗君 谷垣 禎一君 谷田 武彦君
中野
清君 馳 浩君 林田 彪君 二田 孝治君 松野 博一君 松宮 勲君
宮本
一三
君 森岡 正宏君
大石
尚子君
鎌田さゆり
君
中津川博郷
君
中野
寛成君 藤村 修君
細野
豪志君
牧 義夫君 牧野
聖修
君 山口 壯君 山元 勉君
池坊
保子
君 西 博義君 佐藤
公治
君
石井
郁子
君 中西 績介君 山内 惠子君 …………………………………
文部科学大臣
遠山
敦子君
文部科学
副
大臣
青山
丘君
文部科学
副
大臣
岸田 文雄君
文部科学大臣政務官
池坊
保子
君
文部科学大臣政務官
加納 時男君
文部科学委員会専門員
高橋 徳光君
—————————————
委員
の異動 二月二十六日
辞任
補欠選任
杉山
憲夫
君
宮本
一三
君
鎌田さゆり
君
細野
豪志君
同日
辞任
補欠選任
宮本
一三
君
杉山
憲夫
君
細野
豪志君
鎌田さゆり
君
—————————————
二月二十六日
教育条件改善特別助成
など
私学助成
の
大幅増額
と
小中高校
三十人
学級
の
早期実現
に関する
請願
(
菅野哲雄
君
紹介
)(第三二一号) 同(
大石正光
君
紹介
)(第四四二号) 三十人
学級
、
私学助成拡充
に関する
請願
(
古賀一成
君
紹介
)(第三二二号)
私学助成
の
大幅増額
、
教育費
の
父母負担軽減
、
教育条件
の
改善
に関する
請願
(
原口一博
君
紹介
)(第三三六号)
小中高
三十人
学級
の
早期実現
、
私学助成
の
抜本的拡充
に関する
請願
(
原口一博
君
紹介
)(第三三七号)
学校事務職員
・
学校栄養職員
の
定数改善
と
給与費等半額国庫負担
の
拡充
に関する
請願
(
阿部知子
君
紹介
)(第三七五号)
私学助成
の
抜本的拡充
等行き届いた
教育
に関する
請願
(
家西悟
君
紹介
)(第三七六号)
育英会奨学金制度
の
充実
に関する
請願
(
石井郁子
君
紹介
)(第三七七号) 同(
児玉健次
君
紹介
)(第三七八号)
私学助成拡充
と三十人
学級
の
実現
に関する
請願
(
佐々木憲昭
君
紹介
)(第三七九号)
私学助成
の
拡充
と三十人
学級
の
実現
に関する
請願
(
伊藤英成
君
紹介
)(第四四三号) すべての
子供
に行き届いた
教育
、
私学助成大幅増額
に関する
請願
(
大森猛
君
紹介
)(第四五六号) 同(
田中慶秋
君
紹介
)(第四五七号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
文部科学行政
の
基本施策
に関する件 ————◇—————
河村建夫
1
○
河村委員長
これより
会議
を開きます。
文部科学行政
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
文部科学大臣
から
所信
を聴取いたします。
遠山文部科学大臣
。
遠山敦子
2
○
遠山国務大臣
第百五十四回国会におきまして
各般
の
課題
を御審議いただくに当たり、私の
所信
を申し上げます。
我が国
の
社会経済情勢
は、かつてなく厳しい
状況
の中にあり、あらゆる
分野
で二十一
世紀
を見通した抜本的な
改革
が求められております。今後、
我が国
が真に豊かで成熟した国として
発展
し、
世界
の平和と
繁栄
に貢献していくためには、
国家
百年の計に立ち、
人材
・
教育
・
文化大国
と
科学技術創造立国
を目指した
改革
を進めることが極めて重要です。 私は、
教育
、
科学技術
・
学術
、
文化
、
スポーツ
の
振興
を
未来
への
先行投資
と位置づけ、
施策
の一層の
充実
を図り、
国民
の大きな
期待
にこたえていくことが、今、
文部科学省
に課せられた使命であると考えております。 このような
認識
の
もと
、以下のような
事項
についての
施策
を総合的に
展開
してまいります。
我が国
が明るい
未来
を力強く切り開いていく、その担い手は、まさしく人であります。
日本人
としての誇りと自覚を持ち、新たなる
国づくり
を担うことのできる、
創造性
や豊かな
人間性
に富んだ
人材
を
育成
することによってこそ、初めて
我が国
は二十一
世紀
に
活力
ある
国家
として
発展
し、
世界
に貢献していくことが可能となります。このため、私は、
人材
・
教育
・
文化大国
の
実現
が
我が国
の
存立基盤
の
構築
にとって極めて重要な
課題
であるとの
認識
に立って、
初等中等教育
の
充実
や
大学
の
構造改革
を初めとする
教育改革
に取り組むとともに、
文化
や
スポーツ
の
振興
を通じ、心豊かで
活力
ある
社会
の
構築
に努力してまいります。
教育
は国の根幹であり、一国の将来は
教育
にかかっていると言っても過言ではありません。新しい
世紀
を迎えた今日、
世界
の多くの国々が真剣に
教育改革
に取り組んでいるのは、まさにこのような
認識
によるものであると思います。
我が国
ではこれまで、二十一
世紀教育新生プラン
に基づき、
学校
がよくなる、
教育
が変わることが実感できるような
教育改革
を
実現
するため、必要な
法改正等
を行うとともに、
各般
の
施策
を講じてまいりました。これにより、それぞれの
地域
、
学校等
においてさまざまな
取り組み
が
展開
されてきておりますが、引き続きその
推進
に努めてまいります。 また、昨秋、
教育振興基本計画
の策定と
教育基本法
の
あり方
について
中央教育審議会
に諮問したところですが、今後、
教育
の目指すべき姿とその
実現
のための
施策
や新しい時代にふさわしい
教育基本法
の
あり方
について、
国民
的な議論を一層深めてまいります。
国民
の
学校教育
への
信頼
にこたえ、
教育改革
を
推進
していくためには、
子供たち
の確かな
学力
の
育成
と心の
教育
の
充実
が極めて重要です。 本年四月からは、
全国
の
小中学校
において新
学習指導要領
が
全面実施
となります。確かな
学力
の
向上
のためには、少
人数授業
や
習熟度別指導
などきめ細かな
指導
により、
基礎
、
基本
やみずから
学び
考える力を身につけさせるとともに、
発展
的な
学習
により一人一人の
個性等
に応じて
子供
の力をより伸ばすこと、学ぶことの楽しさを体験させ
学習意欲
を高めること、また、
学び
の
機会
を
充実
し学ぶ習慣を身につけさせることが大切です。あわせて、確かな
学力
の
向上
のための特色ある
学校づくり
の
推進
が必要となります。こうした
観点
に立って、本年一月に
学び
のすすめと題するアピールを公表し、新
学習指導要領
のねらいとする確かな
学力
の
向上
のための
取り組み
を
学校等
にお願いいたしました。 各
学校
や
教育委員会
においては、それぞれの
学校段階
の特性や
学校
、
地域
の実態を踏まえ、
創意工夫
を生かした
取り組み
を進めていただきたいと考えております。
文部科学省
としても、そのような
取り組み
を積極的に
支援
する
観点
から、新しい
教職員定数改善計画
を着実に
推進
するとともに、
発展
的な
学習
への
支援
や総合的な
学習
の
充実
、
学力向上フロンティア事業
や
学校
いきいき
プラン
の
活用
を初め、
読書活動
の
推進
、
教育
の
情報化等
の
各般
の
施策
に取り組んでまいります。 次に、
子供たち
の豊かな
人間性
の
育成
を目指し、心の
教育
の一層の
充実
を図ってまいります。
子供たち
に、善悪の判断や
社会
のルールを守るなどの
基本
的な
規範意識
を身につけさせるとともに、他者を思いやる心をはぐくみ、主体的に判断できる力を備えさせることは、
子供たち個人
の
人生
にとって不可欠であるばかりでなく、秩序ある心豊かな
社会
の
実現
のためにも重要であると考えます。このため、心に響く
道徳教育
の
充実
に努めるとともに、
ボランティア活動
など
社会奉仕体験活動
、
自然体験活動等
の豊かな
体験活動
の
推進
、
家庭
や
地域
の
教育力
の
活性化
、
完全学校週
五日制の
実施
に向けた
子供たち
のさまざまな
活動機会
や場の
拡大
などに取り組んでまいります。 また、
スクールカウンセラー
の
配置
の
拡充
など
子供たち
の
問題行動等
への適切な
対応
を図ります。さらに、
青少年
の
健全育成
のための
施策
や、心のケアなど
健康教育
の一層の
推進
、厳しい
就職状況
を踏まえた
進路指導
の
強化
、
幼児教育
や障害のある
児童生徒
に対する
教育
の
充実
を図ってまいります。
教育
の成否は教師にかかっております。このため、
教員免許制度
の
改善
や十年
経験者研修制度
を
創設
するための
法改正
を初め、
養成
、採用、
研修
を通じた
教員
の
資質向上
を図るとともに、優秀な
教員
に対する
表彰制度
についての
調査研究
を
推進
します。一方、
適格性等
に問題がある
教員
については、
分限処分
や
懲戒処分
、
教員
以外の職への
転職措置等
を厳正に適用するよう、各
教育委員会
に対し強く求めてまいります。 また、
保護者
や
地域住民
の
信頼
にこたえ、
地域
に開かれた特色ある
学校づくり
を
推進
するため、
学校
における
自己評価システム
の確立や
小中学校
の
設置基準
の
明確化等
を行うとともに、
学校
の
取り組み
を支え、
地域
に根差した
教育行政
が
展開
されるよう、
教育委員会
の一層の
活性化
を図ります。さらに、
学校
の
安全管理
の
徹底等
に努めてまいります。 今後の
我が国経済社会
の
発展
を図るとともに、
人材
・
教育
・
文化大国
と
科学技術創造立国
を
実現
するには、知の
創造
と
継承
の
拠点
である
大学
の
役割
が極めて重要であります。 既に一九九〇年代以降、各
大学
において
大学改革
への努力が着実に進められてきておりますが、その流れをさらに加速し、
我が国
の
大学
が、それぞれの特徴を生かしつつ、
教育
や
研究等
の上で、より
活力
に富み
国際競争力
のあるものになることが強く求められています。そのような前提に立って、昨年、
大学
の
構造改革
なくして
日本
の
発展
と
再生
はないとの
認識
の
もと
、
大学
の
構造改革
の
方針
を明らかにいたしました。このうち、
国立大学
の
法人化
については、
専門家
の
会議
における
検討
結果を待って速やかに
対応
するとともに、
国立大学
の
再編統合
については、各
国立大学
における
検討状況
を踏まえつつ
対応
を進めてまいります。また、
第三者評価
により
国公私
を通じた
世界的教育研究拠点
の
形成
を
支援
してまいります。 さらに、この
方針
でお示しした
施策
にとどまらず、これまで講じてきたさまざまな
大学改革
のための方策を引き続き
推進
するとともに、各
大学
の自律的な
取り組み
を
支援
しつつ、
教育研究基盤
の
整備
や
教育機能
の
充実
、
法科大学院
についての
検討
、
育英奨学事業
など学生への
支援
、
私学助成
の
充実等
のさまざまな
課題
にも、積極的に取り組んでまいります。
人々
が生涯にわたり
自己実現
を図っていくためには、生涯のあらゆる時期に
学習機会
を選択して学ぶことができ、その
学習
の
成果
が適切に評価される生涯
学習社会
の
構築
が重要です。このため、生涯
学習
の
環境整備
や
大学
、
専修学校等
における
社会人
の
キャリアアップ
のための
教育
を
推進
します。また、
男女共同参画社会
の
形成
、
環境教育
や
人権教育
の
充実
に努めます。
文化
は、
人々
に感動や生きる喜びをもたらし、
人生
を豊かにする上で大きな力となるものです。昨年成立させていただいた
文化芸術振興基本法等
を踏まえ、
文化
を大切にする
社会
の
実現
に努めてまいります。このため、新たに
文化芸術創造プラン
を
推進
し、
世界トップレベル
の
文化芸術
の
創造
、
世界
に羽ばたく
新進芸術家
の
養成
や
子供
の
文化芸術体験活動
の
充実
を図ります。また、
国民
が
文化ボランティア
などによりみずから積極的に
文化芸術活動
に参加し、
文化芸術
を
創造
することのできる
環境
の
整備
や、
地域
における
文化芸術
の
振興
、
伝統文化
の
継承
、
発展
や
文化財
の保存、
活用
、
国語施策
の
推進等
に
取り組み
ます。
著作権制度
については、
情報通信技術
の発達や
国際的動向
を踏まえつつ、その
改善
を進めてまいります。 明るく豊かで
活力
に満ちた
社会
を
形成
するため、
国民
のだれもが身近に
スポーツ
に親しむとともに、
競技者
が
スポーツ
に打ち込むことのできる
環境
を
整備
するべく、
スポーツ振興基本計画
に基づき、生涯
スポーツ社会
の
実現
や
我が国
の
国際競技力
の
向上
、
学校
の
体育
・
スポーツ活動
の
充実
に努めます。 また、五月三十一日から、
日韓共催
による二〇〇二年
ワールドカップサッカー大会
が開催されます。これは、アジアで初めての
大会
であり、
世界
じゅうから大きな注目と
期待
を集めているものであり、ぜひとも成功させなければなりません。
政府
を挙げて、その準備に万全を期してまいります。 続きまして、
科学技術創造立国
の
実現
についてであります。
科学技術
は、
日本経済
の
成長
を支え、希望ある
未来
を切り開く原動力です。知の
世紀
と言われる二十一
世紀
において、高い
科学技術水準
は国力の枢要な源泉であり、
我が国
の将来の盛衰を決するかぎとなるものでもあります。 このような
認識
の
もと
、
文部科学省
としては、国の
科学技術関係予算
の六割強を所管し、
政府
における
研究開発
の中核を担う立場にあることを踏まえつつ、
科学技術創造立国
の
実現
に向け、精力的に取り組んでまいります。 昨年の三月には、第二期
科学技術基本計画
が閣議決定されました。本
基本計画
の柱は、
基礎研究
の
推進
や
国家
的、
社会的課題
に
対応
した
研究開発
への
優先的資源配分
などの
科学技術
の
戦略的重点化
と、すぐれた
成果
の
創出
、
活用
のための
科学技術システム
の
改革
です。
文部科学省
としては、この
基本計画
の
方針
を踏まえながら、
科学技術
及び
学術
の
振興
のため、
創造性
に富んだ
世界最高水準
の
成果
を生み出すための
研究
と
開発
を総合的に
推進
してまいります。 昨年、名古屋
大学
の
野依教授
が
ノーベル化学賞
を受賞されました。一昨年に引き続き二年連続で
日本人
が
ノーベル賞
を受賞し、
我が国
の
基礎研究
が
世界
から高く評価されたことは、大変喜ばしいことであります。
研究者
の自由な発想に基づく
基礎研究
は、あらゆる
分野
の
基盤
となる重要なものであり、その
成果
は、新たな知を切り開くとともに、
社会発展
の
基礎
となるものであります。このため、
大学等
における
基礎研究費
の
充実
を図るほか、
大学共同利用機関等
を
中心
とした天文学、
加速器科学等
の先端的、
独創的研究
を着実に
推進
してまいります。 また、
我が国
が直面する
国家
的、
社会的課題
を解決し、
経済
や産業の
活性化
による
経済発展
を達成していくためには、
重点分野
への積極的、戦略的な
投資
を行うことが重要です。
知的資産
の増大や
経済
的、
社会的効果
への
寄与
が特に大きい、
ライフサイエンス
、
情報通信
、
環境
、
ナノテクノロジー
・
材料等
の
重点分野
の
研究開発
を積極的に
推進
するとともに、その
成果
の
社会還元
を図ってまいります。具体的には、たんぱく質の
解析研究
における激しい
国際競争
をリードし、その
成果
を新しい薬の
開発
に
活用
していくためのタンパク3000
プロジェクト
への着手や、
産学官
の
研究活動
をより効率的に行うための
ナノテクノロジー総合支援プロジェクト
の
創設
などに取り組んでまいります。
我が国
の
科学技術活動
を高度化し、その
成果
の
社会
における
活用
を一層促進するためには、
科学技術システム
の
改革
を行うことが重要です。競争的な
研究開発環境
の醸成を目指して、
科学研究費補助金
を初めとする
競争的資金
の
改革
と
拡充
、
研究開発
に係る
評価システム
の
充実
を図ります。
大学発
の
イノベーション創出
を促進し、
大学
における
創造
的な
研究成果
を広く
社会
に役立てていくための
産学官連携
の
抜本的強化
、
研究開発能力
の
拠点づくり
を目指した
知的クラスター創成事業
など
地域
における
科学技術
の
振興
についても強力に進めます。また、
国立大学等施設緊急整備
五カ年
計画
の着実な
推進
を初めとする
大学
などの
研究施設
の
重点的整備
にも努めてまいります。 さらに、
科学技術
の進歩を支えるすぐれた
研究者
、
技術者
の
養成確保
に努めるとともに、広く
国民
に
科学技術
に関する
理解
を深めていただくために、
科学技術
・
理科大好きプラン等
を通じた
科学技術
・
理科教育
の
充実
、昨年開館した
日本科学
未来
館の
活用
などを図ってまいります。なお、
生命倫理
などの
課題
についても、適切に
対応
してまいります。 安心、安全で、質の高い
国民生活
を
実現
していくためには、国の
存立
にとって
基盤
的な
分野
における
研究開発
についても、積極的に
推進
していくことが必要です。
宇宙開発
については、昨年八月の
H2Aロケット試験機
一号機に続き、去る二月四日に
試験機
二号機を打ち上げました。これにより、
人工衛星
の打ち上げを確実に
実施
するための
技術基盤
を獲得できたものと考えます。引き続き、実績を一つ一つ積み重ねながら、
信頼性
のさらなる
向上
を最
優先
に、
ロケット開発
を着実に進めてまいります。また、
国際宇宙ステーション計画
など種々の
プロジェクト
を
推進
するとともに、
宇宙開発事業団等
いわゆる
宇宙
三
機関
の
統合
により、
宇宙
の
研究開発
を一段と効率よく効果的に行う
体制
を
構築
してまいります。
原子力
については、大
強度陽子加速器等
の
大型加速器
の先端的な
研究開発
を引き続き精力的に
推進
してまいります。
高速増殖炉
及びその
サイクル技術
の
研究開発
についても、
安全確保
を
大前提
に、
国民
の皆様の
理解
と
協力
を得つつ進めてまいります。
ITER計画
については、
核融合エネルギー
の
実現
に向け、密接な
国際連携
の
もと
、引き続き積極的に取り組んでまいります。 また、
自然災害
に強い
社会
を目指すため、地震、
火山噴火等
の
防災対策
に関する
研究開発
の
充実強化
を図るとともに、海洋、
地球
、
環境
に関する
研究開発
を
推進
し、多様な
資源
、空間のさらなる
活用
や、
気候変動
のメカニズムの解明を図ってまいります。
我が国
が
世界
の平和と安定の
確保
のため積極的な
役割
を果たし、
日本人
の心の見える
国際協力
を
推進
する等の
観点
から、
国際教育協力懇談会
の提言を踏まえた
開発途上国
への
教育協力
、
日韓
、日中を初めとする
国際文化交流
の
推進
、
留学生交流
の
拡大
、
科学技術
の
国際協力活動
の
展開
、
アフガニスタン復興支援
など各
分野
の
国際協力
や
国際交流
を
推進
します。 以上のほかにも、
特殊法人等改革
、
公益法人改革
、
規制改革等
の
行政改革
や
地方分権
の
推進
など重要な
課題
が山積しております。
国民
の強い
期待
を真摯に受けとめ、
文部科学行政全般
にわたり誠心誠意取り組んでまいる決意ですので、
委員各位
におかれましても、特段の御
理解
、御
協力
を賜りますよう心よりお願い申し上げます。(拍手)
河村建夫
3
○
河村委員長
次に、
平成
十四年度
文部科学省関係予算
の
概要
について説明を聴取いたします。
青山文部科学
副
大臣
。
青山丘
4
○
青山
副
大臣
平成
十四年度
文部科学省関係予算
につきまして、その
概要
を御説明申し上げます。
平成
十四年度
予算
の編成に当たっては、厳しい
財政状況
の
もと
ではありますが、
我が国
が本当の意味での豊かな国として
発展
し、
世界
の平和と
繁栄
に貢献していくためには
人材
・
教育
・
文化大国
と
科学技術創造立国
を目指し、
教育
、
科学技術
・
学術
、
文化
、
スポーツ
の
振興
を重点的に
推進
していくことが不可欠であるとの
観点
から、
文部科学予算
の
充実
に努めたところであります。
文部科学省所管
の
一般会計予算額
は、六兆五千七百九十八億一千五百万円、
国立学校特別会計予算額
は二兆七千八百二十八億七千九百万円、
電源開発促進対策特別会計予算額
は一千五百三十九億五千六百万円となっております。 以下、
平成
十四年度
予算
における主な
事項
について、御説明申し上げます。 第一は、確かな
学力
の
育成
や豊かな心の
育成
などを図る
初等中等教育
の
改革
と
充実
についてであります。
子供たち
に
基礎
、
基本
を確実に身につけさせ、みずから考える力を
育成
するきめ細かな
指導
を目指す第七次
公立義務教育
諸
学校教職員定数改善計画
を着実に
推進
することとし、その二
年次分
として五千三百八十人の
改善
を行うこととしております。 また、新たに
学力向上フロンティア事業
などを
実施
し、すべての
子供たち
に確かな
学力
の
育成
を図るとともに、
幼児教育
などの
充実
に積極的に取り組むほか、
スクールカウンセラー
や心のせんせいの
配置
、
サポートチームづくり
などの
生徒指導
の
充実
や、
社会奉仕
・
自然体験活動
を
推進
することにより、心の
教育
の
充実
を図ることとしております。 さらに、
学校運営
の
改善
や
教員
の
資質向上
を
推進
するほか、
公立学校
の
施設整備
について、老朽化した校舎の改築、改造や
安全管理対策施設
の
整備
などを行うとともに、
学校
における
安全管理
の
徹底
に取り組むこととしております。 第二は、
地域
、
家庭
の
教育力
の
再生
と生涯
学習
の
推進
について、
完全学校週
五日制の
実施
も踏まえ、放課後や週末における
子供
の
活動支援
を行うとともに、
学校内外
を通じた
社会奉仕体験活動
などさまざまな
体験活動
の
推進体制
を
整備
するほか、
子育て講座
の
全国展開
など
家庭教育支援
の
充実
を図るとともに、
青少年
の
健全育成
を
推進
します。 また、
高等教育機関
において、
キャリアアップ
を目指す
社会人
の
受け入れ体制
を緊急に
整備
することとしております。 第三は、
大学
の
構造改革
の
推進
と二十一
世紀
を担う
人材
の
育成
についてであります。
我が国
の
大学
が
国際競争力
を有する
大学
となるためには、
大学
の
構造改革
を一層進めることが重要であり、
国立大学
の
再編統合
を進めるほか、
第三者評価
による
国公私
を通じた
世界的教育研究拠点
の
形成
のための
重点的支援
を行うこととして、百八十二億円を計上しております。 また、
専門大学院
の
充実
など、
大学院
を
中心
とする
教育研究基盤
の
強化
に努めることとしております。 さらに、
育英奨学事業
については、
教育
を受ける
意欲
と
能力
がある人が確実にこれを受けられるよう、
事業費総額
で四百三十四億円の
増額
を行い、
貸与人員
で四万五千人増員するなど、一層の
充実
を図ることとしております。 第四は、特色ある
教育研究
の
推進
など
私学助成
の
充実
について、
教育研究条件
の
維持向上
と修学上の
経済的負担
の
軽減
などを図るため、
学術研究基盤
の
強化
や
教育改革
の
推進
などに配慮しつつ、
経常費助成
を
中心
に
総額
で四千四百五十四億円を計上するなど引き続きその
充実
を図ることとしております。 第五は、
留学生交流
など
国際教育協力
の
推進
について、
留学生交流
の
推進
のため五百四十四億円を計上するほか、
アフガニスタン復興
のための具体的な
教育支援
の
検討
も含め、
開発途上国
への
国際協力体制
の
整備充実
を図ることとしております。 第六は、
心身とも
に健全な
人材
を
育成
する
スポーツ
の
振興
について、
総合型地域スポーツクラブ
を
育成
、
支援
する
体制
の
充実
を初めとする生涯
スポーツ社会
の
実現
、
トップレベル
の
競技者
の
育成
、
学校体育
の
充実
を図るなど、
スポーツ振興基本計画
を
推進
していくこととしております。 第七は、
文化芸術
による心豊かな
社会
の
実現
として、
文化
を愛し、
文化
の香りに満ちた新
世紀日本
の建設に向けて、
文化芸術創造プラン
の
創設
に百九十三億円を計上するほか、
伝統文化
、
文化財
の
活用
と次世代への
継承
、新たな
文化拠点
の
整備
などを図ることとしております。 第八は、
未来
を切り開く
基礎研究
の
推進
として、
大学
や
大学共同利用機関
が行う独創的、
先端的研究分野
における
基礎研究
の
推進
に六百三十億円を計上しております。 第九は、
戦略的重要分野
の
研究開発
の重点的な
推進
として、
ポストゲノム研究
の
推進
など
ライフサイエンス分野
の
研究
に七百十七億円を計上し、また、先端的な
情報科学技術
の
研究開発
などに八百九十億円を計上しております。 さらに、
地球温暖化
などに関する
研究開発
など
環境分野
に五百七十六億円を計上するとともに、
経済社会
の
持続的成長
への
寄与
などが
期待
される
ナノテクノロジー
・
材料分野
の
研究
に二百四十九億円を計上しております。 第十は、国の
存立基盤
となる
研究開発
の
推進
についてであります。
宇宙開発
につきましては、
宇宙関係
三
機関
の
統合
に向けた
連携協力
の
もと
で
信頼性
の
向上
などを図りつつ、
H2Aロケット
の
開発
などを着実に進めていくこととしております。 また、
原子力
の
分野
につきましては、
大型加速器
や
核融合研究
などの
先端的研究開発
を
推進
するとともに、
安全確保
と
国民
の
理解
を
大前提
として、
高速増殖炉サイクル技術
の
研究開発
などを進めていくこととしております。 さらに、
防災対策
に関する
研究開発
を着実に進めていくとともに、海洋の多様な
資源
などの
活用
を目指した
研究開発
などを一層
推進
することとしております。 第十一は、競争的
研究開発環境
の
整備
と
科学技術
振興
基盤
の
強化
についてであります。
競争的資金
につきましては、
科学研究費補助金
を初めとした各種制度を
拡充
することとしております。 また、
国立大学
等の施設については、
国立大学等施設緊急整備
五カ年
計画
を踏まえ、
重点的整備
を図り一千四百六十四億円を計上したほか、すぐれた
研究者
、
技術者
の
養成確保
や
科学技術
・
理科教育
の抜本的な
充実
を図ることとしております。 第十二は、新産業
創出
に向けた
研究成果
の
展開
として、
産学官
の共同
研究
の促進や
大学発
ベンチャーの
創出
など
産学官連携
の
強化
を図るため、一千八百八十億円を計上するとともに、
大学等
を核として
研究
機関
や
研究開発
型企業が集積する
拠点
である知的クラスターの創成を図っていくなど、
地域
科学技術
の
振興
に二百十二億円を計上しております。 第十三は、情報化への
対応
として、高度
情報通信
ネットワーク
社会
の
形成
を目指し、情報化の影の部分にも配慮しつつ、
学校
の授業においてコンピューターやインターネットを
活用
できる
環境
の
整備
を進めるとともに、専門的かつ独創的な
人材
の
育成
や
研究
分野
の情報化、
情報通信
分野
の
研究開発
などを積極的に
推進
してまいります。 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、説明を省略させていただきます。
河村建夫
5
○
河村委員長
以上で説明は終わりました。 次回は、明二十七日水曜日午前九時五十分
理事
会、午前十時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十二分散会