○
今川委員 社会
民主党の
今川正美です。
この
有事法制に関する
議論も、今
国会ではこの特別
委員会で最後の
質疑になるのかなと思いますので、この間の経緯を改めて振り返りながら、少し私の
意見を申し上げたいと思います。
今
国会の、今回の
有事法制三
法案は、歴代
内閣の中でもいわばタブーとされながら、
一つには、アーミテージ・レポートによる外圧もありましたけれ
ども、いま
一つは、一年前の八割を超えるような小泉人気に便乗した、言ってみればバーゲン
法案だというふうに言えるんだろうと思います。
本来でしたら、徹底した審議でこの
法案の具体的な
問題点を
一つ一つ指摘していきたかったのです。しかし、肝心のこの特別
委員会では、例の鈴木宗男
議員の疑惑問題だとか、あるいは
内閣官房の
官房長官なり副長官による例の非核三原則見直し、核武装の発言、あるいは例の
防衛庁個人情報リスト問題など、次々にそうした大きな問題が出てきたものですから、いわば
政府や与党が再三にわたってこの特別
委員会の審議を空転させたんだというふうに思います。しかも、
有事法制の主管官庁である
内閣官房と
防衛庁がこうしたありさまですから、まともな審議なんかできるはずがなかったんです。
それにしても、随分ひどいインチキ
法案だったと私は思います。
第一に、アジア諸国との外交や経済関係がどうしたら破綻して軍事対応となるのか、そうした
議論が全くありませんでした。いきなりミサイル攻撃にどう対応するかといったような、いわば軍事オタク的な
議論に終始したのじゃないのか。
第二に、
我が国に対する
武力攻撃事態という定義や概念についての閣僚答弁が支離滅裂で、
法案のいいかげんさを象徴していたように思います。
第三に、
事態の認定が、実は米太平洋軍であって、日米合同軍の指揮権を米軍が握ることは軍事上の常識であり、日本の主体性やシビリアンコントロールは
確保されないにもかかわらず、こうした肝心な点が不問に付されたと思います。
第四に、肝心の
国民の保護法制、つまり、人権や財産をどの
程度侵害するのか、あるいは民間防衛、すなわち地域社会レベルの戦争協力体制をいかに築くかという個別法などは、二年以内に先送りをされるという事実上の白紙委任の仕組みとなっていること。
そもそも、日本は有事に備えようのない地理的条件や現実があると思います。例えば、戦闘機や軍艦に不可欠の原油の九割以上は中東に依存している、あるいは食料の自給率は四割、原発や化学コンビナート地帯がひしめく
我が国土は、現代戦では守りようがないと思います。
また一方、日本を攻撃し、あるいは支配する能力を有するのは、この周辺国、アジアの国々にはないと思うんです。半世紀前、アジア諸国をじゅうりんした日本がこれほど平和で豊かさを享受できるのは、何よりも戦争放棄をうたう
憲法と、それからアジアに対する経済協力、経済援助があったからこそだと思うんです。
そういった
意味で、
有事法制は、こうしたアジアとの外交や経済を通した信頼関係を損なうものであって、まさに有害無益、
防衛庁内部にも声があると聞いておりますけれ
ども、廃案にした方がいいというわけですから、ここは潔く廃案にされるべし、このことを申し上げておきたいと思います。
そこで、実は日本や周辺に有事があるというのではなくて、むしろ今、陸海空三自衛隊、約二十三万六千人に及ぶ自衛隊組織の中にこそ有事がある、私はそう思います。最近の例では、先般の海上自衛隊横須賀での護衛艦の中での相次ぐ放火
事件、それから私の地元、陸上自衛隊相浦駐屯地の中での自殺
事件です。
きょうは時間があと十五分ほどしかありませんので、端的に
防衛庁長官にお尋ねをしたいと思います。
私は、この日曜日に相浦に行きまして調査をしてまいりました。陸上自衛隊西部方面普通科連隊の三人の自衛官の自殺
事件についてであります。
まず第一点、私は先週、社民党の調査団を入れるに当たって、マスコミも同行取材をしたいということでありましたので、都合二十五名の記者団の名簿をつくりまして、あらかじめ
防衛庁内局にお示しをしましたが、当日、相浦に行ってみますと、ゲートのところでいわゆる頭撮りはさせましたが、後は控室で待機してほしい、こういうことで、結果としては同行取材ができませんでした。
私は、少なくとも人事第一課長とは、先週の金曜日に、ゲートの前での頭撮り、それから実情調査をしているときには控えておってほしい、その後、訓練をしている場所などを視察するときには、支障がない限り、ぜひテレビカメラを入れさせてほしいということで了解をし合っていたんです。なぜこういう報道規制をしたのか。
それと、もう一点は、先月の三十日にTBSが、佐世保にことし三月末に新設をされた普通科連隊、通称特殊部隊と言ってもいいと思うのですが、この特集報道を組んだのですけれ
ども、これも、六月三十日に報道する以外は報道を差し控えるようにというふうな報道規制をなぜなさったのか。この点をまずお聞きしたいと思います。