○末松
委員 こればかりやっていても時間がなくなりますので、次のトピックに移ります。
ちょっとホットなニュースになりますけれ
ども、直接には
関係が薄いと言われたら薄いところではあるかもしれませんけれ
ども、大きな意味で、
国家の危機管理という観点から、あるいは
防衛庁の信頼問題というところからお聞きをしてみたいと思います。
実は、最近、私
どもは
アメリカへ行き、そして東
アジアの
関係で台湾の近くの国にも行ってきたわけなんですけれ
ども、
日本との
関係で今台湾の方で大きな問題となっているのが、台湾のCIAとも言われるような
国家安全局、これの秘密が暴露された。官邸の機密費の使い道が暴露されたというのと同じような事件なんですけれ
ども、そこで、非常に向こうは大変な報道がなされている。
これはどんな事件かといいますと、
国民の
皆さんは御存じないから簡単に申し上げますと、最近よく週刊誌とか新聞にも出始めましたけれ
ども、李登輝前総統時代に、
国家安全局に巨額の秘密資金、これが大体百三十億円ぐらいあったんですが、これがつくられて、議会の監視を経ないで、さまざまな対外的な工作を含む秘密工作資金に使われてきたというのが明らかになったんですね。
これは、なぜこれが明らかになったかというと、そのうちの、
国家安全局の出納課長というのが横領事件を起こしまして、それで海外逃亡をして、その秘密文書を持ち出した。それが今いろいろなマスコミに渡って、この事件が発覚したわけであります。これを明徳プロジェクトというんだそうですけれ
ども、ここで、李登輝元総統、これがさまざまな国にロビー活動をして、非常にさまざまな対外工作を行ったというのが書いてあるんです。
それで、例えばこれはシンガポールのザ・ストレーツ・タイムズというんですけれ
ども、ここにこういう写真がでかく載っているのが、これは橋本
総理とそれから秋山元防衛事務次官、これがきのうも
審議されていますし、山田議員が、
外務委員会、そしてきのうの
審議になってきているわけなんですけれ
ども、これによって、私も実際のものを、この証拠というのが、私も某国に行ってとってきまして、実際に
国家安全局がこれだけのお金をこういうふうに使ったというふうなことが出ています。
そこで、実際にここに今証拠で載っているのは、この秋山元防衛事務次官に対してハーバード
大学の留学費用ということで十万ドル、約一千数百万を渡した、そして、彼が
日米の防衛ガイドラインのときの防衛局長として非常に台湾との
関係で情報収集とか協力をしてくれた、その恩義に報いるんだという位置づけをして、そして秋山さんは、それに対してハーバードの留学費用で、お礼を言って、そして実際に留学をしたということが書かれておりますし、橋本元
総理大臣に対しては、一万ドルといいますから百数十万ですかが、お歳暮という形で手渡ったというようなことが書かれているわけです。
そこで、私の方で問題にしたいのは、この事件の解明ということについてよりも、まず、ここでこれのどんな効果があったかというのが書いてあって、そのときに、書いてあるのが、九五年の李登輝さんの訪米、これに対して非常にビザをおろすために効果があったと書いてあるんですね。それから、これはわかりませんけれ
ども、書いてあるのをそのまま読めば、九六年春、
中国のミサイル演習の後、橋本首相を通じ米
政府に艦隊派遣を働きかけて、そして米艦隊が出動した、これは台湾の
国家安全局の見解なんですよ。実際に金が行ったかどうかは、そこまではわかりません、正直言ってこの橋本さんについては。ですから、そこは御本人が違うという場合には大変な迷惑だろうとは思うんですけれ
ども、私、実はこれの問題意識もあったので、いろいろと調べてもみたんです。
そこで、米国の
関係者とも実は話をし、そして、香港
関係の情報筋なんかにもさまざまな情報をとっていろいろと調べていったら、彼らが言うには、台湾ロビーというのが非常にこれは強いものがあって、それで、
アメリカの議会なんかでもユダヤロビーの次に台湾ロビーが非常に強いと。そして、台湾ロビーの工作の中心は
アメリカで、これはここが
ポイントなんですけれ
ども、
アメリカを動かすことによって
日本を動かすんだ、そういう位置づけをしていたというんですね。
そこで、特に彼らが言っていたのが、
日米安保と特に
日米のガイドラインですか、あのことは、あれはもう台湾
有事のときに、
アメリカと
日本の防衛
関係をきちっと築いて、そして、逆に一言で言えば
日本も引き込む、そういう戦略であったんだと。そのためにまず台湾ロビーがやったのは、李登輝元総統が、彼は、インタビューの記事に、このお金は
国家の生存のために使ったんだというふうにはっきり言っています。確かに、彼は、台湾という国をどうやって生存空間というものを
確保していくかということに一生懸命になっていたんだと思います。その意味ではすごい人だなと思うんですけれ
ども。
それをお金を使ってまずやったのが、九五年の五月に
アメリカに自分が訪米するんだ、そこに台湾ロビーの大変な力を使ったんだということが言われているんですよ。事実、この李登輝の訪米でビザを支給するに当たって、
アメリカの国務省は反対したんです。でも、議会が、九五年の米国の議会でビザ支給について決定を行ったんですけれ
ども、これが、米国の下院が、何と賛成が三百九十六、反対がゼロです。そして上院が、九十七が賛成で、反対が一、一人だけ。それだけ大きな、これは台湾ロビーの大成功だと言われているんです。
そこでどうなったかといいますと、そこで、この李登輝さんが
アメリカに行ったことに対して一番腹を立てたのが
中国なんですよ。何だという話ですよ。そこで
中国はどういう行動をとったかといいますと、その二、三カ月後、台湾の海域で
軍事演習を行い始めるわけですよ。そこで二回、台湾北方公海上でミサイル、火砲の実弾射撃訓練を行った後、今度はその翌年、九六年の三月に、三回にわたって台湾近海でミサイル発射訓練を行って、海空軍の実弾演習あるいは陸海空の統合演習を行っているわけなんですね。
そうなりますと、これが何を導いてきたかというと、
アメリカが、これはいかぬというので、空母二隻を、機動部隊が行って台湾海域に入ってくる、そこで台湾海峡の危機というのが出てくるわけなんですね。
そこで、現地の常識という話で言っていたのが、そこから、今度は、米側が
日本に対して、今までの研究の成果を生かした上で
日米防衛のガイドラインをここで仕上げてしまおうという話になってくる。そこで、
日本側の方に対しても台湾ロビーが非常に働きかけをして、台湾側の認識では、今出ている資料の中で言うと、そこの中心人物が秋山元防衛局長だった、その彼がこの防衛ガイドラインをきちんと仕上げた一番重要な人物だった、それのお礼だということを言うわけです。事実、それから今度は、九六年の四月に
日米首脳による
日米安保共同宣言、そして、九七年九月の
日米安保協議
委員会という中での
日米防衛協力のための指針というものができて、そして九九年ですか、それが国内法として
周辺事態法ということで、
日本が何かあった場合に
アメリカの後方支援を行っていくということにつながっていくわけです。
事実
関係を見ていくと、そういう、
日本がだんだん巻き込まれて、要するに、中台の紛争が起こったときにはやはり
日本としては多分何か後方支援をやらなきゃいけないんだろうなという体制が着々とできていっているわけです。それで、九七年、橋本政権の時代に、梶山官房
長官が、中台紛争というのは
周辺事態に入るのかと言われて、入ると言って
中国から猛烈な反発を受けて以来、
日本政府は特定地域を想定しないんだということを強調するに至るわけなんですね。
それで、そういったときに、あと一点だけ申し上げれば、李登輝さんという方は、九九年、台湾新幹線というものが、実は二兆円の総事業費、これが、もとはフランスとドイツ、ヨーロッパ勢が優先的に
交渉権を与えられていたのが急にひっくり返りまして、そこで
日本連合がとることになるんですけれ
ども、このときは、これは日経ビジネスによればですけれ
ども、直前に台湾の地震があって、耐震構造を持った
日本の新幹線の方がいいとか、あるいはヨーロッパで、ドイツで鉄道事故があったりしてちょっとこれはまずいよという話もあったんですが、この日経ビジネスの見る見方の一番の決定打は、李登輝総統が
日本の新幹線を支持するという強い意向があって、それが決定打になったと書いてあるんです。
そういった意味で、要は、私は何が言いたいかというと、台湾ロビーというものが
アメリカや
日本に対してどんどんやられていく中で、私
たちの、
国民の、民族の運命がそちらの方に引っ張られてきたような感じがするわけです。それについて、現地で話し、そして
アメリカ側とも話して、
アメリカの
関係者の中には、賛成する人、いや、そうじゃないんじゃないかと言う人、半々いましたけれ
ども、こういう見方があるんですけれ
ども、
外務大臣、どうですか、この見方について、できるところのあなたの
考えを教えてください。