○山口(わ)
委員 大変時間も遅くなりまして、もうちょっとの辛抱です。よろしくお願いします。
社会民主党・市民連合の
山口わか子でございます。私は、長野県から出ています議員です。ちょうど長野県のダムのことについて御
質問申し上げたいと思います。
実は、長野県の非常に風光明媚なところに千曲川上流ダムが
計画をされたわけです。この千曲川上流ダムの
計画というのは、今から三十八年前に
計画をされたわけですが、その後、
地域住民の
皆さんの反対がありまして、ずっとこの
計画は、
計画が出されたまま
事業が進められなかったわけです。そうしたところへ、
昭和六十年に
政府の
予算で
実施準備
調査費というのが一億円ついたそうですが、これも反対運動で撤回をされたということを聞いております。
そんな中で、住民の
皆さんはこれは撤回されてもうダムはできないんだろうというふうに思っていたやさきに、
平成八年一月一日に、
地元の新聞で国が現在も千曲川上流ダム建設を
計画しているということが明らかになったということなんです。やはりこの建設はずっと反対をしていまして、百害あって一利なしという、国の直轄ダムなんですけれ
ども、そういうことでずっと反対をしてきたわけです。
当初は、ダムの周辺の町村、五町村あるんですが、この五町村はダムを積極的に建設しようということで陳情を出していたということなんですが、その後、やはり反対がありまして、
平成十年に五町村の町村長が議会と連名で、ダムの陳情については白紙撤回を申し入れたということを聞いております。
その後、
平成十一年、十二年とずっと白紙撤回をする中で、国にダムを撤回してほしいということでずっと陳情をし、現在に至っているわけですが、ことしになりまして、私新聞で見たんですが、このダムにつきましては中止をするという新聞の記事を見たわけです。
そこで、突然中止になったからいいわけなんですけれ
ども、とにかく三十八年も反対運動を続けてきて、その都度この建設が中止されなかった。しかも、町村長も議会も村民もこぞって反対してきたわけですから、本当にこのことが何で今までこういうふうに引きずられてきたのか、そしてことしになって突然中止という話になったのかということで、
地元の
皆さんも、今まで本当に苦労して苦労して反対してきたのにもかかわらず、こういう結果になったということについて、非常に不信感を持っているわけですね。今までみんなで反対してきているのにもかかわらず、一部の反対じゃないわけですから、何で白紙撤回ができなかったのか、そしてことしになって突然そうなったのかということについて、大変不信感を持っているわけです。
このダムというのは大変、私も見てびっくりしたんですが、すごいダムでして、
地元の人によりますと、この千曲川上流ダムというのは多
目的ダムということなんだそうですが、集水面積が二百八十一平方キロメートル、ダムの高さが七十から八十メートル、貯水面積は約三キロ平方メートル、総容量が七千万から八千万立方メートル、総工費が約一千億円ということだそうですが、水没がとにかくすごいんですね。このダムが建設されますと、南牧村の海ノ口というところがあるんですが、そこと川上村の一部、約二百五十戸が水没するんだそうです。そして、JRの小海線が通っているんですね、国道もあるんですが、それも水没しちゃうんだそうです。そして、もちろん小海線は水没を契機に廃線になりかねないということだそうです。
それから、このダムが飲料水に使うという多
目的ダムだそうですから、農薬とか肥料の使用が制限されますので、もちろんあそこは高原野菜の産地なんですね、レタスとか
日本一のところですから、この野菜の農業生産にも決定的な打撃を受けるということにもなるということ。もう
一つは、また大変なのは、千曲川の水がせきとめられますと、一部に強酸性の水が出るんだそうですね。八ケ岳の硫黄岳から流れ出てくる湯川という川が非常に強酸性の水で、魚も虫もすめないというところだそうです。それが水に一緒に流れてきますので、もちろんその水で農業生産あるいは漁業も打撃を受ける。
私も聞きまして、大変すごい
計画で、こんなに、今どき二百五十戸も沈んだらどうするんだろうというふうなところの
計画でびっくりしたんです。
こういう大変な
計画で、もちろん
地元は、これは大変だというんでずっと反対を続けてきたということなんですが、ずっと通らなかった。ことしになって突然中止ということが、これは本当かどうか、私も新聞紙上で見たものですから、本当に中止かどうかちょっとわからないもので、本当に中止という通知が
地元に行ったのか、そして、中止だとするとなぜ中止ということが出されたのか、今まで、これだけの大がかりなダムについて、三十八年も国はずっと建設を
計画していた理由は何なのかを御
説明ください。