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大木国務大臣 先般のG8
会議でございますが、G8の
環境大臣会議というのは、本来ならば、首脳によるG8の
会議があるわけですから、そのサミットへの準備ということもありますけれ
ども、今回はどちらかといえば、
ヨハネスブルグの
会議もあるので、むしろそちらを意識しながらいろいろ議論をしたということでは、確かに、その一部であります
京都議定書をどういうふうにするんだということも大変に大きな議題として議論はされました。
まず、
アメリカにつきましては、今、田端議員も
お話ございましたように、昨年以来、我々も抗議に出かけたり、あるいは抗議は抗議として、またひとつ
アメリカとどういう面では話し合いができるかということで、
日米ハイレベル
会議というようなものも、これはG8とは別に
日米でやっておりまして、先般も先方から国務次官等が来て話をいたしましたし、今回も、G8の中でもG8としての
お話し合いのほかに個別会談を行いました。
それで、ここでは、向こうの
環境庁長官、言うなれば
環境大臣に相当するホイットマン長官とも話をしまして、引き続き
アメリカとしても
ヨハネスブルグに向けては、
地球環境問題をいろいろと自分たちとしてやれることは
努力をしていくということでございますから、例えば、
アメリカも随分ここのところ足しげく各国へかなりハイレベルの人を派遣して、
ヨハネスではどういうことをやろうかというようなことをしておりますから、言うなれば、
京都議定書に入るということはちょっと今すぐには言えないけれ
ども、例の
枠組み条約の中ではいろいろ
協力をしていくということでございますし、
日本としてもかなり頻繁にこれから協議をしてまいりたいというふうに
考えております。
次に、カナダでありますが、カナダは、実は今度はG8の議長国でございますから、
環境大臣会議でもカナダのアンダーソン
環境大臣が議長をいたしました。
カナダにつきましては、自分のことは
会議中ずっと余りしゃべっていなかったんですけれ
ども、いよいよ終わりごろになってきましたら、そこでカナダはちゃんとやってくれるんだろうなと言いましたら、いや、やっているけれ
ども、大変になかなか苦労しているという話が随分ありました。今
お話のございました、
アメリカにクリーンエネルギー、と言ってもこれは天然ガスのことなんですけれ
ども、天然ガスを供給しているんだ、天然ガスを供給しなきゃ
アメリカがもっと悪いガスを使うだろうということでは、要するに全世界的にはCO2の排出
削減に
協力しているんだから、それを何とかカウントしてくれぬかというようなことを言い出しました。
この話は、実はぽつぽつとカナダがいろいろなところで前から少しずつ出していたようでありますけれ
ども、正式にみんなの前で言い出したのは、実は今回がむしろ、初めてとは言いませんけれ
ども、そういうふうに非常に大事な問題として、要するにこれを認めてくれればすぐにでも
京都議定書の
批准ができそうな話なんですけれ
ども、それは、要するに、
先ほども申し上げましたけれ
ども、中央
政府としては、各州
政府との話し合いそれから産
業界との話し合いということがございます。
各州と中央
政府というのは、これはもう
御存じだと
思いますけれ
ども、非常に州
政府の独立性が強いものですから、なかなか簡単にうんと言わないというようなことでありまして、これはとにかく、賛成反対は別としても、かなりそれだけのやはり根回しあるいは手続をやらなきゃいかぬということで、ちょっと時間がかかる。
それから、産
業界につきましては、これは必ずしもエネルギー産業に限らないのですけれ
ども、やはりカナダと
アメリカというのは非常に、隣接国ですし、
経済的にはカナダのいろいろな産業というものが
アメリカの産業と一体化しておる、組み込まれておるというような面が非常に多いものですから、
アメリカが
京都議定書に入ってこないということについては、それではカナダはどうだというような議論は当然に出てくるということが
一つ。
それと、今申し上げました、エネルギーに限って話をしましても、今の天然ガスを、例えばちょうど
会議のありましたアルバータ州が、非常に
アメリカのニューヨーク州等にはその天然ガスを売っているものですから——失礼しました、長々となりまして。
というようなことで、要するに、カナダは今
努力はしておるけれ
どもちょっと時間がかかる、それではどれだけかかるということについては、ちょっとまだ正確なことを言えないのでひとつ勘弁してくれ、こういうことでございます。