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尾身国務大臣 一言で言えというから短く言ったわけで、説明時間が許されるのなら幾らでもお話ししますが、今までの三十年を振り返ってみますと、やはり格差是正ということで、特にインフラの
整備がおくれているということで、六・八兆円の国費をつぎ込んで、例えば道路とか下水道とか港湾とか飛行場とか、そういうものを
整備してまいりました。
実は、先日、十一月の十日でございますが、ちょうど観光客が減って大変なときに、私は、群馬県の私の後援会の方々に、かなり無理にお願いをして、五百人の方に行っていただきました。二月の十六日に、またさらに、どうしても行きたかったなというお話がございましたので、もう一度
計画をいたしましたら、今度はリピーター何人かも含めて七百五十人になりまして、飛行機もパンクして、ホテルもなかなかとりにくいという
状況で大変でございまして、十一月十日と二月十六日はもう観光について大変大きな格差が出てきて、特にリピーターが大勢いたということは、やはり
沖縄は観光には自信を持っていいんだなという思いもいたしました。
その中の一人、十一月の十日に行った一人が私にこういうことを言いました。
尾身さん、復帰前に実は
沖縄に行ったことがあって、今回三十年ぶりで二度目行ったんだけれども、
沖縄が物すごくよくなっているので私は感激して涙が出ました、こういう話がございました。ですから、そういう意味で、
沖縄の発展のために私どもがやってきた政策というのは、その時間の断絶をもって
沖縄に行った人から見れば、実を言うとさま変わりになっているという現状であるというふうに私は強く印象づけられたわけでございます。
しかし、さはさりながら、きょう一日いろいろ
議論をしておりますが、情報特区とか金融特区とか自由貿易
地域とか、いろいろなことをやってきておりますが、観光とか
農業とかエコツーリズムとか、あるいはコールセンターとか、そういうことについてはかなりよくなってきていますけれども、しかし、本当の意味の
沖縄の
経済の地固めができているかというと、私は必ずしもそうではないと考えております。
私は、これからの十年あるいは二十年、三十年ということを考えたときに、
沖縄が、観光とか豊かな自然、そういうものには恵まれていますから、これを活用するということは当然のことなのでありますが、
沖縄に住んでいる人あるいは
沖縄というその地区が、もっと高度の知識集約されたような一つの
共同体になって、アジア太平洋
地域の知的な中核体になる、知的クラスターといっておりますが、そういうふうに持っていきたいなと考えております。
したがいまして、今度の
法案もいろいろ具体的にありますけれども、一つの方向は、本当の意味で
沖縄の人々が、また
沖縄という
地域が、ほかの日本と比べてあるいはアジアのほかの
地域と比べて競争力があるような、これは
地域だけではありません、人々も競争力があるような高い水準に持っていかなきゃだめだ。
そのために、私は、
沖縄に全部英語を使ってやる大学院大学、バイオテクノロジーの
関係の大学院大学をつくりたいと考えております。これは、現在の
沖縄の水準と全く合わない。ある
沖縄の人が、せっかく
沖縄に大学院大学をつくるんだから、例えば二割とか三割とか、
沖縄に入学枠をある程度出してくださいと。それはだめですと。
沖縄に特別の入学枠はつくりません。もちろん日本にもつくりません。半分以上はアメリカやアジアの人、外国からの学生、半分以下が日本人ということにしたいと思っております。そうして、まさに、今日本で、実を言うと、大学院大学も含めて英語を公用語としている学校はありません。これをつくって、世界のインターナショナルな局面におけるセンターにしていきたいと考えております。
これは大変に大きな難
事業なんでございますが、
沖縄の地理的な
条件、歴史的な
条件、文化的な
条件等々を考えると、最初にこういうインターナショナルな大学院大学をつくれるのは日本の中では
沖縄だけであるというふうに考えておりまして、これをぜひとも実現させていきたい。ですから、今度の
法案にも大学院大学の
創設を含めて云々という
法律の文章が入っておりますが、これは、この種の文章をこの種の
法律の中に入れることは、普通ならば財務省あたりが絶対反対で入らないわけでありましたが、実を言うと、そこは御理解をいただいて、たった一行なんでございますが、そういうふうに入っております。
そういう二十年、三十年の先を見通した
沖縄をつくり上げたい、そして、そのためには今いろいろなところで手を打っていかなきゃならない。これは、私ども今与党でございますが、与党、野党を問わず、日本国民が
沖縄の問題をまさに自分の問題として考えて、ぜひ御支援をいただきたいというふうに考えている次第でございまして、ぜひとも
委員会の皆様の御理解と御支援を本当に心からお願いする次第でございます。