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2001-11-16 第153回国会 参議院 本会議 第11号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年十一月十六日(金曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第十一号
平成
十三年十一月十六日 午前十時
開議
第一
平成
十三
年度
一般会計補正予算
(第1号 ) 第二
平成
十三
年度
特別会計補正予算
(特第1 号) 第三
平成
十三
年度
政府関係機関補正予算
(機 第1号) 第四
地方交付税法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 第五
平成
十二
年度
歳入歳出
の
決算
上の
剰余金
の
処理
の
特例
に関する
法律案
(
内閣提出
、衆
議院送付
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件
議事日程
のとおり ─────・─────
井上裕
1
○
議長
(
井上裕
君) これより
会議
を開きます。
日程
第一
平成
十三
年度
一般会計補正予算
(第1号)
日程
第二
平成
十三
年度
特別会計補正予算
(特第1号)
日程
第三
平成
十三
年度
政府関係機関補正予算
(機第1号) 以上三案を一括して
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
予算委員長真鍋賢二
君。 ───────────── 〔
審査報告書
は
本号末尾
に
掲載
〕 ───────────── 〔
真鍋賢二
君
登壇
、
拍手
〕
真鍋賢二
2
○
真鍋賢二
君 ただいま
議題
となりました
平成
十三
年度
補正予算
三案につきまして、
委員会
における
審査
の
経過
と結果を御
報告
申し上げます。
補正予算
の
内容
につきましては、既に
塩川財務大臣
の
財政演説
において説明されておりますので、これを省略させていただきます。
補正予算
三案は、去る十一月九日、国会に提出され、同日、
財務大臣
から
趣旨説明
を聴取した後、
衆議院
からの
送付
を待って、十四日及び昨十五日の両日、
小泉内閣総理大臣
並びに
関係
各
大臣
に対し、
質疑
を行いました。 以下、
質疑
の若干につき、その要旨を御
報告
申し上げます。 まず、
景気
問題について、「今
年度
も
名目成長率
が
マイナス
二・三%に下方修正され、
平成
十
年度
以降、四年連続で
マイナス成長
となり、
デフレ
の進行が一段と鮮明になったが、
政府
は、
景気
の現状、今後の動向をどう見ているのか」、また、
補正予算
に関し、「近年、
補正予算
で多額の
義務的経費
の
追加
が常態化しており、今回の
補正予算
でも八千三百億円もの
義務的経費
の
追加
が行われているが、一年間に必要な
経費
は、原則として、すべて当初
予算
に盛り込むべきと思うがどうか」との
質疑
があり、これに対し、
小泉内閣総理大臣
並びに
関係
各
大臣
から、「
我が国経済
は、
失業率
が戦後
最悪
となるなど厳しい
状況
にある。特に、
米国
では
同時多発テロ
以来、
景気
は予想を上回る
スピード
で減速し、世界的にも
景気後退感
が広がっており、今後、
我が国
でも、厳しい
状況
が続くのではないかと認識している。しかし、
我が国経済
の潜在的な力は十分にあり、
政府
としては、
雇用
、
中小企業等
に対する
セーフティーネット
の
整備
を図りつつ、
構造改革
を進めていく考えであるが、
景気回復
にも全力を挙げて
対策
を講じてまいりたい」、また、
補正予算
の
義務的経費
の
追加
については、「
平成
七
年度
以降、
医療保険制度
の変更や
景気悪化
に伴う
生活保護対象者
の増加などがあり、当初
予算
で見込んだ以上に増加し、
補正予算
で
追加
せざるを得なくなった。当初
予算段階
での見積もりに誤算があったのは事実である」旨の
答弁
がありました。 次に、
雇用
問題について、「本
補正予算
には、
緊急地域雇用創出特別交付金等
、合わせて五千五百億円の
雇用対策費
が盛り込まれているが、その
実効性
はどうか。また、今回の
雇用対策
による
雇用創出効果
はどの
程度
か」との
質疑
があり、これに対し、
坂口厚生労働大臣
から、「
緊急地域雇用創出特別交付金
は、過去の反省も踏まえ、
人件費
に八割以上の使用を義務づけるなど
有効活用
の
措置
を講じているが、それぞれの
地域
において最も
効果
のある
事業
に使うよう知恵を絞ってもらい、本格的な
雇用
の拡大につなげていくことを期待している。今回の
雇用対策
の諸
施策
を合わせると約百万人の
雇用創出効果
があるものと見込んでいる」旨の
答弁
がありました。
質疑
は、このほか、
米国同時多発テロ事件
への対応、
特殊法人改革
、
不良債権
問題、第二次
補正予算編成
の
可能性
、
医療制度改革
、
牛海綿状脳症対策
、
田中外務大臣
の
外交活動
、
地球温暖化防止国際会議
、中国の
WTO加盟
など多岐にわたりましたが、その詳細は
会議録
によって御承知願いたいと存じます。
質疑
を終局し、
討論
に入りましたところ、
民主党
・
新緑風会
を代表して
藤原委員
が
反対
、自由
民主党
・保守党及び公明党を代表して
入澤委員
が
賛成
、
日本共産党
を代表して
宮本委員
が
反対
の旨、それぞれ
意見
を述べられました。
討論
を終局し、
採決
の結果、
平成
十三
年度
補正予算
三案は
賛成
多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
井上裕
3
○
議長
(
井上裕
君) 三案に対し、
討論
の通告がございます。発言を許します。
谷博之
君。 〔
谷博之
君
登壇
、
拍手
〕
谷博之
4
○
谷博之
君 私は、
民主党
・
新緑風会
を代表して、
政府提出平成
十三
年度
補正予算
三案に
反対
する立場から
討論
をいたします。 私の郷土の
誇り田中正造翁
が、
帝国議会議員
の職を辞し、足尾の鉱毒について天皇に直訴してはや百年、その
田中正造翁
は、真の
文明
は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべしという
言葉
を残しました。
総理
、この
言葉
の意味を十分にかみしめながら私の
反対討論
をぜひお聞きいただきたいと思います。 今、
日本経済
を
景気低迷
と
デフレ
の泥沼から救うために行わねばならないことは何か。それは、
財政再建
と
不良債権
の
抜本的処理
、
規制改革
とそして
セーフティーネット
の
整備
を一刻も早く断行することです。おくれればおくれるほど将来の選択肢を狭め、
国民
の
苦しみ
と
痛み
をより大きくすることになる。 我々
民主党
は、
改革
は
スピード
をもって行わねばならないと主張してまいりました。今回の
補正予算
のベースとなっている
改革先行プログラム
の中身を拝見すると、一見、
民主党
の主張が取り入れられているかのように見えます。しかし、よく読めば、従来の自民党の手法と何ら変わりはない。
ばらまき
とごまかしと
先送り
に満ちた
括弧つき
の
改革
にすぎないことがわかります。
内閣
府が現時点で実施したと説明するものは皆、見直す、検討する、調査するの三点ばかりであります。
国民
の
安心
につながる年金や
医療制度
の
改革
も遅々として進まず、与党には
先送り
の声さえ上がっている。これではこの半年間、何もやっていないのも同然と言わざるを得ません。にもかかわらず、
総理
は、まだ半年だと居直った
答弁
を繰り返すだけです。私には
国民
の
苦しみ
と
痛み
をできるだけ小さくしようという熱意が全く感じられないのであります。 そうした中で、以下、
民主党
として
補正予算
に
反対
する
理由
を次に三点述べさせていただきます。 その第一の
理由
は、
補正予算
の目玉とされる
雇用対策
の
内容
が余りにもお粗末な点であります。 過去
最悪
の
雇用情勢
にあって、
雇用
の
セーフティーネット
を
整備
し、
勤労者
に
安心感
を与え、
構造転換
に向けた
職業訓練
を推進することが今何よりも求められています。しかし、その柱となる
緊急地域雇用創出特別交付金
は、
雇用期間
が最長六カ月に限定され、更新ができません。
成長分野
への
雇用奨励金
もほとんど使われてこなかった。そんなものをもって三年間で百万人もの
雇用創出
に資するという。これこそ対症療法的、
ばらまき
、そして絵にかいたもちと言わずして何と呼ぶでしょうか。
セーフティーネット
としての機能は全く不十分であります。 我が
民主党
は、
雇用
の
創出
こそ最善の策と考えます。自治体がアイデアを競う
雇用創出策
のほか、
中小企業
や
女性起業家
、NPOの
育成支援
、
民間活力
の導入で
ミスマッチ
の解消を目指す
施策
などを提案しています。
人的投資
を重視した抜本的な
雇用対策
の実施こそが今何よりも求められているのであります。しかし、
政府
には我が党の提案にかす耳を持っていない。したがって、私
たち
は、
抜本的改革
のないまま
セーフティーネット
に名をかりた
ばらまき政府案
には到底容認できないのであります。 そして第二は、前
年度
剰余金
を
全額補正予算
の
財源
とし、
財政法
の
趣旨
をねじ曲げている点であります。 これは本来
国債
の償還に充てられるべき
財源
ですが、それを流用するのは
国債
の
新規発行
と本質的に何ら違いはなく、ことしの
国債発行
を見せかけだけの三十兆円に抑えるための小細工にすぎません。その結果、このような
措置
は到底容認できないのであります。 八千三百億円もの
義務的経費
が計上されている点も、私には見逃せません。
義務的経費
は、
生活保護費
など支出が義務づけられている
予算
であり、当然、当初
予算
に計上するべきものであります。しかし、近年は毎年四千億円から八千億円もの巨額が
補正予算
で手当てされることが常態化しています。
年度
当初では甘く査定しておいて、
補正
で
追加
しようというわけであります。
総理
、これを姑息と言わずして何と呼ぶべきでしょうか。当初
予算
の
帳じり合わせ
のための
補正予算
など断じて認められません。 そして第三は、
予算
の大胆な組み替えをしていない点であります。
政府
は、
既定経費
を一兆一千億円節減したと大々的にうたっていますが、その大半は、超低金利のおかげで
国債
の利払いが少なくて済んだにすぎません。あとは、もともと一五%多く見積もるのが慣例の
庁費
を
例年どおり
削り、
例年どおり人事院勧告
に基づいて
人件費
を減らしたにすぎないのであります。
例年どおり
の
予算執行状況
であれば、十一月末時点で未契約の
公共事業
が二兆円
程度
はあるのではないでしょうか。むだなものは中止して、少しでも多く
予算
を
雇用対策
に回すという努力は全くなされておりません。これでは、森前
政権下
で策定された今
年度
の
ばらまき公共事業関連予算
を現
政府
は是認していることにほかならず、到底容認できないのであります。 以上、本
補正予算
に
反対
する主な
理由
を申し述べてまいりました。
総理
、
総理
は五月の就任時の
所信表明
で、長岡の
小林虎三郎
が米百俵を食べずに売って学校を建てたという故事を紹介されました。実はあの戯曲は、栃木県出身の作家、
山本有三
が書いたものであり、私もその志に胸打たれる者の一人であります。 時代は今、
田中正造翁
がまさに恐れたような、山が荒れ、川が荒れ、村が破れ、人が殺される、国家と
地球
の危機にあります。そんな暗い世相の中、
総理
は就任して以来既に半年の時を経ました。
総理
、
総理
は米百俵を売って
国民
にどんな
希望
を与えてきたのでしょうか。
景気刺激
の
効果
も
雇用創出
の
効果
もない、子孫の借金を膨らませるだけの
補正予算
という
米俵
を与えることだけは断じて許せません。 今こそ私
たち政治家
は、真の
文明実現
に向け、
国民
が未来に夢と
希望
を持てるような大胆な
施策
を迅速に講ずるべきであります。 以上申し述べ、私の
反対討論
を終わらせていただきます。(
拍手
)
井上裕
5
○
議長
(
井上裕
君) これにて
討論
は終局いたしました。 ─────────────
井上裕
6
○
議長
(
井上裕
君) これより三案を一括して
採決
いたします。 三案の
賛否
について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
井上裕
7
○
議長
(
井上裕
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
井上裕
8
○
議長
(
井上裕
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百三十四
賛成
百三十七
反対
九十七 よって、三案は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────・─────
井上裕
9
○
議長
(
井上裕
君)
日程
第四
地方交付税法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
総務委員長田村公平
君。 ───────────── 〔
審査報告書
及び
議案
は
本号末尾
に
掲載
〕 ───────────── 〔
田村公平
君
登壇
、
拍手
〕
田村公平
10
○
田村公平
君 ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、
総務委員会
における
審査
の
経過
と結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
は、
地方財政
の
状況等
にかんがみ、
地方交付税
の
総額
を確保するため、
平成
十三
年度
分の
地方交付税
の
総額
について
加算措置
を講ずるとともに、同
年度
における
交付税特別会計
の借入金を増額する等の
措置
を講じようとするものであります。
委員会
におきましては、
交付税総額確保
のあり方、
平成
十四
年度
地方財政対策
の
方向性等
について
質疑
が行われました。
質疑
を終局し、
討論
に入りましたところ、
日本共産党
を代表して
宮本岳志委員
より
反対
の
意見
が述べられました。
討論
を終わり、
採決
の結果、本
法律案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
井上裕
11
○
議長
(
井上裕
君) これより
採決
をいたします。
本案
の
賛否
について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
井上裕
12
○
議長
(
井上裕
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
井上裕
13
○
議長
(
井上裕
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百三十四
賛成
百三十七
反対
九十七 よって、
本案
は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────・─────
井上裕
14
○
議長
(
井上裕
君)
日程
第五
平成
十二
年度
歳入歳出
の
決算
上の
剰余金
の
処理
の
特例
に関する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
財政金融委員長山下
八
洲夫君
。 ───────────── 〔
審査報告書
及び
議案
は
本号末尾
に
掲載
〕 ───────────── 〔
山下
八
洲夫君登壇
、
拍手
〕
山下八洲夫
15
○
山下
八
洲夫君
ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、
委員会
における
審査
の
経過
及び結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
は、
平成
十二
年度
の
一般会計歳入歳出
の
決算
上の
剰余金
の
処理
について、
財政法
第六条第一項の規定の
特例
を定めることを主な
内容
とするものであります。
委員会
におきましては、
財源
として
剰余金
を選択した
理由
、国、
地方
の
公共事業費削減
の
見通し等
について
質疑
が行われましたが、その詳細は
会議録
に譲ります。
質疑
を終了し、
討論
に入りましたところ、
日本共産党
を代表して
池田幹幸委員
より本
法律案
に
反対
する旨の
意見
が述べられました。
討論
を終了し、
採決
の結果、本
法律案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
井上裕
16
○
議長
(
井上裕
君) これより
採決
をいたします。
本案
の
賛否
について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
井上裕
17
○
議長
(
井上裕
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
井上裕
18
○
議長
(
井上裕
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百三十二
賛成
百三十七
反対
九十五 よって、
本案
は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────────────
井上裕
19
○
議長
(
井上裕
君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十五分散会 ─────・─────