○江田五月君 今、
司法改革に対する
国民の熱望というものは大変強いんですよね。余り大きな声ということではないかもしれません。しかし、私は
一つのランドマークといいますか、大変この象徴的な出来事というのは、私自身が経験したんですが、昨年の二月でしたか、日弁連などが主催をしたシンポジウムが行われまして、
司法改革について。地味な
テーマで、パネリストは、私も、それから自民党の保岡さんとかがパネリストになって、どのくらい人が集まるかなと思ったら、何と、会場が有楽町の読売ホールで、有楽町の駅の改札口から読売ホールまで人の列でつながってしまったんですよね。どんな人が集まっているのかなと思ったら、いや、弁護士事務所はなかなか動員力があるなと思ったら、そうじゃないんで、弁護士さんに対する批判の発言なんかがあったらわっと拍手が起きるというようなことでして、それは弁護士さんだけじゃなくて、もちろん
裁判官にも検察官にも大変な批判を持っている。もう市民がいらいらしているという状況があった。そういう状況を受けて、
司法制度改革審議会が六月十二日に
意見書を出された。大変な御努力の結集であったわけです。
この
意見書の「
司法制度改革の
基本理念と方向」というのを一番最初に書いてあって、もう読むまでもないんですけれども、それでも念のため。この審議会は、「法の精神、法の支配がこの国の血肉と化し、「この国のかたち」となるために、一体何をなさなければならないのか」、これが
一つ。もう
一つ、「
日本国憲法のよって立つ個人の尊重(憲法第十三条)と
国民主権(同前文、第一条)が真の
意味において実現されるために何が必要とされているのか」、これが二つ目。この二つを明らかにすることが審議会の仕事だ、任務だと設定したと。
そして、自由と公正を核とする法秩序が
国民の日常生活において息づくようになるために、そのためにどういう
改革をしなきゃならないのか、これを審議会がみずからに問うたんだと。こうして、「
国民の一人ひとりが、統治客体意識から脱却し、自律的でかつ
社会的責任を負った統治主体として、互いに協力しながら自由で公正な
社会の構築に参画し、この国に豊かな創造性とエネルギーを取り戻そうとする志」、この志が大切だと。そして、最後のかなめとしての
司法、これを
改革するんだという大変な決意を書いてあるわけです。
これは、当時、もちろん
政府も
政府声明をお出しになる、あるいは閣議決定もお出しになるというようなことで、これをもう最大限尊重して実現をしていくんだという覚悟を示されておりまして、この審議会の
意見書については、例えば衆議院ですが、若林さんというNHKの解説
委員の方、参考人として、「将来のこの国の形をつくるということで、
一つの
理念に貫かれております。私も、壮大な大河ドラマのシナリオ、その骨格ができたのかなという気がいたします。その
意味では、審議会は十二分の役目を果たしたのではないかというふうに思っています。」、こういう表現もあって、そこのところが一番重要なこの
意見書のもうコアなんですよね、志なんですよ。その志を実現するというのがこの
法律案だと、これはこう
理解していいですね。片思いじゃないですね。しっかりしてください。