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2001-11-20 第153回国会 参議院 外交防衛委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十三年十一月二十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十日     辞任         補欠選任      福島啓史郎君     野上浩太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         武見 敬三君     理 事                 山本 一太君                 吉村剛太郎君                 木俣 佳丈君                 山口那津男君                 小泉 親司君     委 員                 河本 英典君                 桜井  新君                 月原 茂皓君                 野上浩太郎君                 舛添 要一君                 森山  裕君                 矢野 哲朗君                 海野  徹君                 佐藤 道夫君                 齋藤  勁君                 広中和歌子君                 遠山 清彦君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君                 田村 秀昭君    国務大臣        外務大臣     田中眞紀子君        国務大臣        (防衛庁長官)  中谷  元君    副大臣        防衛庁長官   萩山 教嚴君        外務大臣    杉浦 正健君    事務局側        常任委員会専門        員        櫻川 明巧君    政府参考人        防衛庁運用局長  北原 巖男君        防衛庁人事教育        局長       柳澤 協二君        外務省総合外交        政策局長     谷内正太郎君        外務省経済協力        局長       西田 恒夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国際機関等に派遣される防衛庁職員処遇等  に関する法律の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付) ○投資促進及び保護に関する日本国とモンゴル  国との間の協定締結について承認を求めるの  件(第百五十一回国会内閣提出、第百五十三回  国会衆議院送付) ○投資促進及び保護に関する日本国とパキスタ  ン・イスラム共和国との間の協定締結につい  て承認を求めるの件(第百五十一回国会内閣提  出、第百五十三回国会衆議院送付) ○千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協  定の譲許表第三十八表(日本国譲許表)の修  正及び訂正に関する二千年十一月二十七日に作  成された確認書締結について承認を求めるの  件(第百五十一回国会内閣提出、第百五十三回  国会衆議院送付)     ─────────────
  2. 武見敬三

    委員長武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国際機関等に派遣される防衛庁職員処遇等に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会防衛庁運用局長北原巖男君、防衛庁人事教育局長柳澤協二君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君及び外務省経済協力局長西田恒夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 国際機関等に派遣される防衛庁職員処遇等に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 それでは、皮切りに私からお尋ねしたいと思います。  法案関係につきましては、格別異論はありませんので賛成ということになろうかと思います。  法案を離れまして、一般的な、しかし基本的な事柄について外務大臣防衛庁長官にお尋ねしたいと、こう思っております。  最初に、防衛庁長官にお尋ねいたします。問題は、人の命の重さをどういうふうに受けとめているかと、こういう大変な問題でございます。どうか慎重にお答えいただければと、そういう感じがいたします。  取り上げるケースは、えひめ丸であります。ことしの二月十日でしょうか、えひめ丸ハワイ沖アメリカ原子力潜水艦衝突をされまして沈んだと。そして、とうとい命が九名も失われたと。そのほか生き残った人の中でも、心的ストレス障害を受けまして日常生活もままならないという人も何人かおるようで、あたら前途有為青年たち、中には高校生も含まれておって少年と言ってもいい、それが失われたと。家族の悲しみもどんな、いかばかりのものがあろうかと、こういう感じもいたすわけであります。  この事件は、御案内のとおり、えひめ丸ハワイ沖を航行しておると、それに対して海中にあったアメリカ原子力潜水艦が急遽緊急浮上をしてきて激突してしまったと。これ常識じゃ考えられない。私もいささか軍事関係には知識を持っておるつもりですけれども、こういう話初めてじゃないかなと思うんですよ。全世界の歴史が始まって以来、潜水艦緊急浮上して上を通っている船にぶつかってしまうと。これが大型タンカーだったら一体どういうことになるのか、そういう疑問だって出てくるわけで、大体、洋上の安全を十二分に、いや十三分と言ってもいい、十分、十二分にも安全を確認して浮上する、当たり前と言えば当たり前、自分ですら危ないわけですからね。  例えて言えば、陸上で、交差点信号が赤で通行人が待っておる。赤が青に変わるのでみんなが交差点を渡り出す。そこに自衛隊大型トラックが右側から、進行方向信号は赤ですよね、こちらが青で渡っているんですから、そこにいきなり突っ込んできたといったら、これもう大変な問題になるでしょう。失われた人命も十名、二十名いやそれ以上だとか、そういうことになりましたらね。全く、国を守る自衛隊考えられない大変なミスであろうと、こう思うわけであります。  そうして、アメリカもそういうふうに重く厳しく受けとめたんだろうと私は思っておりましたけれども、遺体の搬出が終わる、それから潜水艦のことも終わるといって、それと並行してこの艦長艦長過失そのもの極めて大きい、この艦長に対してどういう処分をするのか、日本じゅうが注目をして見守っておる。アメリカ太平洋艦隊司令査問委員会、これが軍法会議にかけるかどうかをずっと検討をしておりまして、先月初め、処分せずと。処分したと言えばしたんでしょうけれども、叱責処分、しかりおくと。そういう処分をして、名誉除隊。名誉ある除隊ですよ。それから、退役軍人としての特権は全部与えてやる、年金はもらう、いろんな保険その他も利用できると。まさしく名誉除隊そのもの。  一体これ何だろうかと。私の知っている遺族方々の知っている人が連絡をよこしまして、遺族は大変怒っておると。一体、交通事故がある場合に、家族が、遺族がまず考えることは、民事賠償、そんなことじゃないんで、うちのせがれを殺してしまったあのドライバー運転手を、一体どういうふうな刑事裁判で厳しい判決が下るのか、それをじっと見守っている。そして、これが意外にも非常に軽かったりしたら、とてもこれでは子供は救えない、浮かばれないと。当たり前のことだと思いますよ。  えひめ丸遺族たちも、名誉除隊子供を殺しておいて何を言うんだと。これがもし沖縄の沖で行われたら、沖縄じゅう大騒ぎになるでしょう。それから、アメリカハワイ沖でも、ぶつかった相手がアメリカの船でアメリカ人が十人、二十人死んだとすれば、アメリカじゅうやっぱり大騒ぎになって、何だと。あの艦長をどういうふうに処分をするのか、じっと見守っていようということになろうかと思いますけれどもね。たまたま被害者日本人だったと。アメリカも気楽に考えて、まあしようがないや、あと金で解決をしておけばいいんだと、そんな思いだったんでしょう。そうとしか思えません、名誉除隊扱いをしたと。  防衛庁長官、国を守るお立場、国を守るということは国民の命を守るお立場、その最終最高責任者でもあるわけです。  日本だってこういう例があったんですよ。昭和六十三年、なだしお号事件というのがありまして、防衛庁潜水艦横須賀沖を、これは海上を進航、航行しているときに、前方から来た観光船衝突をしまして、このときは三十人も日本国民の命が失われて、激しく防衛庁非難されました。で、裁判も厳しい対応で、禁錮二年六月という処分艦長に下しております。まあそれぐらいなら仕方がないかということで、国民もほっとしたんだろうと思います。  今度は、しかし、名誉除隊。何か名誉あることをしたんだろうかと、そういう気にもなりますけれどもね。日本国民の命が、将来、前途有為青年たちの命が失われる。九人も失われたと。遺体は一体上がってこないと。そういうことに際して、そういう本当にふざけているとしか言いようのない処分軍法会議にも付さないという。日本で言えば起訴猶予処分ですね。  おかしいと思いませんか。本当にどうしようもないとしか言いようがないわけでありまして、あなたは、先ほども言いましたけれども、国を守るという最終責任者国民の命を預かっているわけですからね。このえひめ丸事件についていかなる感想をお持ちなのか、それをちょっと御披露いただければと、こう思いますよ。
  6. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この本件事故につきましては、大変痛ましいものでありますし、また大変遺憾な事故だというふうに思っております。  米国政府も、この問題、大変重く受けとめておりまして、大統領みずからが陳謝の発言をいたしましたし、また、あらゆる面での責任を認めておりまして、司令官による処罰ということでワドル前船長は有罪とされていることから、その責任は明確にされたものだというふうに考えておりますし、また、米国世界でも最も公正で平等な国の一つであるというふうに考えておりまして、法による支配というものは確立されて、米国においても、この被害者日本人であろうとも、また米国人であろうとも、この諮問、審問委員会ですね、審問委員会の審議及び処罰決定が公正にされたというふうに考えております。  本件につきましては、あと補償の問題が残されておりますが、引き続き米国が誠実に取り組むように全力を尽くしたいというふうに思っております。
  7. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 遺憾に思うというのは、こういう事故があるときに偉い人の常套語ですよ、皆、遺憾に思いますよと。ブッシュ大統領もそうなんでしょう。  しかし、大きいタクシー会社ドライバー前方不注視で通行人を何人もはね飛ばして死に至らしめたというふうな場合に、大体どこの会社社長も申しわけなかった、遺憾に思うということを言うんですけれどもね。遺族立場に立つと、そのドライバーがどういう刑事裁定を受けるのか、これに本当に重大な関心があるわけで、これが検察が起訴もしないでほうり投げてしまう、終わりということにした。社長は頭下げて遺憾に思いますよと、あとはもう金で解決しましょうと。これは一番遺族とすれば耐えがたいことなんですよ。やはり、きちっとした刑事裁判というのでその場で裁いてほしい。  今、司法改革の一環としまして遺族刑事裁判に参加させようと。こういうケースの場合には遺族気持ちというのを法廷できちっと証言をさせる、あるいはまた裁判官の一員に遺族を加えて、そして判断を示してもらうと、そういうことを考えたらどうだということまで言われている時代ですからね。このえひめ丸犠牲者遺族たちがどんな思いでいるか。まあ遺憾に思いますよと一言で済むような問題なのか。  私、それと大変問題だと思っているのは、あの艦長が、事故が起きて間もなく、これは私、直接宇和島まで行っておわびをしてこようということを何回も言っていたんですよ。当然それは実現するんだろうと思っておりましたら、軍法会議に付さないということになりましたら、その後何の連絡もしてこない。こんなに誠意のないよう犯罪者というのは珍しいですよ、正直な話。  ただ単に、長官とすれば遺憾に思いますよとその辺でつぶやいたってしようがないので、きちっとアメリカ政府に対して、アメリカあるいは海軍に対して、日本国防衛庁長官として、これは問題だと、本当に真剣に対応したのか疑わしいと厳重抗議をするのが当然ではないか。遺族もそれを受けとめて、ああ、日本防衛庁長官は我々の立場考えてくれている、もう我々も一段落つけようかというぐらいの気持ちにもなろうかと思うんですけれども。  率直に言うと知らぬふりでしょう、遺憾に思いますよとつぶやいているだけで。私、そういうこと率直に言うと大嫌いなんですよ。やっぱり、気持ちというのはあからさまに国民に知れるようにはっきりと、特に関係者に知れるように表明するのが行政府の長たる者の務めじゃないんでしょうか、いかがでしょうか。
  8. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 今回の事故においてお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますと同時に、御家族方々にお悔やみを申し上げたいというふうに思っております。  行方不明者の捜索につきましては米国政府を挙げて長期間に実施をしていただき、行方不明になられた九名中八名の方々の発見に至ったことで、米国政府も今回の事柄の大きさは非常に大きく、我がことのように、自分子供が行方不明になったという気持ちで現場の皆さんは最後最後まで取り組んでくれまして、本件に対する思い入れというものは相当のものがあったのではないかというふうに思っております。  ワドル艦長も非常に責任を重く痛感した日々を送っているのではないかと思っておりますが、この司令官による処罰というのは、アドミラルズ・マストということで、非常に米軍人にとっても耐えがたい、名誉を失う処分でありまして、この処罰によって彼は有罪とされ、そしてその後除隊をいたしております。よって、その責任は明確にされた、米国社会において大変重い処罰がされたというふうに私は認識をいたしている次第でございます。
  9. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 聞かれたことにストレートに答えてください。私、そんなこと聞いているんじゃなくて、なぜ、軍法会議に付さない、名誉除隊という扱いをしたことについて、日本国民を代表して、全く納得できない、どうして軍法会議にかけて厳しい取り扱い処分をしなかったのかと、そういう抗議をなぜしなかったのかということを聞いているわけですよ。
  10. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 本件の処置につきましては、先ほども申しましたが、米国があらゆる面でその責任を認めており、また米国の主権のもとにおいて、米国の制度に従って決定を行ったものであると、私はそういうふうに思っております。
  11. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 何か法律家が答えているみたいで、手続に従って結論がよければそれでいいんじゃないかと。よく法律家がそういう答え方をするんですよ。それで三百代言だと、こういう悪口が飛ぶわけでありまして、もう少し、国民一人一人の命を預かっている、それが九人も前途有為青年の命が失われた、とてもこれは我々として寛容できないと。しかも、人の命を預かる米国海軍艦長さんが洋上の安全を確認しないで緊急浮上して起こした事故だと。これはもう本当に最高の厳しい措置をすべきではないのかと、だれだってそう考えますよ。日本でだって、先ほど言いましたけれども、なだしお号事件禁錮二年六月という刑が下っているわけですから、当たり前のことです、こんなことは。  いずれにしろ、仕方がないですね、それだけ米軍との関係を大切にしたいというのがあなたのお考えだというふうに受けとめておきましょう。  そこで、また同じような問題でありますけれども、湾岸戦争を引き合いに出しますけれども、湾岸戦争の際に日本自衛隊戦争には加わらなかった、これはやむを得ないことなんだと。そして、金を出した、一兆六千億か何か大変膨大な金を出したと。  これにつきまして、そのころからそうなんですけれども、自民党幹部あるいは政府首脳たちが、本当に恥ずかしい思いをしたと、各国は命を投げ出して戦っているのにかかわらず我が国は金で済ましたと、本当に情けないことだということを折に触れて語っておって、それが耳にも入ってくるわけでありまして、今回の問題になりましても、政府首脳自民党最高幹部の一人が公式の場で、本当に今まで金で済ましてきた、これはもう許されないことだと、こういうことを言っておる。  しかし、紛争が起きて、それを解決するためにどうすればいいかと各国が寄り寄り考えるわけで、力のある人は力で貢献をする、知恵のある者は知恵を出す、力は遺憾ながらいろんな制約があって出せない、知恵も余りないという人はお金を出すと。これ持ち場持ち場で、自分の分相応の活躍なんで、等貢献なんでありまして、私は当然のことだと思う。何も恥ずかしいことでも何でもない。なぜ、一兆六千億も出して、いや情けない、本当につらい思いをしてきた、今度はもう堂々と行こうと、そういう言葉が一体どこからどういう考えで出てくるのかと。自分のはした金を出して、いや恥ずかしかったと言うならわからぬわけでもないんですけれどもね。出したのは国民の税金なんですよ、国民立場を一体考えているのか。我々の金を我々に断りもなしに、最終的には国会が了承したんでしょうけれども、使っておいて恥ずかしいと。一体それはこの国を預かる人たちの言うせりふだろうかと。  今回のケースだって同じことです。金で済ますのは恥ずかしいから今度は命を投げ出して頑張ってこようと。最初はそれぐらいのことを言っていた。しかし、命を投げ出すところには、もう危ないところには行かせませんということも言い出すと。一体それは何なんですか。それこそ恥ずかしいことじゃないんですか、物の言いようによっては。金を出す、恥ずかしい、じゃ体力で応援するかと、しかし危険な場所には行かない、行くのはアメリカ青年だ、それはしようがないよと。それだって恥ずかしいことじゃないんでしょうかね。いかがお考えでしょうか、長官といたしまして。
  12. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 当然、国においてなし得る限りの貢献をすべきだというふうに思っております。お金だけだというお話でございますが、当時の政府におきましては、自衛隊法の百条五によりまして避難民自衛隊輸送機によって空輸する態勢をとりましたし、また戦争が終結した後、隊法九十九条でペルシャ湾に掃海部隊を派遣するなど、お金以外の貢献もいたしております。  確かに資金協力が目についたというふうに思いますが、しかし物の考え方、心構えとして、当時、日本はバブルのころでありまして、米国に対しても非常にたくさんの貿易黒字を抱えたということが一つ大きな政治問題になっておりました。  では、お金だけで済むのかといいますと、例えば、新聞報道によりますと、米国青年湾岸地区に赴いて冷戦後の国際秩序回復のためにこの侵略行為をただすということで命がけで戦っているときに、日本の若者がハワイのワイキキの浜で寝そべって非常に幸せにしているという光景が、やはり米国人から見れば感情的に批判となって出てくる面があったのではないかというふうに思っております。  そういう意味で、お金だけ出せばいいんじゃないかというのではなくて、やはり心構えとして、国際社会の平和の維持や、また紛争の抑止のために国として何をすべきかということも心の中で国民世界の主導的な国の一つとして考えておくべきではないかと、私はそういうふうに思っております。
  13. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 またどうも問題がすりかわっている。私、お金を出したことについて大変恥ずかしい思いをしたというふうな政府首脳あるいは与党の幹部がいる、このことについてどう思うのか、金を出すということがそんなに恥ずかしいことなのかと、こういうふうに聞きましたら、いや、金も出しましたが、いろんな貢献もしております、だからいいでしょうと。やっぱり金を出すことをあなた恥ずかしいと思っているんじゃないですか。そういう気持ちがあるから、そういう答弁が来るんだろうと思います。  お金を出すことだってやっぱり大変なことなんでありまして、国民一人一人にしてみれば、一兆六千億も出しているわけですよ。一体何だこれはと。ああ、ああいうことなのか、それならよくわかった、大いに金で援助をする、支援をする、それはそれでわかった話だと、こういうことなんじゃないんですか。  今回の事件が起きて、政府高官あるいは自民党首脳の中で、こういうまた金を出して済ますわけにはいかぬ、金だけで済ますわけにはいかぬと言っているときに、じゃ、あなたすぐ飛んでいって、こういうことですよ、やるべきことはやっているんですよと説明をしたんですか。どうもしたようにも思えない。世間は、ああ、この前は金を出して大変な非難を受けたと、じゃ、今度は命がけで行くのか、なるほどそれならわかると言ったら、命をかけるようなところには行かないと言うんですから。海外から見たら、何だ、後方でうろうろしているだけじゃないか、外国から見たら、そういう非難を受ける。同じことでしょう。そういうことをお尋ねしているんですよ。いかがでしょうか。
  14. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 先生のおっしゃるとおり、確かに資金を提供するということは大変国にとっても重大な決断に基づくものであって価値のあることであるという点につきましては先生と同じでございます。  ただ、それだけではなくて、やはりできる限りの貢献をしていこうということで、一つでも多くのことを考えていくということも私は国家にとって必要ではないかというふうに思っております。
  15. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 次は、やはり自衛隊のあり方についての問題でありまして、新聞投書が私、目につきまして、自衛官の妻という方からの投書でありまして、夫は自衛隊員である、今回の事件が発生しまして、どうも海外派遣されそうだと一時はひどく落ち込んでいた。しかし、いろいろ友人たちの話もあって気を取り直して、もし命令があれば行って頑張ってくるよということになった、それはそれでいいんだが、こういうことはしかし募集の際にきちっと予告しておいていただきたかったと。海外に行くことあるべし、それはもう命がけで頑張って時には命を落とすこともあるべし、それを御承知の上で自衛隊に入るんですよ、入ってもらうんですよということをあらかじめ言っておいていただきたかったと。  これまた当然のことであろうと私思うわけでありまして、戦前の赤紙一枚で引っ張ってきて外地に送って、もう命がけで働いてこい、名誉ある戦死をしろと言っている時代じゃないのでありまして、今は募集をして試験に合格したら、契約関係ですから、その際にきちっと業務内容も示す。一たん緩急あるときは、海外に行って命を落とすこともあるべしということをやっぱり募集の際にきちっと告知しておく必要があるんじゃないかと。今までもししていなかったとすれば、これからそういうことを募集の際に告知することをお考えなのかどうなのか、それもまたお尋ねしておきたいと思います。
  16. 中谷元

    国務大臣中谷元君) まず、海外における活動等につきましては、広報を通じて、PKO活動を実施したり、また海外の邦人救出並びに各種の輸送業務等を行うということで、既に国民の皆さんは自衛隊海外において活動をするということは御承知だというふうに思っております。  今回の協力支援等につきましても、法律に基づいて、戦闘が行われていない地域で武力行使をしない範囲ということで国際協力を行うわけでございますが、そういった派遣をする際にも、まず隊員の本人の意思を確認してから、実際に派遣要員に加わるかどうか、これは指揮官が確認をさせていただいております。  また、入隊に際しては服務の宣言を行っておりまして、その宣言とは、職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず身をもって職務の遂行に努め、もって国民の負託にこたえるという内容でございまして、日本国憲法及び法令を遵守し、職務専心の遂行に当たるという旨のお誓いを行っておりまして、この法律によって、自衛隊員の職務とされる場合に自衛隊員はその使命を自覚して国民の負託にこたえてくれるものだ、そういう認識を持っているものだというふうに思っております。
  17. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 PKO活動は、これは後方での安全な輸送業務、道路補修業務、そういうことでありまして、今回のように、最前線近くまで、戦闘地域まで近づいていって補給業務を行うとか、最初はもう何か戦闘の現場まで突入するようなことすら言われていたように思うんですけれども、いずれにしろ、危険な地帯には行かないが、しかし戦闘地域のすぐそばまで行くと、こういうことをあらかじめ告知されていたのかどうか。  PKOならもうみんな知っています。後方で道路の補修作業をやるんだなと、それぐらいのことはみんな知っていました。しかし、今回のようケースは想定されていなかったんじゃないですか。防衛庁が想定しないというのもおかしいわけですけれども、一たん緩急あるときはやっぱり戦闘地域の近くまで行って命がけで働いてもらうんだぞということも言う必要があるのではないか。  それから、やっぱり緊急の場合には命をかけて働くというのは警察官だって消防だって皆同じですから、彼らはそういう告知を受けて、わかりました、そのときはもう命がけで頑張りますということを誓って警察官になったり消防に入ったりするわけですからね。そんなことは、特に自衛隊に、特別の理由でも何でもないんですよ。  いずれにしろ、はっきりと、外地に、戦地に行って、戦地近くまで行ってそうして命がけで頑張ってもらうこともあるべしということをこれからはきちっと告知してほしいということを希望しておきたいと思います。  それから次は、後方支援という言葉がもう縦横無尽に使われて中身がさっぱり見えてこない。後方支援とは一体何をするのかと。基本計画が発表されましたけれども、あれもまた読んでみても何のことかよくわからない。我々専門家でもわからないんですから、一般国民には何とも全然、外国語を読んでいるよう気持ちにしかなれないんじゃないかと、そういう感じもいたします。  私、基本的に疑問なのは、支援するという言葉。支援される側とする側とがあるわけで、こういう場合はまず両者が話し合って、おたくを助けたいと思いますよと言ったら、援助される側が、ありがとう、これとこれとこれをやってほしいとまず向こうが意見を言うわけでありまして、要望を伝えるわけでありまして、それに対して今度はこちら側が、それは憲法違反だからできませんと、それは現行法の枠内でできますからすぐやります、それは現行法ではできません、法改正が必要なので若干期間を下さいよと、そういう意見を調整した上で計画があるいは支援内容が決まっていく。  しかし、どうも、マスコミの報ずるところ、あるいは国会答弁を聞いていてもそうですけれども、ブッシュ大統領と小泉首相がそんな具体的な話し合いをしたとは全然報道されていない。じゃ、長官同士がどうか、これも報道されていない。国会答弁でも、とにかくまず後方支援の基本計画をまとめてそれをアメリカに見てもらうと。  現にそのとおりじゃないんですか。あのアメリカの駐日大使か何かが、ああ、満足であると。何か向こうは大学教授でこっちは大学の新入生みたいに、初めて試験のペーパーを出したら、ああ、よくできたな、よかったなと言われているよう感じで、一体それは二国間の正常な対応なのかどうか。日米間の協議、この後方支援の具体的な内容、アメリカがまず希望を言う、これとこれとこれをやってくれと、こちらはこれとこれをやりましょうということでそれを逐一国民に知らせながらその協議をまとめていく、これが当たり前の国際関係だと思います。一体どうなんでしょうか、その点は。
  18. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、佐藤委員のおっしゃるとおり、我が国を主体的に考えていかなければならないというふうに思っております。  今回、我が国ができることという前提は、集団的自衛権は行使をしない、また武力の行使はしない、また戦闘が行われているところでないところで実施をするということで、前線とか後方支援とかいう、後方支援という言葉は使っておりません。戦闘行為が行われることがない地域において武力行使をしない範囲で協力支援を行うという範囲でございます。  それで、アメリカとの協議においても、十一月の二日に第一回の調整委員会が開かれましたけれども、この場においても、まず我が国がこの法律によって対米支援において基本的に何ができるのかという点をまず説明をして、それに対して米側からは感謝の弁がありましたけれども、米側の意見を聞くと。まず我が国ができることを提示をして、それにおいて米側からの意見を聞くという会議でございましたし、また十一月の十四日に二回目の調整委員会が開かれましたけれども、このときも日本側から基本計画の検討の状況について説明したのに対して、米側から日本の努力に感謝をすると、日本側の提案を最大限有効活用していきたいというようなことがありまして、あくまでも我が国がみずからの意思において協力支援をしていくということを主体的に考えて協議をいたしております。
  19. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 何度も言いますけれども、支援する、援助するというのは両者の関係でありまするから、相手方にどんなお助けをしたらよろしいんでしょうかと、教えてくださいよなんという、そんな支援が、援助があるのかと。こういうことを助けてほしいとまず向こうが言うべきでしょう。当たり前のことでしょう。それに対して、こちらがどうしましょうこうしましょうと言うんで。百点満点の答案を提出して、ああよくできたと、このうちこれとこれとこれをじゃ援助してもらおうと、そんな話はまず支援とか援助とかいう言葉には当たらないという気がしますけれども、まあそれはそれで結構でしょう、ここまで来たことでありますから。  それで、これも最初から議論されていることなんですけれども、兵たん部門に食糧、武器などを輸送することは戦闘行為、戦争ではないと、だからその段階までは支援するんだということを小泉首相も何回も言っておりました。しかし、これは常識なんですけれども、長官も軍人ですからよくおわかりだと思いますけれども、軍隊というのは戦闘で一番前線で戦う部隊と、それに食糧、弾薬をあるいは武器を補給する補給隊と、それから捕虜をどうするか、捕まえた捕虜をどうするか、それは捕虜を監視する部隊と、それから最後に傷病兵を収容する医療部隊と、この四つが合体して一つの軍隊というんですね、師団、軍団。  軍団が攻めていくなんというときは、これ当たり前のことなんで、皆それを連れていくわけですよ。補給のことはもうどうしようが知らないよと。アメリカの軍隊というのは世界で一番そういうことを考えている軍隊ですから、補給はどうするこうする、皆マニュアルができていることで、その分は日本に頼もうなんて、そんなことを考えようなだらしない軍隊とは私絶対思えません。アメリカ人に聞いてみなさい、皆、名誉の毀損だと言い出しますよ。  ただ、歴史上、それを全然考えなかったのが、御承知のとおり日本軍なんですね、日本軍。大陸に進攻していく。武器は、弾薬は、なくなったらどうする。日本刀を抜いて切り込めと、玉砕覚悟で戦えと、それが日本軍人だと、こう言われる。食糧はどうしますかと、何も持っていかないんですから。ああ、現地調達だということで、日本軍というのは中国の農民やら一般人から食糧を巻き上げて、抵抗する場合は殺してしまう。捕虜はどうしますかと。これはさすがに大本営は殺してしまえとは言えなかったんですね。何と言ったかというと、適宜処理しろと、各部隊に。どうすればいいんだと、これを見張る部隊もいませんし収容所もないし、それで、しようがない、じゃ殺すしかないじゃないかといって殺してしまった。それが誇大にアメリカやヨーロッパに伝えられて南京虐殺とかああいう報道、あれはデマ報道なんですけれども、ああいう報道になってしまった。捕虜の収容隊も連れていかない部隊だからあんなことをやったのは当然だと、こういうふうに今でも見られているわけです。  今回は後方支援だと言う。やっぱりあなた方の頭の中には旧日本軍の発想しかないんじゃないですか。アメリカ軍はもう戦闘部隊だけが飛んでいくと、その後の補給をどうする、弾薬はどうする、食糧はどうする、捕虜はどうする、やっぱりこれはだれかが見てやらなきゃアメリカ軍はとてもじゃないけれどももたないと、その分は我々が受け持とうと、そういう考えが小泉首相やあなた方にあるんじゃないんですか。それは、日本の本当に古いとしか言いようのない、しかも大変な国際問題を引き起こした日支事変、日中戦争の後遺症なんですよね。もういいかげんにそんなところは、あれは昔の話だと、今はもうきちっとしていると。  アメリカに聞いてごらんなさい、皆間に合っているよと言うに違いないんですよ。でも、その辺でうろうろされても困るから、じゃちょっと食糧でも持ってきてくれるかと、そんなことでしょう。しかし、これだって重要な軍秘、秘密、軍事上の秘密なんですよ。何が足りないから持ってきてもらいたい、どこそこまで持ってきてもらいたい、それを簡単に、たとえ同盟国といえども教えるとは私思えませんね、そんな軍事上の秘密を。これが軍事上の常識なんじゃないですか。  あなたは簡単に後方支援をする、足りない食糧を届けてやる、避難民や捕虜なんかの面倒も見てやるとか、そんなことを言っていますけれども、そう簡単なことなんですか。いかがでしょうか。
  20. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 軍隊というのは、佐藤委員のおっしゃるとおり、基本的には自己完結でありますし、命令とか指令は一本のラインで上から下まで通じて、その兵たん部分も自己完結で行うというのが基本だというふうに思っております。  しかし、湾岸戦争のときは多国籍軍というのができましたし、また太平洋戦争のときも連合軍というのができて各国協力をしたわけでありますが、この際もその各国を束ねるような連合軍の司令官がいたかどうかはわかりませんが、基本的には、各国ごとにこの指揮系統によって自己完結においてこの活動を合わしていくというスタイルが多国籍軍ではないかというふうに思っておりますが、日本の場合は戦闘行為は許されませんので、この協力支援の内容に基づいた活動を実施する際に当然米国とは指揮系統も命令系統も違っておりまして、その一部ではあり得ないわけであります。  自分の国がいかなる活動をした際に、この目的でありますテロ撲滅の行動がなし得るのかという観点において協力をする国とよく協議をして調整をして行っているのでありまして、それに対して米国からも、非常に迅速に対応したことに感謝をしており、また日本の努力に感謝をするという発言がございましたが、日本としてやはりこの点は主体的に協力支援を行っているという認識において実施をしているわけでございます。
  21. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 何か素直には長官の話、信用、聞けないような気もいたしますけれども、今度の基本計画を見まして私ちょっと驚いたのは、活動区域がもう非常に広い、地球の五分の一ぐらいを占めているぐらいの分野なんですね。  インド洋に始まりましてグアム島、オーストラリア、そのすべてが何か活動区域になっている。肝心の戦争なるものは中東の本当の奥地の奥地、山の中で戦われている。テレビにも出てきますけれども、タリバンの兵士というのは、もうひげぼうぼうで、靴だって履いていない、はだしかなと思うぐらいであり、それが鉄砲を担いで歩いているだけで、それにアメリカが近代的な武器を使って空爆を行っていると。  一体、自衛艦が出動してオーストラリアで何をやるんでしょうか。情報収集ということも言われておりましたけれども、広々としたもう本当に見渡す限り海の中でどういう情報を収集するんだろうかと。いや、ちゃんと無線でやりますよ、そんなことは別に海に出ていかなくたっていいわけですからね。何も自衛艦が何隻も出動する必要もないわけであって、ああいう広い広い海域で自衛艦は何をするんですか。具体的にわかりやすいように教えてもらえれば助かるんですけれどもね。
  22. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 具体的に国名を挙げていなかったり活動範囲を広目にとったということは、今後この事態がどのように展開するのかわからない部分もありますし、ある程度柔軟性、また機動性を担保する面において幅広く想定をしたわけでございます。  オーストラリアにつきましては、現にオーストラリア政府は、今回のテロ活動、テロ防止においてはオーストラリアとして貢献するために艦艇を派遣いたしておりますし、また将来いかなる国において日本に対して要請が来るか今後の展開等によるものがございます。今のところ、基本計画に掲げている内容は物資の輸送と補給等でありまして、これはただ単に米国だけではございません。ほかの国々とも協議した結果、支援を求めるという場合においては機動的に対応してまいりたいというふうに思っておりまして、オーストラリアの地域も活動の範囲に含めているわけでございます。
  23. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 しかし、いずれにしろ、アフガンの山奥で戦われている戦争に対してオーストラリアの周辺まで活動の範囲だと、そう言われても普通の人はなかなかはいとは言えないんじゃないでしょうか。昔から誇大宣伝をするのを大本営発表と、こう言ったわけですよね。我が方の戦果は大変なものだと。あれ、後で調べてみたらほとんどうそだったと。  今度の自衛隊もどうもそういう意識がないわけでもない、もう世界各国目を光らせてアメリカを支援していきたいと。一体何をやるのかとだれだって疑問を持ちますよ。グアム島周辺でアフガニスタンの戦争を支援する、一体何をやるんだろうかと。いや、どこまで事態が広がるかわからぬと、そういうことを言い出したら切りがない。まさしく地球全体をカバーするぐらいの基本計画を発表されたらいかがかというくらいもするわけでありまして。この点はこれで結構です。  最後に、この前、実は自衛隊法の改正の際に議論するべきだったんですけれども、なかなかこちら、時間がなかったものですからそこまで行かなかったんですけれども、秘密の規定を一年から五年に引き上げる、それから過失も罰すると、こういうことになったわけですね、防衛秘密ということで。それはそれで必要があるのかと、こうだれでも思うわけですけれども、私、刑事罰則を随分手がけたわけですけれども、刑事罰則の刑を引き上げるというのは、例えば覚せい剤が蔓延してもう本当にどうしようもない、今の刑は三年だ、それじゃ低過ぎるんだと、じゃ倍にしようとかあるいは思い切って三倍で十年ぐらいまで引き上げようとか、そういうのが刑事罰則の引き上げなんですよね。  そうしますと、自衛隊の中で本当に綱紀が弛緩して、官紀が弛緩してしまいまして、みんなだらけてしまって秘密を片っ端から漏らすと。過失まで罰するのか、そうなんですよと。重要書類をうちへ持ち帰って電車の網棚に置き忘れてしまったり、もう本当にどうしようもないと。そういうふうにたががもう緩み切って、だからこの際思い切って秘密保護に関する規定を、刑を五倍というのは大変なことですよ、五倍に引き上げるというのは。引き上げざるを得ないんだと、そういう説明ならわかるんですよ。  現にそうなんですか。自衛隊というのはもうどうしようもないような、もういいかげんな連中ばかり集まっておるから罰則で厳しく、警察にお願いして、警務隊ですか、お願いして、最後は検察に起訴してもらう、そういう状況になっているんです、どうか御理解くださいと、こういうことなんですね。それならよくわかるんです。
  24. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 基本的には、仕事をする上においては信頼とモラルを重んじるというのが原則ではありますけれども、しかし罰則を強化したのは、この事柄の重大性において漏えいした場合に与える影響というものが非常に大きいという点と、それから非常に冷戦後、各国の交流が拡大をして、特に駐在武官等の接触の機会がふえた分、その分、より一層秘密の漏えいに対する対策を行っていかなければならないという点、それからコンピューター化が進みまして、昔は文書等で行っていたものを今はコンピューターに打ち込んでフロッピーディスクに保存をいたしますが、そういう際に、記録媒体が新たに拡大したという点を踏まえて秘密の漏えい自体がより安易になっていくのではないかと。  この秘密保全をめぐる環境が大きく変化したことを踏まえまして、それに加えて、現実に幹部自衛官による秘密漏えい事件も発生をいたしまして、二度とこのようなことが起こらないようにするための対策の一環として罰則強化をいたした次第でございます。
  25. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 長官は、部下を信頼しなかった長官として防衛庁の歴史の上にさん然と名が残るんじゃないかと思いますよ。一体、刑をこれだけ引き上げたのはだれだ、あのときのあの長官だ、我々を全然信用していなかったんだなと。事件があったとおっしゃいますけれども、長い間にたった一件だけでしょう、秘密を漏らしたなんというのはね。あれを手がかりにして、じゃ五倍に引き上げよう、そう決断したのはあの長官だと。そういえば我々をいつも疑わしい目でこうやって見ていた、本当に情けない限りだと、こう言うんじゃないですか、職員や一般隊員は。  あのね、法は法なきを期するという言葉、御存じでしょう。刑罰の目的は最終的には刑罰のない社会をつくろう、そこにあるんだと。やたらに刑罰をつくって人を処罰すれば、国民処罰すればいいと思っているのは本当にいいかげんな独裁国家のことなのでありまして、国民を信頼して、こういう刑罰がなくても国民はもうきちっとやっていける、特に防衛庁、みんな優秀な人たちの集まりなんだから、こんな刑罰がなくたってきちっと秩序は守っていけるはずだと。なぜそういうことを、当たり前のことなんですけれども、部下を信頼しておれば私が言ったようなことを言うと思いますよ。  ただ、信頼できないのは政治家なんですよ。よく収賄事件引き起こすでしょう。そしてそのたびに収賄の刑を引き上げていくんですよ。ロッキード事件なんかそうなんですよ。あれだって、じゃ政治家だけの収賄を引き上げればいい、まあそうはいかぬということで一般公務員の刑も、収賄の刑も引き上げられていく。情けない思い、皆公務員はしていますよ。世間の人はもう役人と見れば、おまえも収賄しているのかと、そういう目で見る。いや、そんなことはない。だって刑を引き上げているじゃないかと、こういうことも言う。大変情けないことなんで、もう少し毅然たる態度で部下を信頼して行政というものをやっていただきたい。それが長官のまた、私、基本的な任務でもあろうかと思うのであります。  回答は結構でございます。よく考えていただければと思います。  そこで、御退屈なようですけれども、外務大臣にお尋ねいたします。  二、三日前の新聞に、小泉首相が、何といいましたっけ、タウンミーティングで発言をした、それが大きく翌日の新聞に報道されておりまして、そこで外務大臣のことをとらえて総理は何と言ったかというと、嫌いな人をも全部味方と思え、そういう気持ちでやってほしいと。入室拒否ということをやっているようだが、そんなことはしないで広く門戸を開放して職員の意見によく耳を傾けてほしいものだと。それから、権力だけで人を動かそうなどとはゆめ考えないで、人を、部下を信頼して話をよく聞いてほしい、こういうふうに考えていますよということを小泉首相がおっしゃっておって、それが新聞で報道されておりました。  これはあなたの言葉なら、あなたはすぐそんなことは言っていないということではね飛ばしておしまいになるんですけれども、小泉首相の言葉ですから。小泉さんがこの新聞抗議をしたとも出ていませんから、おっしゃったことは事実なんでしょう。  上司が部下についてこういうことを言うというのはもう大変な問題ですよ。部下をまるっきり信頼していない、目を離すと何をやるかわからぬと。総理と大臣関係だって同じですよ。こんな子供にでも言いそうなことを、うちの大臣がこうだからしようがないなという思いでこれ言ったんですね。普通ならこんなことを総理が言うわけはない。まず最初にあなたにきちっと時間をとって話し合いをして、こういうことをあなたは反省してもらいたいと、何回も言っているけれども、反省しなければ僕はもう公の場でこれは言わざるを得ないと。  だれだってそうです、役所の上司というものは。あるいは民間会社社長さんだって同じです。副社長がおれの言うことを聞かない、人を人とも思わない、好き嫌いが激しい、そういうことだったら、すぐ呼んで時間をかけて話し合って、君、本当に反省してもらいたいと、部下の意見にもよく耳を傾けるようにしてもらいたいと言って、融和を図っていって会社経営をしていく。  役所だって全く同じことなんですよね。上司と部下が心を開いて話し合う、議論をする。時間がかかることもあります。また、聞きたくない意見を部下が言うこともあります。しかし、そういう意見に耳を傾けて、なるほどねと、こういうのも大臣の務めで、私、法務省におって何代もの大臣に仕えてきましたけれども、腹が立ってわあわあどなるなんという、そんな大臣見たことございませんよ。永田町時代は大分悪い評判があったんですけれども、さすが役所に来ると落ちついて我々職員の意見を聞いてくれる。中にはしかし一人、二人、大声を出して、何やってんだなんてどなる大臣もいましたけれども、それは即座にあいつはだめだと、民主主義、ここは何だと思っていると、同じ国家公務員ではないのかと、公務員の分際で同じ公務員をどなりつける、何事だということでだれも相手にしない、お茶くみの女性だってもうぱっとお茶なんか出しておしまいにしてしまうと、そういうのが日本の役所なんですよ。  いずれにいたしましても、小泉首相のこの発言についてどういう感想をお持ちでしたか。
  26. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 総理とはけさも閣議等でお目にかかっておりますし、ほぼ毎日お目にかかっておりまして、昨晩もタイの首相の接遇で長時間御一緒をさせていただいたりしておりますけれども、直接お言葉をいただくことはございませんが、結果として、今、委員がおっしゃったようなことにつきましては、素直な心で受けとめております。
  27. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 先ほど言いましたでしょう。小泉さんも小泉さんだと、こういうことをあなたに直接言わないで、外部に向かって言っているんですか、うちの外務大臣困ったものだなんて。そういうことは、まずもって上司たる者はあなたに、ちょっとあの点は直したらどうですかと、わかりましたということで修正されていく、だれもそういうことは問題にしなくなる、なるほどねという、これが政治というもの、行政というもの、人事というものなんですよね。  あなたには一言も言わないで、外部に向かってこんなことを言っているんですか、あの総理大臣は。おかしいですよ、こんなこと。国民は総理大臣の言っていることだから間違いないと、当然のこととして、外務大臣にもしょっちゅうこういうことを言っていると。ところが、外務大臣が聞かないものだから、仕方がなくて公の場でああやって発言して、国民全部に知らせて、外務大臣困ったものですよと。国民だってあれを信じますからね。ああ、そんなにお困りですかと、なら取りかえりゃいいでしょうという感じになるでしょう。  それを抗議しなかったんですか。総理、そういう大事なことはすぐ私に言ってくださいと、一般に言う前にと言うのが当然でしょう。なぜそんな当然なことをしないんですか。
  28. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 素直に私はお気持ちは受けとめておりますので、そういう理由でございます。
  29. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 だからね……
  30. 武見敬三

  31. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 失礼、失礼、若干興奮しました。  こういう総理がおっしゃられたようなことはまさしく今までありましたと、これから反省いたしますと、そういうお言葉ですか。それならよくわかります。
  32. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) そんなに、いろいろとたくさん仕事もございますし、いろいろなこともありますので、それを一々申し上げるようなことではなくて、私は、いろんな方からおっしゃっていただくことは、それはそれで素直に受けとめているということを申し上げております。
  33. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 いろいろな仕事があるのはあなただけじゃないんです。総理大臣だって忙しい。大臣、皆忙しい。大臣だけじゃない、我々だって忙しい。その中からいろんな物事の重要度に応じて対応をしていくわけでありまして、一般の職員だってそうなんですよ。あなただけが忙しがっているわけじゃ決してない。  こんな大事なことを総理大臣に直接言われたことはないと言うんですね。不思議な内閣ですね。本当に内閣として機能しているんですか。おかしいですよ。これは総理に聞いてみなきゃわからぬけれども、しかし、あなただって直接聞けばいいでしょう、外部に言う前にどうして私に言ってくれないんですかと。だれだって聞きますよ、それ。どうですか。
  34. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 総理に伺うなりなんなりするかどうかは、私自身の判断、私の気持ちでございます。
  35. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 そういう判断が間違っているということを言っているわけなんで、理解できないんですか、私の言っているこんな簡単なことが。まあ、いいです。  それから、あなたが秘密を漏らしたということで、外務次官、名前ちょっと覚えていませんけれども、外務次官が記者会見して発表した。あのテロ発生直後に柳井大使から直接電話を受けて、国務省の避難先を聞いた、それをあなたがぱっとしゃべった、あれは秘密漏えいだと、こういう発表を事務次官がしておりました。  大変異常なことですよ、大臣が秘密を漏せつしているなんて。これ処罰されるんですよ。まあ大臣の刑は、秘密漏えいの刑は防衛庁だけが重いんで、一般は軽いですからそんなに気にしなくてもいいですけれども、それでも懲役になるわけですよ、秘密を漏らしていれば。  普通ならば、柳井大使があなたのところに電話をしてよこして、国務省の避難先はここになりました、しかしこれは極秘事項ですから、大臣、御留意くださいませと、こう言うわけですけれども、そういう注意を受けましたか、あの大使から。
  36. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 今おっしゃっているのは、柳井大使のことをおっしゃっているのでしょうか。
  37. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 ええ。──いやいや、ただええと言っただけです。どうぞ。
  38. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) これは極秘であるというふうな話は、電話であれは当日、九月十一日だと思いますけれども、官邸の危機管理センターがごった返しておりまして、そのときに数回電話が入ってまいりました。その中でございますけれども、極秘情報でありますなどというふうな話はなくて、それは、十月二日の記者会見を私がいたしておりまして、そこでも述べております。
  39. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 それじゃ、その何とかという次官が絶対おかしいんですね。これ、一般人には極秘にします、大臣がそれわからないことだってあるわけですから、柳井大使がまず悪いわけです。これは大臣、極秘ですから絶対発表しないようにしてくださいよと言うべきですし、次官もそのことを柳井大使に確認して、いや、悪いのはあんただ、あんた反省してくれと、あんたは秘密漏えいの教唆犯になるぞというぐらいのことを言うべきなんですよ。  しかし、いずれにしても、あなたにもやっぱり責任があるわけで、駐米大使からそういう電話が来たらすぐ次官か官房長を呼んで、こういう電話が来ました、これを発表したいと思うが差し支えないでしょうねと、こういうことを言うべきです。その際に次官は、いや、この点だけは秘密ですから御留意くださいということで、そういうやりとりで役所というのは事務が行われていく、成り立っていく。みんなてんでんばらばらに言いたいことを言い、やりたいことをやっているわけじゃ決してないんであって、そういうそれだけの配慮を、あなた、ないんですか。その柳井大使から来た電話の内容について、今こういう電話が来たと、このうちのこの部分を発表してよろしいかどうかと、そういうことを聞かないんですか。
  40. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) この秘密情報の漏えいというふうに言われておりますけれども、これは九月十一日のといいますか、十二日の未明だと思いますが、九月十二日にアメリカ自体が国務省が移転をしているということを一般に公開をいたしております。国務省の機能は破壊されていないということを言っておりまして、そうした事実をテレビ朝日の内田某というキャスターも日本のテレビでもその旨を、ワシントンだかどこかから日本に、衛星ですけれども、そういう発言をいたしております。  ただ、私が不思議に思いますのは、これは九月十二日の段階でアメリカも国務省移転について発表をしているにもかかわらず、日本でこのことが極秘情報を私が漏えいしたかのごとく報道されたのが、十月の一日の事務次官のプレスでの記者会見か何かでぽろりと次官の口から出たというふうに聞いておりまして、そのときはテロ対応でみんな追われているときでした、国内も閣内もですね。ですから、九月十一日にテロがあって、それから二週間近くたってから何でそういうことがまるで機密、極秘情報であったかのごとく流布されたのか、そのときも私は非常に不思議に思っておりましたし、現在もそう思っております。
  41. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 何か容疑者の弁明を聞いているようで、私が聞きたいのは、柳井大使からこれは極秘だから取り扱いを注意してくださいと言われたか言われていないか、それから、あなたが受け取った電話を、大使から来た電話ですから、あなたの一存で処理するわけにはいかぬ、次官、官房長にこういう電話が来ましたよと言えば、次官たちは、この部分は秘密ですから御留意、取り扱い上御留意をと、こう言うはずですから、そういうことのやりとりがあったのかといえばどうもなさそうなんですね。それで、あなたは秘密とは思わないでぱっと言う。それに対して次官はあれは秘密を漏せつしたと。大臣に対して秘密を漏せつしたなんてよほどのことですからね、これね。大臣処罰してくれと言っているようなものでありまして、本当におかしいですよ、外務省自体が。  そして、外務省自体がおかしいという責任は挙げてあなたにあるんですよ。組織がおかしければ一番の責任はトップですからね。会社社長が、いやうちの副社長は困ったもんだ、無責任だし、言うこと聞かないし、人をばかにしているしなんということを公の席、経団連の集まりか何かで言えば、みんな笑っちゃうでしょう。そういうことをこの場で言うとは何事なんだ、それを話し合って解決するのがあんたの、社長たる者の仕事ではないのかと、だれだってそう言うでしょう。  亭主が女房の悪口を町内会なんかで言えば、うちの女房はおれの言うことを聞かぬ、金遣いが荒いとか言えば、あんたが悪いんだよと世の中の人は皆そう言いますよ。奥さんとそういうことを話し合ってきちっとしなさいよ、こんなところで言うことじゃないですよと、だれだってそう言うでしょう。  ところが、外務省だけは特別のようでして、大臣大臣で下の悪口を言うし、下の方は下の方で秘密を漏らしたの何したの、大声でどなり散らすの、指輪を買いに行けと言われたのとかいう話をするでしょう。あんなことはお互い同士が話し合って解決することなんですよ。こんな場に持ち出して、私が貴重な時間を費やして聞くような問題じゃないんですよ。おかしいと思いませんか。  それで、ちょっと苦言を呈しますけれども、大臣は生来非常に気が短いんじゃないですか。それからもう一つ、他人の話、特に部下の話、目下の者の話にじっと耳を傾けて聞くという癖が余りないんじゃないんですか。自分の言いたいことはぱあっと一方的に並べ立てて、部下が何か質問するとうるさいというよう感じになってしまう、そういう性格はまず人間として問題なんでね、それを持ち込んで今外務省を仕切っているとすれば、私本当にただいま直ちに反省してもらいたいと思う。大臣室で大声を出すなんてとんでもない話ですからね。皆、国家公務員で、あなたのために外務省のために天下国家のために働いている人たちですから。本当におかしいですよ、どなりつけて仕事をやらせるなんということは。  それから、入室拒否って何なんですか。これは大臣、首相も言っていますけれどもね。あんたとあんたとは入っちゃならぬと言っているんですか。あなたのプライベートのルームならそれはいいかもしらぬけれども、大臣室というのは国民が、役人が自由に出入りできる、それで大臣室なんですよ。  それから、指輪の件は、何かこの前予算委員会であなたは指輪を買いに行かせたかどうなのか、そんなことは一切申し上げないということを、答えないということを言っていました。どういう理由で答えないのか。プライバシーだから答えないのか、国家の重大な秘密だから答えないのか、どっちかですよ、大臣が答えないという場合は。指輪を買いに行かせたんでしょう。なぜ、それを隠すんですか。
  42. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 前回、予算委員会でお答えいたしましたのも、そして本日も、きょうは参外防でございますけれども、委員会の趣旨に合致しないと思いますのでお答えはいたしませんでしたし、本日もいたしません。これを説明すると、いろいろなことが細かく時間をかけて言わなければいけなくなりますのでお答えはいたしません。参外防にはふさわしいとは思いません。
  43. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 何か国会の運営について発言権があるとお思いなんですね、大臣はどうやら。おかしいですよ。こちらが考えることですから、そういうことは。  今言ったとおり、大臣は尋ねられたら答えればよろしいわけで、国家機密だから答えられないとか、本当のプライバシーだから言えませんとか、それならわからぬわけでもない。しかし、秘書官に指輪を買ってこいと言ったのは本当に許しがたいことですよ、秘書官というのはそんなプライベートの役目を果たすためにいるんじゃないんですからね。そういうことをあからさまにされたくないものだから、あなたはそうやって突っ張っているんでしょう。突っ張れば通ると思っているんですか。おかしいと思いませんか。指輪を買いに行かせたんでしょう、国家公務員の勤務時間中に、プライベートの用を言いつけて。そんなことをやっている大臣がいるなんて聞いたらみんな怒り出しますよ。だから、言いたくないんでしょう。そうとしか思えませんよ。
  44. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) そういうことについてはお答えをいたしません。
  45. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 頑張るのも結構ですけれども、全然通らないことですよ。なぜなんですか。大臣室でできた出来事でしょう、外務省の中で。それを事実関係はこうです、あ、それならそれはプライバシーだからこれ以上触れないとか、そういう話も出てくるわけですけれども。  伝えられるところによれば、勤務時間中に公務員である秘書官をしてプライベートな用で指輪を買わせたと、どうなのか。それはもう日本じゅうに広まっている話、あるいは世界じゅうにも広まっている話。日本大臣てそんなみっともないことをやっているのかと、みんなそう思っているでしょう。  なぜ答えられないんですか。事実関係はっきりさせなさい。やっぱりはっきりさせると自分の落ち度がますます浮かび上がってくるから言いたくない、そういうことなんでしょう。それならそれでわかりますよ。
  46. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) ここは裁判所でもありませんし、国会の参議院の外務防衛委員会でございます。ですから、ふさわしい質問だと思いません。
  47. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 わかりました。  何か質問までふさわしいかふさわしくないかを判断されておるわけですな。そして、大臣室でいろんなことが、出来事がある、それはもう答えないと。こんなことが慣例になったらもう聞くことなくなりますよ。国民が関心を持っていることを尋ねる、それに対して、これが外交にもまた関係ないようなことをおっしゃるけれども、外務省の中で行政がどう行われているのか、上下関係がどうなっているのか、これ、外交の基本ですよ。外交にふさわしくないなんて、あなたそれは勝手な外交をやって自分考えでやっているからそういう言い方になるんでありまして、おかしいと思いませんか。大臣室で起きた出来事。  例えば、大臣が秘書官にセクハラをしたなんてことは、やっぱり国会できちっと取り上げて、そんな大臣はもう外交をやる責任はないと、そんなふうになるでしょう。しかし、そういうことはこの国会で取り上げる問題ではないから私は答えませんと言っているのとあなた同じことですよ。自分のお仕事という、自分のポストというものをどう考えているんですか。  例えば、大臣室で大臣がゴルフの練習ばっかりやっている。それは国会議員としても重大な関心があるから一体本当なのかどうなのかと、こう聞くでしょう。それは行政とは関係ないから答えませんと言っているわけですよ。物事の基本を知らないんですか。ちょっと言葉が激しくなって申しわけないんですけれども。
  48. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) メディア、マスコミで報道されていることがすべてでもありませんし、真実でないこともございますので、そういうことの話をするには時間も要しますし、この場がふさわしくないというふうに私は思っております。ここは参議院の時間の限られた外務防衛委員会でございますので、それにふさわしい質問をしていただければというふうに思っております。
  49. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 全然だれも納得していないと思いますよ。お一人だけで、何か自分の意思がすべて世の中に通用すると思っているからそういう答弁が出てくるんでしょう。国会の運営まであなたが判断して、これはふさわしくないなんて言っている。絶対おかしいですよ。反省しなさい。  それから、産経新聞のあの記事について、なぜ抗議をしないのか。これも予算委員会で聞かれていましたけれども、そのときにあなたは、一々そんなものを取り上げた抗議なんかしないと、木で鼻をくくったような答弁でしたけれども、産経新聞だっていいかげんなマスコミじゃない、きちっとした新聞紙、それがああいう報道を載せている。それがあなたは事実でないと言うならば、やっぱり訂正の申し入れをする、あるいは抗議をする、場合によっては名誉毀損で告訴も考える、これが公人としてのあなたの責任ですよ。  例えば、大臣はあんな悪いことをやっているぞと書かれたら、当然のこととして抗議するでしょう。同じことなんですよ。ああいうふうに言ってもいないことを書かれた、それで国会で追及されたと、なぜ産経新聞抗議をなさらないんでしょうかね。
  50. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) この前回の委員会でも申し上げておりますけれども、イランの外務大臣との会見ないし食事、会食中に、ラマダン中にアメリカが空爆を中止するようにというような発言は一切いたしておりません。  それから、お尋ねの件でございますけれども、各報道の事実関係に関しまして、その都度抗議を行うというふうなことは考えておりません。しないということが、すなわち抗議をしないからといってその記事の内容が事実であるということを認めているわけではもちろんございません。するかしないかということは、私の判断することです。
  51. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 最後の質問ですが、時間ですか。
  52. 武見敬三

    委員長武見敬三君) ちょっと速記をとめてください。    〔午前十一時十分速記中止〕    〔午前十一時二十四分速記開始〕
  53. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 速記を戻してください。  先ほど田中外務大臣からの答弁の中で、佐藤道夫君の質問に対して、参議院外交防衛委員会における質問としては適切ではないという言及がございました。これは質問者の基本的な立場国会の権威にもかかわる問題でございます。したがって、このような言及を受け入れることはできないという立場委員長としてもやはり申し上げなければなりません。  改めて、田中外務大臣に対して、佐藤道夫君の質問に対する答弁と先ほどの言及した部分に対する御訂正をお願いをしたいと思います。
  54. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 先ほど佐藤道夫委員からの質問に対しまして私が不適切、適切でないと申し上げましたことは、適切を欠くというふうに思いますので、おわびを申し上げまして、改めて申し上げさせていただきますが、質問に対するお答えといたしましては、大変恐縮でございますけれども、お答えは差し控えさせていただきます。
  55. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 やっぱり答えを差し控える以上はその理由を述べてください。
  56. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 先ほども申し上げましたように、いろいろ報道されていることの中にいろいろな中身がございまして、それが全部正確に申し上げるには時間もかかると思いますし、時間というよりも、時間の問題だけではありませんけれども、正確を期するためにもやはり今ここですぐお答えをするということは困難だというふうに思います。
  57. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 秘書官に指輪を買いに行かせたことはあるのかないのか、それだけですから、あるとかないとか一言でまずお答え願ってもいいわけでありまして、ないならない、あるならある、それだけですから、時間がかかるとかなんとか言っているのはあなたこじつけと言うんです、そういうのを。
  58. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) そんな簡単なことではございませんので、まことに恐縮でございますけれども、お答えは差し控えさせていただきます。
  59. 佐藤道夫

    佐藤道夫君 最後に、やっぱりこういう問題をこういう国会その他で取り上げるのはふさわしくないとあなたはお考えようなんですね。これは、プライバシーだからとか、答えるのに時間がかかるなんて、そんなことは理由にもならぬことをおっしゃって答弁を拒否している。  外交防衛委員会、いつも仲よく穏やかに運営されている委員会で、初めてですよ、あなたのような態度を示された方は。何で、指輪を買いに行かせたことがあります、ありません、それだけのことですよ。さあ、いかがなんですか。もう時間もありませんので。
  60. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 再度同じことばかり申し上げて大変恐縮でございますけれども、お答えをすることは差し控えさせていただきます。
  61. 武見敬三

    委員長武見敬三君) それでは、時間が参りましたので、次の質問者に移りたいと思います。
  62. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。  私は、時間もありませんので、具体的な政策ということで、この議題になっている二改正法案については私も異論はないわけですけれども、そのうちの一つ国際機関等に派遣される防衛庁職員処遇等に関する法律の一部改正に関連した質問をさせていただきたいと思います。  この改正によりまして、国連事務局内で平和維持活動を担当する部局、いわゆるPKO局と言われるところに防衛庁職員を派遣できることになるということですけれども、現在、この改正が成立した際に予定している派遣の具体的内容、すなわち人数、あるいは派遣される職員立場、また派遣の期間等はどうなっているか、防衛庁の方にお聞きしたいと思います。
  63. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この派遣職員は、本年二月のゲーノ国連PKO局長から佐藤国連大使に対する要請や、自衛官が有する専門的な見識等を踏まえて、自衛官を念頭に置いております。  派遣先については、これまで軍人ポストのほとんどが軍事部に配置されていることなどを踏まえまして、国連PKO局の軍事部になる可能性が高いというふうに思います。  それから、派遣人数については、PKO局において軍人の募集が予定されているポストの増員数が相当限られた数になる模様であることから、少数になるというふうに考えております。  派遣期間は、通常二、三年程度になるというふうに考えております。
  64. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 派遣された職員は、これは防衛庁からの出向ということになると思うんですが、向こうで働くときは国連職員という立場で働くことになると思うんですが、この派遣された職員が行う業務内容ということは、趣旨説明の中にもあったように、国連によって行われる平和維持活動の方針の策定または活動基準の設定あるいは計画の策定などとなっているわけでありますけれども、具体的に職員を派遣することによって防衛庁自衛隊が得られるメリットというのは何なのか、お示しいただければと思います。
  65. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、各国からさまざまな立場、またレベルの方が来られておりますので、非常に国際社会の中で働けるという点でいろんな国の考え方等が把握できるわけでございます。また、この国連の部局も運用、計画、人事、評価等幅広くございまして、PKO活動の全般的な部分等を把握をして実際にそれに参画をし従事をするということになりますと、国際社会の中でも日本貢献等につきましては非常に高く評価をされる面があるというふうに思います。  そして、何よりも、彼らが帰国をした際に、これから行われる国際的なPKO活動等に対して我が国がいかに取り組めば効果的な活動ができるかという、ノウハウ面においても今後の教育訓練等に生かされるのではないかというふうに思っております。
  66. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 私も、後ほどまた違う質問の中でもうちょっと具体的に言いますが、やはりPKO活動に、もっと日本職員がこのPKO活動の実績のノウハウを得られるようなことをするという意味で今回の派遣は歓迎する立場なんですが、しかし、PKO局も前からありましたし、それから日本も一九九二年からPKO活動に参加して既に九年たっているわけでありますけれども、ある意味、なぜ今までこういう防衛庁あるいは自衛隊からPKO局に対して職員を派遣するということを、私個人としてはちょっと遅かったなという感想を持っているんですが、これはどうしてでしょうか。
  67. 中谷元

    国務大臣中谷元君) PKO活動には古典的なものもありまして、特に中東を中心に展開をされておりますが、本格的に数がふえて世界の注目を集めるようになったのは湾岸戦争の後ですね。特に冷戦が終結した後の国際平和維持という点でこのPKO活動は注目を浴びておりまして、これに我が国としては、平成四年にこのPKOに参加する法律が成立をしたということで現在まで活動を続けてまいりました。我が国が参加して歴史がまだ十年にも満たないという点がありまして、早くからこの本部に参加することをしなかったというふうに私なりに思っております。
  68. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 わかりました。  一応、今回の件で第一歩ですので、その質問はそれでいいんですが、次に、防衛庁自衛隊内におけるPKOに対する日ごろからの準備態勢といったものについて質問をさせていただきたいと思います。  先ほどもちょっと申しましたけれども、PKO活動というのはいわゆる通常の自衛隊の任務と異なる要素をたくさん含んでいると考えております。例えば、PKOの活動には御案内のとおりさまざまな国の軍隊が参加するわけでありまして、それらの軍隊との頻繁な連絡調整の必要性がございます。また、これらの他国の軍隊の中には、装備、訓練あるいは行動規範が自衛隊とかなり異なるものも含まれるだろうと。それから、当然この多国籍のPKO要員の間で語学の問題というものも大きくあるんではないかというふうに思いますし、また、任務を行う環境も千差万別でありますけれども、日本や先進国のそれとは大分違うと。  このように通常の自衛隊の任務と異なる面の多いPKO活動に隊員を派遣するということに当たって、防衛庁自衛隊が日常的にどういう準備をしているのか、教えていただければと思います。
  69. 柳澤協二

    政府参考人柳澤協二君) 日ごろからPKO業務に係る教育として行っておりますものを申し上げますと、それぞれ陸海空に幹部学校ですとか幹部候補生学校というのがございます。あるいは防衛大学校もございますが、そういったところでも、ここは座学中心でございますが、PKOの現状などを教育をしております。  また、派遣の候補者になります例えば隊長ですとかあるいは司令部勤務をするような隊員につきましては、PKOの専門的な教育を行うために、北欧諸国等が中心でございますけれども、そういうPKO活動に経験を有する国が研修を行っております、そういうものに参加させるといったようなことをやっております。  語学につきましても、これは防大等で英語を中心とした教育をやっておりますが、特にPKOに派遣します場合、現在のUNDOFでいいますと、派遣前に三百五十時間程度の英語教育を行わせるといったようなこと、さらに、これは日常ということではございませんが、派遣の要員については、それぞれ派遣先も異なりますし、そういったところの文化、習慣といったようなこともあわせて教育をしております。
  70. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 今の御答弁は、これからちょっと私二、三質問、個別にしていこうと思いますが、ちょっと今気になったのが、派遣前に、派遣の部隊、隊員が決まってから何か準備はしているというような御発言でしたが、日常的にはやっぱり余りやられていないということなのか。  そこで、ちょっと具体的な答弁をいただくために、防衛庁からいただいた資料の中には、自衛隊の学校等において語学とか国際法などの教育をしているということなんですが、私ここに、手元に第十一次及び第十二次ゴラン高原派遣輸送隊に対する教育訓練実施状況という資料をいただいておりますけれども、教育場所を見ますと、旭川、帯広、小平の駐屯地のみでございまして、例えば防衛庁が所管する富士学校とか防衛大学の中でPKOに関する教育訓練をやっているという形跡はいただいた資料ではないわけでありますけれども、もう一度確認ですが、日常的に、つまり派遣をする部隊が決まっている決まっていないにかかわらず、こういった防衛庁の施設でPKOに関するノウハウあるいは教育訓練といったものを行っているのかどうか、もう一回お願いいたします。
  71. 柳澤協二

    政府参考人柳澤協二君) 今御指摘になりましたように、旭川、帯広というのは派遣を準備している部隊の所在地、小平は特に語学の教育を中心にして行っております。  日常的にどうかというのは、先ほど申し上げたとおり、基礎知識的な国際関係の勉強の一環として教えているということはございますが、確かに一般的にPKO全般の高度な識能を与えるといったような教育を全員を対象にしてやっているということは、現在のところまだ至っていないのが現状でございます。
  72. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ぜひ、今後日本が、自衛隊が、具体的には、PKOに今後も積極的に私かかわっていくべきだと思いますし、かかわっていくんであれば、やはり準備態勢が今不十分じゃないかと。  欧米では、私手元にきょうこれ一冊だけ持ってきていますけれども、「ピースビルディング」と、平和構築、「フィールドガイド」ということで、いわゆる現場に出る人のためのいろんなノウハウを、こういう一種の論文集でありますけれども、蓄積をして、非軍事、軍事分野双方で、こういった本は日本では、日本語では、私、数冊もないんじゃないかと思いますけれども、予防外交関係で三、四冊出ているかなという程度で、こういった非常にプラクティカルなものというのはない。しかし、欧米ではこのような本は、私が知っているだけで三、四十冊出ております。実際問題いろんな教育機関、訓練センター等でカリキュラムを組むに足るノウハウが蓄積されているわけですから、ぜひそういった方向性で考えていただきたいというふうに思っております。  これに関連して、今自衛隊の中には、今のお話からわかりますけれども、PKOの専門部隊とか、あるいはPKO待機隊なんて言葉もマスメディアの中で使っているところありますけれども、そういうPKOを専門にしたユニット、部隊みたいなものが今自衛隊の中にないという状況だと思うんですね。既存の部隊をミッションがあるときに指定をして送るということだと思うんですが、これはどうしてないのか、また、今後そのような部隊を創設する予定あるいは可能性はないのか、その点、お願いいたします。
  73. 柳澤協二

    政府参考人柳澤協二君) PKO業務につきましては、基本的には自衛隊が本来の任務であります国土防衛のための訓練によって培われた組織力でありますとか自己完結性といったものを応用して行う活動ということで今まで位置づけられてまいったわけであります。そういう意味で専門の部隊というものは設けられてきておりません。  あと、今後、我が国の自衛隊がさらに多岐にわたっていろいろなPKO活動に対する参加をしていく展望に立って今後どうしていくかということは、私どもとしても考えていかなければいけない課題であるというふうに思います。
  74. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 わかりました。  検討課題の一つということで聞いていただいて、この部隊よりも私さらにもっと重要だと思うことがありまして、これは防衛庁長官にもぜひコメントあれば聞きたいと思いますが、いわゆる連立与党の合意でも数年前から出ておりますけれども、いわゆるPKO活動に頻繁に部隊を送っている国々というのはいわゆるPKO訓練センターなるものを持っております。私が知っている限り、アメリカもありますし、オーストラリアもありますし、カナダもありますし、そして先ほど人事局長の方から言及のありました北欧諸国もしっかりしたものを持っております。  私自身は、日本も、特にこの防衛庁自衛隊の中にこういったPKO訓練センターあるいはPKOに特化した専門のやはり施設を持つべきであるというふうに思っているんですが、すぐには無理だと思います。人材面で特に無理があると思うんですが。  そこで聞きたいのが、今私が申し上げたようないろんな国々にそういったPKOの訓練センターみたいなのがあるわけですね。英語の資料ばっかりでまことに申しわけありませんが、例えば北欧諸国はNORDCAPSという、日本語に強引に訳せば平和支援のための北欧諸国調整機関というものがありまして、具体的には防衛大臣会議局長クラスの会議、それからPKOのプロジェクトチームを各国がつくって会議をしている、またこの調整会議の定例会合が年四回持たれるというような形で、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、各国がPKOに特化したことを日常的に話し合って、お互いにいろいろ学び合うという機関が政治レベル、高度な政治レベルでまずしっかりあると。  さらに、訓練、教育という部分では、きょう例として取り上げたいのはスウェーデンの防衛大学というか、スウェーディッシュ・ナショナル・ディフェンス・カレッジなんかでは、いわゆる外国のPKO要員になる、あるいはPKO要員になることを念頭に置いた方々を受け入れて、これはちなみにシビリアンも含めてですが、コースをつくって、国際コースというものをつくっておりまして、後方支援を担当する将校のためのコースとか、あるいは危機管理のコースとかさまざまなコースがあるわけであります。  先ほど人事局長が、防衛庁長官ですか、北欧諸国等にちょっと派遣しているなんて話ありましたけれども、こういった既にある、あとカナダのピアソン訓練センターも有名ですが、そういったところに防衛庁自衛隊、今まで職員を派遣したことがあるのか、あるならちょっと具体的に教えていただけますでしょうか。これは人事局長
  75. 柳澤協二

    政府参考人柳澤協二君) 例えば、近いところで申しますと、昨年、十二年度で申しますと、スウェーデンの国防軍の国際センター、オーストラリア軍、それからオーストリア軍、あるいはカナダの軍隊といったところで、これは入校研修という形で、学生という形で派遣をしておりまして、昨年の場合ですと総計四名でございました。
  76. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 済みません。四名ですが、期間はどれぐらいですか。要は、一カ月とか二カ月なのか、例えば半年間ぐらいしっかりとした訓練受けたのか。それ全然人数だけだとわからないので、もう一回お願いします。
  77. 柳澤協二

    政府参考人柳澤協二君) 事実関係として申しますと、ピアソンの場合が十日間で、あとのそれぞれの研修は二週間ないし三週間といった期間でございました。
  78. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 率直に申し上げますと、大変にやはり心もとないと言わざるを得ないと思います。ピアソンもそうですし、あるいはこういった北欧の機関もそうですけれども、かなり長期間にわたって訓練、教育をしていただけるわけですから、今後、日本がもっと語学もできて、そして国際社会におけるPKOの活動のあり方、よくわかっている人材を、これは後ほど外務省にも聞きますが、圧倒的に日本足りないと思うんですね、人材が。それはやっぱり防衛庁自衛隊においても、あるいは後から聞く外務省においても、なかなか人をいろんなところに長期間派遣するというのは難しいかもしれませんが、しかし、今PKOというのは国民もかなり注目をして、またあるいは世論調査でも明らかなように、多くの国民がPKOは支持しております。  そういった中で、きょうは私はPKO法自体の改正については突っ込みませんけれども、しかし、こういったPKOが日本の安保論議の中で大きく注目されている中で、現実にPKOを、現場で日本のPKOの活動のあり方を決めていく、あるいは現場で担当していく人材が非常に心もとない状況だというのが今のお話でちょっと露呈してしまったなというのが私の率直な感想ですので、ぜひもっとこういう既存のセンター等に人材を送っていただいて、できればもう六カ月、一年ぐらい送っていただいて、人脈もつくっていただいて、今回、国連のPKO局に人を派遣するということですけれども、そこにとどまらず、もっと広範囲にPKOで役に立つ人材の養成に防衛庁自衛隊も取り組んでいただきたいというふうに思うわけですが、ちょっと防衛庁長官、コメントいただけますか、それについて。
  79. 中谷元

    国務大臣中谷元君) PKO自体が今非常に国連の中でも改革の時期でありまして、やはり世界の平和を維持するためにいかにあるべきかという点で本格的に、中心的に検討されておりますが、このPKO訓練センターにおいても、オーストラリア、オーストリア、カナダ、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマークにありまして、国際的な平和を維持するという観点で、じゃ実際にこのPKOがあるべき姿として中立、また同意、合意の原則においていかに行動するかということを観点に訓練をし、セミナーを行っておりまして、非常に立派な成果を出しているというふうに思っておりまして、我が国としてもこういった分野における視察、また教育等を行って、世界の平和維持のために協力したいというふうに思っておりますし、また、平和を維持するということは外交、経済等が大きな要素を占めますけれども、軍事面においてもパワーバランスというふうに申しますが、抑止力が存在することによって国と国が共存をし、民族、宗教等も共存しながら、その地域において人々の生活が安定するということで、今後の国際社会においてなくてはならないものだというふうに思っておりますので、今後とも、積極的に我が国としてもこの分野において貢献してまいりたいというふうに思っております。
  80. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ぜひ積極的に人材養成を図っていただいて、将来的には日本がもっともっとPKO実績積んでいけば、日本自衛隊防衛庁職員の中からいわゆる国連のミッションを率いる指揮官みたいなものが出てくることも将来的にはあり得るわけで、そういった部分も含めて人材養成に努力していただきたいと思います。  次に、ちょっと外務省の方にお聞きしたいと思うんですが、今私がずっと話してきたのは、いわゆる防衛庁自衛隊の中にPKOに向けての準備態勢、日ごろからの準備態勢をしっかりつくってもらいたい、あるいは人材を国際的な観点から養成していただきたいという話だったんですが、来年度の外務省の予算の要求、概算要求の中にも紛争予防、平和構築という新しい項目が、大体百億円の要求額だったと思いますが、つくられているわけですけれども、私、個人的には非常に歓迎をしております、こういった動きを。  今までどうしても、外務省あるいは日本政府全体として、紛争予防なんというとちょっと非常に内政干渉的なニュアンスというかトーンがあるということでこれまでちょっと慎重だったと思うんですが、JICAのレポートでも平和構築というものがことし出ましたし、機運としては非常に高まっていると。また紛争予防、平和構築というのは、言葉をかえれば予防外交ということで、明石康さんなんかが会長をやっている予防外交センターというところも今ありますし、そういったいろんな日本の社会あるいは国際社会の総合的な機運を見ますと、日本ももっともっとこの紛争予防、平和構築、かかわっていくべきだと。  そこで、私は先ほど防衛庁の中にということと別に国際平和構築センターみたいなものを、これからこういう紛争予防、平和構築の項目で予算もとられるわけですから、長期的な観点に立ってそういったセンターをつくっていただいて、そこは自衛隊も含めたPKO関係のセミナー、研修もやってもいいと思いますが、それだけではなくて、あるいは、例えばNGOでさまざまな緊急援助活動に今ジャパン・プラットフォームなんか通して行っている方がたくさんいるわけでありますし、また国連のボランティアなんかに参加する日本人も、最近若者ふえているという話もあるわけですから、そういった方々日本の国内でそういう国連活動に参加する前にいろんなノウハウを身につけたり、技術を身につけたり、また行く先の現地情勢を知るといったようなことのためにもこういったセンターをつくる必要があるんではないかと私思うわけですが、これについていかがでしょうか。
  81. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) 遠山委員は、非常に広い視野で、いろいろな現場のことも踏まえながら、NGO活動だけではありませんで国連のありようとか、非常によく御示唆に富んだ発言をしてくださってありがたいというふうに思っておりまして、まさしく今外務省がそうしたことに問題意識を持って取り組もうというふうにしております。  そして、先ほどもお話がありましたけれども、やっぱり人材を、国際社会で活躍できる人、先ほど委員の言葉をかりますと、人脈もつくり、そして役立つ人でなければならない、それから技術だとかノウハウも日本で事前に身につけられる、そして本当に貢献ができるというふうな視点、これは大変重要だと思います。私もNGOの方たちと何度かお会いしましたときに、そうした技術や何かがある方が事前に、例えば看護婦さんとか先生とかいらっしゃるわけですが、帰ってきて復職ができないという日本の社会構造を指摘なさる方が何人かおられました。そういうことにつきましても私たちはやはり考えなければならないというふうに思っております、対策ですね。  それから、二点目としまして、じゃ実際に予算を、先ほど既におっしゃった百億でございますけれども、この平和構築、紛争予防という言葉ですけれども、この夏に私がG8に行きましたときも、常に紛争予防ということがテーマに出ていて、紛争の後始末、これには時間も費用もかかる、したがって紛争予防するためにどのようなことを我々がするべきか、国際社会の取り組み、そういうことが大変大きなテーマになっておりました。そういうことも御報告させていただきます。  したがって、その百億円の予算につきましても、当然ですけれども途上国においての実施されている小型武器の廃棄でありますとか、あるいは除隊兵士の社会復帰、先ほど言ったようなことに関係しますけれども、あるいは民族和解とか、そういうふうな目に見えないようなフォローアップといいますか、そういうことも手厚くしなければいけない。  ですから、国内での日本の受け入れ体制、姿勢の問題と国際社会、特に国連でのそういう文民の面で日本がもっともっと貢献できる文民セクションに日本人スタッフがもっと行けるように、しかもそういう人材を国内で常に準備しておくというふうなことをトータルで、国家として準備しなければならないというふうに思っております。
  82. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 もう時間ありませんので質問いたしませんが、今、外務大臣もちょこっと言及されておりましたけれども、PKOと日本で言うとすぐ何でも自衛隊、軍人という話がありますが、これ大きな間違いでありまして、PKOの活動の中には文民も多数含まれております。  一番最近の例で言えば、東チモールは軍人が圧倒的に多いですが、九千百五十人、国際の、文民が九百七十二人と、日本人も何人かそこに入っていることを私も直接知っておりますけれども、また、PKOの業務内容というのは国連のPKO局が出している文書を見ましても三十一の業務分野が書いてあるんですが、そのうち十は実は非軍事分野、シビリアンがやる分野で、マネージメント、行政、人事、経理、記録、政務、人権、法務、広報などですね、があるわけでありまして、防衛庁自衛隊自衛隊で頑張っていただきたいんですが、やはり外務省はこういったPKOの文民セクションにももっともっと日本人がいなきゃいけない、活躍するような体制づくりに向けてぜひ努力をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  83. 小泉親司

    ○小泉親司君 今回の国連PKOへの自衛隊の派遣の法案については、やはり憲法に違反するとともに自衛隊法にも違反する自衛隊海外派兵、派遣を恒久化するものとして私たちは認められないという立場をとっております。これに関連しまして、私、今現実に行われております戦争に対して自衛隊海外派兵する、その具体化となる基本計画について幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。  まずお聞きしたいのは、今、アフガンの情勢は、アメリカのブッシュ政権もタリバン政権が事実上崩壊したということを言う、その一方でウサマ・ビンラーディンはなかなか牧草地の中の針を一本捜すぐらい大変難しいと言い出したり、いつの間にかウサマ・ビンラーディンを逮捕することについては今回の軍事攻撃の目的ではないと言ったり、さまざまアメリカの政権内でもいろいろな揺れがあるわけで、私たちはこういう軍事攻撃は今、現局面は民間人を大変巻き込む戦争になっているし、テロ根絶という国際社会を分裂させているという点で、こういう軍事攻撃、空爆は直ちにやめるべきことをこれまでも要求してまいりましたが、まず初めにお聞きしたいのは、この基本計画の中でもまず第一に挙げられているのは、今回の軍事攻撃に関して脅威の除去、これを目的とするということを冒頭から言われておるわけですが、この基本計画の中では一体どういうことを目的としているのか、脅威を除去するという中身はどういうものなのか、この点、閣議ではどのよう決定されたんですか。防衛庁長官、まずお尋ねしたいと思います。
  84. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この法律の目的自身が、九月十一日において米国において同時多発テロが発生して以降、我が国を含む国際社会の平和と安全を守るため、国際的なテロリズムの防止及び根絶に向けた国際社会の取り組みに協力するためにあるわけでございます。  そういうことを念頭に、現在米国を初め世界各国がこのテロの原因となっておりますラディン氏の確保、また、それを支援するタリバン政権並びにアルカイダという組織の崩壊を目指して行動いたしておりまして、それをすることによって今後テロが発生しない国際社会を構築できるように全力を尽くしておりまして、そういった問題に我が国としても積極的に寄与するということで取り組んでいるわけでございます。
  85. 小泉親司

    ○小泉親司君 いろんなことを言っておられると目的がだんだんあいまいになるんですが、今、タリバン政権が崩壊したと、事実上崩壊したということはアメリカ政権も言っているんですが、なぜそれなのに自衛隊を派遣するのかという点で非常に私たちは疑問が残るし、実際にそれじゃウサマ・ビンラーディンを逮捕したらこれで軍事行動が終わるのか、自衛隊の支援も終わるのか、そういうことなんですか。
  86. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 確かにタリバン政権は崩壊したというふうに言われておりますが、タリバンの政権にいた一部の勢力はまだ現存しておりますし、現に外国人のジャーナリスト、マスコミの人たちが、安全だと、確保したと言われておりますジャララバードにおいても四名が殺害をされたり、日本のマスコミの方も大変危険な目に遭ったということで、決して安定した状況ではございませんし、まだ現にラディン氏もどこにいるのか所在が不明でありますし、アルカイダも山中に温存して非常に強硬に抵抗いたしておりますし、米国自身も、今回の行動については長期間の期間が要するというふうに言っておりまして、まだまだ予断ができるような問題でないということで、現時点において一義的にお答えするということは困難でございます。
  87. 小泉親司

    ○小泉親司君 私、まずこの目的が非常にあいまいだということもあると思うんですが、じゃ例えば基本計画にインド洋ということの中で、基本計画の行動区域として「インド洋」というふうに書いてありますが、このインド洋については、一体どこからどこまでなのか、具体的にはどういうことになるんですか。
  88. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 具体的には実施要項を定める作業をいたしておりまして、そこに定めたいというふうに思っておりますが、この期間を通じて、現に行動しております米国を初めとする各国の行動によってテロ攻撃によってもたらされている脅威が除去されるということで、我が国がもはやこの法案によって対応措置を実施する必要がないと認められるまでこの支援活動が続くわけでございますので、今後どのように転換する、展開していくのかということにつきましては、現時点において、大変将来に対する見通しも含めまして、今の時点で断定できない面がございます。そういう面で柔軟性と機動性を勘案をして広い範囲で行動ができるように対応したいというふうに思っております。
  89. 小泉親司

    ○小泉親司君 インド洋というのはどこからどこまでということを考えているんですか。東はどこで、西はどこで。
  90. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 概念的に申しますと、マレー半島が東の限界であり、またインド大陸の南部及びインドとパキスタンの間が、訂正します、パキスタンとイランの間が一応アジアと中東の境目だというふうに言われておりまして、そのラインが西の外れではないかというふうに思っております。
  91. 小泉親司

    ○小泉親司君 基本計画には、「ペルシャ湾を含む。」と書いてあるんですから。
  92. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 「ペルシャ湾を含む。」というふうに書いております。
  93. 小泉親司

    ○小泉親司君 じゃ、おかしいじゃないですか。その区域が定まらないんですが、飛ぶんですか。どこからどこまでなんですか、東は。
  94. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 東はマレー半島、またはインドネシアのスマトラ諸島、またはオーストラリア大陸の西、西の限界はアフリカ大陸の東側と。うち、その中にアラビア海及びペルシャ湾等はまた別個に存在するというふうに思っております。
  95. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、東はオーストラリアの西のところから、西はアフリカ、つまりペルシャ湾、中東、こういう非常に広大な区域で自衛隊が協力支援活動するということになると思うんですが、それじゃ実施要領の中で決める、法律では実施区域というのを防衛庁長官が命令することになっているんですが、この区域の中の実施区域というのはどこになるんですか。
  96. 中谷元

    国務大臣中谷元君) まだ、その実施区域においては最終決定までは至っておりませんので、現時点においてお答えできない部分がございますが、ある程度自衛隊の活動がし得る区域として限定してこのインド洋の中にある地域を限定したいというふうに思っております。
  97. 小泉親司

    ○小泉親司君 その区域は公表されるんですか。
  98. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 一応実施要項において定めますけれども、今のところ公表するようなことを考えておりませんが、概要につきましては皆様方にお知らせしたいというふうに思っております。
  99. 小泉親司

    ○小泉親司君 じゃ、実施区域は秘密になるんですか。
  100. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは調整をした相手国の行動等もございますので、すべて区域を公表できる内容ではないというふうに思っています。
  101. 小泉親司

    ○小泉親司君 私、そういう実際に自衛隊が行動する区域も秘密というのはちょっとやっぱり重大だと思うんですよ。現実問題として、あなた方は、戦闘が行われていない区域でやると言っておられるわけですから、一体どこがそういう区域なのか。私たちはそういう区域などは存在しないということを指摘してきたのに、実際にあなた方は実施区域を公表しないというのは、大変私おかしい話だというふうに思います。  もう一つお聞きしますが、例えば基本計画の中では協力支援活動の役務について、防衛庁長官が協力支援活動の役務の提供について命令を下すことになっていますね。それについては、例えばこの基本計画の中では、「艦船による艦船用燃料等の補給」、輸送においては「艦船による艦船用燃料等の輸送」と書いてありますが、この「等」という中には何が入るんですか。例えば艦船用の燃料というのはどういう船の燃料なんですか。そういう点、具体的にお話しいただきたいと思います。
  102. 中谷元

    国務大臣中谷元君) まだ現時点においてはこの計画の策定作業中でありまして、最終決定には至っておりませんので、この問題等につきましては、概要等を含めまして、この計画が総理の御承認がいただいた後お話をさせていただきたいというふうに思います。
  103. 小泉親司

    ○小泉親司君 いや、私はあなた方が閣議で決定された基本計画について聞いているんですよ。あなたが言っているのは、「艦船による艦船用燃料等の補給」と書いてあるんですよ。これは実施要領の話を私はお聞きしているんじゃなくて、基本計画の中でこう書いてあるんですから、その「等」というのは何なんですかと。艦船用燃料とはどういう、例えばアメリカ空母の燃料も含むんですか、アメリカの軍艦の燃料も含むんですかと、そういうことをお聞きしているんです。それも決まっていないんですか、閣議では。
  104. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この閣議においてはそういう細目までは決まっておりませんが、この「艦船による艦船用燃料等の補給」の「等」というのは水とか食糧というものでありますが、そのほかにもあるかもしれません。  この艦船の種類等につきましては、空母に限定するとか、そういうものではございません。その所在地にいる艦船によって補給等が要するものがありましたらそれに補給を行いたいというふうに思っております。
  105. 小泉親司

    ○小泉親司君 それから、派遣する艦艇は、今回はイージス艦の派遣を見送るということにしていますが、防衛庁説明だと、基本計画の中ではイージス艦の派遣が排除されていないということだそうですが、そういうことなんですか。
  106. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この点につきましては、現時点においてはまだ検討の段階でありまして、実施要項等の中に含めるかどうかという点についても現時点においては最終決定に至っておりませんので、お答えを控えたいというふうに思っております。
  107. 小泉親司

    ○小泉親司君 この問題というのは実施要領で決めるんですか。基本計画じゃなくて実施要領で決めるんですか。
  108. 中谷元

    国務大臣中谷元君) イージス艦につきましては、仮に含めるとした場合には実施要項に含めるか含めないか記述をしたいというふうに思います。
  109. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、基本計画の中では、現在閣議決定された、あなた方が閣議決定したこの基本計画の中にはイージス艦も含まれているんですね、考え方としては。
  110. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 護衛艦というふうに定めておりまして、この護衛艦の中にはイージス艦も含まれております。
  111. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、その実施要領自体で具体的な中身がこの基本計画については決まるというお話だそうですが、そうなってくると、その実施要領というのはそれこそ基本計画と並んで広く公表はされるんですか、されないんですか。
  112. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 実施要項につきましては、その艦名も記述をし、イージス艦を含める場合においてはそれを明記するようにいたしております。
  113. 小泉親司

    ○小泉親司君 防衛庁長官、どうですか、その点。公表する。
  114. 中谷元

    国務大臣中谷元君) イージス艦を含めるか含めないかについては公表したいというふうに思います。
  115. 小泉親司

    ○小泉親司君 ほかの艦艇については公表しない。協力支援活動の中における役務の提供については公表しないんですか。
  116. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 護衛艦についてもいろんなタイプがありますので、そういう種類については公表いたしますけれども、個別具体的な艦名については公表をすることを控えたいというふうに思います。
  117. 小泉親司

    ○小泉親司君 どうもそういうところが非常にあいまいで、現実に実施要領でほとんど決めると。基本計画の中身については今お聞きしたように何か非常に大ざっぱで、国会自体でこの問題というのは国会承認の問題も含めましていろんな問題になっているのに、実際の閣議で決定した報告の中身も非常に具体的じゃないと。それをやはり実施要領で、公表されない実施要領で事実上どんどん進めていくというのは、ちょっと私は非常にこれはおかしい中身じゃないかなというふうに考えております。  もう一つ、時間がないのでお尋ねしますが、自衛隊法の改正で米軍基地を自衛隊が警護活動を行うということが決まりましたが、実際、どの米軍基地を警護するというふうに今考えておられるんですか。
  118. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 現時点において個別具体的に、警備行動を実施するか、警備出動をするかということについて確たることを申し上げる段階ではございません。
  119. 小泉親司

    ○小泉親司君 それは、まだあれですか、決まっていないということなんですか。
  120. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これの実施につきましては内閣総理大臣の命令が必要でありますし、また都道府県知事の御意見も聞いていかなければなりませんし、また所要の手続を踏んだ後初めて発令の判断が行われますが、これに際しても状況の推移など数々の情報等を踏まえて判断をされるものでございまして、現時点においては具体的にここで警備行動を実施するというふうに発表できるような段階には至っていないという状況でございます。
  121. 小泉親司

    ○小泉親司君 やはり、自衛隊が今度は米軍基地を警備するような状況になったので、私たち、どういう警備状況なのか、米軍のいろんな調査をしてまいりました。  これは、アメリカ軍の神奈川県の厚木基地、このゲート前でありますけれども、このゲート前に新しい看板が出ている。(資料を示す)この赤い看板でありますけれども、見にくいので大きくしてまいりました。書いてある中身は、「デッドリー・フォース・オーソライズド」、こういう英語が書いてありまして、その下にわざわざ米軍が訳したものだというふうな訳がついております。致命的武力の行使認可区域、こう書いてあります。  この厚木基地というのは、御承知のとおり、日米の共同使用、つまり米軍自衛隊の共同使用基地でありますけれども、この共同使用基地にこのような看板が出ている。ここにちょうどゲートがありまして、神奈川の関係の議員さんは詳しいんですが、片方に米軍がいて片方に自衛隊がいて、門の前もちゃんと日米共同でこれを守っているんです。その守っているところについている看板、いわゆるデッドリーフォース。このデッドリーフォースというのはどういう意味なんですか。
  122. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 日本語で訳すと致命的な実力が許可されたというところだと思いますが、在日米軍の施設・区域内におきましては、米軍は地位協定の三条によりまして、その区域内においては警護のために必要なすべての措置をとることを許されております。ですから、この厚木基地におけるこの看板につきましては、米軍が施設警護等の一環として配置を、設置をしたものだというふうに理解をいたしておりますが、どういう意味があるかということにつきましては、米軍の政策であってコメントする立場にございませんが、一般的に申しますと、その区域の中において不法行為を行おうとする者に対して一定の場合には人に危害を加えるような措置も含む実力行使があり得ることを示す旨の警告を行うことで不法行為を抑止すること等の目的で設置をされているものではないかというふうに思っておりますし、また現実にテロ行為が発生をした場合には、あくまでもテロ行為を行う人間に対して武力をもって対応することがあり得るとの警告でございます。
  123. 小泉親司

    ○小泉親司君 厚木基地にはこのような看板が出ておりましたが、この厚木基地の中でこの認可区域というのはどこからどこまでなんですか。
  124. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは、米国軍が地位協定等によってその施設の利用を認められた地域でございます。
  125. 小泉親司

    ○小泉親司君 厚木基地は日米共同使用基地がほとんどでありますが、これはそうしますと、厚木基地というのは御承知のとおり、二4(a)という米軍が管理して自衛隊が共同使用する基地と自衛隊が管理して米軍が管理する二4(b)という基地と、これが混在しておりますけれども、それはそうすると、どこからどこまでどういうふうに引かれているんですか。
  126. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 米軍が使用が認められている地域のみでございます。
  127. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、ほかの米軍基地にもこの問題は設定されているんですね。
  128. 中谷元

    国務大臣中谷元君) これは米軍が地位協定上の権能に従ってとる措置の一つでありまして、このほかの地域でどうするかというよう一つ一つの問題については我々はコメントする立場にございません。
  129. 小泉親司

    ○小泉親司君 このデッドリーフォースというのを私いろいろ調べましたら、これ、国防総省でことしの十一月一日、今月の一日に指令が発表されておりまして、デッドリーフォースをどう指定するかと。このデッドリーフォースという中身は、自衛のためばかりじゃなくて、例えば米軍基地であるとかその米軍基地の他の要員であるとか、そういうものが攻撃を受けるないしは攻撃を受けるようなおそれがあるというふうな状況の中で相手に死を至らしめるかないしは致命的な殺傷を行うこと、こういうことが可能な区域だと。さらに、この問題は単なるテロだけじゃなくて、ボスニアの空爆のときにもこの問題が設定されまして、これ自体では、単なる攻撃を受けた場合にそういうふうな行動をとるばかりじゃなくて先制攻撃的に死に至らしめるようなないしは致命的な殺傷行為を行うことができるということが認可された区域だということは、私もここに持ってきておりますけれども、国防総省の指令書の中でも明確だというふうに思うんです。  そうなってくると、それじゃ自衛隊がこういうふうな米軍基地を警護するということになると、やはり、米軍は一方では死に至らしめるような大変致命的な武力行使ができる、ところが自衛隊は、この法律によると、自衛隊施設、米軍基地ばかりじゃなくて米軍基地の区域の外部においても自衛隊は行動することができるというのが今度の自衛隊法の改正ですよね。  そうすると、実際これは自衛隊米軍と一緒になって、こういう大変致命的なデッドリーフォースと言われるような、そういった武力行使も辞さないというふうな形になるんですか。そこのところを、ちょっと私は非常に危険な中身を持っていると思うんですが、その点、防衛庁長官はいかがお考えなんですか。
  130. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この看板設置の目的というのは、テロ行為を行おうとする者に対して注意を与えることでありまして、一般の人ではなくてテロを行う者に対する警告の意味があろうと思います。  その自衛隊の警備等につきましても、自衛隊が武器を使用する根拠としては、自衛隊法の九十五条及び九十五条の二という範囲でありまして、九十五条では、この自衛隊の保有する武器が破壊されたり拉致されたりすることによって我が国の防衛力を構成する重要な物的手段が破壊されて防衛力が低下することを防ぐために認められておる範囲でありまして、武力の行使とは異なるものでございます。  それから、九十五条の二でも、施設を防護するという目的でありまして、この防衛出動等の武力の行使というのとは異なるものでありまして、いずれの場合も、正当防衛または緊急避難に該当する場合には、人に危害を加えたとしてもそれが法律の要件に合致する場合には正当行為として違法性が阻却されるものでありまして、この根拠に基づいた範囲で武器を使用するというふうになろうかと思います。
  131. 小泉親司

    ○小泉親司君 私、お話ししましたように、この問題はテロの問題ばかりじゃなくて、広く米軍はこういうふうな規定をしまして、例のルール・オブ・エンゲージメント、交戦規則の中で、こういう致命的な武力行使もやって構わないと、死に至らしめるようなことをしてもいいというふうなことになっているわけで、現実に今の米軍基地の中では、私ら相模原補給廠に行きましたが、その門の前で機関銃を構えている。私たち国会議員が調査しているのに、それをわざわざほろをつけているものをほろをとって見せる、しかも銃口を向けるというのは大変重大な問題で、そういう米軍自体の、幾らそれは地位協定で認められているといっても、国民にやはりそういう形で銃を向けるようなデッドリーフォースといった認可区域を設定するというのは、私は重大な問題だということを指摘して、時間が参りましたので質問を終わります。  ありがとうございました。
  132. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党の大田昌秀でございます。  ただいま議題になっております国際機関等に派遣される防衛庁職員の処遇に関する法律の一部を改正することによって、国連平和維持活動局軍事部に自衛官を派遣する根拠が生じます。社民党は、国連のPKO活動全体を否定するものではありませんが、武力の行使につながりかねないPKF本体業務に自衛隊は参加するべきではないと考えるものであります。  ところが、新ガイドラインを初め、周辺事態法、テロ対策特措法などの成立によって自衛隊の武力行使に対する制約が次々と取っ払われつつあります。既にPKF本体業務の凍結の解除の議論さえ浮上していることは周知のとおりでございます。    〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕  この時期にあえて国際機関等に派遣される防衛庁職員の処遇に関する法律を改正して国連平和維持活動局軍事部に自衛官を派遣することは、自衛隊の武力行使に向けての流れを補強するものと言わざるを得ません。  そこで伺いますが、軍事部はどんな任務を負っているんですか、防衛庁長官、お願いいたします。
  133. 中谷元

    国務大臣中谷元君) この軍事部等の組織につきましては、軍事顧問を長として、軍事顧問室、軍事計画課、軍事運用課、部隊形成課及び訓練・評価課から構成されまして、平和維持活動ミッションに係る部隊の規模、配置についての計画の作成、展開中の平和維持活動ミッションの現地状況についてのモニター、平和維持活動要員の募集に関する各国代表部との交渉、平和維持活動に関する訓練ガイドラインの作成等の業務を行う部門でございます。
  134. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 つまり、防衛庁としては自衛隊を同軍事部に派遣しなければ国連の期待に沿うことはできないと。つまり、目的を達成することはできないというふうにお考えなんですか。  もしそうだとすれば、その理由をお聞かせください。
  135. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 我が国におきましては、軍事というと非常に危険できわまりないという印象を持たれている方が多いかもしれませんが、現在においてはOOTWという軍事の平和のための利用ということに基づいて、平和を維持していこうという考え方も各国でとられている国もございます。  現に、このPKO活動自体が戦後の世界維持のために大変な貢献をしてきておりまして、国連のノーベル平和賞も受賞されたこともございますし、また、現にPKO活動がいることによって中東地域の平和が保たれている部分もありますが、この活動を行う上においては、国連自体が、PKO自体が中立であると、またこれを実施する上においては、関係国の同意と合意が必要であって、これの実施のための外交的なマンデートに基づいた上で慎重にこの実施を立案をし、計画をいたしております。    〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕  また、PKFの本体業務においても、停戦監視、また武器等の、廃棄された武器の搬出とか捕虜の交換とか、そういう部分でありまして、決して武力を行使をして他国を侵略するというような目的をこのPKO活動自体は持っていないという活動でございますので、私においては、そういう意味においては国際的な脅威になる存在だというふうには考えておりません。
  136. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 若干議題からそれるかと思いますが、沖縄におる自衛隊について伺いたいと思います。  まず最初に、沖縄におる自衛隊の任務とそれから本土にいる自衛隊の任務と同じだとお考えですか、それとも違う点がございますか。
  137. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 基本的には自衛隊の任務というのは、我が国の防衛という観点で二十四時間警戒監視を行い、いざ有事の際には速やかに出動して対処するという任務を持っておりまして、各陸海空それぞれ担当区域を割り当てをしてその正面に対して監視活動等を行っております。  特に沖縄の場合におきましては、沖縄本土の侵略を防止するという観点において、特に南西海域の海上及び航空等の警戒監視を中心として、沖縄自身の安全も含めた日本の安全保障の一部として任務として与えられて勤務をいたしておるというふうに承知をいたしております。
  138. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 自衛隊米軍基地というものは、国民の生命、財産の安全を保障するということをおっしゃっておりますけれども、しかし、現実には、例えば沖縄米軍基地の場合、復帰して後、既に五千件以上の事件事故が発生して、日常的に県民の生命と暮らしが破壊されているわけですが、それについてどうお考えなんですか。  つまり、国民の生命、財産を保障すると言いながら、日常的に沖縄が犠牲になっているわけですが、そういうありようというのが半世紀以上続いているわけなんですが、今後ともそのようなありようを容認されるおつもりなんですか。
  139. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 米軍基地の事件事故等につきましては、起こっていること自体がけしからぬことでありまして、このようなことが起こらないように最大限努力を払って部隊運営をしていただきたいと、またそのような措置につきましては再三再四我々も米側に要求をしているわけでございます。  この基地の存在等につきましては、国際的な安全保障政策の一環、また日米安全保障条約に基づいた我が国の駐留という観点で所在をいたしておりますが、非常に沖縄県の皆様方に大変な負担と苦痛をお与えしている部分もございます。そういう点につきましては、SACOの最終合意に基づいて基地の軽減、負担の減少に努めているところでございます。
  140. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 一九七二年に沖縄が復帰したときに自衛隊は四千三百人おりました。現在、二〇〇一年現在、六千五百人にふえておりますが、冷戦構造が崩壊した今日、なぜふえているんですか。
  141. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 冷戦時代は、主にソ連の脅威というものがございまして北方重視の態勢がとられておりましたが、冷戦終結後は非常に不安定な状況になって不確実性が増したということで、その点の重点を移しつつございます。  そのほかにも、各種装備が更新され近代化されて、特に沖縄地区の特性を踏まえた不発弾の処理、また離島輸送体制の頻度が多いものですから、この緊急輸送体制の整備等を勘案をいたしております。  具体的に言えば、不発弾処理の新編で二十名、海上自衛隊の対潜哨戒機の近代化に伴う機種の変更に伴って第五航空群の新改編が行われまして四百六十名、また沖縄水中処分隊の新編に伴って、勝連にありますけれども、沖縄基地隊の増強で七十名、また航空自衛隊もレーダーのバッジシステムの導入に伴いまして南西航空管制隊の増強が百名、ヘリコプターの空輸隊七十名、また那覇病院の新設に伴って八十名ということで増員はされておりますが、その理由といたしましては、今述べたように、やはりこの警戒監視の必要性また沖縄の事情等にかんがみまして増員をした次第でございます。
  142. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 自衛隊が六千五百人にふえておりますけれども、その自衛隊の六千五百人の基地は那覇飛行場の隣接地など非常に重要なところに位置して、そこを民間が活用できるような事態になれば物すごい雇用がふえると思いますが、六千五百人の自衛隊が地元の人を何名雇っているか御存じですか。
  143. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 現在、資料を持ち合わせておりませんので、先生、御存じでしたらお教えいただきたいと思います。
  144. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 委託業務なんかを含めまして、わずか七十四人なんですよ、それで米軍の場合は八千六百人余り雇用しているわけなんですけれども。  この沖縄自衛隊基地にしても米軍基地にしても本土と基本的に違うところは、国有地じゃなくて、本土の場合は八八%くらいが米軍施設の場合は国有地で、自衛隊基地の場合は八九・三%が国有地なんです。ところが、沖縄の場合は、自衛隊の場合は国有地は一五・八%、それから米軍施設の場合は三四・一%でしかないわけなんです。  今、沖縄は雇用問題大変深刻になっておりますが、ほとんど雇用に基地は役立たないという現実があるわけなんですね。つまり、基地が返されてそこを民間が利活用できますと十倍の雇用が確保できるという試算が成り立つわけなんです。そういった意味で、基地は雇用に向かないというのはもう非常にはっきりしているわけなんですが、将来、近い将来でも結構ですけれども、防衛庁としては基地の整理、縮小というのをもっと本格的になさるおつもりがあるのかどうか。  先ほど、SACOを実施すれば基地の整理、縮小につながるとおっしゃったんですが、せんだっての御答弁でもおわかりのように、SACOを全部実施しても在日米軍の専用施設の七〇%は依然として沖縄に残るわけですよ。しかも、そこへ新たに普天間の基地のかわりとして一兆円も金をかけて新たな基地をつくろうとしておられる。そうすると、整理、縮小にはつながらないわけです。その点、どうお考えですか。
  145. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 確かに、全国の七五%が集中しておりまして、沖縄県の方々にさまざまな御負担をおかけしているということは十分認識をいたしておりまして、この御負担を軽減するために、従来から、政府沖縄県、また米国とも話し合いをしてSACOの最終報告を決めたわけでございます。  ですから、当面の措置といたしまして、我々は一刻も早くこのSACOの最終報告が着実に実現できるように最大限努力を払っていきたいと思っておりますし、また、今後とも沖縄県や地元の自治体の皆さんとも話し合いを継続をいたしたいというふうに思っております。
  146. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 昨日、沖縄に行っていろいろと聞いてまいりましたけれども、やはり沖縄の多くの人たちは基地のない平和な沖縄にしたいということで、特に沖縄戦の体験を踏まえて切実にそれを望んでおります。きのうも九十歳くらいのお年寄りたちが社民党の調査団に対してそのことを強く訴えておりましたので、そのあたり、ぜひとも防衛庁でも、あるいは外務省も一緒になって、もう既に半世紀以上も沖縄だけに過重な負担をかけているわけですから、どうかそこをぜひ御配慮いただいて、本格的に基地の整理、縮小に向けて努力していただきたいと思います。  以上で終わります。     ─────────────
  147. 武見敬三

    委員長武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、福島啓史郎君が委員を辞任され、その補欠として野上浩太郎君が選任されました。     ─────────────
  148. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 自由党の田村でございます。  六月ごろだと思ったんですが、即応予備自衛官制度について中谷長官に、会社に行っている人たちには、それぞれいつでも招集がかかったときに出てこれるよう会社には経費を払っているけれども、一人で農業をやっているような人には全然払われていない、ぜひ一人で農業をやっている人たちにも同じような措置をお願いをするということでお願いをしてあるんですが、その後、それ、どうなりましたか。
  149. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 雇用企業給付金は、他に生業を持つ即応予備自衛官が訓練招集及び災害招集に安んじて応じるため雇用企業からの協力が不可欠であるということから、この雇用企業が負うことになる負担を考慮して、雇用企業の協力を図るために支給をするという趣旨でございます。  この本給付金については、雇用関係に着目をして即応予備自衛官とは別人格の者に支給するとしており、基本的に本人の意思及び努力によって出頭が可能である個人事業者が即応予備自衛官である場合には支給対象とはしておりません。  また、仮に個人事業者に対して支給することとした場合には、即応予備自衛官たる個人の事業者は即応予備自衛官手当等に加えて雇用企業給付金を受け取ることになり、個人事業者でない即応予備自衛官との間に大きな不均衡が生じることになる点についても配慮をする必要がございます。  しかし、この制度は発足後まだ間もない制度でありまして、年間三十日に及ぶ訓練の招集や予測のつかない災害招集など、ほかに生業を持つ即応予備自衛官本人のみならず、その雇用企業にも多大の負担をかける制度であるところ、我が国の防衛においての重要性にかんがみて、雇用企業からの協力を得るために、施策のあり方も含めて、この制度のあり方等の運用等につきましても検討してまいりたいというふうに思っております。
  150. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 私が何でそういう細かなことについて二回も長官にお尋ねするかというと、これは、湾岸戦争アメリカは六十万の兵士を出兵させているんですね、湾岸戦争で。そのうち二十万が、三分の一ですよ、予備役の兵士を動員しているんですね。そして、今回のアフガニスタンにも、現役で十分に足りるにもかかわらず数万の予備役を招集しているんですね。  これは、何でそういうことをするかということは、みんながそういう連帯を強くさせてそういう戦いに勝ち抜こうという、だれか特別な人だけがやっているんでうちは関係ないやと、そういうんじゃなくて、地域社会に国民としての団結と地域社会の連帯を強めさせる効果をアメリカ社会ですらねらっていると。ましてや、護衛艦が出ていくのに反対の団体が赤旗を振っているような我が国において、特にこういうことを防衛庁は考慮しなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思っているので、そういう御質問を再三させていただいているわけです。  特に、予備役なんというのは実際に、時々、三十日か二十日間ぐらいしか防衛庁に行かないわけですから、疎外されている気持ちを非常に持っている。その人たちが一緒になってやれるという連帯感を強めさせる施策というものを講じないと、これは、十八万体制を十五万何千にして定員を減らしているわけですからね、ここに相当な配慮というものを防衛庁はしなきゃいけないにもかかわらず、余りしていない、ほとんどしていないと言ってもいいんじゃないかなと。  そういうことで本当に国民とともに団結して国を守ることってできるんですかね。そこのところをもうちょっと考えていただかないとまずいんじゃないかと私は非常に強く思っているんで、こういうことを申し上げているんであります。長官、いかがですか。
  151. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 御指摘をいただきまして、ありがとうございます。  現在、即応予備自衛官は、平成十二年度における訓練の出頭率ですね、命令交付数に対する出頭者の割合が九七・一%ということで、非常によく訓練に出てきていただいているというふうに思っております。  委員のおっしゃるとおり、ただ単に自衛隊だけが国を守っているわけではなくて、一般の国民の皆様方の御協力また御理解で国防というものは成り立っておりまして、国民防衛というか民間防衛というか、国民の間でも国防や国際貢献、災害派遣等に対して惜しみない御協力をいただき国の防衛というものが支えられているということでございますので、今後とも、委員のおっしゃる点も踏まえて、制度の運用状況、あり方について検討してまいりたいというふうに思っております。
  152. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 自衛隊がPKOや今回のような任務で海外に出ていくというような場合に、仲間の自衛隊とか家族とか自衛隊関係者だけが出ていく人たちを送ると、やっぱり地域社会挙げて送り出すような雰囲気にしたいものだというふうに私は思っておりますので、それで、この即応予備自衛官制度というのは、できてまだ一回も招集されていないんですね。今回こういう時期に、長官、一度、即応予備自衛官の招集をおやりになったらいかがですか。  ということを申し上げて、お答えを受けて質問は終わります。
  153. 中谷元

    国務大臣中谷元君) 私も、極力現場の方に参りまして、現在行われている即応予備自衛官のあり方についてこの目で確認をし、また至らない点、また改善点につきましては今後部内で検討をして改善に努めてまいりたいというふうに思っております。
  154. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  155. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、防衛庁派遣職員処遇法一部改正案及び防衛庁職員給与法一部改正案に対し、反対の討論を行います。  今回の法案は、国連PKO局に自衛隊員を派遣する内容となっていますが、これは憲法に違反し、自衛隊法にも違反する自衛隊海外派遣を恒久化するものであり、断じて認められません。  我が党は、国連のPKO活動についてはこれを一般的に否定するものではなく、その活動が紛争の平和的解決を明記した国連憲章に合致した活動かどうか、個々の活動を判断して態度を決めていますが、その際にも軍事活動であるPKOへの自衛隊派遣は憲法上認められないという態度をとっております。我が党は、日本が憲法に沿って非軍事的部門での積極的な貢献を行うことが何よりも重要だと提案をしております。  今回、新たに自衛隊員を国連PKO局に派遣することは、憲法や自衛隊法上想定されていないことであり、しかもPKO局は、選挙監視活動など非軍事的活動を管轄する国連政務局とは違い、PKF、国連平和維持軍本体業務も含めた軍事活動の指揮統制を行う中枢機関であり、このような活動に自衛隊が関与することは許されないと考えます。  防衛庁職員給与法一部改正案は、国家公務員の年収を三年連続で引き下げる人事院勧告の実施であり、国家公務員全体の利益を守る立場から反対であります。  以上で反対討論を終わります。
  156. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、国際機関等に派遣される防衛庁職員処遇等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  157. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  158. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  160. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 投資促進及び保護に関する日本国とモンゴル国との間の協定締結について承認を求めるの件、投資促進及び保護に関する日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の協定締結について承認を求めるの件及び千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表(日本国譲許表)の修正及び訂正に関する二千年十一月二十七日に作成された確認書締結について承認を求めるの件、以上三件を議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田中外務大臣
  161. 田中眞紀子

    国務大臣田中眞紀子君) ただいま議題となりました投資促進及び保護に関する日本国とモンゴル国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、平成十一年十月以来モンゴルとの間でこの協定の交渉を行いました。その結果、平成十三年二月十五日に東京において、我が方河野外務大臣と先方ガンゾリグ産業通商大臣との間でこの協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、投資の許可及び投資の許可に関連する事項について最恵国待遇を相互に与えているほか、投資財産、収益及び投資に関連する事業活動に関する最恵国待遇及び内国民待遇、収用等の措置のとられた場合の補償、送金などの自由、投資紛争解決のための手続などについて定めております。  この協定締結により、我が国とモンゴルとの間の投資の増加並びに経済関係の拡大及び緊密化が促進されるものと期待されます。  よって、ここに、この協定締結について御承認を求める次第であります。  次に、投資促進及び保護に関する日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、昭和六十二年三月以来パキスタンとの間でこの協定の交渉を行いました。その結果、平成十年三月十日に東京において、我が方小渕外務大臣と先方ゴーハル・アユーブ・カーン外務大臣との間でこの協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、第百四十二回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。  この協定は、投資の許可及び投資の許可に関連する事項について最恵国待遇を相互に与えているほか、投資財産、収益及び投資に関連する事業活動に関する最恵国待遇及び内国民待遇、収用などの措置のとられた場合の補償、送金などの自由、投資紛争解決のための手続などについて定めております。  この協定締結により、我が国とパキスタンとの間の投資の増加並びに経済関係の拡大及び緊密化が促進されるものと期待されます。  よって、ここに、この協定締結について御承認を求める次第でございます。  次に、千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表(日本国譲許表)の修正及び訂正に関する二千年十一月二十七日に作成された確認書締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この確認書は、平成十二年十一月二十七日にジュネーブにおいて世界貿易機関の事務局によって作成されたものであります。  この確認書は、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定に含まれている我が国の譲許表に関し、米などについての関税化の特例措置の適用の終了に伴う修正及び訂正を確認するためのものであります。  我が国がこの確認書締結することは、国際貿易における我が国の利益を増進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この確認書締結について御承認を求める次第でございます。  以上三件につきまして、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いをいたします。  以上です。
  162. 武見敬三

    委員長武見敬三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会