○岩國
委員 小泉
総理の熱意の一端は伺いましたけれども、それならばなぜ国民が一番注目している所信表明の中でたった一行半。しかも、森
総理までは、農村は農村という
一つの独立した単語として使われてきたんです、農村、山村、漁村。これが、小泉
総理になると農山漁村と
三つ一からげ。それから、森
内閣までは、農業、林業、水産業と
一つずつ独立して所信表明に入っていた。それが、
農林水産業と、そこまで簡略化。私は簡潔過ぎると思うのです。
農村の人は、やはりその
言葉の長さでもってまだまだ期待しているところがあるのです、それは都会の人と違いますから。やはり
言葉の長きをもって愛情の長さ、深さととる人が多いという日本人のそういう国民性、メンタリティーを、もう少し小泉
総理は理解されなきゃならぬと私は思います。
私は市長を六年間しておりましたけれども、私は農業の問題だけは部長に一切任せませんでした。全部
自分で答えてきたんです。
農業の人たちは寂しい思いをしています。これから
自分たちの農業の将来はどうなるんだろう、農協はどうなるんだろう、農家はどうなるんだろう、そういう心細い思いをしている人は農村の人ばかりじゃありませんけれども、とりわけ心細い思いをしている。新しい
総理はちょっと今までと違う。余計その不安があります。そういうときに、今のような力強い
言葉で私はもっと農業政策を語っていただきたいし、また構造
改革の中に、私は農業も構造
改革の対象に取り上げるべきじゃないかと思うんです。
今までのようなワンパターンの、マンネリの、
予算さえとにかくつけていけばこれでみんなが満足しているというふうなことでは、農業の非生産性がますます高まるばかり。農業の生産性を高めなければ、私は、日本の経済の活力、浮揚ということも、足を引っ張るような
存在になってしまうんじゃないか、そのように思いますから、ぜひ、一考も二考もしていただいて、農業に対する構造
改革というものを。
そして、それに関連して今度は
国土交通大臣にお伺いしますけれども、農業、林業、水産業を大切にしようということになれば、中国や外国との対抗上、価格を下げる、そのためには国内の流通コストを下げる、そういう道路を整備するということも、これは農業に対する大きな構造
改革につながっていくんです。今のように、不便なところで農業をやりなさいでは、いつまでも流通コストは下がらないんですよ。つくらなきゃいけない道路はもっと前倒しでしゃんしゃん早目につけて、農業や林業や水産業や、そうした地方の活力と東京の消費需要というものをもっと早く結びつけるようにすること。
私は、道路というものは、道路なくして地方分権なしと市長時代に言ってきましたけれども、必要な道路は、むしろ、十五年、二十年だらだらやっているから、最初の一メートルに使った税金が二十年間泣かされるんです。それを三年でつける。三年後に生き生きと、にこにこと国のためにお役に立つ、そのような長期計画は全部短期計画に繰り上げるべきじゃないか。
もちろん
見直しもしなきゃいけません。きょう午前中、空間軸とそれから時間軸という
言葉で我が党の
委員もここで
質問いたしました。まさに、空間軸は半減する、
見直しをして半分はやめる。しかし、時間軸も半減する、日本列島の中の流通時間、流通コスト、そういう時間を半減する。時間軸も空間軸も半減していくんだ、それぐらいのわかりやすい切り方でもって私はこの道路問題に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、
大臣に
質問があります。
この高速道路、いつまでも料金を払っておりますけれども、これは全国一律千円とか千円ぽっきりで日本じゅうどこでも行ける。島根県からも東京へ千円で行けるし、東京の人も北海道へ千円で行けるというように、もっとわかりやすい——私は、
民営化ということについて、けさも
大臣の
答弁を聞いていました。そうした
特殊法人にするのは半
民営化である、
民間企業にするのは
民営化である。私は、そうではないと思います。
民間企業にしても、私はこれは半
民営化。本当の
民営化の民は、国民の民じゃないでしょうか。国民の税金でつくって、私たちの税金でつくったものになぜ
自分で料金を払わなきゃいかぬのですか。究極の
民営化は国民の手に返すことじゃありませんか。それを、国民の手に返さないで、
特殊法人だとかあるいは
特殊法人を
民営化して
民間企業だとか。
民営化というのは国民の手に返すこと。国民の民。
道路を皆さんに開放して千円一律料金で日本じゅうどこでも行ける、東京が近くなる、これが究極の
民営化であり、究極の首都移転は、鹿児島の人にも千円で手が届くようなところに東京がやってくる。そして、流通コストの大幅削減にもつながるじゃありませんか。そういう発想は全くないんでしょうか、
国土交通省の中には。