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阿部知子君 私は、
社会民主党・
市民連合を代表して、本
補正予算案並びに関連する
交付税法等の改正、そして
剰余金の
特例法に、
反対の
立場からの
討論をいたします。(
拍手)
まず、昨日、アメリカのニューヨーク郊外で、旅客機の事故が起こりました。この事故に対して、あの九月十一日を思い出されたアメリカ
国民の方も多々あるやもしれません。事故の犠牲となられた方々には心から哀悼の意を表したいと思います。
あわせて、その一方で、その
米国によって強行される空爆は、今、アフガニスタンにおいて、無辜の民を恐怖へと追いやり、そして、死すら避けられない
状況にしております。
一方、国内に目を転ずれば、ちょうどこのアメリカでの
同時多発テロ事件と相前後して、
我が国でも
牛海綿状脳症の発生が発覚いたしました。
国民の食卓も消費も著しく萎縮し、あわせて、戦後最大の五・三%という
失業率も、私
どもに重くのしかかっております。
にもかかわりませず、小泉
構造改革では、さらに追い打ちをかけるように、とりわけ御
高齢者に対して、「聖域なき
構造改革」の名のもとに
医療、福祉の削減が行われ、今や、不安は絶望へと転化しております。
そして、私が最も本当に切なく思いますことは、この
社会を担うべき未来の子供
たちの出生が著しく低下し、その少ない数の子供
たちを育てる親御さん
たちも、焦燥感、不安感に駆られて、我が子に対してすら愛情を抱けない
事態が進展しております。
今、私の身の回り、特に私が長年手がけてきた思春期の子供
たちは、自己の意思を表示する
手段を失い、引きこもり、あるいはキレるという状態で、この
社会に必死にあらがっているように思えます。
今、この
社会を一言で申しませば、不安というキーワードが一番当てはまるのではないでしょうか。そして、このことに対して、私は、
政治こそが安心と安全、未来を対置すべき一番の役割を担っていると思います。
にもかかわりませず、小泉
構造改革は、右手にあってはいわゆる好戦的外交、そして左手では人間不在の
構造改革を推し進め、市場原理を追求しております。
その中で、特にアジアの平和外交が、
小泉首相の靖国参拝を機にして大きくアジアの国々の不信を招き、
我が国の国益を損ねておることも事実でございます。また、中東和平にあっても、
我が国の態度は、これまでの中立的なものを一歩逸脱し、大きく米軍
支援へと傾いております。
今の時代、私
どもにとって必要な
構造改革とは、実は、平和の問題と
構造改革を同時に行うことによって、大きくアジアでの信頼を、あるいは世界での信頼を得ていくことにあると思います。
私
ども社会民主党は、今の時代、まず本当の意味で、人が働くことに中心を置く、人から元気にする
経済ということを掲げて、万が一
企業がつぶれても人がつぶれない
仕組みをつくるべきと思います。
あわせて、地球環境保全の問題も、今、アメリカの空爆にさらされるアフガニスタンは、昨年来の著しい干ばつによって一千二百万人の被災者を出し、あわせて、この干ばつは中央アジア一帯へと広がろうとしている中、
我が国は、世界的
規模での環境保全問題と平和、そして核戦争の恐怖に、断固たる位置を築くべきであります。そして、その中でこそ、アジアの
経済圏の確立を求めていく
立場に立つべきと思います。
今、時代は大きな転換点にあります。女性
たちの働き方と、多数の自殺者を出すような男性
たちの働き方を変え、時間短縮、ワークシェアリングを推し進める我が党の政策のみが、本当に安心と安全の二十一世紀を開くものと思います。その意味では、今般の
補正予算案は、三十兆という枠のみにこだわり、体裁を整え、何ら内実のないものとして、また引き続く
補正予算を必要とするものでしょう。
私
ども社会民主党、本当に人間が幸せに生きる
社会をこれからなお
国民とともに追求していく
立場から、
補正予算案に
反対し、私の
討論を終えます。(
拍手)