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西村委員 さて、諸外国に脅威を与えないのか否か、それを点検しなければならない。政治はもっと軍事を知るべきなんですね。
二年前の
日本海事例について例を挙げますと、今回の場合も次に聞きますが、共通して言えることは、相手の出方に引きずられて、時間的にも距離的にも
範囲が拡大している。それで、二年前は何が起こったか。
北朝鮮の防空識別圏まで追いかけていった。追いかけていったものは何か。正真正銘の軍艦である。百五十トンの船二隻に対して数千トンの船数隻が追いかけていき、
上空からは百五十キロ爆弾を六発投下した。これは相手にいかなるサインを与えるのか。多くの国際紛争はこのようなサインの誤解から起こっておる。
仮に、
日本領海に向けて
日本漁船らしきもの二隻が、百トン足らずの船二隻が全速力で逃げてきた。追尾してくるのは某国の正真正銘の軍艦数隻であり、
上空からは百五十キロ爆弾を落としておった。いかなる平和ぼけの
日本でも、某国がひょっとすれば
我が国に対する攻撃の意思を発動したのかもしれないということを考えざるを得ないような事態、それを平気でやったんだ。
さて、今回の事例。
私は、根本的に、二年前の事例も今回の事例も、こういうふうな領域警備の事態においては局所において一挙に収拾しなければならない。そうでなければ、
日本海事例のように他国に要らざるサインを送ってしまう。
北朝鮮があのときスクランブル発進をしたようですが、過剰反応して軍事冒険主義者が実戦配備のノドン・ミサイルを飛ばしたらどうなったか。しかも、そのときに、
我が国政府がやったことは、そのミサイル発射に対して、それは自衛のための措置であるという口実を相手国に与えておるのです。
だから、のほほんと、やったやったと、
海上保安庁をつくったんだから、やっておると、自画自賛ではなくて、領域警備の事例は必ず相手国がいるということを考え、相手国にいかなるサインを送っておるのかということを考えなければ、国内の体制再構築はできない。その
意味でお聞きしておるんですよ。
マニュアルが果たしてあったのか、このようなものに
対処するマニュアルですね。
例えばですよ、マニュアルがあったとするならば、そしてマニュアルどおりに運んだとするならば、なぜ人員を確保できなかったのか、海に浮かぶ人員を。それを承知でマニュアルを発動して、そのとおりやって、そして、何ら不適切な部分はないんだというならば、我が
海上保安庁はオーバーキルのマニュアルを持っておったんだ。救助する意思もなく、相手船を追い詰めて、自沈するなら海に浮かぶならそのままと。これはオーバーキルのマニュアル。こういうマニュアルを持っておるのかどうかということを私はお聞きしたいと思いますが。
これは時間的、空間的に局所で処理しなければならない事例だという私の問題
意識に対しては、そのとおりだとおっしゃるのか。何百キロも追いかけていって、今回は
中国の
排他的経済水域に入っても当たり前だ、
中国の領海付近まで行っても仕方がないんだとおっしゃるのか。どっちなんですか。