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2001-09-20 第152回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十三年九月二十日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  九月十八日     辞任         補欠選任      井上 吉夫君     福島啓史郎君  九月十九日     辞任         補欠選任      小川 勝也君     郡司  彰君      和田ひろ子君     佐藤 雄平君  九月二十日     辞任         補欠選任      市田 忠義君     富樫 練三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         太田 豊秋君     理 事                 岸  宏一君                 森下 博之君                 谷林 正昭君                 紙  智子君     委 員                 岩永 浩美君                 大野つや子君                 金田 勝年君                 国井 正幸君                 田中 直紀君                 福島啓史郎君                 郡司  彰君                 佐藤 雄平君                 榛葉賀津也君                 羽田雄一郎君                 山下 栄一君                 渡辺 孝男君                 富樫 練三君                 岩本 荘太君                 中村 敦夫君    国務大臣        農林水産大臣   武部  勤君    副大臣        厚生労働大臣  桝屋 敬悟君        農林水産大臣  遠藤 武彦君        農林水産大臣  田中 直紀君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       国井 正幸君    事務局側        常任委員会専門        員        山田 榮司君    政府参考人        厚生労働省健康        局長       下田 智久君        厚生労働省医薬        局食品保健部長  尾嵜 新平君        農林水産省総合        食料局長     西藤 久三君        農林水産省生産        局長       小林 芳雄君        農林水産技術会        議事務局長    岩元 睦夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (牛海綿状脳症問題に関する件)     ─────────────
  2. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十八日、井上吉夫君が委員辞任され、その補欠として福島啓史郎君が選任されました。  また、昨十九日、小川勝也君及び和田ひろ子さんが委員辞任され、その補欠として郡司彰君及び佐藤雄平君が選任されました。  また、本日、市田忠義君が委員辞任され、その補欠として富樫練三君が選任されました。     ─────────────
  3. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会厚生労働省健康局長下田智久君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長小林芳雄君及び農林水産技術会議事務局長岩元睦夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 農林水産に関する調査のうち、牛海綿状脳症問題に関する件を議題といたします。  まず、政府から報告を聴取いたします。武部農林水産大臣
  6. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 最初に、さきの参議院選挙におきまして委員長を初め新たに当選されました委員各位に祝意を申し上げ、当委員会におきますいよいよの御活躍をお祈り申し上げますとともに、私どもに対しましても適切な御指導、御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げたいと存じます。  さらに、このたびの牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病と言われておりますが、これを疑う牛の発生以来、国民皆さん方が大きな不安の中で、所管する農林水産省責任者として委員各位にも一言おわびを申し上げなければならないと、かように存じております。  この対応に当たりましては、後ほどいろいろ御議論があろうと思います。その際に、現状に至るまでの経緯その他、率直にお答えさせていただきたいと、かように存じておりますが、いろいろ不手際がございました。そのことによって国民の間に一層の不安を助長するという、そういう状況にありますことを深く反省している次第でございます。  私ども遠藤本部長中心に万全を期してまいりたいと存じますが、私自身も先頭に立って、全力を尽くして本問題の解決に当たってまいりたいと、かように存じております。委員各位の御鞭撻と御指導を心からお願い申し上げたいと存じます。  次に、本議題であります牛海綿状脳症を疑う牛の確認緊急対策について御説明申し上げたいと存じます。  まず、確認経緯についてであります。  去る八月六日、千葉白井市の酪農家で飼育されていた乳用牛一頭が起立不能を呈していたため、独立行政法人動物衛生研究所がプリオニクステストを実施し、陰性が確認されましたが、その後行われた病理組織学的検査及び免疫組織化学的検査により、九月十日、BSE感染を示唆する結果が得られました。  このため、直ちに農林水産省遠藤大臣本部長とする対策本部を設置するとともに、既設の牛海綿状脳症に関する技術検討会に加え、防疫措置徹底を図るための助言をいただく牛海綿状脳症防疫委員会を設置しました。翌十一日の技術検討会助言により、確定診断を行うため、当該牛の材料と国内検査結果を英国獣医研究所に送付いたしました。  次に、BSEに係る緊急対策実施であります。  今回の事態を踏まえ、厚生労働省農林水産省連携してBSE検査の拡充・迅速化等以下の対策を講ずることにより、今後は疑わしい牛が食用としても飼料原料としても屠畜場から出ていくことがなくなるよう措置することとしております。  一に、家畜保健衛生所による農場段階における出荷予定牛サーベイランス強化であります。  二に、BSEの新たな検査体制が整うまでの間、計画的な出荷の取り組みを支援するものであります。  三に、今回の事態により経営維持が困難となる卸売業者等関連事業者に対し緊急融資を行うものであります。  四に、屠畜場の円滑な運営を確保するため、引き取りが困難となっている肉骨粉を隔離し焼却する場合に支援を行うものであります。  五に、疑似患畜関連のある牛について自主的にBSE検査を行い、焼却する場合に支援を行うものであります。  六に、BSEの正しい知識の普及と国産牛肉等安全性PR実施であります。  これらの対策を機動的に講ずることにより、今回の事態の影響をできるだけ回避しつつ、一刻も早い原因究明に努めてまいる所存であります。  次に、今回の原因究明防疫体制の一層の強化についてであります。  今回、千葉県下で確認された当該牛導入経路飼料給与状況等についての疫学調査実施することといたしました。また、全国のすべての牛約四百五十万頭の飼養農家約十四万戸に対して、約五千八百名の家畜防疫員による立入調査を九月十二日から三十日までの間に緊急に実施するとともに、飼料安全法に基づき、牛の飼料を製造するすべての飼料工場百四十二工場対象に、肉骨粉等混入防止対策実施状況等についての立入検査を九月十二日から二十五日までの間に緊急に行うこととしました。これらの調査検査につきましては、現在も引き続き進めているところです。  さらに、肉骨粉等牛用飼料に使用してはならないことを法的に義務化するため、九月十八日、飼料成分規格等に関する省令の一部を改正を行いました。  次に、当該牛に係る肉骨粉についてであります。  九月十四日、当該牛に係る肉骨粉茨城県下及び徳島県下に所在することが判明したことから、十五日及び十六日に、関係県と連携して当該牛が屠畜された千葉県下の屠畜場関係者からの聞き取り調査等を行うとともに、茨城県下及び徳島県下の事業場に対し立入調査実施しました。  さらに、九月十七日及び十八日に、徳島県下の事業場及びここから当該肉骨粉を購入していた飼料メーカーに対して立入調査実施し、在庫数量出荷先等について追跡調査をいたしました。  この結果、当該牛に係る肉骨粉及びその混入のおそれが否定できない肉骨粉飼料が、茨城県下及び徳島県下の事業場徳島県下の飼料メーカーにそれぞれ所在することが判明しました。この飼料の用途は、豚、鶏、養魚用でありました。これらの肉骨粉飼料については、当該牛に係る肉骨粉混入しているおそれは極めて少ないものの、完全には否定し得ないことから、念のため、家畜防疫員指示により焼却される予定であります。  今後とも、消費者を初め食品製造流通業者等に対しても正確な情報を迅速に提供することによって国民皆様の不安が解消されるよう最大限の努力を尽くし、万全の措置を講じていく所存であります。
  7. 太田豊秋

  8. 桝屋敬悟

    ○副大臣桝屋敬悟君) それでは、牛海綿状脳症を疑う牛の確認厚生労働省における対応について、お手元にお配りをいたしております資料に沿って御報告をいたします。厚生労働省資料でございます。なお、お断りさせていただきますけれども牛海綿状脳症、これが正式な名称ではございますが、俗に狂牛病とも言われているわけであります。ここでは一般的な名称ということで狂牛病という言葉も使用させていただきたいと、このように思います。  最初ページをおあけいただきまして、経緯でございますが、先ほど農水大臣から御説明がありましたので簡単に記載をさせていただいております。  去る九月十日に、千葉白井市の酪農家で飼育されていた乳用牛一頭について、独立行政法人動物衛生研究所での検査の結果、狂牛病疑いがある旨が農林水産省より公表されているところでございます。  翌十一日に、同省が設置している牛海綿状脳症に関する技術検討会助言によりまして、確定診断のため、英国獣医研究所検査を依頼されております。  そこで、厚生労働省のこれまでの対応でございます。  EU諸国において狂牛病発生が継続的に増加しているということ、またイギリスにおいて新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者発生内臓肉を食したこととの関連報告をされておりまして、厚生労働省においても狂牛病に関して従来から対策を講じてきているところでございます。  具体的には、参考一にありますように、輸入対策としては、本年二月よりEU諸国からの牛肉等輸入食品衛生法に基づき禁止するとともに、国内対策といたしましては、平成八年にと畜場法施行規則を改正いたしまして検査対象疾病狂牛病を追加し、さらにことし五月からはサーベイランス体制を整備をいたしまして、生後二十四カ月以上の神経症状を呈する牛の異常プリオン検査を開始したところでございます。  こうした対策にもかかわらず、国内狂牛病疑いのある牛が確認をされましたことはまことに残念であります。厚生労働省といたしましても、国民の健康を守るという観点から、農林水産省協力をいたしまして、万全の対策を講じていかなければならないという責任と、国民皆様が現在抱えておられる食肉に対するさまざまな不安を解消できるよう、情報提供徹底していくことの重要性を強く認識しているところでございます。  九月十日の第一報以後、厚生労働省が取りまとめました措置は次のとおりでございます。  まず、報を受けました十日に、確定診断までの間、当該牛千葉農場食肉等、販売を中止するよう自治体指示をいたしました。  十一日には、厚生科学特別研究牛海綿状脳症に関する研究」、この研究班会議を開催いたしまして、専門家からサーベイランス強化等についての御意見を聴取いたしました。同じく十一日に、近藤事務次官本部長とする牛海綿状脳症に係る食肉安全対策本部を設置、開催いたしまして、研究班会議での検討を受けまして、今後、検査実施体制の充実を図ることを決定をしております。十二日には、伝染性海綿状脳症サーベイランスについての通知を発出をいたしまして、自治体に対して現在実施しているサーベイランス徹底を要請いたしました。  また、狂牛病疑いのある牛の早期発見流通防止を図る観点から、食肉衛生検査所及び家畜保健衛生所の業務の緊密化について農林水産省と協議をしております。狂牛病対策を効果的に進めていくためには農林水産省との緊密な連携が不可欠でございます。総理からも両省が十分連携をして対策に万全を期するよう御指示をいただいておるところであります。  これまで担当部局同士が常に情報を共有しながら対策を講じておりますが、引き続き、情報交換を積極的に図ることはもちろんのこと、自治体レベルでも畜産部局衛生部局連携をしていけるよう指導してまいりたいと考えております。  次のページをおあけいただきたいと思います。  今後の対応でございますが、昨日、十九日、第二回の研究班会議及び第二回の対策本部を開催いたしました。緊急対策といたしまして、狂牛病に係る監視体制を次のとおり強化する方針を打ち出したところでございます。  まず第一に、全国百十七カ所の食肉衛生検査所スクリーニング、これはふるいにかけるということでございますが、このための検査を導入するとともに、この検査狂牛病疑いがあると思われるケースについては研究班確定診断を行うということにいたしました。  検査対象となりますのは、生後二十四カ月以上の牛のうち、運動障害知覚障害、反射または意識障害等神経症状が疑われるもの及び全身症状を示すもの全頭と、それから神経症状が疑われないものであっても生後三十カ月以上の牛については全頭の検査を行うこととしました。このうち、生後二十四カ月以上で神経症状が疑われるものについては現在実施しているものでございます。  第二といたしまして、スクリーニング検査導入等監視体制強化のため、都道府県等の職員の研修早期実施することといたしました。まず、都道府県等担当課長会議を今月末、九月末にも開催をいたしまして、技術研修を十月上旬に実施する予定でございます。  第三に、国民への適切な情報提供を進める観点から、今後定期的に検査の結果を公表するとともに、厚生労働省ホームページ等も活用しながら、狂牛病についての正確な情報の迅速な提供に努めてまいりたいと考えております。  今後とも、農林水産省連携を図りながら、食肉安全確保国民不安解消に万全を期してまいりたいと考えております。  厚生労働省説明は以上でございます。ありがとうございます。
  9. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 岸宏一

    岸宏一君 自民党の岸でございます。  大臣、ちょっと風邪を引いていまして、声が余り、聞きづらいと思いますので、どうぞひとつお許しください。  我が国にもとうとう狂牛病発生したと言って過言ではないんじゃないかという、そんな感じがいたしますが、この病気は英国でたしか一番最初に、一九八〇年代に発生した。その後、ヨーロッパに広がっていって、我が国にも多少、かなり危険があるんじゃないか、こういうこともございました。我々も狂牛病のことは聞いてもおりましたし、多少皆さんも心配もしておったんじゃないかと思うんですが、まず、この狂牛病世界における発生状況、それから被害状況などをひとつ御説明をいただきたいと思います。
  11. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 世界におきます牛海綿状脳症BSEでございますが、この発生状況でございます。  現在までイギリス、アイルランド、フランス、ポルトガルといいますEU諸国中心に、世界十五カ国で発生報告されております。また、このほかに、カナダ、オマーン及びフォークランド諸島ですが、こちらはイギリス産の輸入牛での発生報告されている、こういった国もあるわけでございます。  BSE発生中心イギリスであるわけですけれども、同国におきましては、これまでに世界全体の発生の約九八・八%に相当いたします約十八万頭の発生報告されておるところでございます。近年、発生頭数は減少してきておりますけれども、二〇〇〇年の発生イギリスで約千五百頭と、こういった状況になっているところでございます。
  12. 岸宏一

    岸宏一君 イギリスでは十八万頭、こういう大きな被害というか発生があったことで、日本政府としてもこれらが日本に入ってこないようにさまざまな対応防止策をとってきたと思うんですけれども、これを、御説明も多少あったかと思うんですが、念のために、これまでにとってきた侵入防止措置あるいは発生防止措置、こういったものについてひとつ御説明をお願いします。
  13. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 先ほどの世界BSE発生状況を受けまして、我が国としての対応の今までの経緯を御説明申し上げます。  BSE侵入防止に万全を期すという意味で、従来から、高発生国であるイギリス、これにつきましては、生きた牛なりそれから牛肉、それから牛肉加工品肉骨粉も含むわけでございますが、こういったものの輸入停止をしてきておりました。  その後、イギリスに加えまして、フランスとかオランダとかデンマーク、こういった国でBSE発生確認されてくるわけでございますが、そういった各国におきます確認がされた段階で、そういった国につきましても、生体牛輸入停止でありますとか、それから牛肉等につきましては特定危険部位の除去の義務づけ、それから肉骨粉等につきましても、反すう動物からの肉骨粉につきましては、これは国際獣疫事務局、OIEが定めております国際基準、これによります加熱処理、こういったもの、所要の処理をしたもの以外は輸入を認めないというようなことで対応しております。  また、特に最近EUにおきまして、EU加盟国、それからスイス、リヒテンシュタインといったところでBSE発生が拡大している状況がございます。その中で、二〇〇一年、ことしの一月一日からは、EUの中の未発生国も含めまして、EU諸国等からの牛肉等輸入停止、こういった措置を講じておるわけでございます。  また、今、侵入防止措置の見直し、我が国から見て、世界各国のそういったBSE対応状況を見ながら、我が国から見たいわば危険度評価というものも進めておるところでございます。  こういった累次の措置を講じるに当たりましては、我が国獣医の権威から成ります牛海綿状脳症に関する技術検討会、座長が小野寺東京大学教授でございますが、こういった検討会を開催しながら専門家の御意見もお聞きし、その御意見を踏まえながら実施してきたということでございます。  こういった形で進めてきたわけでございますけれども、今般、BSE感染のおそれのある牛が確認されたということでございまして、私ども、非常に残念なことでありまして、BSE防止のために今後とも一層適切な措置を講じるよう努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  14. 岸宏一

    岸宏一君 いわば万全の策をとってきたと、こういうことだと思うんですが、この前のNHKの日曜の夜でしたか、あのテレビによりますと、イギリスから肉骨粉が百三十トンでしたか、それからヨーロッパからは八万トンぐらい既に来ておると、こういうことが非常に狂牛病発生関係があるかのような放送だったように記憶をしておりますが、何か日本側輸入統計によるとそういうことはないというふうに言われておりますが、その辺はいかがでございますか。
  15. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今お話しございましたように、EU統計と私ども統計についてのイギリスからの肉骨粉の数字に関しましてちょっと食い違いが生じております。EUの方からの話としましては、EU統計におきまして、一九九〇年から一九九六年までの間に三百三十三トンの肉骨粉イギリスから輸出されたと、そういった記録が示されたわけでございますが、一方で、私ども日本の方の統計で、貿易統計なりそれから動物検疫所統計がございますが、その統計におきましては、一九八〇年以降、イギリスからの肉骨粉輸入実績はございません。  こういった食い違い、私どもとしては、したがいまして、貿易統計からも動物検疫統計からも輸入はないということでございますが、この統計の違いにつきましては、一つは、EUの方の統計は、当時、輸出検査証明書検査証明の方の発行ベース輸出許可量という形の統計のようでございます。それに対しまして、私ども動物検疫所統計は、これは輸入検査申請、実輸入量ということでございまして、そういったところの違いが一つ統計の性格の違いとしてございます。  また、これは可能性でございますけれどもEUから輸出されておりましても、ほかの国への転送とか返送がある場合もあるわけでございまして、こういったことの原因、なかなかこれは難しゅうございまして、必ずしもはっきりとつかめないという状況でございます。  私どもといたしまして、この両国の統計の違いにつきましては、一つは、イギリス家畜衛生当局に対しましてデータの照会を行ってきております。ただ、これにつきましての詳細な情報はまだ得られておりません。  引き続き、特にイギリスに対してのこういった情報提供を依頼いたしますとともに、我が国の方でも税関等国内関係機関、あるいは輸入業者、そういった皆さんに対しましてもこの点についての調査協力依頼を行っているところでございまして、いずれにしましても、今後とも事実の確認はさらに努めていきたいというふうに考えております。
  16. 岸宏一

    岸宏一君 どうですか、今のこの問題については、いわば農林省としても重大な関心を寄せているという、そういう意味でしょうか。それとも、何かのこれは間違いだと、こういうふうな意味ですか。どちらにとったらいいのか。
  17. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 貿易統計、それから私ども動物検疫統計のところでゼロでございますので、そういう意味では私ども輸入統計はしっかりしていると考えておりますから、何でそういったEUの方の統計に出ているかと、これが非常に不思議な点でございまして、そうはいいながらも、事実関係はきちんと明らかにして、証明できればこれははっきりするわけですから、そういった日本統計の方がきちんとしているということを明らかにするためにもさらに調査を続けたいということでございます。
  18. 岸宏一

    岸宏一君 このことは、やっぱり国民もなぜこういう違いがあるのかと非常に疑問に思っておりますし、極端なことを言えば、ひょっとしたらそのことが原因だったのではないかとさえ思う、そういう方々もこれは非常に多いのではないか、こういうふうな気がいたしますので、ぜひしっかりと突きとめて、国民の前にこれを明らかにする必要がある、こういうふうに思っておりますが、再度ひとつ、その辺のところの御覚悟をひとつお聞きしたい。
  19. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) しっかり調査を進めてまいりたいと思っております。
  20. 岸宏一

    岸宏一君 そこで、今までの話の経過によりますと、危険な肉骨粉が外国から入って牛が食べたかどうかは、原因はまだわかっていないわけです、ここではですね。しかし、現実に千葉県で感染を疑う牛が出るに至った、これはまことに残念でございます。  また、特に、この一頭の牛の処理に関して、どうも国民から見た場合、一体、農林省、それから労働厚生省ですか、何をやっているんだと、とんでもない話じゃないかというふうな国民意見が強い。何かといいますと、農林省側が焼却したものと誤解しておったとか、ところが焼却をしていないで、これを肉骨粉の業者に売ってしまった。そして肉骨粉になっておった。それをまた、千葉県側では農林省に連絡したんだけれども、一日か一日半ですか、農林省では忘れていたのかどうかわかりませんが、発表がおくれた。この経緯ですね、これがやっぱり国民から見ると一番、何というんでしょうかね、この狂牛病に関する政府対応に対しての大きな不信感をつくってしまった原因だというふうに思うわけです。  大臣におかれましても、危機管理の対応が甘いと、まさかということで、かなり怒っておられたと。まして、本部長である遠藤大臣は筋道を通す人ですから非常に怒ったんじゃないかと思うんですが、お二方がこのときどういうふうに考えられて、どう対応したかをひとつお聞きしたい。
  21. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 遠藤大臣本部長に充てたのが、この問題の重大性、重要性国民の間に不安が走り、いわゆる風評被害等が蔓延して大変なことになってはいけない。したがって、政治家の判断が求められる。しかも、この問題は、農林水産省だけではなくて厚生労働省、それから各都道府県との関係も重要でありますので、そこで私は、遠藤大臣本部長にいたしまして、十日の日、BSE疑いがある牛が発生したということが判明したその日の夜、早速、対策本部を立てたわけです。そして、そのときの遠藤大臣、後からお話があると思いますけれども、本部の設置に対しての厳しい訓示もいたしました。  また、私は、米国の多発テロ事件が発生したその日の朝八時半に農林水産省の幹部職員を集めまして、そのとき申し上げたのは、いわゆる狂牛病BSE疑いのある牛が出てきたことも今度のテロ事件も、起こり得ないと思っていることが起こり得るということのあかしだと、だから、これまでのようにこんなことはあろうはずがないだろうという前提で仕事をしてはいけない、起こり得ないことが起こり得るという前提で仕事をしてくれと。しかも、その際に、報告、連絡、相談、点検と確認、私どもの事務所で秘書がこれを怠ったら鉄拳が下るんだ、そういう発言までいたしました。その上で、こういう事態が事実として起こったわけですね。  焼却処分と畜産部長が自信を持って記者会見していながら、実際にはそうではなかったという事実がなぜ起こったのか。私は一人一人呼んで調査しまして、一つわかったことは、現場にいわゆる牛海綿状脳症サーベイランス要領というのがありますが、その中で、一つは、疑いを否定できないもの、もう一つは、その他中枢神経症状というのがあるんです。通常このサーベイランス要領がなければ、現場ではと畜検査員もまた家畜防疫員も、単なる中枢神経症状であるならばこれは今までは加工に回っていたということだそうですが、この牛海綿状脳症サーベイランス要領というのを別につくっているんです。  その中に、一つは、疑いを否定できないもの、一つは、その他中枢神経症状という項目があるんです。これはシロではないんですね、常識で考えても。だから、クロに近いものとシロに近いもの、しかし真っ白でもないというものについては当然と畜場法、これは厚生省所管ですが、と畜場法によれば、食肉に供さないものは廃棄処分という用語を使っています。廃棄処分は、焼却、埋却または化製工場で衛生上問題のないように処理するとなっているんです。しかし、もう当然、牛海綿状脳症サーベイランス要領にこの二つが書いてあるわけですから、これに対してきちっとマニュアルで、この二項目については焼却すべしというマニュアルがあれば現場では混乱しなかったと思うんです。  しかし、このマニュアル、このサーベイランス要領をつくった、出した当の農林水産省畜産部長は、こういう要領でやっているはずだから焼却していたはずだと。しかし、これはもう言いわけにはなりません、これはもう点検と確認を怠っていたわけですから。どう処理した、こうしたであろうと思うけれども実際どうしたんだということを千葉県やあるいは厚生労働省を通じて確かめなかったというところが問題です。  その後もファクスが来ていたり、いろいろ、加工業者が自分のところで持っているけれども、どうしたらいいだろうという、そういう相談を徳島県にしたりしている。私ども本部長も私も聞いたのが十四日の夕刻であるということで、私はもう本当に言葉を失うほどの状況でありまして、今、岸先生が御指摘のように、責任者として危機管理意識に欠けていたんじゃないかと言われれば、全くそのとおりです。  ですから、私どもは、とにかく本部長に直ちに何でも報告するようにということにあわせまして、私自身も省の責任者として先頭に立ってこの問題に対応すべく全力を挙げていきたい、このように考えておりまして、御理解をお願いしたい、かように存じます。
  22. 遠藤武彦

    ○副大臣遠藤武彦君) 基本的には、ただいま大臣がお答えしたとおりであろうと思います。  ただ、私からも、繰り返すようでございますが、サーベイランスについてもマニュアルがございます。そのマニュアルを作成し周知徹底させる役目を負うておる本省と現場、それから屠畜場の中は厚生省、外は農水省、こうした現場との連携が当初うまくいかなくて大変心配な事態をさせて混乱したかのごとく印象を与えたことは大変申しわけなく思っておるところであります。  と同時に、役所には、特に中央省庁には膨大な量の情報が集中するわけであります。また、同時に、発信するわけでありますが、その最初に受けた報告なり連絡というもの、これは大変なことだと、危機だと、大きな危機問題になるなと、こう認識するかどうか、最初報告をですね。そこが決め手であり、やはり危機管理に対する、たとえ経験の浅い若い職員であっても危機管理に対する日ごろの訓練というか研修といいますか自己啓発というものが必要だなということを痛切に感じております。  と同時に、職員に対しまして、本部というものはなぜ立ち上げるかと、通常の行政執行体制では対処し得ない問題が起きてくる、だから対策本部というのをつくるんですよと。今まで課長の決裁、局長の決裁でよかった、そうではないものも起きるから政治的な判断もしなくちゃならぬ、あるいは国益というものを考えてやらなきゃならぬ判断もある、そういうものだからこそ本部というのは立ち上げるんだということを申し上げておるんですが、いわゆる形式的な本部というものもなかったわけではない、そうしたことにまた習熟していなかったという一面もあったかなと反省をいたしておるところでありまして、大宗につきましては大臣が詳細に申し上げたとおりであるということでございます。
  23. 武部勤

    国務大臣武部勤君) ちょっと追加を。  なお、このようなことがあってはいけませんので、本日付で中枢神経症状の牛も全部焼却すべしということで現場に通達いたしましたことをつけ加えさせていただきます。
  24. 岸宏一

    岸宏一君 ただいまは大臣並びに副大臣から本当に誠意あふれる御答弁をいただいたわけでございまして、私としてもそのお気持ちよくわかりました。  局長さん、この問題は、今、大臣並びに副大臣からお話しございましたように、当然焼却するものだと思っていたということであったことは間違いないですね。
  25. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 私ども最初プレスリリースしたときにも、そのリリースの紙に記載しましたように、全部廃棄というようなことでございました。その廃棄ということは、いわば焼却といった手段で、その後活用されないような形で処理されているというふうに理解しておりました。
  26. 岸宏一

    岸宏一君 つまり、焼却ということですね。
  27. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 焼却とか埋設とかいろいろな手法ございますが、いずれにしましても、焼却が典型だと思いますけれども肉骨粉とかそういった利用される形じゃない、いわばそういう市場流通からも除外されていると、そういった処理が行われているというふうに理解しておったわけでございます。
  28. 岸宏一

    岸宏一君 そこも非常に重要な点だと思うんですね。全く、そういうサーベイランスのマニュアルがあるわけだから、当然埋設あるいは焼却だと思っていた、決して隠すつもりで言ったわけじゃないということをやっぱりこれは国民の前に明らかにしておくことが、これらの行政に対しての信頼を少しでも回復する重要な点だと思いますので、その辺はしっかりとしておいていただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。  何かありますか。
  29. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) その点がまさに今、大臣、副大臣からお話しあったところでございまして、こういった、そういう認識を、千葉県の報告を受けて整理して、そのときの点検、確認、これをやっていればまた違った状態だったと思います。  したがいまして、全部廃棄ということで報告を受けたので、当然そうであろうということについてまず確認をする、こういったマニュアルといいますか、そういうものを今後私どもはきちんとしていくということが大事だというふうに思っております。
  30. 岸宏一

    岸宏一君 よくわかりました。ひとつ、これからはしっかりひとつお願いしたいと思います。  さて、これで、何とか会議ですか、何会議でしたか、イギリスに検体を送るということになったわけでございますが、検体を送るに際して、たまたまテロ事件と重なったという不幸もございましたけれども、どうも私から見ますと、この検体をただ単にイギリス研究所か何かに送って確認をするという、どうだったんでしょうね、これ、結果論だと言われるかもしれませんが、だれか人が持っていったらば、もっと早くその研究所に届けることができたんじゃないか。  聞くところによりますと、日本の国を離れたのが十八日だと聞いております。十八日までの間、何日かここにとどめ置かれたわけですよね。そういうことを考えれば、結果論といえば結果論ですが、どうだったんでしょう、局長さん、だれかに運ばせた方が早く結果がわかるようになったような気がしますが、どうですか。
  31. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) まさに御指摘のそういった考え方で進めなくちゃいけないというふうに思うところでございますが、イギリスに輸送した検体でございますけれども、国際航空運送協会、運送の国際機関がございますが、そちらの方の規定で、いわば病原体を含む危険品に相当するということでございまして、いわゆる私どもがこういうふうに携帯といいますか、そういう形で持っていくということが難しいというふうになっておるわけでございます。したがいまして、これは貨物として輸送せざるを得なかったということが一つございます。  それから、じゃ貨物便であったって早くやればいいわけですけれども、これがちょうど、貨物便が日本を出発する際にちょうどアメリカの国際テロ、そういったことで便がおくれるとかというふうなことが重なりましておくれてきたわけでございます。  ただ、いずれにしましても、少しでも早くそういったものを飛行機に載せる努力ということはもっとすべきだというふうに考えておりまして、ちょっと言いわけみたいな形ですけれども、そういったいろんな制約もあったということも御理解いただければと思っております。
  32. 岸宏一

    岸宏一君 ああそうですか。私は全然それは知らなかったですね。そういうことももう少し国民皆さんにやっぱり明らかにしておく必要があるんじゃないんですか。恐らく、その今の危険物扱いだ云々ということは新聞でもマスコミでも一回も見たような気がしませんですね。そういうようなところをやっぱりわかりやすく情報を公開することが大事だというふうに私は思うわけですね。  さて、時間も余りありませんので、これからのさまざまな対応をしていく上で、牛の焼却をしたりあるいは隔離をしたり、そういう作業がスケジュールとしてどんどん入ってくるというふうに思われるわけですけれども、そこでいろいろな問題が発生するわけですね。  一つは、肉骨粉を使わないだとか、そういうことでの関係業者は非常に困った事態になるでしょう。それから、何よりも心配されますのは、国民が、牛は危険である、牛を食べるのはやめようと、そういったことで牛肉の消費が激減するでありますとか、あるいは何か千葉県あたりでは牛乳もストップしたとか、学校給食でですね、そういう話すら、本当かどうかわかりませんが、聞こえてまいります。それから、肥育をやっておられる農家では、牛の値段が下がる、大変困ったという、そういうさまざまな影響が農家経営の中で、あるいは乳業等で問題が発生すると思うんですけれども、これらの問題について、局長さん、どのように考えておられるか。まあ、大臣から最初お聞きした方がいいでしょうかね。
  33. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 本部長から。
  34. 岸宏一

    岸宏一君 本部長ですか。じゃ、本部長どうぞ。
  35. 遠藤武彦

    ○副大臣遠藤武彦君) 委員御指摘のさまざまな事項については、一々ごもっともと受けとめております。と同時に、私ども、いろいろな機会を通していわゆるBSEに関する情報提供すべく、定時に記者会見をして、その日にまで確認した情報等については必ずお知らせすることにし、また、ホームページでも農林省をあけますと、こういうのがすっと出てくるようになっていまして、冒頭に、なぜ肉や牛乳は食べても安全なのかというものが出てまいります。そして、誤解のないように、あるいはいわれなき誤解から生じた行動などが起きないようにと注意をしておるところでございます。  昨日、私のところへメールが送られてまいりまして、ある放送局の放映されたものを見たと。BSEってこんなものとは知らなかった、うちでは肉を食べないようにしているが、学校の給食で肉を食べさせていたらたまったもんじゃない、学校給食には出さないでもらいたい、家で気をつけておってもどうしようもないじゃありませんかと、こういうふうなメールが実際に入ったりしておりまして、公共放送の影響力の大きさというものを非常に痛感をいたしているところであります。それらを上回るような情報提供しながら、BSEの本質というものをわかっていただけるように努力を今後とも続けてまいりたい。  私どもに第一報が入りましたのは、重要な会議のさなかの十日の午後五時半でございました。口頭ではありましたが、直ちに対策本部を立ち上げる準備をしなさいと命じました。それで、大臣の命を受けて私が本部長ということでございます。それはもう夜でございますが、翌日には、十一日、関係する食品加工業や商店、流通ですね、さまざま、あるいは食肉関係するスーパー、大型店、そうした方々にも御案内を差し上げて説明会を持とうということになりました。一日でありましたけれども、余裕のないにもかかわらず、何と我々の予想をはるかに上回る四百人を超す関係の方々にお集まりいただきまして、BSEに関する情報等についてお知らせをしたところであります。  その後も機会のあるごとにそのような会におきましていろいろと御報告を申し上げているところでございまして、先生御指摘のそうしたBSEの本質についての情報提供に、正確さとそしてよく点検されたものを御報告できるようにしたいと考えているところでございますので、御指導のほどをよろしくお願い申し上げる次第でございます。
  36. 岸宏一

    岸宏一君 国民に対する周知徹底についてのお話、ありがとうございました。  そこで、どうですか、農家の皆さんに対する対応ですね、それから業界の皆さんですね、これらに対する対応については、今のところどんなことが想定され、どのような対応をしなければいけないと考えておりますか。
  37. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今のこの状況の中で緊急にさまざまな対策をしていかなければならないということで、昨日、厚生労働省の方とも連携して緊急対策を取りまとめて実行に移そうとしております。  一つは、やはり国民消費者皆さんに、この牛肉が安全だと、どうやって安全にしているんだということを十分わかっていただくということで、これは厚生労働省の方で取り組まれますけれども、三十カ月齢以上のすべての牛についてBSE検査を行っていく、こういった対策でございます。  私ども、これにあわせまして、この体制が整うまでの間、この間に生産者の皆さんに牛の出荷の繰り延べをお願いしたい、いわばきちんとした検査体制が整ってから牛を出荷してもらってはどうかと、そのためのかかり増し経費等についての支援をしていきたいということを考えておるところでございます。  また、あわせまして、厚生労働省と私どもの家畜保健衛生、これとの連携ですね、私ども農場に近いところでいろいろな対応をしておりますので、その情報をきっちりつかんで屠畜場の監視員の皆さんにも伝えるという形で連携強化していくというようなことも考えておるわけでございます。  いずれにしましても、こういった対策をとる中で、今後さまざまな流通・加工関係皆さんにつきましてもいろいろな影響が出てくるとしますれば、それに対する緊急融資でありますとか、また肉骨粉関係につきましても、適正な処理を推進するために例えば焼却処理といったようなことが必要になりますので、そういった際の対応等につきまして対策を講じていく。今、その具体的な対策の中身を詰めているところでございます。
  38. 岸宏一

    岸宏一君 農家対策は。
  39. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) ちょっと今、生産者の皆さんに対するところを落としましたけれども、仮に価格が下落するということになりますと、肥育段階の牛あるいは子牛段階の牛につきまして、今の肉用子牛の価格安定制度、こういった対策がございます。そういったものも十分活用しながら生産者の支援にも努めていきたいというふうに考えているところでございます。
  40. 岸宏一

    岸宏一君 それでは、厚生労働省の方にお伺いします。  きょうの日経新聞によりますというと、今、大臣と副大臣からお話がありました、例の焼却処分したとか、十二日ですか、あの一件についてどうも厚生省と農林省のいわばなすり合いですか、そういったふうに見られるというふうなことが記事に載っておりますが、私は決してそういうことじゃないと思っております。  そこで、厚生省も万全の体制でこの狂牛病対策に努力をすると、こういうお話がございましたが、ここで改めて厚生省の決意をひとつお話ししてください。
  41. 桝屋敬悟

    ○副大臣桝屋敬悟君) 今、委員の方からも、今回のBSEが疑われた牛の問題に関しましてさまざまに報道もされまして、今、委員の方からも連携はどうだったのかという、こういう新聞、マスコミの報道も引かれてのお話もいただきました。確かに、今回の一連の取り扱いにつきまして、先ほどから話が出ております私ども食肉衛生検査所、それから農水省の家畜保健衛生所、そうした連携というものが極めて重要であるということを考えているわけであります。  今までの経緯、先ほど私は、大変そういう牛が見つかったということは残念なことであるというふうに申し上げましたけれども、新たな局面を迎えているわけであります。本当に厚生労働大臣も、今できることは何でもしていこうと、こういう決意でありまして、国民皆様に安心を持っていただくために最大限の取り組みを、これは農水省とも十分連携をとりながら、今日までの経緯の反省も踏まえてしっかりと取り組んでまいりたいと、このように決意をしている次第でございます。
  42. 岸宏一

    岸宏一君 ただいまの御答弁でございますけれども、どうぞひとつ農林水産省と力を合わせて、決して縦割り行政の何とかというふうな批判を受けることのないようにしっかりとお仕事をしていただいて、国民皆さんからこの狂牛病対策で、今のところはいささか評判が悪いわけでございますから、これを取り返して、さすがに農林水産省厚生労働省は頑張ったと、こういうふうに言われるように今後一層頑張られますことを心から期待とお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  43. 郡司彰

    郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司でございます。  冒頭、米国で同時多発テロが起こりまして、テロそのものは、これはもう不正、そして正義に反するものでございますから許せないものでありますし、邦人を含んでまだ多くの方が行方不明でございますので、哀悼の意を表したいと思っております。  そして、きょう、閉会中、狂牛病に関する審査が行われるということになりました。これは、国民の関心の大きさ、あるいは危機管理の問題、食の安全の問題からして当然開かれるべきものであって、昨年の雪印に続く農水委員会での閉会中審査ということになるんだろうというふうに思っております。  雑音でございますが、この間、委員長初め理事の皆さんで閉会中審査を開くに当たって大変努力をされたというふうに思いますけれども、一方で、閉会中審査、なるべくしなくてもいいんではないかとか、開いたにしてももう少し時間が短くてもいいんではないかなどというような声が聞こえてまいりましたが、そのことも含めて、大臣、きょうの審査について一言お聞かせをいただきたいと思います。
  44. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 先生御指摘の問題につきまして私どもは、今回のBSE問題については、とにかく、焼却処分したとあれだけ明言していて、しかも食肉に出ていないから人の健康状態には心配ありませんよと。これはそのとおりなんです。  それから、BSE疑いのある、BSE感染した牛でも、脳と目と脊髄、小腸四十メートルあるそうです、そのうちの最後の一メートルの部分、これは英国のマウス接種試験で感染性は認められたと、もう英国は十八万頭も出ていますから。ですから、なぜ安心なんだということまで我々説明させてもらったんです。  ところが、焼却したと発表したのがそうでなかったということが、もうすべてこの不信、不安、信じられない、何やっているんだということになってしまったわけですね。このことはもう弁解の余地はありません。  しかも、私も内部調査していますから、内部も、査問委員会と言えば少し厳しいかもしれませんが、それに値するものが必要だと思って、一人一人呼んで、それから役所も、農林水産省を本当は信じてやりたいけれども、何ぼ言ったってわからないというので、もう私は私なりにいろいろなところに連絡をとってやりました。  やりましてだんだんわかってきたのが、一番の問題は何かということがはっきりしてまいりましたのが、このBSEサーベイランス要領というのがあるのに、それが徹底していないということなんです。つまり、絶対疑いがないとは言えないものもサーベイランス要領に書かれているんです。絶対疑いがないと言えないんだから、普通はこれは焼却するんですよ。ところが、それが現場の獣医さんたちに徹底していなかった。これはもうきょう付で中枢神経症状も焼却するようにというのを出しましたよ。  ですから、これからはそういう問題はありませんが、そういう意味では、体制のあり方ということについては弁解の余地はないと。このことについては、危機管理意識を疑うということについては甘んじて受けなきゃならないと。    〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕  しかし、そういう問題がありますだけに、私どもは、最初のうちは遠藤本部長に、事実としてわかったことはどんどん発表しようと。それを確認、役所ではもうやっぱり確認してから発表したがるんですよ、役人は。だけれども、もうわかったものは全部発表すると。それで、まだ確認していないというなら、なるべく早く確認しますというような発表の仕方をしようということで言ったんですけれども、この委員会には、確認しないような論議ということは、私はこれは大変議会に対して議会軽視ということにもなるだろうと思いまして、少しの時間、全体、全容というものがはっきりするような、そういうところでやってもらった方がいいんじゃないのかと。  私どもは、どんどんやってもらって、隠すとか抑えるとか何もありません。もう私もテレビだったらどこでも出してもらいたいんですよ。言っているんですよ、もう人の前に出て本当に私の言葉で実態をお話ししてPRさせてもらうと。そのことが、PRという意味は、問題は何が問題か、何が間違いでないか、何が安全か、今どうしているかと。今度も、レンダリングに回って加工されたものも、これもわかりました、はっきり。そういった事実も、どこでどうなっているかと。はっきり申し上げて、これは心配ないというところまで追跡しましたし、そういうようなことを感じております。  ですから、これからはどんどんこういう場で私ども、事実関係、実態というものをどんどん報告する場を与えてもらいたいと思うし、また、委員皆さん方からも適切な御指導なり疑問点があったらいろいろとお教えいただきたいという、そういうことでございますので、そのような対応をお願いしたいと思います。
  45. 郡司彰

    郡司彰君 遠藤大臣対策本部の長ということでおつきをいただいて、大変タイトな日程でお過ごしだと思いますが、今、大臣からもありましたけれども、今回の問題、大変にプレスリリース等が迷走を続けた、あるいは加工飼料工場に立ち入りに行ったけれども、現地の人がだれもいなくてすごすご帰ってきたとか、大変いろんなことがあったようであります。  これは、一つには、やっぱり危機管理の意識の問題が欠如しているんじゃないかということを言われておりますし、あるいはまた縦割り行政のひずみであるとか弊害であるとかというようなことも言われておりますし、私どもからすると、この食の安全に対する農水、厚生労働省そのものの姿勢の問題があるんではないか、あるいは昨年の雪印の教訓というものはまさしく今回と同じような質を持っていたにもかかわらず、なっているんじゃないか。  細かい事実はまた局長の方からお聞きをするとして、対策本部長としてのこれまでの流れ、そして本部長のお考えをお聞かせいただきたい。
  46. 遠藤武彦

    ○副大臣遠藤武彦君) 一々、郡司委員おっしゃるとおりだと、今受けとめたところでございます。  冒頭、郡司委員御在席の折に、私ども武部農水大臣並びに桝屋厚生労働大臣から、るる経過といわゆる疑わしき牛が発見された後のことと対策につきましては述べていただきました。まさしくそのとおりであろうと思います。そして、いわゆる初期対応のそごがいろいろと混乱なり迷走しているのではないかという印象を与えたということは非常に反省をいたしておりまして、先ほど申し上げましたように、いわゆる現場と本省、厚生省と私ども農水省と、こうした連携を密にしまして、その後何度も何度も、一日何回も協議を重ねてまいった結果、きのう、先ほど大臣、副大臣から御発表いたしました緊急の対策どもまとめ上げることができたところであります。  一つだけ、これはおわびしなきゃならぬことは、御指摘のとおり、大臣もお答えになりましたが、焼却したという報道が実は違っておったと、これなどはいわゆる混乱と迷走により一層拍車をかけたのではなかろうかと反省をいたしているところであります。大臣答弁にありましたように、いわゆる監視・検査体制のマニュアルがあるわけでありまして、脳及び延髄は検査材料として、疑わしき牛は検査対象とし、その他の臓器は焼却処分するというふうになっているわけでありまして、一応常識的にはもうこれは焼却されているんだなと、こういう考えだったのが、実際はレンダリングに回されておったという情報が入ってきたと。そこで、やむなく訂正をせざるを得なかったという事情でございます。  今後は、そのマニュアルをさらに点検をし、かつ現場にも徹底されるように万全の体制をつくって臨みたいと思っているところでございますので、御指導のほどよろしくお願い申し上げる次第でございます。  ありがとうございました。    〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
  47. 郡司彰

    郡司彰君 政府参考人の方にお尋ねをしたいと思いますが、一つは、八月の六日に千葉白井市の方でそのようなことがあった。最初のプレスリリースが九月の十日だったですね。これは一カ月以上たっているわけでありますから、その間どのようなことがされてきたのかがよくわからないし、そのような時間的経過の中で、今度のような迷走を続けるというのは常識的にはちょっと考えられない。そのことについては所感があればちょっとお聞かせをいただきたいと思います。  一つ一つ細かい点でちょっとお聞きをしたいと思いますが、この当該牛の四十六頭まだ飼っていらっしゃる、それについて先ほどおおよその話がありましたけれども、具体的に述べていただきたいと思いますし、佐呂間町からということでございますから、七十四、七十二あるいは六十一、そのうちの残り四頭ぐらい不明だということもありますけれども、そういう認識でよろしいのかですね。  それから、潜伏期間というのがございますね、これは二年から八年ということになっておりますが、日本における乳用牛あるいは肉用牛、平均どのぐらいで屠畜場に回るかをお知らせください。
  48. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) まず最初の、BSE感染したと見られる牛についての発見の経緯等でございます。  私ども、この当該牛と言わせてもらいますが、この処分をめぐる対応につきましては、九月十日の記者会見におきまして、いわゆるBSEを疑う牛につきましてはすべて廃棄されたと説明いたしました。それとともに、その死体処理方法を確認しないままその牛が焼却されたと思い込み、その旨、そういった前提で物事を進めてまいったわけでございます。これがまず一つでございます。  それで、そういった中で、事実関係確認が結果的に十四日の夕方までおくれておりまして、この対応でさまざまな混乱を招いたということにつきましては、大変私どもとしてもおわびしなければならないというふうに考えておるところでございます。  そういった中で、九月十二日の段階でございます。まず、国内のすべての牛の飼養農場等への立入検査を行うということで、また特に北海道の佐呂間町の農場で飼育されていたいわゆる同居牛ですけれども、それについての追跡調査を行うという形で、これがまず一つ対応としてスタートいたしました。  また、肉骨粉混入防止措置、これは各飼料メーカー飼料工場でそういったものが適正になされているかどうかと、これを確認するための立入検査等、これも一斉に進めたところでございます。  そういった中で、さまざまなところ、省内なり各都道府県、関係省庁とも密接な連携を図りながら進めていくということでございますが、先ほども一つ、八月六日との関係、お尋ねがございました。これは、先ほど大臣、副大臣のお話にもございましたけれどもサーベイランスということを始めておりまして、これを進めていく中で、私どものいわば家畜保健衛生という立場、それから厚生労働省さんの方の屠畜検査という立場、これの連携についてのマニュアルといいますか、そういったものが必ずしも明確でなかったというようなことが一つ原因だったと思いますし、それから、最初は陰性ということで評価されたこともありまして、そういったものを重ねていく中で先ほどの九月十日の経緯に至ったということでございます。  それから、今、牛の年齢でございますね、これは種類によって、例えば乳牛とか肉牛によって違いますので、ちょっと今調べまして、またお答えさせていただきます。
  49. 郡司彰

    郡司彰君 事前のレクチャー等でも話を聞かせていただきましたし、私も現場の方で聞いてまいりましたが、おおよそ、うちの方の現場で聞いた話によりますと、肉用だと三十六カ月ぐらい、それから乳用だと六十から六十五ぐらいまでかなというような話でありました。  潜伏期間が二年から八年というのは、これは学術的にそういうような期間がはっきりしているわけじゃなくて、八年以上なんというものは、そんなに牛が生きている年数ではないわけですね。だから、今のところはっきり事実として出てきたのは八年ぐらいまでしか出てこないと、そういうことになるんだろうと思うんです。  この千葉の実際の生産者の方が、ある新聞の取材に対して、似たような死に方をした牛はいた、ほかの牛が死ぬときの様子と変わらなかったというような発言をされているというふうに聞いております。これが事実かどうか、個別についての追跡も必要だろうと思いますが、先ほど言いました潜伏期間が二年から八年、そして通常屠畜場に回る方の月数がそれよりもかなり低い、あるいはこれまでも、結果としてテストの結果は出てなかったけれども、そういう感染をされた潜伏期間中に屠畜場に回った牛がいるという、そういう可能性については否定できないということでよろしいですか。
  50. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今、先生のお話の中で、似たような牛がいるんじゃないかという報道のお話がございました。これについてちょっと触れさせていただきますと、その一つの形としまして起立不能といいますか、そういった状況があったようでございます。ただ、これは牛の場合には、例えば転倒いたしまして骨が折れたり、そういった物理的な要因でありますとか、あるいはビタミン、ミネラルのバランス異常といった形でそういった症状が出るようでございますので、いわばこの起立不能が直接BSEにつながるというような形でとらえた報道というのは、少し正確じゃないんじゃないかというふうに考えておるところでございます。  それから、それにつきましてまた千葉県からの報告も受けましたけれども、記事にある牛は確かに横たわったまま動かないと、そういった状況は示していたとのことでございますが、その牛の特定もちょっとできていないということでございまして、今のところそういった事実関係ははっきりしていないということでございます。  それで、私ども、こういったいわば農場現場でのさまざまな状況につきましては、このBSEにつきまして平成九年から家畜伝染病予防法のいわば法定伝染病に指定したわけでございます。  したがって、こういった疾病にかかったりあるいは疑いのある牛が発見されますと報告をすることになっておりまして、今度の当該牛はまた別のケースでございますけれども、そういう状況で、これがBSE疑いがあるんじゃないかといったような報告は今のところ来ておりません。
  51. 郡司彰

    郡司彰君 私が申し上げましたのは、今回一頭見つかって、しかもその潜伏期間、屠畜場に回る生産からの月数等を考えると、そういう可能性を否定できないんではないですかということなんですが、それはどうですか。簡潔に答えてください。
  52. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 全くそれを否定できるかといえば、確かに否定する材料もございません。  ただし、今サーベイランスということを、ここは一生懸命私ども厚生労働省さんもやっておりますが、そういうサーベイランスとかそういうものを通じてチェックしているということでは、こういった事態が起こるというふうに想定される状況はなかったわけでございます。
  53. 郡司彰

    郡司彰君 時間がありませんのでちょっと別な形でお聞きをしますが、いずれにしましても、これまで世界のあらゆるところ、十五カ国で狂牛病発生をした。この点については、おおよそといいますか、ほとんどのケースが肉骨粉だというようなことが言われておりますが、今回、飼料工場等の立ち入りを含めてそういう形跡が見つからない、こういうような今までの結果だろうと思います。  しかしながら、肉骨粉以外に考えられないとすれば、どこかの段階でそういうものが紛れ込んだというふうに考えざるを得ない。どこの段階でというふうになりますと、いろいろあるだろうということになるかと思いますが、農水省で今想定されるそのいろいろというのは、どういうことを考えていらっしゃいますか。
  54. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) こういった経路の、まさに感染経路を疫学調査というふうなことを通じてやっている段階でございますから、はっきりしたことを言える段階ではございませんけれども、ただ、今までの海外の発生国におきます知見といいますか、そういう経験から照らしますと、感染した牛につきましては、反すう動物由来の肉骨粉の給与、それを与えることによって感染することが主な原因と考えられておるところでございます。  いずれにしましても、この疑いがある牛の発見後、先ほども申し上げましたように、直ちにその農家でありますとか、それから導入先農家でのえさの種類、購入先、給与状況について立入調査等をやっておりますので、こういったことを進める中で解明に全力を尽くしていきたいというふうに考えるところでございます。
  55. 郡司彰

    郡司彰君 担当の課の方とお話をさせていただいたときに、例えば農家の方が、生産者の方が牛にいいものだろうと思って与えたその中に入っていたと、そういうことも考えられるんじゃないかというような話をされていました。  私は、農家単体でもって肉骨粉を購入するというような、こういうケースというものはもうほとんどないだろうと思うんです。しかしながら、常識的に自分の頭の中で考えても幾つかのケースというのは考えられるわけです。一つは、工場の中で牛用のラインと豚用、鶏用というものがいつでも分かれているところはあるかもしれない。しかし、それが同じ工程を使って、ラインを使って、牛用のものを使っていたところでもって豚用をつくるかもしれぬ、その逆な場合というふうなこともあるのかどうかということがあるだろうと思います。  それから、農家の中で、これはもうほとんどそういうことはありませんけれども、主には豚だけれども、そのほかに一頭、二頭だけ牛を飼っているという、そういうケースもあるかもしれぬ。ところが、配合飼料の場合には例えば絶対量が多いものの方を買うわけですから、牛が多くて豚を飼っているという場合には、牛のものを与えることはあっても豚のものを与えるということはまあないだろう。しかし、豚や鶏を飼っているけれども、その間に一頭、二頭牛がいるかもしれないというときには、そちらのえさを与えるという可能性だってなきにしもあらず、そういうケースがあるのかどうかというふうなことも出てくるんだろうと思うんです。  それからもう一つは、配合飼料関係で、飼料安全法関係でもって肉骨粉は使わないということになっている。肉骨粉はそれ以外には使っていないのかというと、牛の関係でいえば、生後三カ月のミルクには肉骨粉は入っているわけです。配合飼料関係ない、飼料安全法関係ない形でもってミルクには入っているわけですよ。こういうケースというものはないのかどうか。  それからもう一つは、これは工場の方に聞きましたらば、現場の方からは、私のところでは絶対ありませんということを前提ですけれども、緊急避難的に、物が足りないときに、外国から迂回をしたものを自分の工場の産物だということでもって使うことがあるのかないかということになったらば何とも言えないという話をしていた。もしそういう可能性があるとすれば、これは大変危険な可能性がある、そういうことがある。  もう一つは、これはいわゆるコンタミバルク車ということになるわけでありますけれども、通常、例えば豚のえさをその車に積んで配達をしている。しかし、何月何日からは牛のものをその車に積んで配達をしている。そのときに洗浄を含めてきれいに車の中がなっているかというと、それは必ずしもなっていないようなところも。  こういうことを含めると、ちょっと考えるだけでも幾つかのケースがあるわけです。それぞれ、微量なものによっても今回の感染が行われるということになっておりますから、そういう幾つかのケース、考えられるようなケースをすべて洗い出すということの作業、これはやっていらっしゃるんですか。
  56. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 私ども、このBSE発生予防の観点から、一九九六年の四月から、今お話ありましたように牛に由来する肉骨粉を牛に給与しないという形で指導ということを進めてきておりまして、これを具体的にどうやって担保するかということになると思いますが、えさ工場実施状況、これは肥飼料検査所という機関がございますけれども立入調査等をやりながら適切に実施されているかどうかを確認してきていると、こういったことがございます。  また、こういった立入検査強化を図るという意味では、ことしの一月からは牛の飼料への肉骨粉混入の有無につきまして顕微鏡検査も導入するということで、私どもの立場でいろいろなことで対応ということはしっかりやっていくということをやっておりますが、今の先生のお話の中にございました、個別のケースになったときに洗浄がきちんと行われておるのか、コンタミが起こらないようにするのか、これはまさにふだんのそういった指導でありますとか点検の中で確認しながら各メーカーの皆さんにしっかりやってもらうということで進めてきておるところでございます。  それから、ミルクのお話がございました。これはちょっと今、私手元に確認するあれがございませんので、また、それはないと思いますけれども。  それから、迂回輸入につきましても、これも、そういったお話をどういったメーカーの方がされたか知りませんけれども、私どもがきちんと検査とか指導している中ではそういったことは出ておりません。
  57. 郡司彰

    郡司彰君 今回の場合には、だれがその経路の中で悪い役を果たしたかということよりも、現実問題としてどういうケースの中で起きてしまったかということを突きとめることが大事でありますから、原則的な話だけではなくて、実態をもう少しつかんでいただく中でも調べていただきたいなというふうに考えております。  それから、先ほど、九六年までの肉骨粉輸入量については、おおよそ三百幾らという数字があるけれども、はっきりしないというようなことが言われておりましたが、私の方もよく数字についてはわからないわけでありますが、例えば肉骨粉じゃなくて骨粉というものの輸入がございますね。それから、今は肉骨粉と同じように包含されておりますけれども、血粉というのも以前は別にとっていたかと思いますが、そういうことも含めて全体、おわかりにならないということでしょうか。
  58. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 先ほどのEUとの関係でいきますと、三百トン余の、あれは肉骨粉という世界での食い違いでございます。
  59. 郡司彰

    郡司彰君 そうすると、骨粉その他、血粉も含めてさらにまだ全体がわかっていないということなんだろうと思います。  それで、現場のえさ工場の方々の話を聞きますと、これまで肉骨粉狂牛病とのかかわりをきちんと指示されて、そういう認識でもってつくっていたのかという話を聞きますと、必ずしもそうではないというようなところが多くて、しかもサルモネラ菌、鶏の関係についてはかなり厳しくされていた。それから、工程表を出す場合に有薬、無薬という形でもってのものが出されていた。  一方、肉骨粉については、成分保証というものをそのときに工場から申請をして、許可を受けてからつくるということになっているけれども、この肉骨粉というのは成分保証が常にばらつきがあってまちまちなんで、ほとんど検査といいますか、それはやっていないと。申請をすれば、肉骨粉というのは成分保証については言われないで今までは許可されてきた、そういうような話も聞いておりますけれども、この辺は事実ですか。
  60. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 先ほどのお話の中に、肉骨粉と骨粉というお話がございました。要するに、輸入段階でいきますと、えさ用として肉骨粉が使われているわけでございますけれども、そういうところは関税なりあるいは私どもの動物検疫の段階飼料用に使うものは水際でちゃんとチェックしようということで的確にやっているところでございます。  それから、今、成分等の話もございますが、要するに牛に与えるえさを肉骨粉が入らないようにどうするかということがポイントでございまして、他方では、牛から牛、反すう動物から反すう動物という以外のところは安心なわけでございますから、そういったところをどうやって担保するかということでこの運用をやってきて、また今回、省令を制定して法的義務のもとで進めていくというふうにやっているところでございますから、成分規格等関係もございますけれども、そういったことを含めてきちんと業界の皆さんに理解していただき、指導をしている、そういう状況でございます。
  61. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 今、答弁間違っている。あなたの言うの間違っている。牛から牛は安心といったって、そうじゃないでしょう。
  62. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 牛から牛をとめているという意味です。牛から牛はとめているという意味で今申し上げました。
  63. 郡司彰

    郡司彰君 先ほどから例えばいろいろ出ておりますが、家畜防疫対策要綱というものをきょうの朝、農水省の方からいただきました。こういうものの中でもきちんと指導がしてあるのかというような話の中で、きょういただいたんですが、その中に確かに狂牛病に関することも記載がございます。そういう発生状況によっては牛の移動状況等を勘案して、必要に応じて法律に基づき移動制限を実施する必要があるというようなことが書かれております。  具体的には、伝染性海綿状脳症の項になりますと、日本においては発生を見ているのはスクレイピーのみである、いわゆる羊だけだということで、それ以降の細かい記載、注意をしなさい、こんなことにしなさいというのは、これ全部羊の関係だけですね、現在の要綱を見ても。  こういうことを見ると、現場の方で指導は全然ありませんでしたよ、知りませんでしたと、そういうような形をされておりますけれども、かなり今まで、九〇年あるいは九六年、二〇〇一年の一月一日以降それぞれ省令を変えて行ってきたと言うけれども、現場の段階はそんなに徹底をしていないんじゃないか。  しかも、大臣、問題は、役所の方々がいつも屠畜場にいて、おかしいなと思うようなことというのはないんですね。それは、実際に屠畜場にいてやっている人がおかしいというふうな報告をしてから初めて役所の方が出向く。つまり、民間の業者の人たちが相当程度精通をしている、わかっていないということになるとなかなか発見ということに立ち至らない、今のサーベイランスでは。そういうことを考えると、これまでまことに不十分な指導であったと思わざるを得ないんですが、どうでしょうか。
  64. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 不備と言われますか、初めてのケースでありますし、このことを教訓にしまして、先般もテレビで私は、今、十八日ですと、この十八日、まだ十日たたない間に四百五十万頭の全頭数を五千八百人の獣医さんたちに出ていただいて、各県も技術のある人たちはみんな総出でやっている最中ですよと。そして、今、先ほど発表させていただきましたように、農林水産省としての具体的な案を第一段階お示しさせていただいたわけなんです。  我々が今一番心配するのは、まず人の健康に影響を与えているのかどうかということ、これが第一。それは食用に供していないから大丈夫。それから今度は、焼却したものがそうでなかったということで、それが一体どこでどうなっているのかと、これもはっきりしました。  もう一つは、私は北海道で、佐呂間町は私の選挙区です。ここの牛が売れないとか、それこそ本当にみんな精神的に参るほどのことなんです。それは目の当たりにして私は知っていますから、まず牛の経路、えさの経路、これがわかったら、それをはっきりさすということ。特に牛の経路がわかったら、これは飼っている人の御協力をいただかなきゃなりませんが、まず佐呂間の牛、生存しているのはみんな屠畜して、そして脳髄をとって全部検査するということを決めているんです。それから、今、同居牛、これも飼っている方の御理解をいただいて、これを買い上げて同じような脳髄をとって、それ以外は全部焼却してと、そういうふうに一つ一つやっていかなきゃならぬと思っています。  それから今、先生が御指摘の肉骨粉がどういうふうに流れているのか、入ってきているのか。これは輸入物も全部徹底的に追跡していきます。それをさせます。それから、今流通している国内肉骨粉もあるわけです。これらについて、生産局長から御説明しましたように、牛から牛に行かないと、これは今度はもう法律で、十八日、規制しました。これをやった場合には、三十万円以下の罰金もしくは三年以下の懲役あるいはその併科と。それから、工場の場合もきちっとクリアランスして、豚用のえさをつくった後、牛用をつくるとか、そういうラインもあるかもしれません。それをきれいにクリアランスしてクリーニングしてやらないと、これも法的に規制されまして、今言いましたような罰金とか懲役とかということになりますので、先ほど先生おっしゃいましたように、これといった指導も何もないと、あいまいだというようなこともこれは徹底していかなきゃなりません。  また、いろんな角度から先生、こういうケースがあるじゃないかと御指摘が、いろんなケースを想定して、それはきちっとしなきゃならないと思います。そういうようなことをやらせている最中ですから、これからもいろいろとお気づきの点は、この委員会に限らず、ぜひ対策本部の方にこういう問題はないのかと、いろんなことを御指摘いただきたいと、このように思うんです。  それから、やっぱりここで申し上げておかなきゃならないのは、私の地元の佐呂間の酪農家、もうこの人は廃業していますけれども、ほかの酪農家も売れませんから、これはもう大変な問題です。これをどういうふうに支援していくか。ただ経営上の支援だけじゃどうにもなりません。やっぱり、大丈夫だと、安全なんだということを徹底しなきゃいけません。  それで、一つきょう聞いたのは、県によって肉が上がっている、値が上がっているところ、それから市場に、引き取りが多いところ、それから減っているところあるんです。どうしてそういう上がったり下がったり、売れたり売れなかったりするのが出てくるんだということは、各県で、あるいは農業団体の皆さん方どもこれを機に相当徹底した指導といいますかPRもやっているようです。きちっと指導しているところは非常に落ちついているということでもありますし、そういうことも含めて、私は、思いも寄らないことが起こるんだから、予期しないことが起こっているんだから、そういうことを前提で仕事をしようと徹底しているつもりでありますが、なおそういう姿勢で徹底したいと思っております。
  65. 郡司彰

    郡司彰君 今、大臣からもありましたように、情報公開をきちんと行う、説明責任をきちんと果たす、そういうことが結果として風評被害を最大限最小に抑えるということになるんだろうと思うんですね。  それで、今、農水省、それから厚生労働省、それぞれこの問題に対するホームページをつくっておりまして、それぞれ情報の公開をしているわけでありますが、農水省のホームページを読まさしていただきました。  まず最初に、「なぜ、肉や牛乳は食べても安全なのですか。」というところから始まって、最後、「我が国感染牛の発見が確実に行えるようBSEサーベイランス体制強化すべきではないですか。」と、この十一問が出ているわけであります。この十一問のところを見ますと、間のところでOIE基準、我が国の頭数から見れば約二百頭の検査を行えば適切なサーベイランスが行える。しかも、それを上回る目標数は今三百になっている。実際は二百三十ぐらいらしいですけれども、プリオニクステストを実施してきたところですというような記述もございます。  私は、これは八月六日、九月十日以前ならばこういう説明でもよかった。しかし、これをやってきたけれども出てきてしまったから問題なんで、これが今このホームページにこの時期に載っているということは、ちょっとこれ農水省どうしているんですか、忙し過ぎてこんなところまで手が回らないと、こんなところというか、これが一番大事なんじゃないかと、そういう感じがします。  それからもう一つ大臣、これは何としても大臣の方で取り消しをしていただきたいと思っておりますが、「BSEは、ヒトや牛以外の家畜には感染しないのですか。」という項目の中で、日本においては一九九五年から二〇〇〇年までの六年間で変異型でないクロイツフェルト・ヤコブ病で約百名、年の間に死亡をしておりますという記載がございます。その間に、別の病名では五百から七百名が死亡をしておりますということが書いてありまして、例えば脳に同じような症状に見える病気だということで、二十年ほど前はこういうような書き方をしたことも確かに医学の関係でもあったそうでありますけれども、これはまるっきり別な病気でございますから、なぜここでこのような記述があるのかというと、これはうがった見方をすれば、同じような脳の症状の病気で七百名も片方では死んでいるけれども、クロイツフェルトでは百名しか死んでいませんよなんということにとられるかもしれない。  それはおいておいても、人権の問題からいっても、ここであえて関係のないものを狂牛病と並列で出すということ自体は、これ大変な問題だろうと思うんですよ。これについては、大臣、これは私も二日か三日ぐらい前から言っておりますけれども、本当は次の日にでも直っていれば、こんなこと言いたくなかった。だけれども、全然やっぱり直っていない。これは大臣、目を通していただいて、これは削除をして、しかるべくこの関係者、本人を含め家族の皆さんには余計な思わぬ思いをさせている、そんなことに対して謝罪をすべきだと思いますが、どうですか。
  66. 武部勤

    国務大臣武部勤君) いや、私もよく細かいところは見ておりませんで、申しわけないと思っておりますが、最初見た瞬間、もっとわかりやすく、これはやっぱり役所というのは、役人とそれから特に今回の場合には技術者ですね、獣医師などなんですが、本当にかたいものですから、やわらかく、みんながわかるようにと、これでも大分遠藤本部長指示で直したつもりですが、今の部分についてはまことに不適切ですので、きょうじゅうに直させます。  なお、きょうじゅうに中身変わっていますから、もう厚生省の方は百万頭、生後三十カ月以上のものは全部検査をするということを決めていただいたんです。これがいろんな予算その他のこともあって、十月中旬ぐらいでないと実施できないというので、農林水産省は、もうそれまでの間は農林水産省が全部出荷を繰り延べてもらうということを生産者にお願いするということをもう決めておるわけでありますが、かなり新しいもの、もうきょうの政策も入れて、きょうじゅうにですね、きょうじゅうにできるか、生産局長
  67. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) はい。
  68. 武部勤

    国務大臣武部勤君) きょうじゅうに直させますので。
  69. 郡司彰

    郡司彰君 大臣、済みません。  じゃ、つけ足しでございますが、その次の四というところに、文面から見ると、日本の動物園でネコ科及びウシ科の動物の感染例が報告されていますと読めるような文章がございます。これは日本ではこんなことあり得ないだろう、英国のことだというふうに理解をしておりますが、普通に読んだ国民の方は、日本の動物園でネコ及びウシ科の動物で感染例が報告されているというふうに読めるような日本語になっておりますから、これについても直していただきたいと思います。  それから次に、時間がありませんので若干飛ばしていきたいと思いますが、農水省それから厚生労働省さんの方にもよければお尋ねをしたいと思います。  一頭疑いがある、ほぼ間違いがないであろうというものが出た。ほかの国の今までの例から、経験則から見ると、それでおさまってゼロになったという国はほとんどないというか、ありませんで、何カ月、数年の後に新たに発生をする、発症をするということが続いているわけであります。今後の予測は、日本において今後狂牛病は出るということでの対策を立てるんでしょうか。今後は出ないということでの予測を立てるんでしょうか。どうでしょう。
  70. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 今後は出さないという対策を立てるわけでございます。  しかし、先ほども申し上げましたように、私は起こり得ないと思っていることが起こり得るという前提で仕事をしようということを申し上げておりますので、行政に当たる者の基本的な考え方は、もう絶対出さないということで対策を講じますが、しかし、絶対出ないということはあり得ないんだという前提で常に追跡できるといいますか、フォローアップしていかなきゃならぬと、こう思っております。  それで、今、先生からホームページの話出ましたが、すぐきょうじゅうに改めなきゃならぬものはきょうじゅうに改めます。それから、さらにまた、つまらない御指摘、間違いが出てはいけませんので、しっかりしたものをここ数日中にきちっとつくり直してまた出すと。きょう、今御指摘いただいたような不適切なところはきょうじゅうに直すと、そしてまた新たなものは数日中にきちっと精査してもっとわかりやすく、新たな施策も構築しましたので、しかも厚生省ともこれはよく相談の上で突き合わせてやりたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
  71. 桝屋敬悟

    ○副大臣桝屋敬悟君) 今、農水大臣からもお話がございました。  先ほども申し上げましたように、今回、疑いのある牛が一つ発見をされたということは大きな事実であるというふうに考えております。今、農水大臣がおっしゃった起こさないということ、さらには予測もつかないことが起きるというそのお答えがございましたが、まさにその精神で我が省も農水大臣と農水省としっかり連携をしまして取り組みを進めたいと思います。
  72. 郡司彰

    郡司彰君 今の武部大臣の答弁を聞いていて、やっぱり大臣になる方は優秀だなというふうに思いました。  実はやっぱりないんだと、もう、そういうような話で始まってもし起きたときには、これはもう国民の方からやはり政府、行政、信用がされないというようなことになりかねない。しかし、起こるんだということを余り声高に言うということと実際の対策をきちんと行うということは、これまた別でありますから、そのような姿勢で臨んでいただければというふうにも思いますが、そこで厚生労働省さんの方で、百三十万頭年間屠畜に回るうちの約三十カ月以上の百万頭について十月から行っていきたいということでございます。  ことしの概算要求の時点では約一万頭、一キットが大体二千円から三千円ぐらいというような額だというふうに聞いておりますから、百万頭になればそれなりの予算はかかるけれども、やっぱり安全のためにはきちんとそういうことをやっていこうということだろうと思うんですね。  ところで、来月からということになりますと、先ほど、訓練もしなければいけないということがありますが、現実問題としては、人の訓練もありましょうし、それから屠畜場に回ったそのラインの関係を考えると、五時間ないし六時間とめておくというところに置けば必ずその保管という、しかも内臓と肉の部分と両方を、そういうものの施設というものが出てくる。  それから、それを、検体をそこでやるわけじゃない、どこかに送るということになりますと、またそこの問題、施設等も出てまいるわけでありますが、この辺のところを含めて、実際問題として来月からということはどういう意味を持っているんでしょうか。
  73. 尾嵜新平

    政府参考人尾嵜新平君) 今、御質問がございました検査体制強化につきましては、私どもの方としましては、今、十月下旬ぐらいからというふうに考えておりますが、できればできるだけ早くというふうな考え方を持っているわけであります。  御指摘の予算、必要な予算の確保も含めまして準備を進めているところでございますが、一つは、そういった人員の関係につきましては、検査を担当する技術を持った職員の養成ということが必要でございまして、現在すぐできないというのは、一つはそういうところを検証しなきゃいけないということを考えているわけであります。  もう一つは、県の中で検査体制が、食肉衛生検査所を私ども想定しているわけでございますが、そこだけで対応できるのかという問題も当然ございます、職員も含めまして。そういったところも、県としての全体の体制の中でどういった形でこなしていただくのかというふうなことも検討していただく必要があろうと。そういったことで、県の方の担当課長をお呼びしてお集まりいただいて、そういったところを早急に検討していただくということもお願いしようというふうに考えております。  それと、御指摘ございました、検査まで、結果が出るまでに五、六時間、五時間ぐらいということで保管の関係でございますが、先生御存じのとおり、と畜場法では屠畜場、そのAという屠畜場処理する頭数というのは定められております、届け出をされた頭数以上はできないと。現に、届け出をされました際にはその頭数を超えないわけでございますから、現在も、そういった頭数をこなしている限りは、食肉冷却設備によって若干引きとめているわけでございます。  そういう意味では、そこで対応が可能である、検査結果が出るまでの保管というのは可能であろうというふうに考えておりますが、ただ、農林水産省の方の十月の体制が動き出すまでに、少し屠畜場の方に回すのを、三十カ月月齢以上の牛について少し自粛要請というふうなこともお話がございます。そうした場合に、動き出した際にどれぐらいの頭数が、また、ぎちぎち言えばと畜場法にのっとった対応をするわけでございますが、その辺のところを、仮に御心配のようなことが出てくるというふうなことが想定されれば、そこのところは、県の中、それと同時に農林水産省の方とも御相談をして順調に、流通に支障を来さないように対応したいというふうに考えているところでございます。
  74. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  私は、一九九六年三月二十八日の大蔵委員会、その後またヨーロッパで、EUの方で狂牛病英国以外にも発生するようになりまして、危機感を持ちながらこのプリオン病、牛に関しましては牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病でございますけれども、その対策を求めて昨年二回、そして本年の六月にも質問をしたわけであります。  残念ながら我が国発生が疑われるという状況になりまして、これはこの一頭、疑似患畜一頭だけで何とか撲滅をしていただきたいなと。口蹄疫に関しましても非常な努力でその後発生していないということでありまして、同じように根絶をしてもらいたいと、そういう思いで、きょうはこの今回の対策とそれから発生防止、今後の発生防止並びに風評被害対策に関しまして、農林水産省並びに厚生労働省に質問をさせていただきたいと思います。  最初に、先ほど武部農林水産大臣の方からいろいろ原因責任についてのお話がございました。今回の疑似患畜の不適切な処分に関しましての原因とその責任につきましてお話がありましたけれども、改めて大臣の御所見を伺いたいんですが、今回の狂牛病疑似患畜が家畜伝染病予防法に基づき焼却処分されなかった原因責任の所在についてどのようにお考えになっているか、もう一度お述べいただきたいと思います。
  75. 武部勤

    国務大臣武部勤君) BSEは、先生御案内のとおり、他の家畜伝染病と異なりまして、屠畜後、脳を採取して検査しなければ感染の有無が判定できないと、そういう特性を有しているわけでございます。ですから、大事なことは、屠畜後速やかに検査実施するということが不可欠なわけです。  そういうことから、厚生労働大臣とお話しさせていただきまして、厚生省は四、五時間で検査できる、そういう体制をとって、生後三十カ月以上のものは全頭数、およそ百万頭ということでございますが、検査するということに相なりました。しかし、それまでの間は生産者に出荷を繰り延べてもらう、控えてもらうといいますかね、そういうことを農林水産省としては実施するわけです。それには、家畜ですからえさを与えなきゃいけません、与え続けなきゃいけませんから、これに対する支援をしなくちゃいけません。  では、本件、どうしてこういうことになったのかというのは、一言で言うと認識が甘かったということです。  大体、六日にわかって、その前に家畜防疫員が行って、これはおかしいから屠畜場に持っていきなさいと言われて、そして六日に処分して、そして十五日に陰性ということがプリオニクステストでわかって、それから二十四日に病理組織の検査をやった結果、陽性の疑いありというような、本当に信じられないことなんです。それほど日本では起こり得ないという甘さというものがあったと思います。  同時に、しかし、サーベイランスを、このBSEについてのサーベイランス要領というものをつくっていて、なおかつ、二つの項目があるうち二つ目の項目は中枢神経症状ということだから、これは加工していいんだというふうにして回しちゃったと。その判定、判断が、私は、ミスしたということだけでなくて、マニュアルができてなかったと。こういう場合にどう処置するべきかということはやっぱり具体的にマニュアルを示していれば、本件の問題は起こり得なかったと。そして、焼却処分されていたということでありまして、深い反省点に立っておりまして、今後厚生労働省はと畜場法に基づく解体後に行うBSE検査に迅速検査法を導入するという御決定をいただいたわけでございますので、相互に連携を一層強化してまいりたい。これは両省だけじゃありません。もう各県が屠畜場を管理しているわけですから、そういったところともしっかりしたフィードバックシステムというものを働かせていかなきゃいけないなと、かように考えておる次第でございます。
  76. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 先ほども最初の時点では狂牛病が、この疑似患畜が疑われなかったということでありますけれども、だけれどもサーベイランス、この牛海綿状脳症サーベイランスの方には検査に出したと。サーベイランスに出すときには、僕も、きょうこの用紙をいただいたので、きのうの段階で通告できなかったんですが、このサーベイランスに出す場合には搬入材料の詳細ということで書類を書くことになっていますよね。これのときにもやっぱり牛海綿状脳症が否定できない牛として送ったのか、その他の中枢神経症状の牛として送ったのか、そこだけ確認をさせていただきたいと思います。
  77. 武部勤

    国務大臣武部勤君) これは、牛海綿状脳症疑いありということで送っていると、私はそういうふうに理解しています。  というのは、二つ項目を書いていますでしょう。それで症状も書いていますね。これは、もう牛、BSEサーベイランス要領というもとに出しているんですから、ですから、それに触れなければこんなもの出さないんですから、ですから、それはそういう認識がなかったというところに問題があったというふうに私は理解しています。
  78. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 非常に何か今まで聞いたこととちょっと違っているので。
  79. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 今、後ろの方で、どっちにも丸がついていない。だから問題なんです、これ。
  80. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 だって、丸ついてない。
  81. 武部勤

    国務大臣武部勤君) どっちに丸もついてないからということを役所は──私、何度も言うんですよ。どっちに丸もついてないといったって、どっちもなんですよ、これは。それは、これをお見せしますと、「牛海綿状脳症サーベイランス要領」って書いているんですから。このことは書く必要がないんですよ。その他中枢神経症状であると。これはもうそういうことだから焼却処分と。ですから、これは獣医師の間でこの場合にはどうするのだという明確な指示をこれからしなきゃならぬということです。これはもうきょう付で指示させました。両方です。
  82. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今、両方に丸がついてなかったという初めての、僕が聞く初めての事実なんですが。
  83. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 両方なんかはついてないんですから。
  84. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 ついていなかったと。そうしますと、それは検査をした人が不十分な書類を出したということになりますよね。よくこれでサーベイランスが成り立つものだなと。私は、そういういいかげんな書き方はしないんじゃないかという、普通で考えますとそうなるんですが、大臣がおっしゃっているんだからそのとおりなんでしょう。  そして、その書類を送った日にちは、そうしますといつなんでしたか、これは。
  85. 武部勤

    国務大臣武部勤君) これは八月六日ですね。八月六日です。今、どっちにも丸がついてないということで、責任はだれにあるのかということについては、やっぱり一は否定でき得ない、BSE感染は否定でき得ない。じゃ、二は、感染してないと肯定できるのか。私は、肯定は、絶対的な肯定はできない。完全な否定はできないというふうにして理解しているから、畜産部長は焼却処分と、こういうふうに言ったんだろうというふうに話しておりまして、これは確認させていただきますけれども牛海綿状脳症サーベイランス要領はこの二つなんです。ですから、きょう付でこの二の場合もレンダリングに出さないようにという、そういう指示をきょう出したということですので、御理解ください。
  86. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 もし本当に、本当にという言い方はおかしいんですけれども、書類に丸が両方ついてなかったらば、当然危険な方を重視して対応をすべきだと。そうなれば飼料の方に回らなかったということになるわけでありまして、普通考えますと、こういう大事な書類に丸がついてなければ書類として価値がありませんので、こういうことは絶対あってはならないんではないかというふうに思います。十三日という……
  87. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 済みません、今先生の御質問に対しての答えは十三日でございます。間違えました。
  88. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 そういうことで、やはり危険性の認識が甘かったということと、今日このような騒動になるということまで想定してなかったという、やっぱり危機意識といいますか、そういうものがなかったというふうに思います。十三日に報告書を書いたとしても、八月六日の時点でそういう判断をされていたということだと思いますので、それは非常に問題があるというふうに思います。  今認識が高まって、こういうことは今後ないとは思うんですけれども、その点に関しまして、二番目の質問なんですけれども、これまでこの一九九六年に家畜伝染病予防法が改正されまして、こういう狂牛病対策強化されたわけでありますけれども、このことについて、これまで関係者にどのような法改正の内容について周知徹底されてきたのか、その点をお伺いしたいと思います。そしてまた、今後、今もお話聞きますと、大変現場の方はよく理解をしてなかったということが明らかになっておりますので、そういう今後改善点としてどのようなことをされるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  89. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今お話ございました平成八年、政令、それから九年に法律という形の、このBSEを家畜伝染病予防法上の対象疾病として位置づけると、そういった法律の改正が行われたわけでございますが、当然私ども、こういった改正の際には施行通達ということで、関係県初め、まずその改正の趣旨、それからいろいろな留意点等につきまして通知をするわけでございます。それから、あわせまして、こういった改正を実際の現場で担っていただくいろんな関係の都道府県の担当者とか、それから関係大学、関係団体と、そういった皆さんにも周知をしているところでございますが、また、BSEにつきましてはパンフレットの配布、こういったこともやっているところでございます。  また、こういった組織の取り組みを主としながら、ことしの四月からは先ほどのサーベイランスとかこういうことをやっているわけでございますが、いずれにしましても、こういった対策なりその内容がわかりやすく広く周知されるということにつきましては、今までのようなこういった施行通達的なものだけでいいのかどうかという問題がございますので、これからのいろいろなホームページ等もあるわけでございますから、わかりやすい周知徹底ということには十分これから努力していきたいと思っているところでございます。
  90. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今回いろんなルートが汚染されたといいますか、可能性があるということで、この異常プリオンをなくすための処理というのは大変な作業かと思うんですけれども、そのルートルートできちんとそれを処理する対策というのはどのように現在なされているのか、その点を確認したいと思います。
  91. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今申し上げましたようなさまざまな通達、パンフレット等を使いまして、それをベースに関係皆さんにやっていただいているということでございます。  また、今後の対策としましては、私どもだけでなくて、厚生労働省の方の関係も含めまして、いろいろな検査の迅速化、サーベイランス検査強化というようなことにつきましても、こういった積極的な情報提供をわかりやすくやっていきたいというふうに考えております。
  92. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 ちょっと今、私の質問が悪かったのかもしれませんが、肉骨粉を使った工場等の消毒とか、消毒という言い方がおかしいかもしれませんが、生物体ではないので、そういう病原体をなくすための処置というのがきちんとなされているのか、これからなされるのかということです。
  93. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 肉骨粉の製造に際してそういった安全性の確保ということでございますが、これにつきましては先ほど来の飼料安全法に基づくさまざまな指導をやってきているわけでございますけれども、引き続き今度は法律に基づく規制ということにいたしまして、そういったものを十分遵守していただきながら、この肉骨粉の製造に当たってのいろいろなマダイの関係でございますとかその混入防止策ということにつきまして十分徹底を図っていきたいというふうに考えております。
  94. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 時間がないので、これで今の件はやめますけれども、なかなか異常プリオン処理して無害にするというのは大変な作業なので、これのいい方法を選んでもらって、早期にその汚染された工場等、あるいは輸送ルートは大丈夫だとは思うんですけれども飼料を保管していたところ等、これから混入しないように適切に処理をしていただきたいと思います。  次の質問、これは大臣の方にお伺いしたいんですけれども、今後も肉骨粉飼料というものがつくられていく可能性が今現時点ではあるわけですね。それは鶏とか豚等の飼料としては使われる可能性が今後あるわけですけれどもEUの方ではそういう場合に、より異常プリオンをきちんとなくするために基準というのがありますよね、肉骨粉飼料処理基準。これをやはりEU並みの基準にすべきだと思うんですが、この点はいかがでしょう。例えば粒子、材料の粒子は五十ミリ以下にする、百三十三度、二十分、三気圧以上で処理する、また、反すう動物由来の精製脂肪については不溶解不純物が重量比で〇・一五%以下になるように純化処理するというような処理の仕方があるわけですけれども、これはこのようにしていく方向にありますか。
  95. 武部勤

    国務大臣武部勤君) まず、今後とも飼料安全法の省令及び混入防止のガイドラインの遵守ということによって混入防止徹底を図っていくということが第一義的だと思います。  それから、EU基準並みの処理については、かまが二億円ぐらいするんだそうです。したがいまして、今回のBSE疑似畜患の確認を契機に施設助成措置等について前向きに検討していかなければならないと、このように思っております。  それからもう一つ、同居牛ですね、先ほども郡司委員の質問にお答えしたと思いますが、同居牛は今ルートを全部追求していますから、あと残り四頭ということでございますし、千葉のものも含めてこれをやっぱり殺処理にしまして、そして全部延髄をとってやるということによって、その牛舎の中にいた同居牛が感染していたのがあったのかないのかということなどからだんだんはっきりしてくると、そのこともやることにしています。
  96. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 EU並みのそういう骨肉粉の製造の場合の飼料処理基準にするというのは大変な設備投資も今要るというようなお話でありましたんですが、やはりこれは今後そのようにしていくのが消費者の不安を解消するためには必要ではないかというふうに思いますので、その分の大変な設備投資の場合に国が支援をするとかしてやっていただければと思います。  要するに、いろんなルートで、本来法律を守っていれば発生するはずがなかったものが発生しているわけですから、そういう万一の事故、あるいは原因はわからないけれども異常プリオンがあったらばきちんと処理されるという何重ものチェックをしていかなきゃいけない。フェールセーフという危機管理の原則がありますけれども、それをもとにすれば、こういう肉骨粉処理というものもEU並みの基準をやっぱり採択していくように努力すべきでないかと、そのように思います。  それから、骨肉粉の飼料作成記録ですか、今、二年間しか保存義務がないということでありますけれども、これも狂牛病関係では二年から八年ぐらい潜伏期間があるということで、後であそこからの飼料原因でこういうのが発生したとなれば、後々資料を探すのは大変なわけですね。今も大変な努力をしながら追跡調査をしているわけでありまして、この二年というものをもうちょっと長く、五年、平均五年ぐらい、あるいは潜伏期間が八年というのであれば八年まで安全をとって記録の保存をしてもらうとか、そういう改正も必要になると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  97. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 今までは製造後二年程度で全部消化されているというようなことなんだそうです。しかし、現物が消費された後も十分な追跡調査を行うことが必要となるケースも想定されるところでありまして、今後の対応についてさらに検討してまいりたいと思います。
  98. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 今回の汚染といいますか、病原体プリオンがどこから入ってきたのか、今いろいろ検討原因追求しているわけでありますけれども、まだまだわからないと。一つ理論上可能性があるのは、日本でもスクレイピー、羊の海綿状脳症が発症し、それが処分されているということでありますけれども、こちらからの可能性はないのかと心配な面もあるので一応焼却処分は皆されていると、ここからの汚染はないということでありますので、なお一応確認をしたいと思うんですが、この点、いかがでしょう。
  99. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今のスクレイピーの国内発生状況とその処分方法についてということでございますが、今までBSEは、海外の発生国における知見を見ますと、今回の件が反すう動物由来の肉骨粉の給与で感染すると、これがいわゆる今までの例からすればということでございますけれども我が国におきましては、そういったことを踏まえながら、今まで、先ほど申しましたような肉骨粉等輸入の規制等、そういうことをやっているわけでございます。  一方で、スクレイピー、これはBSEとともに伝染性の海綿状脳症と、そういった形の病気でございまして、これまで国内では三十戸、五十七頭の発生確認されておるということでございますが、この発症したスクレイピー、羊ですね、それからこれと親子関係などにある綿羊の処分、そういった焼却の蔓延防止措置をきちんと実施しておるところでございます。  それから、先生、先ほどレンダリングの質問の中でちょっと私、きちんとお答えしなかった部分があろうと思いますけれども、この今回の疑う牛でございますね、疑う牛につきましての肉骨粉、これにつきましての処理でございますけれども、これは家畜伝染病予防法の汚染物品というふうになりますので、そういう意味で、レンダリング施設に保管してある肉骨粉等につきましては、これは家畜防疫員指示のもとで焼却処分を行うと、これもきちんとやることになっております。  また、その製造したレンダリング施設でございますけれども、これは次亜塩素酸ソーダといった、こういった薬品を使いながら的確な消毒をすると、そういったことにしております。
  100. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 先ほども、もしスクレイピーとか国内原因で起こったものではないということになりますと、やはり外国から、どこかから入ってきたんじゃないかと、特に一番疑われるのは英国からの飼料として来たんじゃないかということが疑われるわけでありまして、先ほど岸委員の方からも御質問あったように、英国から入ってきたんじゃないかということがまだまだよく解明されていないということでありますので、この点はきちんと調査をしていただきたいと思います。  そしてまた、今、疑似患畜の方のそういう追跡調査が行われておりますけれども、そういう怪しい、飼料混入した、あるいはそういう飼料が残っていればきちんと検査をし廃棄処分をしていただきたい、そのように思います。  次の質問になりますけれども、今回、最初の時点でプリオニクステストが陰性で、その次には免疫組織化学的な検査で陽性となっているんですが、プリオニクステストというのはかなり感度がいいはずなんですけれども、これで陰性だったということでありまして、こういう検査の改善点というものが必要になると思うんですけれども、この点に関してどのように改善していくのか、お伺いしたいと思います。
  101. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今の、今回陰性となりましたプリオニクステスト、これはEUにおきまして公式に採用されている三種類の検査法がございますが、その一つであるわけでございます。  我が国におきましては、先ほどもおっしゃいました牛海綿状脳症に関する技術検討会、この意見を聞きながら、ことしの四月から実施していますサーベイランスの中での検査法として採用してきたわけでございますが、EUで行われましたこの検査法と他の検査法、全体に三つあるわけでございますが、比較評価いたしますと、陰性である検体、これを陽性と誤って判定することは少ないそうでございますけれどもBSE異常プリオンの量が極めて微量である、そういった場合にはその検体が陰性と判定されてしまうことがこのプリオニクスということでございます。  それで、今回の場合、この検体のプリオン量が極めて微量であったために陰性となって、その後の免疫組織化学検査の方が感度の関係で陽性になったということも考えられるわけでございますが、今後の扱いといたしましては、こういったBSEの防疫の徹底とか牛肉の安全性の確保ということを考えますと、きのう厚生労働省さんの方で採用を決定いたしました迅速、早い検査法、こういったものを私ども参考にしながら、その技術検討会検討も経て適正な検査方法をこれから採用していきたいというふうに考えているところでございます。
  102. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 時間が短くなってきましたが、来年度の概算要求でもこのプリオン病に対しての予算要求がされ、研究を進めていって、今回のような事態にも早急に対応できるように、そういう概算要求がされているというふうに聞いておりますけれども、時間がないので簡単、簡潔にお答えいただきたいんですが、厚生労働省並びに農林水産省でどのような、プリオン病、特にこういう検査等々を正確に早く、しかも安くできるような体制づくりのために、そういう予算というのがどのように盛り込まれているのか確認をしたいと思います。よろしくお願いします。
  103. 岩元睦夫

    政府参考人岩元睦夫君) プリオン病に関しましての研究は、独立行政法人動物衛生研究所中心に行っております。  これまでBSEと類似の病気でございます羊のスクレイピーを対象といたしまして、異常プリオンが体内のどこにたまるか、蓄積するかというようなことの解明を行うとともに、効果的に検出するための抗体の開発であるとか、あるいは異常プリオンの抗原抗体反応も利用しました高精度の検出方法の研究をやってきたところでございます。  こういう羊スクレイピーの研究の知見をもとに、これをBSEに発展させるために今年度から研究を開始したところでございまして、来年度につきましては、これの研究英国の家畜衛生研究所と共同研究をやると、日本からその研究所の方に派遣をいたしまして共同で研究をやる予算を要求しているところでございます。
  104. 下田智久

    政府参考人下田智久君) プリオン病の検査方法の開発につきましては、特定疾患対策研究事業といったものがございますけれども、その中で遅発性ウイルス感染に関する調査研究班というのを設けておりまして、予防法及び治療法の確立とあわせて検査法の開発を目指した研究を推進しているところでございます。  また、狂牛病に関する研究でございますけれども平成十四年度の構造改革特別要求、これを使わせていただきまして、異常プリオン検査法の確立等の研究事業につきまして予算要求を行っているところでございます。
  105. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 プリオン病は、人の場合とそれから家畜の場合とありますので、予算、なかなか厳しい中で獲得する必要があると思うんですけれども、共通の研究等はお互いに連携を保ちまして、ダブってやるようなことのないように、むだがないように、しかも十分な研究ができるようにしっかり予算獲得のために頑張っていただきたいと、そのように私は思います。  最後になってしまいましたが、風評被害の件でお伺いしたいと思います。  今も、牛肉等は本来安全であるということでありますが、風評被害といいますか、給食等々で使わないようにというような話も出ているようであります。こういういろんな風評被害でこれまでもO157事件とか乳製品への毒素の混入等々でも風評被害がありまして、それぞれの関係の方々には大きな被害といいますか経営的な被害が出ているわけでありますけれども、同じようなことがまた今後も起こる可能性がありますので、私が思うには、やはり風評被害に対する補償制度といいますか、そういうものを国がリードしてつくっていくべきではないかと。風評被害があるために情報が十分に早くに出てこない、そのために後手後手に回って物すごい予算を逆に食ってしまうということでありまして、風評被害に対する被害者救済の制度というものを研究してつくってもらえれば風評被害を恐れずにきちんとした情報が出るのではないかというふうに思いますので、この点に関して大臣の御意見をお伺いできればと思います。
  106. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 風評被害という問題を少しでも解消していくといいますか、小さくしていくためには、我々が正確な情報をより迅速に国民皆さん方の前に明らかにしていくことであろうと、こう思います。  先日も、英国の、ちょっと書いているんですけれども、これは英国のデータですよと書いていながら、私にある国会議員は、北海道、大変ですね、北海道の酪農が大変ですね、きのうテレビで見ましたけれどもと。北海道の酪農家の牛がみんなあんな状態になっているんじゃないかというようなことで、私、驚いたんですけれども、しかも国会議員ですからかなり意識が高いといいますか知識を持っている方だろうと、こういう前提で考えますと、本当に恐ろしいと思います。  特に、生産者の皆さんにとっては、自分の原因でないことで大変な影響を受けていると。牛は生き物ですから、これが売れない、滞るということはこれは大変なことです。  それから、消費者皆さん方にも不安を与えていると。私、これは千葉県産でありませんから安全ですとか、うちは豪州やアメリカのものを使っていますから安全ですとかというふうなこと、表示は本当に適切を欠いていると、こう思うんですね。  いずれにしましても、今後、そういったまさに被害を受けている農家の方々や関係している加工業者もあるでしょう、いろいろ工場もストップしていますから、そういったことに対してどういうふうに支援策を講じていくか、このことも真剣に積極的に考えていかなきゃならないと思いますが、何よりも大事なのは、正確な情報を迅速に国民の前にすべて明らかにすると。私は、きょう本当にもうすべて明らかにさせてもらったつもりです。内部のさまざまな問題についてもそういう姿勢でやりたいと思っておりますので、委員長初め各委員皆さん方にも格別なる御支援もお願いしたいと、このように思います。
  107. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 農業はやっぱり私たちの大事な生命を支える食料というものをつくっている大事な生命産業でありますので、そういう産業に携わる方が誇りと自覚を持ち、高い倫理性を持ってこの産業を発展させられるように、大臣、これからもしっかり御指導していただきたいと、そのように思います。  ありがとうございました。
  108. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  私は今回初めての質問になりますので、余りなれないところもあると思いますけれども、どうかよろしくお願いいたします。  今回の事態をめぐりましてやはり多くの国民に大変不安が広がっていると。私は実は九月の十三日の日に千葉県の白井市に参りまして、生産者の方やそれから自治体関係者皆さんからお話も聞きました。本当にその時点では困惑している、本当に驚いて、そして非常に困惑しているということと同時に、やはり口をついて出てきたことの中には、口蹄疫の場合もそうだったんですけれども、やはりこういう問題が起こる背景の問題として、飼料輸入飼料、これに多くを頼らなければならないという畜産のあり方についても、やっぱり見直しをしてもっと自給できるようにしてほしいんだということを訴えられましたし、それから大臣の出身地ということですけれども、北海道の佐呂間の方も、実は先日、我が党の児玉衆議院議員が訪れたんですけれども、町長さん初めやっぱり関係者皆さんが本当に強い憤りといいますか、結局、佐呂間の牛が問題なんだと、千葉の牛が問題なんだと。報道ではやっぱり局地のところでもって過熱するという状況がありまして、そういう問題じゃないんじゃないかと。その意味では、本当に農水省の水際での対策の問題じゃないかということを厳しく言われていたということも聞いています。消費者皆さんの中にも不安があるという中では、一日も早くこの問題に対しての正確な解明と、そしてやっぱり不安を解消していくということでの対策が必要だというふうに思います。  そこに立って、まず一つ目なんですが、この狂牛病発生で、フランスでもイギリスでも大変なパニックの状態になりまして、畜産業が大きな打撃を受けたと。今回、日本でも狂牛病であることが確認されますと、これは本当にアジアで初の発生という大変な重大な事態で、その意味では関係省庁が危機意識を持って対応しなければならなかったというふうに思うんですが、しかしその後の対応は、先ほど来、話になっていますけれども、やっぱり余りにも安易じゃないかというふうに思うわけです。  当初焼却されたというふうに説明されていたものが、疑似患畜の牛が実際には飼料などの原料としてもう流通してしまっている。そして、徳島の業者からの通報で発覚したわけですが、もう一部販売されていると。もしそれが、通報がなかったならばどうなっていたかということで考えますと、汚染されたものがまたさらに広がっていくという状況になったわけで、そう考えますと本当に私は背筋が寒くなる思いがするんです。  やはり、今回の牛は狂牛病疑いがある神経症状が示されたということで、牛海綿状脳症サーベイランスのいわゆる調査対象となって脳についての検査実施することになっていた。それが検査の結果も出ないうちにもう流れてしまっていたということになったという責任ですね、責任の所在を明確にすべきだということでは、私も改めてそのことをお聞きしたいと思います。
  109. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 先ほど来お答えしておりますように、まず八月六日にこの牛が発生して起立不能ということで、牛海綿状脳症サーベイランスに基づいて処理されたはずなんですね。そのサーベイランス要領には、疑いを否定できないという項目と、その他中枢神経症状という二つの項目があるんです。具体的にそういう表題のついたサーベイランスなんですから、これはもうだれが考えてもBSE疑いありと、真っ白ではないということだから出ているわけですからね。限りなくシロに近くてもシロではないという前提で一番最初処理していれば今度のようなことにはならなかったという意味において、こうしたマニュアルが徹底していなかった、つくられていなかったと。  また、現場に対して、先ほどいろいろ御議論ありましたけれども厚生労働省農林水産省の、屠畜検査の方は厚生労働省家畜保健衛生所農林水産省というような、そういう縦割り行政の問題も新聞等で指摘されるようにあるわけです。また、屠畜場の管理はこれは県なんですね。  そういうような問題がありまして、今、紙先生、責任はどこにあったんだということでございますが、私はそれはまず、農林水産省として責任ある立場の私としては責任の重大さというものを甘んじて受けなきゃならないと、このように思っておりますが、しかしそれだけで解決できたのかなと。その後の問題についてどうあるべきかということについて、内部で上司に対する報告がなかったとか、そういう連絡が遅かったと、さまざま、やっぱりいろいろな責任問題がある、このように認識しておりまして、そういった問題をもう早急に解決していこうということで先ほど来、きょう付で、この牛海綿状脳症サーベイランスの一も二も焼却ですよと、そういうことを徹底させることにしているわけでございます。  なお、私の地元の佐呂間のことについては、町長さんは獣医師ですね、でありますから、本当にあの牛は佐呂間から出ていった牛なのかと、こういうふうに思うほどに大きな衝撃を佐呂間の皆さん方は受けているわけでございます。  でありますから、我々のこれからの責任というのは、一日も早く同居牛を追跡調査して、その経路を明らかにして、そしてこれをきちっと処理することですね。そして検査することです。で、佐呂間の牛が全部シロだったということになれば、この間の牛は何だったんだと、どうしてだということになる。また千葉の牛も、全部検査した結果、これも全部シロだったんだ、じゃ何なんだと、また次に行くと思うんですけれども、そういったことをきちんと追跡調査するということが、今、厚生労働省連携して調査するということが我々に課せられている一番大きな責任だと思っております。  また、レンダリングに回されたえさの経路でございますが、私も、いつのえさだと。これはもう絶対シロとは言えないけれども、これ参考までに申し上げます、参考までに申し上げますが、八月二日までに工場に入っていった牛だろう、こう言われているんですね。だけど、じゃ二日ということを証明しなさいと言われてもその証明ができませんから、我々はこれは絶対シロだということは言えませんと。それからまた、化製工場に行きました。これは先入れ先出しと言うんだそうです。最初に入ったものから出ていくんだそうです。ですから、その観点からも、工場に行ったえさが、二つの事業場に行っているわけですけれども、そこへ行っている可能性は少ないと。参考までにこれは申し上げているんですよ。しかし、そういう絶対シロだと言い切ることが実証できませんので、我々は全部家畜防疫員を立ち会いにつけて焼却処分にするという決定をしているわけでございます。
  110. 紙智子

    ○紙智子君 今、責任の問題ということで述べられているんですけれども、「サーベイランス実施について」ということで、私もこれ見させていただいていますけれども、やはり本当に、マニュアルがなかったというところの問題というのは、本当に行政の責任という問題でもありますし、やはりこれに基づいて実際に取った頭以外の本体はどうするのかということが書いていなかったわけですから、そこのところのやっぱり責任の問題ということでははっきりさせていただきたいと思いますし、それからもう一つ、一応検査はすると。しかし、その中で、狂牛病の陽性が出る可能性がない、実際にはほとんどないというふうに思って対処していたんじゃないかという問題もあるんじゃないかと思うんです。日本は、FAOとかEUなどからも日本狂牛病発生の危険性は高いんだということで警告を受けていたわけですよね。ところが、そういう中でも、いや日本はそういうことはないんだ、安全なんだということを、そういう立場でやってきたという問題がやっぱり背景にあったんじゃないかと思うんです。その点では、やっぱり農水大臣自身の責任の問題ということも私は大きい問題じゃないかというふうに思います。  その上に立って次の質問に移らせていただきますけれども、屠畜場への搬入から解体まで、やはりそういう問題点を踏まえて、すべての段階で、疑われる牛については、やはり検査が終了するまで、胴体というんでしょうか、そこのところの保管義務についても法的に整備すべきではないかというふうに思うんですが、そのあたり農水大臣、それから厚生労働大臣、いかがでしょうか。
  111. 武部勤

    国務大臣武部勤君) EUのステータス評価のことだと思うんですが、ことしの五月にOIEで、国際獣疫事務局というところで新しい基準をつくったんですね、まだこれは実施されていませんけれども。それから、EUの評価については、これは化粧品と医薬品の貿易に影響を与えるという問題で出したというんですけれども、それも、そういう心配はなくなったということで日本はおりましたと。    〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕 そして、新しい国際基準が五月にできましたから、我が国としてはそれで対応していきたいという事務局の報告を聞いて、私も余り詳しくありませんから、新しい国際機関の基準でやるというのがもうすぐ新しくできたならそれはそれでいいなと、こういうふうに受けとめていたんです。その後こういう問題が発生したわけですから、私は、どうあろうとEUの評価も受けるべきであったのだろうと、このように思っております。そういう面については私は専門家でないから詳しくはわからないといっても、結果的にこういうことになっているということは、その責めを甘んじて受けなければならないなと、このように思っております。  それから法整備のことですが、厚生労働省がもう三十カ月以上の牛については全頭、百万頭と言っていますけれども、全頭脳髄をとって検査するという体制をとることにしたんです。つまり、四、五時間でわかるテストをすることになったわけです。ですから、今後、絶対ということは言えないかもしれませんけれども、そういう心配がなくなったということが言えます。まだ、十月中旬からそれは実施するというんですから、それまでの間は農林水産省としては生産者の御理解をいただいて出荷をおくらせてもらうと。しかし、その間のえさ代その他は支援しなきゃならぬということでやることになりましたから、いずれにしても屠畜後の速やかな検査ということになれば五時間ぐらいですか、そういうことで、厚生労働省から御答弁いただいた方が正確だと思いますので、今後、いずれにしましても相互の連携を一層強化して再発防止に努めてまいりたいと思います。
  112. 桝屋敬悟

    ○副大臣桝屋敬悟君) 今、委員の方から検査結果が判明をするまでの間の保管のお話をいただきました。今、農水大臣の方からもお話がございましたけれども、やはり先生おっしゃるように、それは極めて大事な視点だというふうに私どもも考えております。  私どもの方では、屠畜場を所管しておりますのは私ども厚生労働省でございます。と畜場法においては、肉とかあるいは内臓等は検査を終えた後でなければ持ち出しをしてはならないというふうに規定をされておるわけであります。検査結果が判明するまでは、牛屠体、牛屠体というのは、牛の頭、四肢を取り、剥皮したものでございますが、あるいは内臓を屠畜場内に保留するというふうにされているわけであります。  こうした制度を本当に現場において実効あるものにしなければならぬということで、今回、この事態を受けまして新たなサーベイランス強化を図るというふうにしたところでございます。検査結果が出るまでの間、屠畜場内での保管場所の確保についても、先ほども議論がありましたが、努めるようにしているところでございます。  こうした対応をとることによりまして、さらに今回の反省も踏まえまして、家畜保健衛生所とそれから食肉衛生検査所の緊密な連携ということも、現場における緊密な連携ということも含めて徹底をし、双方の検査結果が判明するまでは確実に保留をされるということに万全を期してまいりたいと、このように考えております。
  113. 紙智子

    ○紙智子君 次に、肉骨粉の問題について御質問いたします。  狂牛病に汚染された可能性のある英国産の肉骨粉については、九六年の三月末に輸入を禁止したと。EUからの肉骨粉についても一月、禁止したわけですが、それまでの間、我が国ではこの牛に対する肉骨粉の使用禁止はされてこなかったわけで、これが感染源になった可能性は大きいと。  この点について、最初にお話もありましたが、NHKでの報道がされていて、英国では九〇年以降、日本肉骨粉が三百三十三トン入っていると。私もいろいろ入手した、資料で取り寄せているのがあるんですけれども、それを見ましてもやはり同じような数字をあらわしていると。ところが、我が国統計では輸入されたことになっていないということでの食い違いの話が先ほどもありました。  それで、汚染された可能性のある肉骨粉がどの程度入っているのかということはやっぱり重要な問題だと思いますし、その点ではこの食い違いについては、調べるというふうにさっきおっしゃったんでしょうか、これから問い合わせもしてはっきりさせるということなんでしょうか。
  114. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) EUからこういった輸入の経過があるということを示されまして、私ども統計にはそれはないと、そういった事態が判明して、イギリス家畜衛生当局に対し照会を行って、どういった根拠のデータなのかというふうなことを照会しております。  なかなかまだそういったところでお互いにきちんと突き合わせるようなデータも来ておりませんので、引き続き私どもとしては、二つの統計、関税の際の税関でやる統計と私どもの動物検疫の両方の統計で存在しないわけですので、そういった点、よく向こうの根拠がどういうところにあるのかということを引き続き十分聴取して、実態を調査していきたいというふうに考えております。
  115. 紙智子

    ○紙智子君 いずれにしても、汚染されたイギリス肉骨粉が入ってきているということは否定できないのではないかと思うんです。鶏、豚の飼料としての肉骨粉の使用について、やはり汚染された肉骨粉輸入と流通ということでは、実態がやっぱり例えば第三国を経由しただとか、それからいろんな形で不明確になっている中で疑問の声が多いと。  英国報告書で、この汚染の可能性のある肉骨粉を大量に輸出したと言っているわけで、現在清浄国であるアジアにも感染が広がっている可能性が高いという指摘もあります。日本でも毎年二十万トン程度の輸入があるということでは、生産者、消費者が不安に思うのは、これは当然のことだと思うんです。  汚染されたこの肉骨粉国内に入る可能性が否定できていないという中では、やっぱり輸入もとめることも検討するべきではないかというふうに思うんですが、そのあたりどうでしょうか。
  116. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 輸入骨粉は、先ほど来申し上げております形で、イギリスとか、そこもあるわけでございますが、ほかの国の関係のお尋ねだと思います。今、清浄国といいますか、オーストラリアとかニュージーとか、そういうことでございます。  それで、今こういったものについてどういうふうに評価していくかということでいきますと、私ども各国BSE状況を見たステータス評価というのを進めております。その中で、それぞれの国がこのBSE対策としてどういった措置を講じているかということをベースにした輸入上の対応、こういったことは検討していかなくちゃいけないと思っているところでございます。  ただ一方で、当然SPS協定とか、そういった国際ルールもございますので、そういったものを踏まえながら、これからどういった評価をするかということを進めていくといった今途上でございます。
  117. 紙智子

    ○紙智子君 汚染の危険が少しでもあるものについては、やはり徹底して排除していくようにするべきだと思うんです。今、鶏や豚への使用を認めているわけですけれども飼料工場や輸送中に牛のえさに混入する可能性という問題も先ほど来出されています。  農水省はことし六月にこの混入防止のガイドラインを出したということなんですけれども、これも完全に牛と豚、鶏を別ラインにするということも含めて、混入防止が完全に実施できる保証があるのかということになりますと、そこのところも、やっぱり幾ら指導徹底するといっても本当に担保できるのかという問題があると思うんですね。  ですから、そういう状況があるからこそ、EUでは、鶏や豚用のえさが牛に与えられることを根絶するために、ことしから感染源と見られる動物の肉、骨を原料とした家畜用の飼料を六カ月間全面禁止と、ここまでやっているわけで、そういう意味では今回、我が国でも大手の配合飼料メーカー、こういうところも肉骨粉の使用の中止を決めているわけですから、その意味では、生産から使用現場に至るまで混入防止が一〇〇%できる保証ということでは、期限を区切ってでもこの肉骨粉輸入や使用の禁止について思い切った措置が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  118. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) ただいまのお話は、国内での体制をどうしようかということだと思いますが、まず飼料安全法に基づく、今まで指導でやってきておりましたものを今度は法律に基づく、規制の根拠のあるものにしたということで、こういったものを踏まえて十分飼料メーカー等におきましても的確な対応をしてもらうというのが一点でございます。  それから、これからこのBSE関係といいますか、厚生労働省さんの方でも屠畜場での三十カ月齢以上の牛の全頭検査、これが始まるわけでございます。そういったことが徹底されていきますれば、牛肉であれ、あるいはその肉骨粉といったそういったものであれ、非常に危ないもののそういった流通といいますか、それは非常に、何といいますか、心配なくなってくるわけでございまして、そういったところでの万全の対応をしていくということが一つ対応であろうかと思っています。  それから、今、鶏ないしは豚等といった飼料には肉骨粉が使用されておりまして、これは今までのいろいろな、世界保健機構等のいろいろな実験結果でもそれは安全であるということでございますから、そういった安全なところに安全な肉骨粉を使っていく、それをきちんと的確にどうやって担保していくかということでございますので、そういうことを、今までに申し上げたようないろいろな飼料安全法の規定でありますとか、あるいは肉を食料とするときの対応でありますとか、そういうことを十分対応することによってその安全性を確保していきたいというふうに考えているところでございます。
  119. 紙智子

    ○紙智子君 次の問題に移らせていただきます。屠場での全頭検査実施の問題です。  これは、厚生省が三十カ月以上の牛の全頭検査の体制ということで、このこと自体、非常に重要だというふうに思います。それで、年間百三十万頭の牛が処理される中で、この検査体制の整備というのがやっぱり急がれているわけですが、現在、と畜検査員の数は全国的に二千三百七十三人ですね、それで対応できるのかという問題、それから体制強化、そのことも含めて全体をどういうふうに考えているのかということについてお聞きします。
  120. 尾嵜新平

    政府参考人尾嵜新平君) 先ほども御質問にお答え申し上げましたが、御指摘のように、年間ベースで申し上げますと、これまでの実績から考えますと、三十カ月齢以上の全頭ということになりますと、私どもの推計では百万頭ぐらいではないかと。ただ、今年度は十月の下旬ということで考えれば、若干、それよりも半分ぐらいかなという推定はしているわけでございますが、御指摘のとおり、検査体制に当たりましては、一つは人的な関係一つはシステムの問題、一つは設備の問題、そういった事柄で十分対応できるようなことを考えていかなければいけないというふうに考えているわけでございます。  そういうことで、先ほどもお答え申し上げましたが、来週にも都道府県の担当課長会議を開きまして、そういった対応をするためにまずシステムをつくっていただきたいというふうに考えておりまして、検討をお願いしようと思っております。  同時に、十月に入りまして早い時期に、こういった導入いたしますスクリーニング検査の技術を習得していただくということで、そういった研修実施したいということで、できるだけ多くの方、県が希望なさる体制をつくる上で必要な人員の研修というものを受け入れて実施を行いたいというふうに考えております。そういった検査のための機材につきましても設備整備を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。    〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕  いずれにしましても、そういったスタートをする時点で人員、設備等、十分体制を整えた上で全国一斉にスタートをしなければならないというふうに考えておりますので、今後とも農林水産省の方の御協力も得ながら、最大限の支援都道府県等にしながら体制を整えたいというふうに考えておるところでございます。
  121. 紙智子

    ○紙智子君 と畜検査員が獣医さんの資格を持たれているんですよね。九七年のときには二千四百六十七人だったわけですけれども、だんだん減ってきていまして、今、二千三百七十三人ですから、九十四人この間減っていると。しかも、食品衛生監視員も併任している方もいるということでは、専任で見ますと千三百四十一人なんですね。  ですから、保健所の職員なんかも動員するとかということも言われているわけですけれども、今、緊急の体制として取り組むということもあるんですが、いつまでも保健所の職員を動員するというわけにもいかないというふうに思うんです。ほかの業務も影響も出てくるということでは、やはりこのと畜検査員の増員というのは私は不可欠だというふうに思いますので、ぜひその点も考えて対策を打っていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
  122. 尾嵜新平

    政府参考人尾嵜新平君) と畜検査員の数については御指摘のとおりでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、今回十月からスタートするというふうに考えた場合に、緊急の対応からまずスタートせざるを得ないというふうに考えているわけでございまして、御指摘の保健所の職員あるいは私ども地方衛生研究所なりも検査の能力があるわけでございますから、そういったところの職員、今のそういった現に資源としていらっしゃる方たちを十分活用しながら、県の中でそういった検査体制に必要な人員というものの御検討をいただきたいというふうに考えておるところでございます。  こういったものが、それ以降も続けて体制を整えていくということが必要でございますので、そういったときには都道府県の状況をよく聞きながら適切な判断をしてまいりたいというふうに考えております。
  123. 紙智子

    ○紙智子君 それじゃ、最後になりますけれども、やはり生産者への補償問題と、それからやっぱり関係自治体への支援の問題です。  それで、風評被害の問題も出されていますが、佐呂間で、さっき大臣の話もありましたけれども、佐呂間ブランドについてはストップするというような話が出ていたり、あるいは先日は、千葉白井市では、今まで契約していた業者の方から、もう牛乳はうちは引き受けないよということで言われるとかいうような事態も実際に出ている。  これから後の風評の問題も心配されています。関係自治体の負担の問題もあります。その意味では本当に万全を期す必要があるというふうに思っていまして、去年は口蹄疫が発生したときに、北海道の本別町ですね、ここの担当者の方からもお話聞いたんですけれども、本当に大変な御苦労をされているというふうに改めて私も思いました。  病気の中身は違いますけれども、消毒体制の問題なんかも含めて、朝本当に早くから夜遅くまでたくさんの人たちを確保してやりくりしなきゃいけないということでは、全体では四千人ぐらいの方を動かしたそうなんですけれども、そういった人的な体制の問題とか、それからお金も相当かかったそうなんですけれども、この担当の方はもう本当に点滴を打ちながら事に当たったという話もされていましたけれども、そういった意味では、やっぱり国がもっとそういう点では主体となってこうしたことについても財政面、人的な面で責任を持って対応してほしいんだという声も出されておりました。  生産者が安心して営農を継続するためにも、そしてこの感染が拡大して生産者への損害が出た場合の補償問題とか、自治体への支援ということではぜひ万全を期していただきたいということを言いたいと思います。
  124. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 紙委員は御承知で言っていると思うんですけれども、口蹄疫は空気伝染もするんですね。牛がくしゃみしただけでうつるんです。牛舎へ入っていった人の長靴にそのウイルスがつけば、その長靴を履いたまま自分の牛舎へ行ったらまたうつるんです。だからあれは全部、六百頭余りだったと思いますが埋設したんです。それはもう悲惨なことですね。私も知っていますから、その悲惨さというものはそんな言葉に尽くせるものじゃありません。  そしてあのときも、そういう徹底した対策を立てているにもかかわらず、どんどん人の口から口へ、もう完全に村八分みたいになるわけですから、本当にもう精神状態もおかしくなる。そして、その町全体が蔓延しているかのようで、伝染病にみんな侵されているかのような話が次から次と伝わっていくんです。あのときも、マスコミ報道の報道ぶりに地元の人たちは本当にもう泣かんばかりに、悔しさで怒っておりました。  今度のこのBSE感染がどういう経路で行われるかというのは、もう御承知のとおり、BSE感染牛を材料にして肉骨粉をつくった、その肉骨粉をえさとして口から入った場合にうつるということがはっきりしているわけですね。ですから、今四千人とかなんとかとおっしゃいましたけれども、佐呂間町ではそんな状態になっていますか。生産者は、この事実関係だとか技術的なことだとか専門的なことを知っている人たちは、みんな冷静になってくださいということを皆さん方言っているんですよ。ですから、私は、そのことを我々は一番気を使わなくちゃいけないと思うんです。  先日も記者会見で、十日に対策本部を置いて、きょう十八日ですと、それで私は、五千八百人の獣医師さんたちが全国四万五千頭の牛なども追跡調査しているんですと、そういう話をして、それを一遍に、北海道は全部、北海道はもう行き先だけで報告ですから、今度は農林水産省はその報告を受けて全部裏をとっていかなきゃならないんですよ、各県通じて。ですから、一週間、十日で何もかも全容を解明するということは、それはなかなかできませんと。農林水産省の職員も不眠不休ですよ。厚生省だってそうでしょう。それから各県も、北海道だとか千葉県だとか大変な状態なんです。  ですから、むしろ私どもお願いしたいのは、そして私は失言、失言と言われているんですからね、そういうことを言うと。全体のことを言わないで、まだ十八日じゃないですかと言ったところだけばっとテレビで大きくとらえて、そして失言と、こういう表現なんです。  一番私ども心配しているのは、正確な情報を我々自身も迅速に発表させていただきますし、そして対策についてもきょう相当お示しさせていただいたと思います。EU並みに、もう三十カ月以上の牛については全頭数検査するという体制もとります。さまざまな支援策をとらないと、お金もかかります。しかし、それもやっていきますし、これからどんなことが出てくるかわかりません。それに対しても徹底したことをやっていかなきゃならぬという、そういう決意で今臨んでいるわけでございまして、責任追及は結構でございます、甘んじて受けますが、今の紙さんの御発言を、佐呂間に行ってきたと、四千人がみんなあのときは総動員したと、本別ですね。それと同じようなふうにとられると、本当にそれは大変なことなんだなと、こういうふうになりまして、かえって佐呂間の皆さん方もそういうことについてもう少し冷静な対応をお願いしたいと。もう佐呂間の皆さん方はそうですよ、町長さんは獣医なんですから、だから我々も怒られるんですよ。  そういうふうなことをちょっと、私も地元ですから、地元ですから地元の立場でちょっと紙さんの今の御発言について感想を述べさせていただきましたけれども、これはお願いですから、事実を事実としてとらえてください。もう徹底してやるんですから、しかもなお絶対ということはないと思って我々はやるんですから、何が起こるかはわからないと、予期しないことが起こるんだと。  同時に、そういうことで我々やりますので、問題は、こういうようなことが二度と起こらないようにすること、原因を解明すること、そして風評被害などで苦しんでいる人たちに安心してもらうように、生産体制に入れる、消費者皆さん方にも大丈夫なんだなと、そういうふうなことをどうやって我々伝えていくかということで苦労しているわけでございまして、そのことを御理解いただきたいと思います。
  125. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。  私は、質問通告を二日前にいたしましたんですが、その後いろんな情報をいただきまして、あるいはきょうのこの質疑でいろんな基本的なことをお話しいただいて大分理解もいたしましたので、私、通告したものに対してちょっと握り方を変えて変化させるかもしれませんが、その辺はひとつお許しを願いたいと思います。  いろんな対策をなされているということをお聞きいたしまして、大変御努力されているのはわかるんですが、ここでひとつ、端的に言って、今当面やっぱり牛肉というのは流通しなくちゃいけないわけでございますけれども、畜産農家といいますか酪農家、肉牛を出荷する人の立場を考えた場合、今そういう人たちが自信を持って市場に牛肉を出せる、出荷するようにするにはどういうふうに解釈したらいいのか。今までのことの逆の、今まで御説明された中にあるかもしれませんが、いわゆる何カ月齢といいますか、そういうものに達する、ここより前のものは出してもいい、あるいは出してあるいは試験場で検査されるのか、それで流通しているのか、その辺の、生産農家が今どういうふうな状況なら出せるかということをちょっと御説明いただきたいと思うんですけれども
  126. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 我が国で生産されております牛肉ですね、牛肉消費者皆さんから見ても安全だと理解され、それから生産者の皆さんがそれをやっぱり自信を持って出せるという、それをとにかく早くつくるということが第一じゃないかと思っております。  そういう意味で、昨日、厚生労働省の方で屠畜場屠畜検査を三十月齢以上の全頭やるといった対策とか、それから、私どもといたしましてもそういったいろんな影響の中で支援をしていくという、そういう対策を打ち出したのは、まさにそういう意味で生産者の皆さんにも十分安心といいますか、そういった中で生産をしていただきたいということで対応はしたものだと思っております。
  127. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 今のお話ですと、今は生産者は自信を持って出せない状態にあるということですか。
  128. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) そういう意味ではございませんで、やはり市場評価というものが生産物は出るわけですから、そういった市場の方で安心して評価してくれるということでやっぱり前提というものが要るのじゃないかという意味でございます。
  129. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 この辺は幾ら言っても食い違いがあるかもしれませんが、私の関心といいますか、いわゆる肉牛なんというのは、昔を思い出しますと、今でもやっていると思いますけれども、品評会をやって生産者は自信を持っておれの肉はいいんだというのが生産者の心意気だったと思うんですね。そういう状態が、今のお話ですと、先ほどからのお話を聞いておりますと、検査しなきゃいけないというような状態で、今のこの状態というのは、武部大臣もちょっと触れておられましたけれども、生産者が相当冷え切っているといいますか、何か自信が持てない状態になっているんじゃないかなというような感じがしてしようがないわけです。ちょっと待ってください。  質問はちょっと変わりますけれども、要するに私の経験では、やっぱり今回例えば廃牛になるとかああいう状態になったときに一番寂しい思いというか悲しい思いをしたのは生産者だと思うんですよ、自分が長い間育ててきたものをいっちゃうわけですから。生産者なんて、御存じのとおり畜産なんというのは兼業できないわけですよね。牛が命なんですよ。そういう人たちが本当にいい肉をつくって自信を持って出せるという気持ちでやっているわけですね。  そこで、僕は、今回のこの狂牛病というのは言うなれば二番せんじといいますか、言葉は悪いかもしれませんけれどもイギリスで出た後の発生であるわけですから、一回目から、今度発生する前にどこに一番安全対策といいますか、どこを一番こういう病気に対する心配を教育すべきであったかといえば、私は生産者じゃなかったかなと思うんですね。当然やったと怒られるかもしれませんけれども獣医さんはこれは当然必要ですけれども、お医者さんは伝染病が入ってくるのは、治せないですよね。入ってきてから治すわけですよ。そういう面から、これを責任追及するわけではないですけれども、要するにこれだけたくさんの牛を健全に育てるにはやっぱり直接携わっている人、そして愛情を持ってやっている人、そういう人たちにどういうふうに情報公開といいますか、どういうふうにきちっと教育していくか、情報を伝えるかということが僕は一番大事じゃなかったかなと。  この辺について、今までの特に、僕は責任追及するつもりではないんですけれども、これからどういうようなふうな、こういうことについてどういうふうにお考えか、ちょっと御答弁をお願いします。
  130. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 生産者はもう十分な知識を持っています、特に専業農家の場合は。したがって、自分の牛に万が一のことが出ないように、えさについて十二分に注意しながらやっているはずです。したがって、こういう問題が起こったということで非常にショックなんですね。ですから、えさはどうだったのかということが一番大きい問題だと思います。そのことについて今、法的規制で牛のはもうヨーロッパからも入ってきていません。これは英国だけじゃありません。今の時点でヨーロッパから肉骨粉は入れないという、そういう輸入禁止もしております。  そして、なおかつ、あと国内の問題についても、先ほども生産局長から申し上げましたように、生産過程についても法的規制で、ラインもきれいにしないで万が一まざっているような、混入しているような状態のときには罰金だとか懲役だとかというような、そういう法的規制も盛っております。今後そういったことを起こさないということが大事であります。  同時に、屠場に出した牛、これは大丈夫だということを迅速に判定するということで、厚生省がこの十月半ば過ぎから三十カ月以上の牛は全頭数検査するということでありまして、それまでの間は農林水産省が生産者に御協力いただいて出荷を繰り延べてもらうというようなことをやるわけです。  サーベイランスの問題がありましたから、そのことについては、もう疑いの残されているものも、そうでないものも焼却処分すると、そして検査するというような体制をとっているわけでございまして、その両面から早く体制をとって、情報徹底公開していくことによって生産者は自信を持ってくれると思いますし、問題は、肉が出る、牛が出荷されるという環境をつくることだと思っております。
  131. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 私、持ち時間が少ないものですから、今の大臣の御議論、御答弁については、またいろいろな角度からもありますけれども、ここでは次の質問に移らせていただきますけれども、要するに生産者が十分知っていて、それでなおかつ出たとすれば、どこかでごまかされているんですよね。そうしたら、そこを今度は追及しなきゃいかぬということになると思うんです。
  132. 武部勤

    国務大臣武部勤君) それを今やっているんです。
  133. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 はい。  それで、次の質問なんですが、これは狂牛病そのものについてなんですが、どうも私は、これはイギリス肉骨粉原因だということになっているんでしょうけれども、基本的にいわゆる牛というのは、何万年、何十万年か何億年か知りませんけれども発生して以来、草食動物で来たわけですね。それに、あるとき、人間の都合で、味がいいからといって瞬間的に、瞬間的といいますか、歴史の長さからいったら本当に瞬間的ですよね、そこで肉食動物、それも共食いをさせようというような状況なわけですよね。これは自然の摂理からいって、変なことを言いますけれども、合うわけがないと思うんですね。  その点で、これからまだ肉食は続けさせようというような御意向があるような、国内でも、同じ牛から牛は別だけれどもというようなお話ございまして、これは別として、私はこれと関連して一つ心配になりますのはクローン牛です。  これも病気とは関係ありませんけれども、いわゆる今まで長い間の自然の摂理とちょっと違えた発生をさせているというものだと思うんですが、まず最初に、これ、そういう心配をする人はいっぱいいると思うんですが、今クローン牛というのは市場にどのぐらい出回っているんでしょうか。
  134. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 市場といいますか、出生頭数という形で見てみますと、一つは、クローン牛、二つございます。受精卵クローン牛でございますが、十三年八月末現在でいきますと、出生頭数、受精卵の場合には五百九十七頭でございます。それからもう一つ、体細胞クローン牛というのがございますが、こちらも同じ時期で出生頭数が二百五十三頭。もちろんそれぞれ、生まれた後病死するとか事故死とかそういうものはありますけれども、出生頭数という形で現在のカウントをすれば今のような状況でございます。
  135. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 ヒアリングのときにお聞きしたら、市販されているのもあるというようなお話を承ったんですけれども、私は別に食べちゃいかぬとは言わぬですし、こういうことは人間の科学の進歩であり得てもいいと思うんですけれども、今度の狂牛病の一件などを見ていますと、きちっと追跡できるような、常に追跡しておかなきゃいけないんじゃないかなと。こういうクローン牛なんかについても、これはよくわかりません。第一世代ができて、第二世代はもう普通の牛と一緒になっちゃうのか、あるいは親の遺伝子を引き継ぐのか、それはわからないと思うんですけれども、わからない要素がいろいろありますから、そういうのは追跡していく、きちっと追跡できるような体制で取り組まなきゃいかぬと思うんですけれども、この辺について大臣の御所見、もしありましたらお聞かせください。
  136. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 岩本先生の御議論は非常に大事な問題だと、このように思っております。  私ども、食料の安定供給ということを使命にしておりますけれども、単に食料の自給率向上ということも、地産地消とか国内でもいろいろ問題があるわけですから、目に見えるところでやっぱりきちっと対応策が確立できるような、そういう努力はしていかなければならないと。  今、クローン牛について、私、専門的な知識を持ち合わせませんが、先生の御指摘は大事な問題と思って受けとめて、省内で検討していきたいと思います。
  137. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 その辺はよろしくお願いいたしたいと思います。  最後に一つだけ、これは狂牛病関係ないんですけれども、先ほど大臣も言われた予期しないことだということで、いわゆるアメリカの同時多発テロ、これは大変痛ましい事件で、こういうものは、本当にテロというものを絶対絶滅しなきゃいかぬと、私はそういう気持ちで強い怒りを持っているんですが、それとは別に、非常にいろんな市場にしろアメリカが混乱しているようなニュースもお聞きするんですが、その点から考えますと、日本の農産物というのは非常にアメリカに依存しているところがあると思うんです。その辺で、今の食料事情に対して今のアメリカの状況、これは日本にどんな影響があるのか、全然影響がないのか。影響がなけりゃないで結構なんですけれども、こういうことを心配している人が随分おると思うので、この辺を。  だから、したがって、私は非常に残念なのは、私は自給率向上派でございますけれども、そういうものを、こういう一つ何か、こんなことは起こっちゃいけないことですけれども、予期しないことが起きたときにそういうことを心配しなきゃいけない。食料というのは人間の生きる上での基本的なものであるにもかかわらず、そういうことまで心配しなきゃいけないということは、自給率向上の議論にも一つ波及するんじゃないかなというふうな気がするんですが、その辺をちょっと御答弁をいただきたいと思います。
  138. 西藤久三

    政府参考人西藤久三君) 先生御指摘のとおり、我が国の食料供給の六割が海外に依存しているという状況にございます。また、農産物という点でアメリカからの金額ベースでの輸入割合を見ますと、四割弱はアメリカから入ってきていると。特に、基礎的なと申しますか、穀物類、小麦あるいは大豆、トウモロコシ等はアメリカからの輸入がいずれも過半を占めるという状況でございます。  私ども、今回の事件が発生して直後に、大臣を総括本部長遠藤大臣本部長とする農林水産省米国多発テロ事件対策本部を九月十二日に設置しておりまして、今回の事件の農林水産関係、食料関係への影響の関係者からの情報把握に努めてまいりました。  これまでの情報では、農林水産物の日本への輸入に大きな支障という形のものは出てきておりません。そういう点で、特段の問題はないというふうに思っております。と申しますのも、我が国の例えば小麦で申しますと日本への輸出港は西海岸でございますし、トウモロコシ、大豆等もメキシコ湾岸から輸出されております。それらの港湾及び資金の決済状況等途絶することがなく継続したこともありまして、現在のところ状況に大きな変化は出ておりません。  しかし、いずれにせよ、こういう状況でございますので、私ども、正確な状況の把握に努めるとともに、それの提供に今後とも努めていきたいというふうに思っております。
  139. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 時間が参りましたので、終わります。  どうもありがとうございました。
  140. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 中村敦夫でございます。  この狂牛病問題がマスコミで取り上げられるようになってから、普通の市民からたくさんの問い合わせが来ます。正確に答えなきゃいけないということの責任があるわけですけれども、さまざまなタイプの質問なんですが、意外と、単純な初歩的な質問ということをよく考えてみると、断定的に答えにくいんですよ。それで、基礎知識として言葉の定義について最初ちょっとお伺いしたいと思います。  最初は農水省にお願いしたいんですけれども、例えば、潜伏期間のある伝染病というのは細菌が体の中に入ればもうそれだけで陽性ですし、感染したということになっていますね。今回の場合、異常プリオンに汚染された牛の肉骨粉、これを食べた牛は食べた時点でもう既に感染ということになるんでしょうか。
  141. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) イギリス発生状況がある中で調査した結果がございます。いわゆるBSE発生農場で同居した牛でございます、農場で一緒にすんでいる牛ですね、発生した牛と同じ農場で同居している牛、同じえさの環境にあるというふうに考えていただいていいですが、そういったすべての牛が発症しているわけではないということになっております。これはなぜかといいますと、このBSEにはやはり感受性というのが多分ありまして、牛の年齢とか個体差ということによるんじゃないかというふうに考えられております。  それで、イギリスBSE発生農場一戸当たり発生頭数はどうかといいますと、一九九二年から九三年のピーク時、このころが約三%であったというふうになっております。
  142. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 私は発症のことを聞いているんじゃなくて、とにかく汚染された肉骨粉を食べたらば既にそれが感染になっているのかどうかということなんですね、その時点で。それはどうなんでしょうか。
  143. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 私も専門家でないですからわかりませんが、これはウイルスではないんですね。異常プリオンを口から入れた場合に感染する可能性があるということですから、入っただけで感染したかどうかということは言えないと。実際にイギリス農場では三%の同居の牛、つまり同じえさを食べている牛の三%にBSE感染牛が出たと、そういうデータなんですね。ですから、食べただけで感染したかどうかということについてはわからないということですね。
  144. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 失礼しました。  感染したかどうかということのメカニズム、これ自身わかっていないというような状況でございます。
  145. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 ですから、普通の伝染病の細菌のように感染という概念がはまらないというふうに理解していいんですか。
  146. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 必ずこれを食べるとかこれに接触すれば感染すると、そういったようなメカニズムになっているかどうかということ自身がまだ解明されておりません。
  147. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 これは同じ質問ですが、牛ではなくて今度は人間の場合ですけれども厚生労働省にお聞きしたいんですけれども狂牛病感染した牛の汚染部位を食べた人間ですね、これが必ず感染したということになるのかどうか。やはり、これは牛のメカニズムと同じように人間もわからないということなんでしょうか。
  148. 尾嵜新平

    政府参考人尾嵜新平君) 私、臨床家ではございませんが医者の免許を持っておりまして、私のつたない医学的知識から申し上げますと、人の伝染病で申し上げますと、人の体に細菌が入ってきたとした場合、可能性は幾らでも入ってくる可能性はあるわけでございますが、入ってきても、それが増殖をしてある細胞組織に障害を起こすといいましょうか、そういったことによって発病する、こういう一連のメカニズムの中で発病しなければ、菌は入ったけれども発病しなかったというふうなことになるわけでございます、臨床的な診断としまして。ただ、菌が入ったかどうかという、入ったということを、例えば検査でその細菌の抗体を調べて抗体が上がっている、だからこの細菌については感染をした、この人の体の中に入ってきたなというのは確認できると。しかし、厳密にそれをどこまでを感染という言葉で表現するのかというのは非常に、なかなか難しい議論でございます。  それで、私、御質問の関係についてお答え申し上げますと、BSEにつきましては人への感染性については、一九九六年に英国の海綿状脳症諮問委員会におきまして、従来のCJD、クロイツフェルト・ヤコブ病と言われていますが、と比較しまして、例えば若年層に発生する、従来と異なってそういう世代に発生する、あるいは症状が異なるというふうなことで新変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病というふうに言われておりまして、そういったものが確認されたということでありますが、直接的な証拠がないが牛の危険部位を喫食したことに関連があると、当時そういうふうなことが指摘をされたわけでございます。その後、動物実験におきましても、BSEといわゆる新変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病というものの原因が同じであることが示されているわけでございます。  本年の七月時点で私どもが聞いておりますのは、英国ではおよそ百名の方々がそういったことによって感染をしお亡くなりになったと、それ以外の国でも四名のそういった患者さんの亡くなった報告があると言われておりますが、BSEの牛の摂食との関連が疑われているということはそうでございますが、御質問のようにすべて発症するのかと言われますと、今申し上げたような方が確認されたわけでございまして、それ以外の方は出ておらないということになりますと、すべてが発症するわけではないというのが事実のようでございまして、感染という言葉で御質問されますと、なかなか私も的確にお答えが難しいというところでございます。
  149. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 実はその質問が一番多くて困っているんですよ、これ。つまり、今、三十カ月前であった場合は比較的安全というような、そういうムード的な言葉で牛肉を食べても大丈夫だというふうな説明があるんですけれども、それならば、それはつまりその牛が発症しないという安全性が三十カ月前だという想定ですよね。そうすると、例えばその牛が感染ではないけれども異常プリオンの入った肉骨粉をずっと食べてきた若い牛だと、そしてそれが食肉になる、それを人間が食べてもこれはもう絶対大丈夫なのかという質問が多いんですが、これはどうでしょうか。
  150. 武部勤

    国務大臣武部勤君) まず、私の方からお答えしますが、英国のマウス接種による実験、テストでは、狂牛病になった牛の脳と目の網膜と脊髄と、それから小腸の一部に感染性が認められたと。ですから、それ以外の肉だとか牛乳だとか乳製品だとか肝臓だとか胃だとか、そういったものは感染性は認められないというようなことで、OIEの基準でも、その部分は輸出できませんよ、しかしそれ以外のものは輸出しても構いませんよという基準になっております。しかし、今、日本はもう英国発生してすぐ輸入を禁止しています。今はヨーロッパも禁止しております。ですから、今、少なくとも英国ヨーロッパからそういったものが入ってくることはない。問題は国内、欧州とかアメリカとかありますけれどもね。  ですから、随分その感染だとか恐怖感が伝えられますけれども、なぜ安全かというようなことは、そういう権威があると言ったらまたおしかりを受けるかもしれませんが、そういったところの長い経験、臨床といいますか、そういう試験結果からそういうものは認められないということでございます。
  151. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 これは厚生労働省に簡単に答えていただきたいんですけれども異常プリオンが何らかの形で人間の体の中に入っているということは検査可能なんですか。
  152. 尾嵜新平

    政府参考人尾嵜新平君) 現在、生きている状態でそういったものがあるかどうかということを検出する検査法というのはないという状況でございます。
  153. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 今度は農水省にお聞きしたいんですけれども、これは七月一日のある大きな新聞の記事だったんです。それで、輸入の問題というのは数字が錯綜してどれが本当なのかわかりませんけれども、この新聞によれば、イギリス側の記録によると、日本イギリスから牛と羊の肉骨粉を八八年には三百四十九トン、八九年には三百五十トン、九〇年には二百六十二トン輸入をしたというふうに書かれているわけですね。一方、日本側では全くそういう記録がないというふうに説明しているわけですね。  この整合性をさっきからいろいろ問題になっていますけれども、何年に何トンというこの数字は確かなんでしょうか。もしそれが違うのであれば、じゃ日本に残っている記録というのは、さっき関税の記録だとかそういうのにありますけれども輸入肉骨粉というのは何トンというふうになっているんですか、日本の記録では。
  154. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 今のイギリスからの肉骨粉ということでありますと、八〇年以降英国からは輸入実績はないという、これが日本の方の統計でございます。
  155. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 そうしますと、これをヨーロッパに置きかえたらば、この八八年、三百四十九、八九年、三百五十、九〇年に二百六十二トンというのは、ヨーロッパの記録ではこの数字でいいんでしょうか。
  156. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) そのヨーロッパの記録と日本側の記録に整合性がありませんので、そのヨーロッパの方の記録がどういったところからとられたか。特にイギリスの場合には向こうの家畜衛生当局に照会なんかをやっていると、そういった状況でございます。
  157. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 しかし、じゃ、ヨーロッパの方では日本に輸出したという数字はわかっているんでしょう、そちらも。それはどのぐらいなんですか。
  158. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 私どもが今手元に持っておりますのは、先ほど来の議論があります九〇年から九六年までが三百三十三トン、これはEU統計です、EU統計としてありますが、今、委員がおっしゃっています八九、九〇、ちょっとこれは手元にございませんので、これはまた確認させていただきます。EU統計でどういう統計なのかちょっと確認をした上で、また改めて御答弁させていただきます。
  159. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 肉骨粉というのは非常に問題になっていますから、こういう数字がきっちり統一した形で発表されないと、何かおかしいんじゃないか、いろんな数字をいじくり回してごまかしているんじゃないかというすごい疑いが高まっているんですよ。  ですから、大体、イギリスでもいいですよ、EUからでもいいですから、どこから何トン、何年と何年の間に総量で日本に輸出したと、それが日本で認める認めないにかかわらず、向こうはこの数字を発表していると。私はさっき聞いたので。  それじゃ、日本での記録では何トン輸入したのかということだけはわかるでしょう。
  160. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) 貿易統計上、EUから日本輸入している統計は当然ございます。今、先生がおっしゃいました、EUの方でこういう数字ですよということで日本側と整合性のないというものにつきましては先ほどの三百三十があるわけでございますが、日本側として関税統計EUから得た数字は、これはきちんと整理して公表しております。
  161. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 数字を言えばいい。
  162. 小林芳雄

    政府参考人小林芳雄君) はい。  これは、EUからの肉骨粉輸入状況でございますが、ずっといきますと、八六年、これが五トン、八七年、百五十七トン、八八年、百五トン、九〇年、三百九十四トン、九二年、四十七トン、九三年、二十トン、九五年、二十一トン、九六年、百五トン、九七年、六十トン、九八年、五千二百二十二トン、九九年、一万九千四百三トン、これはイギリス以外のEUの数字でございます。
  163. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 中村敦夫君、お時間ですので簡潔に。
  164. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 はい。  このことを公式見解としてきっちり、どこがどう違うのか、イギリスはなぜああいうことを言っているのか、EU日本との立場がどう違うのかということはまずはっきりさせていただきたいし、日本にこれだけ入ってきたということがわかるのであれば、それからの流出経路、これが追跡できるのかできないのかも調べてほしいんですね。  無理やりこれからやりますといったって資料がなければできないんだから、できないのならできないというふうにはっきりしてもらわないと不安というのはどんどん高まりますので、よろしくお願いします。  終わります。
  165. 武部勤

    国務大臣武部勤君) 資料がなければ追跡できないということだけではなくて、EUからは今は入ってきていないんです。これからでき得る限りの追跡はしなきゃならないと、このように思っております。  それから、先生はいろんな方とお会いすることがあるでしょうし、いろんな方から御疑問あるでしょうけれども、牛から牛への経路は日本ではないということだけはきちっとお伝えいただきたいと思います。牛から牛には与えません。今度は法的にも、何度も言っていますように、罰金を科したり懲役を科したりということになりましたのでね。  前段のことはでき得る限りの追跡調査をしなきゃいけませんし、数字が違うというのは、もう農産物、いろいろ、中国との関係でも随分違うんです。どこにどうしてそういう違いが出てくるかということも含めまして、でき得る限りの実態は明らかにしなきゃならないと思っています。
  166. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十八分散会