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富樫練三君 意見を
反映させているというふうに言いますけれども、例えば川辺川ダム
事業についての答申、いわゆる再
評価書、これとか、あるいは川辺川の国営かんがい排水
事業、これは九州農政局が出したこれもいわゆる再
評価書です。
よく読ませていただきました。経過はよく書いてあります。それから、
事業を進める側の主張はよく書いてあります。だけれども、先ほど私が言ったような住民の声は残念ながらここには
反映していないんですね。この点はやはり私はこの機会に
改善すべきだろうというふうに思うんですね。
要するに、
事業が中止したりあるいはとんざしたりという例はたくさんあるんですけれども、大体この原因は共通しているんですよ。それは、工事
段階や着工前の
段階、事前
段階できちんとした
評価を行っていないこと、ともかく
予算をつけて見切り発車でスタートさせたところ、ここのボタンの最初のかけるところからずれているわけなんですね、住民の皆さん方とは。あとは工事をやりながら時間をかけて説得をすると、これじゃだめなんですね。工事が始まる前にみんなが納得していなくちゃいかぬということだと思うんですね。
そういう点で、私は、欧米にやっぱり大いに学ぶ必要があるんじゃないかと、こういう
事業のやり方については。
例えば、公聴会一つとっても、アメリカの場合は
評価の各
段階で住民の意見が
反映されるような公聴会をやるんですね。
事業推進の側と反対の人もいるわけですから、意見を十分
委員が聞いて、そこで時間をかけてまとめていくということとか、オランダでもイギリスでもそうですし、カナダでは必要なだけ公聴会を開く、何度でも開くということですね。環境
評価の自主
調査を行う住民の団体に対しては連邦
政府から補助金が支給されて、そういう住民団体がいろいろ活動をできるということとか。日本の場合、決めつけちゃ申しわけないんだけれども、私も何度か出たことがあるんですけれども、公聴会というのは、名目は公聴会なんだけれども、その
事業を進める官庁側は一生懸命
説明するんですね。住民も言うんだけれども、意見は聞いておくということで、
事業は進めさせていただきますと。これは公聴会じゃないんですね。そういうやり方はやっぱり改めるべきだろうと。
どうも、この
事業を進める官庁側に、住民を説得する場所なんだと、こういうふうに意見を聞かせていただく場所じゃなくて説得する場所だという勘違いがあるように感じるわけなんですね。
情報公開や
説明責任という点でも、やっぱり欧米に大いに学ぶ点があるんじゃないかと思うんです。アメリカでは、アセスの準備書面、それから
評価書、さらに住民から寄せられた意見、審査会の議事録、
評価にかかわる基礎的な資料すべて、こういうものは全部公開になっているんですね。ですから、住民はそういうのを全部よく読んでみて、この
事業はどういう価値のある
事業なのかということを
理解して、さらにその上でほかの方法はないものだろうかと、こういうこともやった上でその
事業に参加していくと。ですから、住民は説得されるものではなくて、むしろ
事業に参加すると、主権者として、こういうふうに見ないとやっぱり間違えちゃうのではないかというふうに思うんです。
ドイツの場合は環境情報公開
制度、こういうのがあると。カナダの場合なんかもいろいろ
制度があるんですけれども。こういう点を見たときに、やっぱり住民参加という点からいえば、関係地域の住民、ダムの場合でいえば、水没地域を含んで、それから流域の漁民ですね、その川で漁業をやっている、あるいは漁協とか、それから利水者、農家とか農協とか、それから環境団体あるいは自治体の関係者の皆さんと本音でちゃんと話し合える、こういう条件をどうつくるかというのは
事業者側の責任なんだと、こういうふうにしなくちゃいけないと思うんですね。
情報公開という点では、やっぱり環境アセスメントをしっかり行うということで、住民や団体の求める情報はすべて公開すると、こういう態度が信頼関係をつくる上で大事だというふうに思うんですね。そうやって初めてこの
法律も生きたものになるし、そういうことが今度の川辺川ダムや土地改良
事業にもきちんと生かされると、こういうふうにならなきゃ私は
法律をつくった意味がないというふうに思うんですけれども、この点について、ぜひ主張をしておきたいと思います。
時間がちょっとぎりぎりになりましたので、警察庁もおいでいただいていますので、警察庁に最後に一問伺いたいと思います。
実は、奈良で県警の事件が起こりました。これは大変な事件でありますけれども、この事件について弁護士の中坊公平氏はこういうふうに言っているんですね。警察は権力を持っているだけに腐敗しやすく、情報公開も最もおくれている。今回の問題は刷新
会議の提言を受けて警察法が改正された後も続いていたことになる。一体、提言をどう受けとめているのかと。それから、ジャーナリストの大谷さんという方は、奈良県警は、一月に疑惑が発覚して以来、逃げやごまかしばかりだった。新潟県警などの一連の不祥事について、現場から全く反省も体質
改善の意図も感じられない。綱紀粛正といってもかけ声だけで、警察という
組織には自浄能力がないことを露呈した。刷新
会議は公安
委員会による
監察の
権限強化を提言しているが、何の役目も果たしていない。外部
監察の
制度を真剣に考えなければならない、こういうふうに言っているんですね。
最後、一言なんですが、
長官、今度、
政策評価法に基づいて、こういうことが
国民から非常に厳しい批判が出されていると、ここが
改善されていかなければこの
法律をつくった意味がないというふうに思うんですけれども、この
政策評価法の理念や精神、これをどう受けとめているのかということと、
国民に対する
説明責任をちゃんと果たす意思が果たして警察庁にはあるのかというのが二点目、三つ目に外部
監察を受け入れる意思があるのかどうか、この点についてはっきり
お答えいただいて、私の質問を終わります。