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2001-05-11 第151回国会 参議院 総務委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年五月十一日(金曜日) 午後三時十四分開会 ─────────────
委員
の
異動
四月十日
辞任
補欠選任
弘友
和夫
君
荒木
清寛
君 四月十一日
辞任
補欠選任
荒木
清寛
君
弘友
和夫
君
笠井
亮君
八田ひろ子
君 五月八日
辞任
補欠選任
木村
仁君
岩井
國臣
君 五月九日
辞任
補欠選任
北岡
秀二
君
海老原義彦
君 五月十日
辞任
補欠選任
世耕
弘成君
南野知惠子
君
常田
享詳君
佐々木知子
君
輿石
東君
藤井
俊男
君 五月十一日
辞任
補欠選任
鎌田 要人君
鹿熊
安正
君
南野知惠子
君
森田
次夫
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
溝手
顕正
君 理 事 入澤 肇君 岩城 光英君
海老原義彦
君
浅尾慶一郎
君 宮本 岳志君 委 員
鹿熊
安正
君
景山俊太郎
君 久世
公堯君
佐々木知子
君 関谷
勝嗣君
森田
次夫
君 高嶋 良充君
藤井
俊男
君 鶴岡 洋君
弘友
和夫
君 富樫 練三君
八田ひろ子
君 山本 正和君
松岡滿壽男
君 高橋
令則
君
国務大臣
総務大臣
片山虎之助
君 副
大臣
総務
副
大臣
遠藤
和良
君
総務
副
大臣
小坂
憲次
君
大臣政務官
総務大臣政務官
景山俊太郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 入内島 修君
政府参考人
総務省自治行政
局長
芳山
達郎
君
総務省郵政企画
管理局長
松井
浩君
総務省郵政公社
統括官
野村
卓君
郵政事業庁長官
足立盛二郎
君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
郵便振替法
及び
簡易郵便局法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ─────────────
溝手顕正
1
○
委員長
(
溝手顕正
君) ただいまから
総務委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る四月十一日、
笠井亮
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
八田ひろ子
君が
選任
されました。 また、去る八日、
木村仁
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
岩井國臣
君が
選任
されました。 また、去る九日、
北岡秀二
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
海老原義彦
君が
選任
されました。 また、昨日、
世耕弘成君
、
常田享詳君及び輿石東
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
南野知惠子
君、
佐々木知子
君及び
藤井俊男
君が
選任
されました。 また、本日、
南野知惠子
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
森田次夫
君が
選任
されました。 ─────────────
溝手顕正
2
○
委員長
(
溝手顕正
君) 次に、
理事
の
補欠選任
についてお諮りをいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が一名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
溝手顕正
3
○
委員長
(
溝手顕正
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
海老原義彦
君を指名いたします。 ─────────────
溝手顕正
4
○
委員長
(
溝手顕正
君)
政府参考人出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
郵便振替法
及び
簡易郵便局法
の一部を
改正
する
法律案
の審査のため、本日の
委員会
に
総務省自治行政局長芳
山
達郎
君、
総務省郵政企画管理局長松井浩
君、
総務省郵政公社統括官野村卓
君及び
郵政事業庁長官足立盛二郎
君を
政府参考人
として
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
溝手顕正
5
○
委員長
(
溝手顕正
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
溝手顕正
6
○
委員長
(
溝手顕正
君)
郵便振替法
及び
簡易郵便局法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 本案の
趣旨説明
は去る四月十日に聴取しておりますので、これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次
発言
願います。
浅尾慶一郎
7
○
浅尾慶一郎
君 民主党・新緑風会の
浅尾慶一郎
です。 ただいま
議題
となりました
郵便振替法
及び
簡易郵便局法
の一部を
改正
する
法律案
に関連して
質問
をさせていただきたいと思います。 まず、本
法律案
は、
民間金融機関
と
郵便局
との間の資金の決済ということの
利便性
を高めるという
趣旨
が入っておりますが、
現状
について伺いたいと思いますけれども、現在、
郵便局
の
ATM
において引き出されます一日
当たり
の
民間金融機関
の
預金
の額というものを、
平均値
でもちろん結構ですが、
総額
とそれから
業態別
にお答えいただけますでしょうか。
足立盛二郎
8
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君) 現在、
全国
で二万五千台ほどあります
郵貯
の
ATM
、CD、この
ネットワーク
は
国民生活
の
インフラ
であるということで、
民間金融機関
と積極的に接続しているところでございます。 そこで、
利用状況
でございますが、
民間
の
金融機関
の
カード
をお持ちの方が
郵貯
の
ATM
を御
利用
される
状況
でございますが、年間、
平成
十二年度の
実績
でありますが、
払戻金額
は一兆八百二十八億円となっております。これは一日
当たり
で見ますと、二十九億九千万円となっているところであります。 お尋ねの
業態別
にどうなっているかということでありますが、
業態
を約三つに分けまして、まず第一の
業態
であります
国内銀行
、都銀、
地銀
、第二
地銀
でございますが、これらの
関係
の方が三億七千万円になります。一日
当たり
二十九億九千万のうちの三億七千万円であります。それ以外に、第二
グループ
といたしまして、
信金
、
信組
、農協、漁協、こういったところの
業態
が五億七千万円。それから第三
グループ
といたしまして、
預金
を取り扱わない
生保
、
証券
、
信販会社
といったような
金融機関
のものが二十億六千万円ということでございます。
営業区域
が比較的狭かったり、あるいは自社の
ATM網
が少ないところの
利用
が多いというのが言えると思います。
浅尾慶一郎
9
○
浅尾慶一郎
君 それでは、
数字
だけで結構でございますが、逆に、
郵便局
の
カード
をお持ちの方が
民間金融機関
で引き出される額について、同じようにお答えいただきたいと思います。
足立盛二郎
10
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君) 逆の
ケース
でございますが、
平成
十二年度の
実績
で申し上げますと、
総額
三千八百四十九億円になります。一日
当たり
で申し上げますと、十億六千万円ということになります。これを先ほどの
業態別
に三分類で申し上げますと、
国内銀行
が四億六千万円、それから
信金
、
信組等
の第二
グループ
の
業態
が二億二千万円、そして
生保
、
証券
、
クレジット会社等
の第三
グループ
の
業態
が三億八千万円という
利用状況
になっておるところでございます。
浅尾慶一郎
11
○
浅尾慶一郎
君 私どもが仮に
郵便局
の
ATM
を使わせていただいて
民間金融機関
の
口座等
から
お金
を引きおろす場合には百五円程度かかるということだと思いますし、逆に、
郵便貯金
の
カード
でもって
民間
の
金融機関
で
お金
をおろすとやはり
手数料
が百五円かかるということだと思いますが、まず、私が
郵便局
の
カード
でもって
民間金融機関
から
お金
を引きおろした
ケース
でお答えいただきたいと思いますが、実際に
総務省
から
民間
の
金融機関
に支払っておられる
金額
というのは百五円でしょうか、それとも二百五円でしょうか。
松井浩
12
○
政府参考人
(
松井浩
君) お答え申し上げます。
先生
御指摘のように、
預金者
が御自身の
口座
から他の、
郵便局
の
ATM
からでもそうでございますし、
金融機関
の
ATM
からでもそうですが、引きおろす場合の
手数料
の百五円というのはございますが、
郵便局
と、それから、
お互い
に提携しておりますが、
民間金融機関
の間で支払われる
お互い
の
金融機関同士
の
手数料
の支払いは異なったものになっております。 具体的に申しますと、
郵便局
と
民間金融機関
で
ツーウエー
、
相互
に
ATM
を
利用
する
契約
を締結している場合と、そうでなくて、
民間金融機関
が
郵便局
の
ATM
を一方的に
利用
する
契約
を締結している場合で
契約形態
は異なっております。 それで申しますと、まず
相互
に
ATM
を
利用
する
契約
の場合でございますが、
民間金融機関
の
預金者
が
郵便局
の
ATM
を
利用
したときには
民間金融機関
が
郵便局
に対する
手数料
を、そして
郵便貯金
の
預金者
が
民間金融機関
の
ATM
を
利用
したときには
郵便局
が
民間金融機関
に
手数料
を払うわけでございますが、時間内のものと時間外で扱いを分けております。 時間内につきましても、さらに
利用金額
が十一万円以下の場合と十一万円超の場合で一件
当たり
の
金額
が異なっております。十一万円以下の場合は一件
当たり
で二百十円でございます。それから、十一万円超の場合は一件
当たり
で三百十五円ということになっております。また、時間外になりますと、十一万円以下の場合は一件
当たり
で三百十五円、それから十一万円超の場合は一件
当たり
で四百二十円を支払うことになっております。 これが
ツーウエー
の両方で
利用
し合う場合の
関係
ですが、片方の一方的に
利用
する
関係
の場合は
金額
が違っております。 先ほど申しました時間内の場合で、
利用金額
が十一万円以下の場合は一件
当たり
が五百二十五円となります。それから、十一万円超の場合は一件
当たり
が七百三十五円でございます。それから、時間外になりますと、
利用金額
が十一万円以下の場合で一件
当たり
六百三十円、それから十一万円超の場合は一件
当たり
八百四十円でございます。 それから、これは定額ですけれども、一方的に
利用
する場合でも
利用金額
に応じた従量制で料金を選択することも可能になっておりまして、これは
契約
によるわけでございますが、その場合は、時間内の場合は、
利用金額
に〇・七%を掛けまして、それに百円を足して、それに
消費税額
を上乗せした額になっておりますし、時間外の場合は、さっき私が百円と申しましたのも、さらにそれが二百円ということで
数字
が違っているわけでございます。 時間内と申しますのは、平日の八時四十五分から十八時まで、土曜日の場合は九時から十四時まで、それ以外の時間帯の場合は時間外としておるところでございます。 いずれにしましても、そういうふうにかなりきめ細かく分かれております。
浅尾慶一郎
13
○
浅尾慶一郎
君 わかりました。 いわゆる我々
消費者
の
立場
に立つと、百円ないし二百円しかかかっていないと思われるところがその裏で相当な
お金
がかかっているというのはよくわかったのでございます。
現状
を見ますと、
郵便局
の
カード
を持っておられる方が
民間金融機関
でおろすのが一日
当たり
で十億六千万円、
民間
の
金融機関
の
カード
の方が
郵便局
でおろすのが二十九億九千万円ということがわかったわけであります。 私の
理解
では、
民間
の
金融機関
から
郵便局
に
お金
を、要するに
民間
の
カード
の人が
郵便局
でおろすということは、その分の
お金
を
民間金融機関
から
郵便局
、
総務省
はもらわなきゃいけない、
郵政事業庁
はもらわなきゃいけないということなので、それがもらいやすくなるというのが
改正
の
趣旨
の一部だというふうに思いますが、今回の
改正
によって、今の
手数料収入
等々にさらに
郵政事業庁
にとっていい
変化
があるのか、それとも
改正自体
は
余り影響
がないのか、端的にで結構でございますから、お答えいただけますでしょうか。
松井浩
14
○
政府参考人
(
松井浩
君)
数字
でどういう予想をしているかということはすぐに申し上げられませんけれども、今回の
改正
は、特に御
利用
いただく個々のお客様の
利便向上
というよりは、提携させていただいている
民間金融機関
の
利用者
の
利便
の
向上
に資するものだと思っておりますが、いずれにしろ、円滑な
関係
が構成されれば、それから、一層
ATM等
の
相互利用
が進めば
利用稼働状況
が上がりますので
効率
がよくなるものというふうに
考え
ております。
浅尾慶一郎
15
○
浅尾慶一郎
君 ここで広く
郵政事業
についてお伺いをしてまいりたい、こういうふうに思います。
片山総務大臣
、それから
遠藤
、
小坂
両副
大臣
、また
景山政務官
、御留任でございますけれども、過去に、今回の
内閣
ができる前に、
郵政
三
事業
の
民営化
についてそれぞれ御
主張
、これは
民営化
すべきでないというような御
主張
をされておったかもしれませんし、あるいは
民営化
すべきだという
主張
を持っておられたかもしれませんが、簡潔にで結構でございますから、それぞれ過去の御
主張
をお答えいただきたいと思います。
片山虎之助
16
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 今、
浅尾理事
から、
郵政
三
事業民営化
についての過去の
発言
ということでございますが、私が
大臣
になりましたときは例の
中央省庁改革基本法案
というのがもう決まっておりまして、あれは
橋本内閣時代
でございまして、私、そのころから一応の
認識
は持っておりましたが、さらに
郵政大臣
になりましてから、去年の十二月からそれまでの
認識
よりはさらに進んだ、勉強いたしまして、大体
公社
になるということは知っておりましたから、これは
公社化
ということだなと、こういうふうな
認識
でそういうことを言っておったわけでありまして、これも大変私は当時からいい選択ではないかと、こういうふうに言っておりました。
遠藤和良
17
○副
大臣
(
遠藤和良
君) 今、
日本全国
には二千五百五十八の
町村
があります。そのうち
民間
の
金融機関
がない
町村
が私、調べると五百三十九ございまして、約二割強の
町村
で
民間金融機関
がないところを
郵便局
が頑張っている、こういう
状況
になっているわけです。 私は、
逓信委員会
に所属しておりまして、今までは
答弁
する
立場
ではありませんで
質問
する
立場
だったんですけれども、この
日本全国
の
ユニバーサルサービス
というものを
郵便局
が本当に担っていただいている、これは今後とも大きな
国民
の財産として
共有
をしていきたい、こういうふうな気持ちでお話をしたことがあります。 また、この
経営形態
につきましては、この間の
中央省庁
の統廃合をするときの
法案
の中で、まず
郵政事業庁
を発足した後二〇〇三年度に
国営
の
公社
をつくるというところで、三
事業一体
としてこの
公社
で
経営
をしていくと、こういうふうに決まったところでございまして、そういう
基本方針
に沿って今まで私は
考え
を述べてきたところでございます。
小坂憲次
18
○副
大臣
(
小坂憲次
君)
浅尾委員
にお答え申し上げます。 私も、副
大臣
に就任いたしましたときは
基本法
がもうできておりますし、そういう中で、二万四千七百の
郵便局
の
ネットワーク
というものは
国民共有
の
インフラ
として、
地域
の
コミュニケーションセンター
として
国民
に深く
信頼
を得て運営してきておると思うわけでございまして、その中で、八十円を張った
郵便物
、定形の封書は
ポスト
に入れるだけでこれはちゃんと届くんだと、こういうふうに思って
皆さん
の
信頼
を得ておりますし、五十円のはがきも投函すればちゃんと届けてもらえる、そこに人がいなくても
ポスト
に入れるだけでそれが届いている。こういう
信頼関係
を築いてきた
郵政事業
というもの、これが
平成
十五年には
国営
の新たな
公社
として三
事業一体
でスタートをさせていただくと、こういうことが決まりましたので、その
方向
に沿って今後とも
国民
の
信頼
を集め、より一層の
効率性
を高めてこの
事業
が運営されるように努力をしていきたいと、こういうようなことを
発言
してまいりました。
景山俊太郎
19
○
大臣政務官
(
景山俊太郎
君) 今までのお答えと同じようでありますけれども、
郵政事業
はこれまで非営利の
国営事業
といたしまして、まさに
全国
津々浦々に二万四千七百の
郵便局
を通じまして
国民生活
に不可欠な
郵政事業
の
サービス
をあまねく公平に提供してまいりました。
国民利用者
の
立場
に立ちまして、その
利便
を
向上
させるということを特に訴えてきたところでございます。私としましては、
郵便局
の
地域
に根差しました機能を今後も維持しながら、
国民
のニーズにマッチしまして、そして
サービス
を行っていくことが極めて重要であると
考え
ております。
郵政
三
事業
につきましては、
中央省庁等改革基本法
におきまして、
企画部門
を分離いたしまして、また
実施部門
は
郵政事業庁
とした上で、
平成
十五年にこれを自律的、弾力的な
経営
を可能とする
国営
の新たな
公社
へ
移行
することとされておるところであります。 こういった
方針
に基づきまして、この枠組みの上に立ちまして、これまで
発言
をいたしてきたところでございます。
浅尾慶一郎
20
○
浅尾慶一郎
君 大体皆様、
郵政事業庁
の
公社化
、
公社化
後はその
公社化
の体制を維持し、現在の二万四千七百の
全国
津々浦々にある
ネットワーク
を駆使して、特に二千五百五十八
町村
ですか、
民間金融機関
がないところに
サービス
を提供していくためには、やはり今までどおり
公社化
後も少なくとも
国営
ということは維持をしていこうということで
発言
されていたというふうに
理解
をいたしました。 そこで、
小泉総理
が誕生したわけでありますけれども、
小泉総理
が誕生してから、今申し上げたような今までどおりの
公社化
は粛々とやって、その後も今の
利便性
を維持するため
国営
でやっていこうという
考え
に
変化
はございますでしょうか。
総務大臣
にお伺いいたします。
片山虎之助
21
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 先ほど
答弁
いたしましたように、
橋本内閣
のときに
基本法
ができまして、その中で、
郵便局
の
郵政
三
事業
は
国営公社
で三
事業一体
でやると。大体中身は
独立採算
だとか
企業会計原則
だとか
経営目標方式
だとか書いていますよね。我々はそれで、これは
国会
で、
法律
で決まったわけですから、いわば
国民
の
合意
だと、こう受けとめてまいったわけですね。 今度は
小泉総理
が誕生しまして、
小泉総理
は
天下周知
の
民営化論者
でございまして、そこで、
国営公社
というのは決まっているけれども、
国営公社
に
移行
した後に、その
あり方
についてさらに
議論
をするのはどうだろうかと、こういう御
提案
で、私は
民主主義
ですから、今の
基本法
で
国営公社
は決まっておりまして、そこまでは、
移行
をするということは
国会
、
国民
の
合意
ですから、これはもうやらなきゃいけませんと。そしてその後に、さらに
移行
後に、その
あり方
について
国民
的な
議論
を起こして、その結果
国民
が選択するのならそれは結構です。中には全
民営化
という方々もおられるし、いや
国営
がいいという方がおられるし、あるいは
民営化
でも
国営
でもない、もう一つの何らかの方途があるという
議論
もあるし、それは大いに万機公論で、いろんな有識者の方を含めて
国民
的な
議論
を起こして、
国民
が選択されるのなら私は結構でございますと。 そういう新たな
提案
を
小泉総理
が与党の三党の
合意
でおやりになったわけですから、我々はそれに従ってやっていくと、こういうことでございます。
浅尾慶一郎
22
○
浅尾慶一郎
君 そういたしますと、
大臣
は、今の自分の
立場
としては、
国営
を堅持するということでもないし
民営化
をぜひ推進したいということでもない、要は
国民
が決めることに従うということでよろしいですか。
片山虎之助
23
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 我々の当面の
課題
は、いい
国営公社
をつくるということ、その
国営公社
をつくる過程で
郵便事業
に
民間参入
を認めるということ、どういう範囲で
民間参入
をどう認めるかと、これをしっかりやりたい、当面の
課題
は。 その後について広く
議論
が起こって、その結果、
国民
の
皆さん
が選択されれば私はそれで結構だと思いますけれども、実はそこまで私らは
能力
的にいっていないので、当面やることは、
公社
をどうやってうまい
制度設計
をやるか、
民間参入
をどう認めるか、これに全力を挙げたい。 またぜひ
総務委員会
の
先生方
の御指導をいただきたいと、こう思っております。
浅尾慶一郎
24
○
浅尾慶一郎
君
民間参入
のことは後に
議論
をいたしますが、ただし、短期的には確かに
民間参入
の問題が当面あると。 しかし、中長期の
ビジョン
を、本来は
大臣
として
総務省
を指揮するという
立場
に立つのであれば、どういう
方向性
でどういう
ビジョン
を持っているのかということを明らかにしていただきたいと思いますので、
能力
がないということは私は決してなくて、
大変能力
の高い
大臣
というふうに思っておりますので、中長期的にはどういう
方向性
で
大臣個人
としては
ビジョン
を持っておられるのかをちょっと再度伺いたいと思います。
片山虎之助
25
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) これはなかなか答えにくいあれなんですが、いずれにせよ、
小泉総理
は私的な
懇談会
を
立ち上げ
て、そこでいろいろな方に入ってもらって
議論
をしようと、こういう
段階
ですから、私は
総理
に申し上げているんですけれども、
予断
を持たずに我々は検討していきますと、
予断
を持たずに。
総理
は
国会答弁
で「
白紙
」と言われましたけれども、真っ白なところで、これからどれが
国民
のための
郵政事業
としてあるべきか、これを
議論
していきたいと、こういうふうに思っておりますから、どういう
私的懇談会
ができるかということも一つありますし、それから我々の方では、
公社化
のためのあるいは
民間参入
のための研究会的なものも今いろいろ事務的には検討しておりますから、そういうことの
議論
を踏まえながらまとめてまいりたいと、こういうふうに思っております。
浅尾慶一郎
26
○
浅尾慶一郎
君 では、私の
理解
では、現
段階
では
私的懇談会
の
議論
を待ちたいということで、そこについては
白紙
だということで再度の御
答弁
、イエスかノーかだけで結構ですけれども。
片山虎之助
27
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) この
私的懇談会
がどういう構成でどういうスケジュールでやるか、まだ定かではありませんで、今事務的にいろいろな
議論
を官邸なり、あるいは官邸の絡みで党なりがしておりますけれども、この
私的懇談会
の
立ち上げ
とその
議論
を当面は待ちたいと。 これは
公社移行
後の
議論
ですから。我々がまずやることは
公社移行
ですから。そういう順序で物を
考え
ております。
浅尾慶一郎
28
○
浅尾慶一郎
君 再度の御
質問
で恐縮ですけれども、すなわち今おっしゃっていることを聞くと、確認させていただきたいのは、
私的懇談会
がいつ立ち上がるかわかりませんが、立ち上がってある程度の
議論
をして、
結論
が出た
段階
についてはそれに従うということでよろしいんですか。
片山虎之助
29
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) いや、それは
諮問機関
ですから最大限に尊重しなければなりませんし、どういう
結論
が出るかまだわかっておりませんので、今からその
結論
がこうならこうということはなかなか言えませんけれども、しかるべきしっかりした
結論
が出ることを私は期待しております。
浅尾慶一郎
30
○
浅尾慶一郎
君 では、なかなかお答えいただけないんで、
郵便事業
への
民間参入
について具体的に
質問
をさせていただきたいと思います。
総理
は、「私は、
郵便事業
についても
民間参入
を促進することについて、できるだけ
民間
にできることは
民間
に任せていくという
方針
を貫いていきたい。かつてのように、
商品券
は
民間企業
が配達してよい、しかし
地域振興券
は
民間企業
が配達しちゃいかぬという旧
郵政省
のわけのわからない論理は、
小泉内閣
には通用しないということを銘記していただきたい。」というふうに言っておられますが、具体的にかつて旧
郵政省
が
民間参入
に関して妨害をしたという事実はあるんですか。
片山虎之助
31
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) いや、これは
総理
一流の御表現だと思いますけれども、意図的に妨害したということは私はないと思います。 それで、
商品券
と
地域振興券
の話は、結局、信書というものの範囲をどう
考え
るかということなんです。これは、判例があったり、いろんな今までの長い間の有権解釈がありまして、
地域振興券
は特定するわけですから、特定の人や代理人に渡すものですから、信書としての特定性があるというわけです。そこで、
商品券
はだれが使ってもいいわけですから特定性がないんで、今までの有権解釈や判例に従ってこれは信書だと。信書は
郵便局
でなきゃだめだと、こう書いてあるんですね、
法律
に。だからそういう扱いをしたんですが、一方、
国民
の方から見ると、似たようなものじゃないか、これが信書でこれが信書でないということはそうすぐ簡単にわかるかなと、こういう確かに
議論
が私はあり得ると、こう思いますので、今度の
民間参入
については、そういう今までの経緯も踏まえてどういう参入の
あり方
がいいか検討いたしたいと、こういうふうに思っております。 ちょっと声がかすれております。風邪引いておりますので、故意にかすれたわけじゃありませんので、ひとつよろしくお願いいたします。
浅尾慶一郎
32
○
浅尾慶一郎
君 そうすると、あれですか。
総理
が言っておられる「旧
郵政省
のわけのわからない論理は、
小泉内閣
には通用しない」ということは、具体的なことは念頭に置いていなくて、
総理
一流のコメントとして、具体的なことはないけれども
発言
されたということですか。
片山虎之助
33
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) まあ
総理
はこういうことだと思うんですよ……
溝手顕正
34
○
委員長
(
溝手顕正
君) ちょっとお待ちください。
片山総務大臣
。
片山虎之助
35
○
国務大臣
(
片山虎之助
君)
総理
の御
発言
は、
民間
でできることはできるだけ
民間
にやらせるべきだと、またできるだけ
国民
にわかりやすい形でやるべきだと、こういうことを私は言われていると思うんですね。そこは私は
郵政省
の方のPRというのか、
国民
に対する
説明
もあるいは不十分だったかなという気はしますけれども、それは今までの、何度も言いますけれども、
法律
というものがあって、
法律
の解釈があって、それに対する判例もあって、そういうことの上に基づいて中立的に
考え
れば、
地域振興券
は信書で
商品券
は信書でないと、そういう扱いになったんですね。だから、それは私はしっかり
説明
する必要があると思いますよ、
国民
にわかりやすく。 そういうことがあるんで、やっぱり
総理
のような御意見が出ることもあるいはやむを得なかったかなと、こう思います。
浅尾慶一郎
36
○
浅尾慶一郎
君 私、この
総理
の本会議の速記録を読んで感じるのは、多分ここで言っておられることは、すなわち
郵便事業
についての有権解釈は
総務省
が、旧
郵政省
が持っておったということなんだと思うんですね。
商品券
はいいけれども
地域振興券
はだめだというのが最高裁の判例として確定したということは、私は寡聞にして聞いていないと思いますし、恐らくそんなことはまだ、そういう裁判も、最高裁判例で出ているものもないと思いますし、地裁レベルであるのかどうか、それは知りませんが、したがって、ここで言っていることは、すなわちそういう有権解釈を持っている
総務省
が、自分たちの
郵政事業
を守るために、
国民
にとっては今まさに
大臣
が言われたように
理解
が難しい
議論
でもってやっていることは、私の
内閣
においては許さないんだということなんだと思います。 そうだとすると、その
小泉内閣
の
総務大臣
として少し、
総務省
が今、有権解釈をする
立場
にあるわけでありますけれども、
国民
に
理解
ができるような形で有権解釈を変えていくつもりがあるのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
片山虎之助
37
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 私は、同じことの繰り返しになりますが、
総理
のこの前の
答弁
は、できるだけ
民間
にできることは
民間
に任せなさいと、それからあることをやる場合に、できるだけ
国民
の
理解
を得てわかりやすくやりなさいと、この二点だと思います。 それは今後とも我々は守っていきたいと、こういうふうに思っておりますが、今の郵便法なり信書に対するいろいろな解釈については、私も少し勉強して、一応の勉強はいたしておりますけれども、ぎりぎり言うとどういうことがどの範囲になるか。信書というものは文書性と特定性がなきゃいかぬと、私は今そう
理解
しておりますけれども、これが解釈上ぎりぎりした点でどういうことになるのか、なお検討いたしたいと
考え
ております。
浅尾慶一郎
38
○
浅尾慶一郎
君 先ほど来、
大臣
から御
答弁
いただいております
郵便事業
への
民間参入
については、これはきょうの日経新聞にも出ておりますけれども、少し開放していく
方向
であるということなんだと思いますが、これは信書というものに関してのいわゆる
法律
も変えて開放していくつもりなのか、それとも単に政省令の
改正
で臨むおつもりなのか、その点をお答えいただきたいと思います。
片山虎之助
39
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 信書そのものの定義は、
法律
じゃなくて、これは今までの判例の積み重ねや有権解釈の積み重ねなんですね。だから、今こういうことでほぼその判例が出ておりますから、判例が出ている範囲で運用上どこまでどうできるか、なお検討いたしますけれども、私は、今までの旧
郵政省
の解釈、運用は、それはそれでやむを得なかったところがあると思います。 ただ、今後、
民間参入
をやる上で、やっぱりしっかりした基準を持って、ここまではこう、こっちはこうと、こういうことの整理をする必要があるかなと、これはそう思っております。
浅尾慶一郎
40
○
浅尾慶一郎
君
総理
は、
民間
にできることは
民間
に任せろというふうに言っておられるわけです。 それで、信書というものは確かに
法律
で規定がされていないということになれば、もしその範囲を広げるに当たって過去の判例が阻害要因であるということであって、しかも
民間
にできるものは
民間
に任せるべきだという
総理
のもとであるとするならば、これは
法律
改正
すれば、仮に判例があったとしても別にそれは全く問題がないわけでありますから、
法律
改正
のおつもりがあるのかどうかということを伺ったわけであります。
片山虎之助
41
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) それは先ほども
答弁
いたしましたが、我々は有識者その他の研究会を
立ち上げ
て、そこで
公社化
の
あり方
と
民間参入
については
議論
いたしたいと思っておりますので、そういう中で今、
浅尾理事
御
提案
のことを含めて検討してまいりたいと、こう思っております。
浅尾慶一郎
42
○
浅尾慶一郎
君
小泉総理
は、今は
郵便事業
のことを申し上げましたが、
郵便事業
に限らず、いわゆる
郵政
三
事業
についてもむしろ
民間
の活動を、「過去の
郵政省
の
事業
を見ていると、むしろ
民間企業
の活動を妨害している面がある。こういうことは
小泉内閣
では断じて許さない。」というふうに言っておられます。 実は今、ペイオフ解禁ということが言われておりまして、仮にペイオフが解禁されますと、各地方自治体が
民間
の
金融機関
に預けている
預金
については一千万円までしか保護がされません。ところが、地方自治体が、公共団体が
郵便局
に預けているものに関しては、これは上限がありませんから幾らでも保護がされるということが現実の問題としてあるわけであります。 そうすると、少なくとも
民間
と同じ競争環境に置くということを
考え
た場合には、地方公共団体が
郵便局
に預け入れる
預金
についても一千万円という上限を設けないと、これはその競争のベースが違ってしまうんではないかなというふうに思いますので、ここの上限の部分を法
改正
で、要するに地方公共団体に預け入れ限度額を設ける意思があるかどうか、お伺いしたいと思います。
片山虎之助
43
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 地方団体の場合は、普通の一般個人の
預金者
と違いますから、これは公の金をいろいろ運用していく場合に一時お預けするということで、今の地方団体のそういう財務会計では指定
金融機関
と指定代理と収納代理とありまして、指定代理には
郵便局
はなれないんですよ。だから、今、
郵便局
がやっているのは指定代理と収納代理なので、恐らくその額は、必要なら事務方に
説明
してもらいますけれども、極めてわずかな比率でございまして、そういう意味で一千万の限度額を設ける余り意味がないと私は思っております。その必要がないんです。だから、そのことが
民間
の
金融機関
に対する営業の妨害だとか、シェアを取り合うとか、そういうことにはなっておりません。一千万というのは、例えば定額や何かで、限度額を設けることによってペイオフとある程度連動するという、こういう思想ですから、地方団体の場合にはそういうあれがないんですね、今、仕組み上も。 ただ、せっかくの御
提案
ですから、そういうことも含めて検討はさせていただきます。
浅尾慶一郎
44
○
浅尾慶一郎
君 現実論に即して意味があるのかないのかというのは後ほど
数字
を伺いますけれども、私は、そもそも競争というものは少なくとも、
国営
でやるか民営でやるかは別として、同じ土俵でやらないといけないんではないかなと思っておりまして、今、指定代理にはなれないけれども収納代理にはなれるというような御
発言
がありました。 実は、小さな自治体もそうかもしれませんし、大きな自治体になればなおさらそうかもしれませんが、例えば小学校、何とか町立でも何とか市立小学校でもいいです。そこの遠足のための積立金なんというのも、これは全部その市の、あるいはその町の
預金
としてカウントされるということでありますから、収納代理という形で遠足のためのあれを積み立て、そこでというのはちょっとこれはおかしいのかもしれませんが、多分足し上げれば、名寄せをして足し上げればかなりの市
町村
で一千万円というのを超えていくということがあり得るんではないかなと、こういうふうに思っていまして、そこはやはり、ということが現実問題としてもあるであろうと。 そして、そもそも論として、片方は一千万円までしか保証されなくて、片方は無制限で保証されるというのはおかしいんではないかと、こういうことなんで、そこについて再度御見解を伺いたいと思います。
松井浩
45
○
政府参考人
(
松井浩
君) ちょっと事実
関係
を私の方から最初に申し上げたいと思います。 こういった個人の場合ですと一千万円という預入限度額があるわけでございますけれども、地方公共団体だとか、あるいはその他特殊法人なり、あるいは財団法人だとか、そういった公共的な性格を持った法人につきましては限度額を設けていないところでございます。 それで、実際に、じゃどれだけその
金額
があるのかということでございますけれども、公共法人のみに限った、地方公共団体のみに限ったその
数字
はございませんが、そうした法人の
預金
というのはどれだけあるかということでございますが、
郵貯
全体の中で〇・四%でございます。全体では約二百五十兆あるわけですが、一〇〇%の
数字
が、そのうち約一兆で〇・四%でございます。
口座
数で申しますと、これはその他の会社等のものも入っているんですが、この一兆というものが約五十九万
口座
でございまして、単純に申しますと、単純な平均
数字
だけ申し上げていいのかどうかという問題もあるんですが、単純に申しますと、一
口座
当たり
で残高が約百七十三万円でございます。公共団体には大きいところも当然あるわけでございますが、先ほど申し上げました指定
金融機関
になっていないだとかなれないだとか、そういったいろんなことがあるからだと思いますが、
金額
は小さいということでございます。
片山虎之助
46
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) そこで、
浅尾委員
の言われることも私、わかるんですが、いわゆる市
町村
にはいろいろありまして、本当に、そういう意味で
郵便局
がなければいろんな資金の運用上困るというところも私はあるに違いないと思うんですよ。 今、五十何万
口座
で一兆円と言いましたかな。一兆円とかと言いましたから、そこで
浅尾委員
の御
提案
も我々は検討いたしますけれども、その場合に
町村
会、市長会というよりは
町村
会等の現場の意向も十分に聞いて、我々が限度額を仮につくったことによって市
町村
の資金繰りやいろんな預け入れや払い出しや、そういうことが不便になるということでは私は困りますから、その辺は
町村
会その他の
関係
のところの意向も聞いた上でその検討を深めてまいりたい、こういうふうに思っております。
浅尾慶一郎
47
○
浅尾慶一郎
君 私がこのことを取り上げているのは、今一兆円というふうにもおっしゃいましたけれども、多分、今度ペイオフ解禁になった場合に、現実の問題として、各市
町村
ないしは都道府県で資金を運用されておられる方の
立場
からすれば、場合によっては一千万円しか守られないんだったら
民間金融機関
はやめて
郵便局
に預けかえしましょうという
考え
方も出てくる可能性がある。であるとすれば、そこはやはり一千万円ということで、保証される限度額ということが一千万円ということで
お互い
に同じ土俵にしていかないといけないんではないかなと、こういうふうに思っておるからこのことを申し上げている次第であります。
松井浩
48
○
政府参考人
(
松井浩
君)
郵便貯金
の性格が基本的には個人のための貯蓄手段として機能してきたということが先ほどの
数字
でおうかがいいただけるかと思うんですが、先ほど申しました
数字
を改めて申しますと、地方公共団体だけでなくて他の公共法人、さらに営利法人も含めた
数字
でございまして、いかに
郵貯
が個人のための手段になっているかということを申し上げたわけでございます。そういう点から見ますと、仕組み的にそういったその
郵貯
に、ペイオフ解禁後におきましても
郵便貯金
に目立った
利用
増加が出てくるとは私どもは今のところ
考え
てはおらないところでございます。 と申しますのも、例えば企業がそういった
金融機関
と取引する場合は、借りることだとか、それから限度額、資金決済のための手段だとか、いろんなことがございます。総合的な
関係
の中でその取引形態というのはできておりますので、先ほど申し上げました、
先生
御提起の問題だけでそういった大きな話になるようなことはちょっと
考え
にくいのかなと思っております。
浅尾慶一郎
49
○
浅尾慶一郎
君 もう一つだけ申し上げておきます。これは御
答弁
要りませんけれども、御案内のとおり、地方自治法の中においては、仮に破綻をうわさされているようなところに
預金
をしてそれが破綻した場合にはその責任者に対して賠償、今度その
法案
、
改正
を
提案
されるようでありますけれども、賠償を求めるというような条項も入っておりますので、かなり御案内のとおり地方自治体の現場においてはこのペイオフの解禁の問題というのは重い問題として受けとめられております。その中に一つだけ最後のラストリゾートみたいなものがあれば、当然の経済行為としてそっちに行くんではないかという観点もあって
主張
させていただいておりますが、このことは別途の機会に譲りたいというふうに思います。 そこで、時間の
関係
で余りもう残り
質問
できないかもしれませんが、先ほど来出ております
郵政事業
の
民営化
懇談会
というのは、
総理
の私的、位置づけをちょっと伺いたいんですが、私的な
懇談会
ということになるんでしょうか。例えば、本日発足いたしました総合規制改革会議、これは多分
総務省
が
関係
すると思いますが、そういったようなものと同じような位置づけになるんでしょうか。そこの点だけ簡潔にお答えいただきたいと思います。
片山虎之助
50
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) これは、今決まったものがあるのは三党
合意
だけなんですね。それで、三党
合意
は私的な審議機関とありまして、総合規制改革会議、あれは政令に根拠を置くものですね、あれは私的じゃありませんね、規制改革
委員会
の後、更新ですから。そういう意味で、根拠あるいは形式、やり方等については私はまだ決まっていないと思うんですね。だから、これから官邸が中心で、我々も協力してどういう
懇談会
にするかを詰めてまいりたい。その際、
浅尾委員
言われるような根拠やそういうこともきちっと整理いたしたいと、こう思っておりますし、これは
民営化
の
懇談会
じゃないです。これは三党
合意
であり、
総理
も
答弁
いたしておりますように、
民営化
問題を含めて
公社移行
後の
あり方
についての検討をすると、こういうことでございますので。
浅尾慶一郎
51
○
浅尾慶一郎
君 もう時間がありませんので、じゃ簡単に伺いますが、そうすると、総合規制改革会議ですか、よりは位置づけが私的なものであるということからすると低いものであるという
理解
でよろしいですか。
片山虎之助
52
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) しかし、事は
総理
大臣
の私的な、私的であっても
懇談会
ですから、そういう意味での私は大変権威があると思いますし、また根拠をどうするか、そういうことによっては、私は総合規制改革会議ですか、それと比べてどっちがどうだなんという
議論
には私はなかなかならないんではなかろうか、その辺を含めて十分検討していい
懇談会
を
立ち上げ
たいと、こういうふうに思います。
浅尾慶一郎
53
○
浅尾慶一郎
君 時間が来たので終わりますが、そうするとしっかりと根拠を、
総理
の言っておられることですから少なくとも根拠はつけた形で決めていただきたい、こういうふうに申し上げて、終わります。 ─────────────
溝手顕正
54
○
委員長
(
溝手顕正
君) この際、
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、鎌田要人君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
鹿熊
安正
君が
選任
されました。 ─────────────
宮本岳志
55
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。 本
法案
は、
ATM
提携などの
サービス
に伴う
郵便局
と
金融機関
の資金決済を日銀ネットを使って電子的に行えるようにするということと、それから、今でも簡易
郵便局
でできている国保料の納付を引き続きできるようにするというものであって、我が党もこれは当然賛成でございます。 そこで、一つだけ確認をしておきたいと思います。今回導入される日銀ネットにある
民間
銀行の当座
預金
と政府当座
預金
の日銀の仲介による決済、このシステムは
郵政事業庁
が新型の
公社
に
移行
した場合でも何の変更の検討もなくそのまま使えるかどうか。これ、いかがですか。
松井浩
56
○
政府参考人
(
松井浩
君) お答え申し上げます。 今回導入を予定しておりますのは、
ATM
提携等の提携
サービス
に係る
民間金融機関
との間の資金決済につきまして、
郵政事業庁
の国庫金の受け払いを日本銀行に電子的に通知して、提携先の
民間金融機関
の日本銀行当座
預金
との間の資金授受を行うものでございます。 そこで、
移行
後の新型
公社
の扱う資金でございますが、国庫金ではなくなるということにはなろうかと思います。しかしながら、その後の決済方法につきまして幾つかのパターンがあると思います。国庫金でなくても国庫金扱いというパターンもありますし、それから当座
預金
、日本銀行への当座
預金
というパターンもあります。それから、その中でもまた
民間
の中であります銀行の全銀システムの中に入るとか入らぬだとか、そういったいろんなバリエーションはあり得るんですが、まだ決まっておりません。
公社
の
制度設計
、新しい
国営公社
の
制度設計
と深くかかわる部分がございまして、今後の具体的な取り扱いにつきましては、
関係
者と鋭意協議させていただきまして検討してまいりたいというふうに思っておりますが、大幅な費用が、何といいましょうか、今回取り組んだことがむだになるというふうなことはないのではないかというふうに思っております。
宮本岳志
57
○宮本岳志君 国庫金でなくなるので検討が必要になるということが御
答弁
だったと思います。 そこで、この
法案
にかかわって幾つか窓口業務のことについてお伺いしたいと思います。 私は、一九九九年三月九日に参議院交通・情報通信
委員会
で、郵便窓口におけるいわゆる過不足金問題について
質問
をいたしました。 そのときの
議論
では、
平成
九年度で過剰金が六十五万件弱、六億円強、欠損金が一千件で三億円強、任意弁償が四十万件で十一億五千万程度でしたので、合計年間約百万件、
総額
二十億円という過不足が生じているというものでありました。 そこで、まずお伺いいたします。この件数と額はそれぞれ
平成
十一年度でどのようになっておりますか。
足立盛二郎
58
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君)
郵便局
におけます現金、過剰金でございますが、
平成
十一年度は六十五万一千件、七億七千七百万円となっております。それから欠損金につきましては一千百二件、四億四千二百万円、それから任意弁償金でございますが、
平成
十一年度三十九万二千件、
金額
で九億七百万円でございます。
宮本岳志
59
○宮本岳志君 合計すると百四万件、
総額
約二十一億円と。これ、減っていないわけであります。百万件といいますと、
全国
約二万五千の
郵便局
で割っても一
郵便局
当たり
年間四十回、週に一回程度は
お金
が合わないということであります。 なぜ減らないのかと。これも前回私は指摘をいたしました。過不足事故が生じたときに原因がわかるような実務処理になっていない、そして、原因がわからないにもかかわらず、
郵政省
は会計法の善管注意義務にあぐらをかいて、不足金は職員の任意弁償という形で自腹を切らせてきたからではないのかと。 私が前回
質問
してから以降、過不足事故の原因を特定するための改善措置を何か講じてきましたか、
郵政事業庁
。
足立盛二郎
60
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君)
先生
御指摘のとおり、現金の窓口の過不足事故はなぜ発生するのかということでありますが、基本的には私、やはり
お金
の授受を慎重に行うことが必要であると。極めて地味なことでありますけれども、そういうことを職員に徹底することがまず基本であると。それとあわせて、なるべく機械化をして人の手によらないで
お金
を計算することが必要であるというようなことから、職員の指導と機械化という二つの側面から取り組んでまいりました。 前回、
先生
に御指摘いただきました以降、
平成
十一年度以降でございますが、特定局の郵便窓口へポスタルスケールⅢという機械を全局配備いたしまして、
平成
十一年度末に完成しております。また、貯金の窓口におきまして紙幣硬貨入出金機、いわゆるオートキャッシャーと呼んでおるものでございますが、こういったものにつきまして
全国
一千四百三十五台を配備したところでございます。
平成
十三年度、本年度につきましては、このオートキャッシャーという機械の少し小型版のものを開発いたしまして、これをさらに普及を図っていくということを
考え
ております。 また、窓口の現金管理機、こういったものを導入いたしまして、従来ですとお客様とのやりとりをしたときにレシートとかそういったものがない場合がございますが、今度この現金管理機を導入いたしますと、確認票といいますかレシートをお客様にお渡しする、また私どもの内部にも現金の受け払いの記録が残るというようなことで、事故が起こった場合に後で究明が可能であるといったようなことなどができますので、こういった両方の側面から、職員の指導それから機械化、そういったことに一層取り組んでまいりたいというふうに思っております。
宮本岳志
61
○宮本岳志君 今御
答弁
になったオートキャッシャーあるいは紙幣計算機及び硬貨計算機の配備、あるいはビデオとかマニュアル、今回
質問
に先立ってどういう防止策があるかと聞いたら、この四つが出てきたんですけれどもね。前回の
質問
のときの
答弁
を一つ一つ調べてみたら、前回も同じことを実は
答弁
されているんですよ。 それで、私、前回ここがかぎだと指摘したことがあります。
民間
の
金融機関
では現金は金種別に扱うのが常識になっている、金種別に扱うように伝票などを切りかえろと指摘したはずですが、伝票は金種別のものにかえましたか。
足立盛二郎
62
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君)
民間金融機関
におきましては、非常に店舗数、店舗の規模も大きい、そして取扱
金額
も大きいということから、いわゆる現金の受け払いを計算する機械、そういったものが広範に導入されておるわけであります。それに相当いたします
郵便局
の機械と申しますのが先ほどのオートキャッシャーということになります。また、それのいわゆる小型版であります窓口現金管理機といったようなものになってくるわけでございまして、
郵便局
につきましては、いわゆる局の規模、取り扱いの量、そういうことを
考え
ますと、
民間金融機関
と全く同様な施設設備を導入するということは、その必要がないんではないかというふうに
考え
ております。 ただ、先ほど来申し上げましたとおり、なるべく職員の注意喚起、また可能な限りの機械の開発、そういったものに努めてまいりたいというふうに思っております。
宮本岳志
63
○宮本岳志君
民間
と同様なものはできないんだとおっしゃいながら、実際には過不足金が生じたときにはどういう処理になっているか。
民間
はそんな職員に自腹を切らせるという処理はやっていないんですよね。ところが、現実に
郵便局
では、不足金の大半を任意弁償という職員の自腹切りに押しつけている。過剰金は国庫金の収益としてきたということがあります。つまり、過不足事故の原因がわからなくても
郵政
は決して損をする心配はないということになっているんですよ。 しかし、私、ここで問いたいんです。不足金の対応は後で論じるとして、過剰金ですよ。少なくとも過剰金の原因となったお客様にとっては、本来受け取るべき
お金
が受け取れなかった、損をしたということなんです。過剰金の原因が特定されないということは、つまり
郵政
が損をしない、
事業
庁が損をしないシステムは必然的にお客様の損によって成り立っていると言っても過言ではないんですよ。そうでしょう。こんなことをやっているところはほかに一つもない。
総務省
のきょうは自治行政局に来ていただいておりますけれども、地方自治体の
手数料
など現金を扱う窓口で過剰金が生じた場合、これを地方財政に繰り入れる明文上の法的根拠はありますか。
芳山達郎
64
○
政府参考人
(芳山
達郎
君) お答えいたします。 地方団体の財務会計手続を定めております地方自治法におきましては、ただいま御
質疑
ありましたような過剰金についての明文上の規定はございません。
宮本岳志
65
○宮本岳志君 ないんです。 事前のレクで自治行政局の
説明
では、これを雑収入として地方財政に繰り入れるということは少し乱暴な処理ではないかと。では、どうするのかと聞いたら、あえて厳密に言えば拾得物ということで警察に届けるということになるのではないか、こういうことでありました。 そこで、
郵政省
に聞きますが、会計法上、
郵便局
で発生した過剰金を国庫金に収益として繰り入れる法的な根拠はありますか。また、現在繰り入れる際に、何という費目で繰り入れておりますか。
足立盛二郎
66
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君)
郵便局
におきましては過剰金を国庫に繰り入れておるわけでありますが、これは会計法に特別な規定があるものではございません。いわゆる権利者が不明な過剰金につきましては、国がひとまず保管をしておきまして、時効が完成した後は権利者の請求権が消滅する。そうしますと、いわゆる民法の時効の法理に従いまして国のものになってくるということでありますので、現在、国が保管をするという
考え
方で処理しておるところであります。 具体的には、後日、過剰金のいわゆる権利者が判明した場合にはその方にお返しをいたします。そして、一定期間以上経過してもその権利者が判明しないものについては先ほどの時効の法理に従いまして国庫に組み入れているということでございます。国庫に組み入れております歳入科目は業務収入、目は為替振替業務収入、区分は為替貯金の雑収入でございます。
宮本岳志
67
○宮本岳志君 雑収入ということなんですね。まさに自治行政局さえ乱暴だと言う処理をやっている。一年間保管して民法上の時効の
考え
方を援用という
説明
を受けました。私は、どうもほとぼりが冷めるのを待ってというふうに聞こえたんですけれども。 それで、年間七億七千七百万円ですよ。いいですか。警察白書によると
平成
十一年に
全国
で拾得届が出された現金、
総額
百三十二億円なんです。年間七億七千七百万というのは実にその六%ですよ。本来受け取るべきお客様に、個人に返さなければならないこの
お金
が雑収入という乱暴な処理で国庫金の収益として扱われている。 前回の私の
質問
でも
郵政省
は、この過剰金について国庫金の収益として間接的にお客様に返していると
答弁
されて、当時の
委員会
では与党
委員
の間でさえ失笑が漏れましたよ。
大臣
、これ聞いていただいて、あなたの政治家としての一つの御
答弁
、感覚で
答弁
していただきたい。こんなことが
国民
に
理解
が得られると思いますか。いかがですか、
大臣
。
片山虎之助
68
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 宮本
委員
言われるように、本当はこういう過剰金というんですか、そういうのはないのが一番いいんですよね。しかし、やっぱり人間ですから、いろいろの手違いが出て、過剰金が出る場合もあるし、足りないのが出る場合もあるんだけれども、過剰金が出たら、それは善意で拾ったのと同じような
状況
で、一年間持って、時効になって、それは
郵便局
の中で大体起きているんですから、
郵便局
絡みだから
郵便局
の特別会計の恐らく雑収入で入れていると、こう思いますけれども、私もこの話を聞いて額が大きいなと思ったんですよ。 ただ、
郵貯
自身の額が大きいですから、比率からいうと大したことはないといえば大したことないのかもしれぬが、いかにも額は大きいので、今、長官が言うように、こういうことが起こらないようにするのが一番だと思いますので、職員のいろんな研修だとか訓練だとかというのもあるんでしょうし、事務のやり方、それから機械の入れ方、IT時代ですから、何かもう少し私は工夫する必要があるんじゃなかろうかと、こう思っておりますので、御指摘は十分重く受けとめて、しっかり検討させていただきます。
宮本岳志
69
○宮本岳志君 まさに人間だからいろいろ間違いがあるというお話もありましたね。 では、次に、不足金の問題なんですよ。 この不足金については、正規の会計手続は欠損金扱いというのがあるんです。ところが、欠損金として処理されているのは年間千件、わずか〇・二五%。ほとんどが任意弁償、つまり職員個人が自腹で出すというのが九九・七五%になっているんです。 インターネット上に「2ちゃんねる」という巨大掲示板がありまして、そこの郵便、
郵政
関係
者の掲示板というのがあるんです。私、そこをずっと見てみますと、「任弁、過剰金 あなたの最大記録」というスレッドがあって、
郵政
職員や
郵政
関係
者がいろいろと掲示板に書き込みをしております。 この中身を見てみますと、五十万欠損が出て、サラ金で借りて任意弁償したとか、貯金の担当になって数日目の新人が七万欠損、出勤者全員で頭割りして任意弁償したとか、枚挙にいとまがないんですね。この中に「任弁しない方法てあるの?」という
質問
があって、それにある人が答えを書き込んでいる。「任弁しません。と宣言すればいいんじゃないの?要するに自分に落ち度は全然なかったということでしょ。でもそれを証明しないといけないでしょうね。あと監察とかやって来そうですね。」「多分、最終的に払わされると思います。」と、こう書いてあるんですね。これほど任意弁償というのは日常茶飯になっているんですよ。しかも、任意とはいうものの、事実上は強制になっている。 これもひとつ
総務大臣
の御見解を聞きたいんですけれども、これは事実上やっぱり強制になっているんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
足立盛二郎
70
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君) 現在の
郵便局
で取り扱っております現金は国庫金でありまして、いわゆる欠損が生じた場合には、出納職員は会計法の規定によりまして、善良な管理者の注意を怠ったときは弁償の責任を免れることができないというふうにされておるわけであります。 そういう制度のありますことを前提といたしまして、職員がいわば自発的に善管注意義務を自分が欠いたというふうに判断して、いわゆる自己の債務として現金を補てんしたものでありまして、国としては、任意弁償というのは事実上の制度でありますが、決して強制して行っているものではないということは御
理解
いただきたいと思います。
片山虎之助
71
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) これは会計法の規定や仕組みもあるんですね。善良な管理者としての注意をちゃんとやったということを証明せにゃいかぬのですよね。ただ、これはなかなか簡単にいきませんよ。そうすると、あとは面倒だから、ややこしいし、大した額でなけりゃ出しておこうかと、こういうことになるんですよね、恐らく。私は、強制じゃないと思いますけれども、雰囲気としては、出した方がいいなという、そういう感じになるのかなという気がいたしますので、これも一遍、
郵政省
が
総務省
になったんですから、仕組みも変えるという、
国営公社
になりますし、そういうことの中で、どうやってこういうことが少なくなるか、件数も額も。そういう検討をやっていきたい、こういうふうに思います。
宮本岳志
72
○宮本岳志君 それは当然で、強制にもし仕組みとしてなっていたらさらに問題なわけですけれども、
大臣
おっしゃるとおり、そういう空気になっているというのはこのスレッドを見てもひしひしと伝わってまいります。 そして、やっぱりこのことが非常に職員の負担になっているし、そういうことについてさまざまな
議論
があるということは事実でして、この今のスレッドで、任弁しませんと宣言すればどうなるかと。任弁しませんと宣言した例がございます。そうすれば、
郵政
監察がやってきて、会計検査院が検査に入ると。
総務大臣
の名前で弁償命令が出ます。それも拒否したら、国から裁判に訴えられると。こういう裁判が行われてまいりました。 去る二月二十一日、東京地裁民事第二十四部において、この不足金裁判、不足金の処理をめぐる裁判の判決が出されました。その判決のうち、郵便窓口での不足金については、
郵政省
、国側の
主張
を退け、請求を棄却いたしました。この裁判は、一九九〇年から九六年にかけて、六名の
郵便局
員が郵便窓口で発生した不足金について正規の取り扱いである欠損金として処理したところ、
郵政大臣
から六名に対して合計三十九件、四十一万三千二百五十四円の弁償命令が出されている。この弁償命令に対して六名が
異議
を唱え、支払いを留保したところ、一九九七年八月に
郵政省
が不足金の支払いを求めて提訴し、裁判となったものです。 判決によりますと、郵便窓口での不足事故は、現金亡失、
お金
がなくなったのか、切手類亡失、切手、物品がなくなったのかを特定できない以上、会計法に基づく、先ほどおっしゃった善管注意義務違反を根拠とした弁償義務はないと、こう言って国側の請求を棄却したんです。これに間違いないですね。
足立盛二郎
73
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君) この原判決は、郵便窓口におきまして、現金亡失か切手類の亡失かいずれであるかを認めるに足る証拠がないということで、会計法に基づきまして現金亡失を前提とした善管注意義務違反を求めておりました当方の請求を一部棄却するという内容でございます。 なお、棄却されたものにつきましては、当方としては現金の亡失であるというふうに
考え
ておりまして、本件につきましては、今後、控訴審の中でその事実
関係
等を
主張
してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
宮本岳志
74
○宮本岳志君 ここに判決の全文があります。今後この裁判がどのように争われるかというのは司法の問題なんです。ここでやろうというふうには思っておりません。しかし、確認したいんですが、国側は、この不足金が切手など各種販売品の亡失でなくて現金の亡失であるという
主張
はしておりますよ。しかし、現金亡失か切手類亡失かが特定できなければ善管注意義務違反には問えないということについては争っていないと思うんですね。 この判決の
趣旨
、つまりこれがはっきりしなければ善管注意義務違反としての弁償責任は問えないという判決の
趣旨
に立つと、また、国側が争っていない、国側も認めているこの論理、これに立てば、今後、現金以外に切手や印紙などを扱う郵便窓口においては、切手や印紙の数え間違いなどの可能性が全くないと、これは間違いなく現金が亡失された事故であるということが明らかになったときのみに会計法に基づく弁償責任が出てくると。逆に言えば、今後、郵便窓口においては、その現金不足の原因が切手や印紙の亡失でない、確かに現金を亡失したということが具体的に明らかにできない場合は、職員に会計法上の善管注意義務違反に基づく弁償責任は問えない、こうなると思うんですが、間違いありませんね。
足立盛二郎
75
○
政府参考人
(
足立盛二郎
君)
先生
の言われますとおり、この判決の
趣旨
に従うならば、現金亡失か切手亡失かのいずれであるかを認めるに足る証拠がない限り、職員に会計法上の弁償責任を問うことは困難になるものと
考え
ます。 ただ、先ほども申し上げましたように、本件裁判で争っております具体的な事件につきましては、この事実
関係
の認定を、私どもは先ほど申し上げましたような観点で今後控訴審の中で
主張
していくということでございます。
宮本岳志
76
○宮本岳志君 今後はやっぱりそういう扱いにしていただくということだと思うんですね、その両方を扱っている窓口においては。そのことが明らかにならない限り弁償責任は問えないということをはっきりさせて運用に当たっていただきたいと思っております。 そこで、今後の
郵政
の
あり方
にかかわる問題で、先ほど少し
総務大臣
も先取りして
答弁
をいただいたわけですけれども、
中央省庁
改革
基本法
によりますと、
郵政事業庁
は二〇〇三年にも新型の
公社
に
移行
いたします。そして、
基本法
の第三十三条の四では、新型
公社
の予算及び決算は
企業会計原則
に基づき処理する、予算は
国会
の議決を必要としないものとするほか、繰り越し、移用、流用、剰余金の留保を可能とするなどその統制を必要最小限のものとすると、こうしております。また、
国会
審議では、当時の大森法制
局長
官が、
郵政
公社
に関する財務会計費用の支出、これは国費に当たらない、明確に国庫金でなくなると、これはこうお答えになっているわけですね。 だからこそ冒頭、私
質問
で確認したように、今回の法
改正
で行われる日銀ネットとの決済も、新型
公社
となったらその扱いを検討する必要が出てくるわけです。これはそうなると明確に会計法の適用がなくなると思いますので、その際には当然こういった問題についても
現状
のままでいかなくなると思うんですが、この点よろしいですね。
野村卓
77
○
政府参考人
(
野村
卓君) 新
公社
の財務会計制度につきましては、
中央省庁等改革基本法
に基づきまして現在検討中のところでございますけれども、新
公社
は国と別の人格を持つ法人として設立される予定になってございますので、新
公社
の取り扱う
郵便貯金
等の現金につきましては国庫金でなくなるということになると
考え
ております。また、会計法の適用につきましても、そういった現金等の取り扱いの手続につきましては直接適用にはならないというふうに
考え
ているところでございます。
宮本岳志
78
○宮本岳志君 相当明快な
答弁
ですので、少し早目に終われそうなんですけれども。 私は実はこの件をめぐって勉強してみたんです。会計法、とりわけこの弁償責任というものがどのように歴史的に発展してきたかと。 実は、明治会計法、明治二十二年制定の会計法で初めて弁償責任というものが出てくるんです。この当時は、実は現金もしくは物品の出納をつかさどるところの官吏はと、主語はこれは物品も現金も一緒くたになっているんです。しかも結果責任、もう無過失責任なんですね、このときは。 その後、大正会計法、大正十年に
改正
されまして、このときもまだ現金または物品を亡失毀損した場合はということですが、初めて善良な管理者の注意を怠らなかったことを証明すればその責を免れ得ると。しかし、挙証責任は依然として出納官吏の側にあったんです。 そして、昭和二十二年、新憲法とともに会計法を再び全面的に
改正
しました。弁償責任の主観的責任要件である善管注意義務について、立証責任は出納職員にあるんじゃなくて国の側にその立証責任を転換したんです。 しかし、決定的だったのは、その後三十一年に物品管理法という
法律
をつくって、物品については会計法から外したんです。そして、物品の管理に係る職員は物品管理職員として新たな
法律
で律することにしたと。そして、そのとき物品管理法は「故意又は重大な過失」というふうに、つまり善管注意義務じゃなくて故意でやったとか重大な過失があったということがない限り問わないということになったんですよ。 だから、この問題のさまざまな学術書も読みましたけれども、少しバランスに欠くと。物品がそう緩和されているのに、いつまでも現金、出納の職員だけこういう扱いでしているのはやっぱりバランスを欠くという
議論
も随分学界にあるんです。 ぜひこの機会に、やはりもうこういう取り扱いについてもきちっと
民間金融機関
並みにしていくと、この
方向
での御検討を、ひとつ
大臣
からその御決意というか所見をお伺いして、五分残りますけれども、私の
質問
を終わりたいと思うんですが、いかがでしょうか。
片山虎之助
79
○
国務大臣
(
片山虎之助
君) 宮本
委員
が言われるように、やっぱり今度は国でなくなりますよ。しかし、
国営
の
公社
でして、それから
国民
の
皆さん
の貴重な
お金
を預かって、それがキャッシュであるか小切手か印紙であるか、それは形はともかくとして重要度は私は同じだと思いますね。だから、いずれにせよ、この
国営公社
の財務会計制度というのは仕組まなきゃいけません。 その中で、いろんな御
議論
がある、宮本
委員
の御意見も御指摘もありますから、そういうことを含めて、やっぱり
国民
の目から見て安心できるような、それからバランスをとって公平なような仕組みは十分検討させていただきます。
宮本岳志
80
○宮本岳志君 終わります。
溝手顕正
81
○
委員長
(
溝手顕正
君) 他に御
発言
もないようですから、
質疑
は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
郵便振替法
及び
簡易郵便局法
の一部を
改正
する
法律案
に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
溝手顕正
82
○
委員長
(
溝手顕正
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
溝手顕正
83
○
委員長
(
溝手顕正
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十三分散会