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国務大臣(
扇千景君) ただいま議題となりました
倉庫業法の一部を
改正する
法律案の提案
理由につきまして御
説明申し上げます。
倉庫業は、
国民生活に欠くことのできない重要な物資を大量に扱い、その保管
機能を通じて物資の需給調節、物価の安定等に資する事業であり、
我が国における産業活動や
国民生活を維持していく上で極めて重要な
役割を果たしているところでございますが、一方において、経済構造の転換や
国民生活の向上を背景とした保管ニーズの高度化、多様化に適切に
対応していく必要性が高まっているところでございます。
このような
状況を踏まえ、倉庫業に係る参入規制及び料金規制についての規制緩和を行うことにより、事業者間の競争を促進するとともに、事業者の創意工夫を生かした多様な
サービスの
提供や事業の効率化、活性化を図ることが求められているところでございます。
またその一方で、近年一般消費者を対象に衣類、家財等の保管を行ういわゆるトランクルーム事業が急激に伸長しているところでございますが、この中には、物品の保管責任を負わないものもあるなどさまざまな営業形態があり、消費者が容易に選択し得る制度を創設するなど、消費者保護のための措置を講ずる必要があります。
このような趣旨から、このたびこの
法律案を提案することとした次第でございます。
次に、この
法律案の概要について御
説明申し上げます。
第一に、倉庫業に係る参入について、許可制を登録制とし、
国土交通大臣は、登録の申請があった場合においては、倉庫の施設または設備が一定の
基準に適合しない場合、倉庫管理主任者を確実に選任すると認められない場合等の登録拒否要件に該当する場合を除くほか、倉庫業者の登録をしなければならないこととしております。
第二に、料金の事前届け出制を廃止することとしております。
第三に、倉庫業者は、管理すべき倉庫の規模その他の一定の
基準に従って、倉庫の適切な管理に必要な知識及び能力を有する倉庫管理主任者を選任して、倉庫における火災の
防止、その他の倉庫の管理に関する業務を行わせなければならないこととしております。
第四に、
国土交通大臣は、倉庫業者の事業について倉庫の
利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、当該倉庫業者に対し、料金の変更その他の事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができることとしております。
第五に、トランクルームをその営業に使用する倉庫業者は、トランクルームごとに
国土交通大臣の認定を受けることができることとし、その認定
基準を、トランクルームの施設及び設備が一定の
基準に適合すること、消費者に有利な内容を有する約款を定めていること等とすることとしております。
第六に、倉庫業を営む者以外の者は、その行う営業が寄託を受けた物品の倉庫における保管を行うものであると人を誤認させるような行為をしてはならないこととしております。
以上が、この
法律案を提案する
理由でございます。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜りますよう
お願い申し上げます。