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国務大臣(
扇千景君) 緒方
先生のおっしゃることも、私はそれもそれだろうと思うんですね。いろんな
意見がございます。
実際、
御存じのとおり、私は福岡へ行きますときに、来ないでくれと言われたんです。なぜですかと言ったら、覚えていらっしゃると思いますけれ
ども、福岡が
渇水でホテルが全部お客を迎えられない、それくらい福岡のあの大都市の中で
渇水になってしまったんですね。そういうことで、緒方
先生も東京でいらっしゃいますから、東京都の必要な水というものも東京だけではだめ、群馬県からいただいたり、あらゆるところからいただいています。
そういう
意味では、
日本は諸外国と違いまして、
日本のこの
地形、七割が山である、しかも私
たちは三割の平地に住んでいて、それだけに急流なんですね。勾配の斜傾が急なんですね。ですから、少なくとも信濃川と欧州のライン川、いろんなことを比べてみますと、勾配が河口から二百メートルの高さに達するまでの
河川の延長、あるいは信濃川が百十キロメートル、ところがライン川は七百七十キロメートル、これはライン川の七倍、信濃川の方が急流なんですね。
ですから、今、
先生がおっしゃいますように、自然の木があればそれでいいんじゃないかと、
ダムが必要ないんじゃ、必要がないとはおっしゃいませんけれ
ども、減らしていけるんではないかというふうにおっしゃいましたけれ
ども、私はあえて
渇水ということから
考えますと、今、世の中では、アメリカは
ダムを減らしているじゃないかというふうにおっしゃいますけれ
ども、アメリカのフーバー
ダム、アメリカのフーバー
ダム一つで
日本じゅうの
ダム全部合わせただけの貯水量なんですね。ですから、アメリカのフーバー
ダムが約四百億トンあるんです。ところが
日本の場合は二百四億トン、約半分ですね。ですから、少なくともアメリカが
ダムをなくしていっているというのは、
日本はあれは
ダムと言わないで堰なんですね。そういう小さいものをなくしていっていることを
ダムをなくしていると言うんですけれ
ども、そういう
意味でも私はやっぱり最小限むだなものはとらなきゃいけませんけれ
ども、治水という面からは、あるいは
先生もおっしゃいましたいわゆる
渇水対策という面からもどうしてもこれは必要であると。
それと私は、
日本は緑がなくなった緑がなくなったと言われるんですけれ
ども、私は、これも
先生お持ちかどうかわかりませんけれ
ども、世界じゅうの森林面積の国際比較というのがあるんです。一番あるのはフィンランドです。そして、何と
日本は四番目なんですね。しかも、
日本の森林、よく緑の
ダムとだれかさんがおっしゃいますけれ
ども、森林は
国土の面積の
日本は六七%なんです。しかも、明治、大正のときから全然減っていないんです。しかも、今私が言っていますけれ
ども、ドイツの二倍あるんですね、森林が。これは七割が山であるということからして、そうなるんだと思いますけれ
ども。
ですから、緑の
ダムと、それから
日本は緑が少なくなったからということでは、現実的にこの表をもってすれば
日本の緑は少なくはないと。だけれ
ども東京は東京砂漠だと、こういうことはありますけれ
どもね。