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国務大臣(
平沼赳夫君) 私は、十五日の記者会見で申し上げたのは、今の厳しい月例経済報告にありますように悪化しつつあるこの国の経済、ここにやはり歯どめをかけるということは、今
先生御
指摘で、
平成十三年度の予算というのは森内閣でつくった中立型のやつだからそう大きな効果はないという御
指摘でございましたけれ
ども、やはり総額で八十兆を超えるそういう予算が確実に執行されることによって国の隅々までその効果が行き渡る、こういう効果がありますから、これを確実にやることは
一つ重要な私はファクターだ、こういうことで申し上げました。
それからもう
一つは、やはり緊急経済対策、こういう中でこれは今御
指摘のとおり四つの柱があるわけですけれ
ども、
一つの金融サイドの不良債権の処理と産業サイドの不良債務の処理、これを第一義にやっていく、こういう形で今おっしゃったようにそれを進めることによってデフレ懸念が強まるのではないか、こういう御
指摘でありますが、そのために、やはり九〇年代からアメリカが非常に好調になったという背景の中には、八〇年代の低迷の中でSアンドLを含めて非常に厳しい金融危機というものを果敢に処理しながら、同時に情報通信、ITを中心として新規産業を起こし、そしていわゆるたくさんのベンチャーがそこに輩出されて、そこにまた厳しい中で失業した失業者を吸収していった、こういう
一つの背景がございます。
ですから、不良債権、不良債務を処理するに当たってはそのための仕掛けをしなきゃいけないということが、私のいわゆる十五項目の
平沼プランと、こう言っていただいておりますけれ
ども、そのこともあわせてやっていかなきゃいけない。また、それから今、経済財政諮問
会議の中で、国民の皆様方に明確にわかっていただくようにいろいろな角度から骨太の
基本方針、こういうものも打ち出しているところでございまして、そういう
一つの
基本方針をもとにして強力に展開していきますと私は効果が上がる、そういう思いで申させていただきました。
もう
一つは、マネーサプライの件を言わせていただいたわけですけれ
ども、マネーサプライは日銀の専管事項でありますが、確かに昨年の八月に日銀はゼロ金利政策をやめた、それがやはりある
意味では景気の鈍化につながったというような背景もあります。そこで、この三月十九日に実質上ゼロ金利にいたしまして、そしてマネーサプライもふやしました。しかし、現実の問題として、銀行にまではマネーサプライで資金は行っておりますけれ
ども、その下のいわゆる運転資金等を非常に希求している
中小企業にはそれが行き渡っていない。
ですから、そういう
意味で、私
どもは、マネーサプライをしても今の状況では設備投資をするところがないではないかという御
指摘ですけれ
ども、やはりそういった運転資金を含め設備を更新したいというようなそういう意欲を持っている
中小企業もいるわけですから、私は、日銀の専権事項であるけれ
ども、銀行から下への資金を潤沢にするようなマネーサプライ、それをふやすべきだと、こういう形で記者会見をいたしました。
確かに、
先生御懸念のように、デフレ傾向の中で今の
日本経済は非常に痛みを伴う構造改革をやっていかなければならないわけでありますけれ
ども、それを少しでも痛みを少なくするためには、
経済産業省としましては
中小企業、これは
企業の大宗を
中小企業が占めているわけでありますから、そこに対するセーフティーネットというものもしっかりと構築をしながら私
どもは対策を講じていかなければいけない、こんな認識を持っております。