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2001-02-19 第151回国会 参議院 共生社会に関する調査会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年二月十九日(月曜日) 午後一時開会 ─────────────
委員
の
異動
二月十六日 辞任
補欠選任
郡司
彰君
小川
敏夫
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
石井
道子
君 理 事
南野知惠子
君
小宮山洋子
君 大森 礼子君 林 紀子君 清水 澄子君 委 員 阿部
正俊
君 有馬 朗人君 岩崎 純三君 大島 慶久君
仲道
俊哉
君 森下 博之君
小川
敏夫
君
岡崎トミ子
君 高橋 千秋君 千葉 景子君 渡辺 孝男君 小池 晃君
八田ひろ子
君 副
大臣
財務
副
大臣
若林
正俊
君
厚生労働
副
大臣
増田
敏男
君
厚生労働
副
大臣
桝屋
敬悟
君
事務局側
第三
特別調査室
長 岩波 成行君
政府参考人
財務大臣官房審
議官
木村
幸俊
君
厚生労働省雇用
均等
・
児童家庭
局長
岩田喜美枝
君
厚生労働省年金
局長
辻 哲夫君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
共生社会
に関する
調査
(
男女等共生社会
の
構築
に向けてのうち
女性
の
自立
のための
環境整備
に関する件) ─────────────
石井道子
1
○
会長
(
石井道子
君) ただいまから
共生社会
に関する
調査会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る十六日、
郡司彰
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
小川敏夫
君が選任されました。 ─────────────
石井道子
2
○
会長
(
石井道子
君)
共生社会
に関する
調査
のうち、「
男女等共生社会
の
構築
に向けて」を議題といたします。 本日は、
女性
の
自立
のための
環境整備
に関する件のうち、
女性
の
経済
・
社会的自立支援
について、
財務省
、
厚生労働省
から
説明
を聴取し、その後、
質疑
を行うことといたします。 まず、
財務省
より
説明
を聴取いたします。
若林財務
副
大臣
。
若林正俊
3
○副
大臣
(
若林正俊
君)
財務
副
大臣
の
若林正俊
でございます。 本日は、
女性
の
経済
・
社会的自立支援
に関しまして、
財務省
の
取り組み
として
男女共同参画
の
視点
に立った
税制
の
見直し
について御
説明
させていただきたいと思います。 お手元に
資料
をお配りさせていただいております。
男女共同参画社会
の
実現
は
我が国社会
の
あり方
を決定する重要な
課題
の
一つ
であり、
税制面
におきましてもこのような動きを踏まえながら、
就業
や
婚姻
など
個人
の
ライフスタイル
の
選択
に対する
公平性
、
中立性
を損なうことがないよう、絶えずその
あり方
を
検討
していく必要があると考えております。
男女共同参画
の関連では、
税制面
において
個人所得課税
における
課税単位
と
配偶者
に係る
控除
について論議が行われておりますので、この二点につきまして申し上げたいと思います。 まず、
課税単位
の問題でありますが、
納税者
の
世帯
のうちで
配偶者
や
扶養親族
も
所得
を稼得する場合に、
課税対象
となる
所得
を
個人ごと
にとらえるのか、
世帯単位
でとらえるのかということが
課税単位
の問題であり、前者を指して
個人単位課税
、後者を
世帯単位課税
と称しております。
資料
は一ページ、そして二ページにございます。
我が国
の
個人所得課税
は、
所得
を稼得する
個人ごと
にその
所得
に対して課税する
仕組み
をとっており、
個人単位課税
と整理されるものであります。これは、
個人
が
一定
の
所得
を稼得する場合、
通常
その
所得
はその
個人
に帰属することから、
所得
が帰属する
個人ごと
に
税負担
を求めるのが適当であるとの考え方に基づいております。 なお、三ページ目にございますが、OECD三十カ国中二十六カ国で
個人単位課税
がとられておりますように、世界的にも
個人単位課税
が主流となっております。 また、二分二乗
課税方式
などの
世帯単位課税
を採用した場合には、
独身者世帯
に比べて
夫婦者世帯
が有利になったり、
共稼ぎ世帯
に比べて片
稼ぎ世帯
が有利になるなどの問題も考えられます。
個人単位課税
は
婚姻
や
配偶者
の
就業
に対して相対的に
中立
であり、
課税単位
については引き続き
個人単位
とすることが適当であると考えております。 なお、四ページにございますが、
個人単位
、
世帯単位
にかかわらず、
配偶者
や
扶養親族
などに係る各種の
控除
が設けられております。 次に、
配偶者
に係る
控除制度
についての問題でございますが、ただいま申し上げましたように、
我が国
の場合、
個人単位課税
を採用しつつ
配偶者控除
や
扶養控除
が設けられております。これらは、
所得
がない、あるいは
所得
が少ない
配偶者
や
親族
を有する場合には、
納税者自身
の
担税力
が減殺されるという点に着目してこれをしんしゃくする
趣旨
で設けられておるものであります。
配偶者控除
につきましては、かつて一人目の
扶養親族
として
扶養控除
が
適用
されておりましたが、
夫婦
は
相互扶助
の
関係
にあり、一方的に扶養している
親族
とは異なる
事情
があることなどにかんがみ、
昭和
三十六年度に
扶養控除
とは独立した
控除
として創設されたという経緯がございます。
配偶者特別控除
は、
昭和
六十二年、六十三年の
抜本的税制改革
の際に創設された
制度
でありますが、これは五ページにございますが、
納税者本人
の
所得
の稼得に対する
配偶者
の貢献に
配慮
し
税負担
の
調整
を図る
観点
、
パート
で働く
配偶者
の
所得
が
一定額
を超える場合に
配偶者控除
が
適用
されなくなり、かえって
世帯
全体の
税引き
後
手取り額
が減少するといういわゆる
パート
問題への
対応
の
観点
などから創設されたものであり、
税引き
後
手取り額
の
変化
を緩和するため、
配偶者
の
所得
の大きさに応じて
控除額
を段階的に減少させる
消失控除
の
仕組み
をとっております。 六ページをごらんください。 この
仕組み
によりまして、
パート
をめぐる
手取り逆転現象
の問題は少なくとも
税制
上は解消されたものと考えております。 ただ、依然として
パート収入
をめぐり、
手取り
の
逆転現象等
を
理由
とする
パート等労働者
の
労働調整
が
指摘
されていると承知しております。これにつきましては、
一定
の
収入基準
に達すると
社会保険制度
において被
扶養者
とされなくなったり、
配偶者手当等
が支給されなくなるということなども密接にかかわっていることに留意する必要があると考えております。七ページ、八ページにそのような
事情
が
資料
としてございます。 ところで、近年、
配偶者
に係る
控除
について、
女性
の
社会進出
、
男女共同参画社会
の
進展
などを踏まえ、
就業
に対する税の
中立性
の
観点
から、その性格、
あり方
の
見直し
が必要ではないかとの
意見
が高まっております。 例えば、昨年七月の
政府税制調査会
の
中期答申
におきましては、
配偶者控除
や
扶養控除
などの 基礎的な
人的控除
が
世帯構成員
の数などに応じて
納税者
の
税負担能力
(
担税力
)を
調整
するための
仕組み
であることを踏まえると、
配偶者
を有する
納税者
への
配慮
として
配偶者控除
と
配偶者特別控除
の二つの
控除
の
適用
を認めていることは、
納税者本人
や
扶養親族
に係る
配慮
と比較してかなり大きいものとなっています。 また、
就業
している
配偶者
であっても、
所得
が
一定額
以下であれば、自らは
基礎控除
の
適用
を受けて
課税関係
が生じない一方で、その者の
配偶者
である
納税者本人
は、その
課税所得金額
の計算上、
配偶者控除等
の
適用
を受けており、その意味でいわば二重の
人的控除
を享受する結果となっています。 という
指摘
がなされているところでございます。九ページにその
世帯構成
に応じた
課税最低限
の
状況
を図示いたしております。 一方で、
配偶者控除等
は現実に多数の
世帯
に
適用
されているという点や、
我が国
の
個人所得課税
の
課税最低限
を構成する主要な要素として
定着
している点にも留意すべきではないかといった
指摘
もございます。十ページに
主要国
の比較がございます。
主要国
を見ても、
税制
上、
配偶者
に関して何らかの
配慮
をする
制度
が設けられております。また、
消失控除
の
仕組み
による
税引き
後の
手取り
の
逆転現象
への
対応
の
必要性
に留意する必要があると考えております。 今後の
あり方
としてですが、
我が国
の
個人所得課税
は、累次にわたる
控除
の拡充や
税率構造
の緩和によって
税負担額
は主要諸外国に比して最も低い水準となっており、特に中低
所得者
の
税負担
が小さいものとなっております。
個人所得課税
につきましては、
経済社会
の
構造変化
などに応じて、
基幹税
としての役割、
課税ベース
としての
所得
のとらえ方等にも留意しつつ抜本的に見直す必要があり、
配偶者
に係る
控除
の
あり方
につきましても、
女性
の
社会進出
、
男女共同参画社会
の
進展
などを踏まえ、
税負担能力
、いわゆる
担税力
の減殺を
調整
するといった
所得控除
の
趣旨
や他の基礎的な
人的控除
とのバランス、
制度
の
簡明性
などの
観点
から
検討
を加える必要があると考えております。 いずれにいたしましても、この
見直し
についてはさまざまな
議論
があってしかるべきでありまして、今後、
国民
的な
議論
によって
検討
さるべき
課題
であると考えております。 終わりに当たりまして、
少子高齢化
など
社会経済情勢
が急速に
変化
する中にあって、性別にとらわれることなく、その個性と
能力
を十分に発揮できる
男女共同参画社会
の
実現
は
政府
の最
重要課題
の
一つ
であると認識しております。
財務省
といたしましても、今後とも
女性
の
経済
・
社会的自立支援
に関しまして適切に対処してまいる所存でございます。
石井道子
4
○
会長
(
石井道子
君) ありがとうございました。 次に、
増田厚生労働
副
大臣
。
増田敏男
5
○副
大臣
(
増田敏男
君)
厚生労働
副
大臣
の
増田敏男
でございます。 私の方からは、
女性
の
自立
のための
環境整備
に関する件に関しまして、
厚生労働省
の
取り組み
の概要を御
説明
申し上げます。 1の
雇用
の分野における
男女
の
均等
な
機会
と待遇の
確保
への
取り組み
についてでありますが、全体で大きく
三つ
の
事項
がございます。 まず、一ページをごらんいただきたいと思います。
女性
が差別的な
取り扱い
を受けることなく、その
能力
を十分に発揮できる
雇用環境
を
整備
するとともに、働きながら安心して
子供
を産むことができる
環境
をつくることは大変重要な
課題
になっております。このため、2の枠にありますように、
男女雇用機会均等法
において、
雇用
の全ステージにおける
女性
に対する差別の禁止、
男女労働者
の間に事実上生じている格差を解消するためのいわゆる
ポジティブアクション
を講ずる
事業主
への
援助等
が定められております。また、紛争が生じた場合の助言や調停、
職場
における
セクシュアルハラスメント
の
防止
、
女性労働者
の
健康管理
などが規定されています。 次に、二ページの3の
対策
をごらんいただきたいと思います。
均等法
の
規定等
を踏まえ、具体的には二ページにありますように、
男女雇用機会均等確保対策
、
女子学生
の
就職
に関する
均等確保対策
、
ポジティブアクション
の
促進
、
職場
における
セクシュアルハラスメント防止対策
の
推進
、
母性健康管理対策
などであります。 一枚おめくりいただきたいと思います。 三ページをごらんいただきたいと思います。 4といたしまして、
都道府県労働局雇用均等室
における
均等法
に関する
相談状況
を取りまとめてございます。募集、採用に関するもの、次いで
セクシュアルハラスメント
に関するものが多くなっています。 次に、大きい二番の
項目
といたしまして、
仕事
と
家庭
の
両立支援策
への
取り組み
について
説明
をいたします。 四ページをお開きいただきたいと思います。 まず、(1)
就労環境
の
整備
、再
就職支援
についてであります。
少子高齢化
、
核家族化等
が進行する中で、
厚生労働省
におきましては
職業生活
と
家庭生活
の
両立支援対策
としてさまざまな
施策
を
推進
しているところでございます。 まず、1の
育児休業
、
介護休業
を
取得
しやすく
職場復帰
しやすい
環境づくり
の
推進
をごらんください。
育児休業制度
、
介護休業制度
により、一歳に満たない子を養育する
労働者
または要
介護状態
にある
家族
を
介護
する
労働者
は、
育児休業
または
介護休業
を
取得
することができます。また、
休業期間
中は
休業開始
前
賃金
の四〇%に相当する額を支給しております。さらに、
育児休業
、
介護休業
を
取得
しやすくするために、
職場復帰
のためのプログラムや
育児休業取得者
の
代替要員
の
確保
について
助成金
を支給しております。 次に、2の
育児
や
介護
をしながら働き続けやすい
環境
の
整備
についてでございます。
育児
・
介護休業法
においては、
勤務
時間の
短縮等
の
措置
が定められているほか、五ページにありますように、
従業員
の
育児
・
介護サービス利用料
を補助する
事業主
や
事業所内託児施設
を
設置
、
整備
する
事業主
に対し
助成金
を支給しております。さらに、急な残業など臨時的、一時的な
保育
・
介護ニーズ
に
対応
するため、
会員制
で
地域
における
相互援助活動
を行う
ファミリー
・サポート・
センター事業
につきましては、
平成
十三年より
省庁統合
のメリットを生かす形で抜本的に改編することとしております。 その他、
フレーフレー・テレフォン事業
、
ファミリーフレンドリー企業
の
普及促進事業
、
育児
・
介護等
のために退職した者に対する再
就職支援等
を行っております。 一枚めくっていただきたいと思います。 六ページをごらんください。
育児
・
介護休業法
の
改正案
についてでございます。 この
法律案
は、本
通常国会
に提出させていただき御審議をお願いすることとしております。その主な
内容
は、六ページにありますように、
育児休業
や
介護休業
の申し出や
取得
を
理由
とする不利益な
取り扱い
を禁止することなどの六
項目
となっています。 次に、七ページをお開きください。
仕事
と
家庭
の
両立
を図っていく上では、
労働
時間の
短縮等
により
就業条件
の
整備
を進めることが重要であります。このため、週四十時間
労働制
の遵守の徹底などによる
労働
時間の
短縮
、
フレックスタイム制
など、弾力的な
労働
時間
制度
の
普及促進
に努めております。 なお、
年間
の総実働時間がいまだ千八百時間に達していないことから、本年三月三十一日で
廃止期限
を迎える
労働
時間の
短縮
の
促進
に関する
臨時措置法
の
廃止期限
を五
年間
延長する法案を今
国会
に提出しているところでございます。 次に、八ページをごらんください。
仕事
と
家庭
の
両立支援策
の(2)
子育て支援策
について御
説明
いたします。
平成
十一年十二月に
関係
六
大臣
の合意により策定した新
エンゼルプラン
に基づき、
保育サービス等
の
充実
を図っているところであります。
プラン
の主な
内容
については九ページをごらんください。
保育関係
では、需要の多い低
年齢児
、ゼロから二歳ですが、
保育所受け入れ枠
の拡大、
延長保育
など、多様な
保育サービス
の
整備
、
放課後児童クラブ
の
整備
、
専業主婦
を含めた
地域
の
子育て支援関係
では、一時
保育
、
地域子育て支援センター
など、
子育て支援体制
の
整備
などについて
平成
十六年度までの
目標値
を定め、
平成
十三年度
予算案
におきましても必要な
予算額
を
確保
しております。 一枚おめくりいただきたいと思います。 十ページをごらんください。
保育所利用児童数
については左側のグラフの全体をごらんください。
平成
七年以降、特にゼロ歳児、一、二歳児の
入所児童数
が急増しております。 十一ページをごらんください。
保育所入所
を希望していても希望の
保育所
にあきがなくて利用できない者、いわゆる
保育所待機児童
が、
平成
十二年四月現在、約三万三千人となっております。このような
状況
を踏まえ、
厚生労働省
といたしましては、新
エンゼルプラン
を
推進
するとともに、十一ページにありますように、
保育所定員
の
弾力化
や
設置主体制限
の撤廃などを通して、
待機児童
を多く抱える
地方公共団体
がこの問題に柔軟に
対応
できるようにし、
待機児童
の解消に努めているところであります。なお、
都市部
を
中心
に
待機児童
の多い約五十の自治体から直接
ヒアリング
を実施することとしております。 十二ページをお開きください。
仕事
と
家庭
の
両立支援策
の(3)
介護支援策
についてでございます。 昨年四月、
介護
を
国民
みんなで支え合う
制度
である
介護保険制度
が施行され、十カ月余りが経過いたしました。この間、
サービス現場
や
市町村
を初めとする
関係者
の
方々
の多大な御努力により、大きな混乱なく実施されているところでございます。また、
資料
にございますとおり、
サービス
の
利用者数
の
増加
や
サービス
の
利用量
、
提供量
の
増加
といった
制度導入
による効果もあらわれております。 一方で、施行後、
現場
の
方々
から改善すべき点の
指摘
が寄せられており、また十三ページにございますとおり、昨年九月末には与党三党において
介護保険制度
の
定着
に向けた
改善方策
もまとめられております。
厚生労働省
としては、これらを踏まえ、ショートステイを利用しやすくするための
支給限度額
の一本化などの必要な
改善措置
を逐次講じているところでございます。
介護保険
は生まれたばかりの
制度
で、
国民
の間に
定着
を図っていくことが肝要であり、今後とも
市町村
を初めとする
現場
からの御
意見
に
十分耳
を傾け、
介護保険
をよりよい
制度
へと育ててまいりたいと考えております。 次に、3の
男女共同参画
の
視点
に立った
社会保障制度
の
見直し
についてであります。 最後に、十四ページをお開きください。 大きい
事項
の
三つ目
、
男女共同参画
の
視点
に立った
社会保障制度
の
見直し
について御
説明
いたします。 十五ページをごらんください。 昨年の
社会保障構造
の在り方について考える
有識者会議
の報告におきましては、
社会保障制度
について
支え手
をふやすという
観点
から、
就労等個人
の
選択
に
中立
的な
制度
の
構築
が求められているところでございます。特に、
年金制度
におきましては、
平成
十二年度
年金制度改正
に際しまして、
女性
の
ライフスタイル
の
変化等
を踏まえた
年金制度
の
あり方
、具体的には
個人単位化
や
主婦
の
年金
の
あり方等
について
議論
されましたが、
意見
が分かれ、さらに
議論
を深めることが
課題
となっております。 このため、
女性
の
年金
の
あり方
について幅広く
検討
を行っていくこととし、昨年七月より
検討会
を開催しております。これまでの
検討状況
は
資料
十四ページのとおりでありますが、今後は
関係者
からの
ヒアリング
や
委員
からのレポートも実施し、
議論
を深め、その動向にもよりますが、できれば本年末を目途に
意見
の取りまとめを行いたいと考えております。 簡単ではございますが、以上で御
説明
を終わります。
厚生労働省
といたしましては、これらの
施策
を着実に
推進
していくことにより、
女性
がその
能力
を十分に発揮できる
環境づくり
、働きながら
子供
を産み育てやすい
環境
の
整備等
に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
石井道子
6
○
会長
(
石井道子
君) ありがとうございました。 以上で
説明
の聴取は終わりました。 これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御発言願います。
仲道俊哉
7
○
仲道俊哉
君 自由民主党の
仲道
であります。
省庁再編
後の初めての
質問
でありますが、二十一世紀における
女性
の
経済
的、
社会的自立支援
という大事なテーマでもありますので、前向きな姿勢をぜひお聞かせいただきたいというふうに思います。
終身雇用制
と
年功序列型賃金体系
が
定着
している
我が国
の
雇用環境
におきましては、長期にわたり継続して
勤務
しなければ
組織
において責任ある
立場
に立ちにくいわけです。
女性
の
管理職
の比率が低く、
女性
の
総合職
が安定しにくいのは、
女性
が
出産
と
育児
を控えているために長期間の
継続的勤務
という
条件
を満たしにくいからであります。
女性
の
自立
や
社会進出
、
組織
における
地位
の
向上
を妨げる最大の
要因
は、
女性
の
出産
と
育児
に対する
組織
の理解のなさと
保育施設
の不十分さがあると思うのであります。もし
出産
のための
休暇
が十分に保障され、
男女
を問わず
育児休暇
が必要なだけとれ、幼い
子供
を持つ母親が安心して働けるように
保育施設
が質、
量とも
に
充実
し、
出産
や
育児
を
理由
に退職を余儀なくされた
女性
の再
就職
のためのシステムが確立されていれば、
女性
の
社会進出
と
地位
の
向上
は飛躍的に進むに違いないと思うのであります。 また一方、今
説明
もございましたが、税や
社会保障制度
は
就労
に対し
中立
でなければなりませんが、
我が国
の
配偶者控除
などの
税制
や第三号被
保険者制度
などの
社会保障制度
が
女性
の
勤労意欲
や
就業意欲
をそぎ、
女性
を
家庭
に閉じ込め、
社会進出
を阻む大きな
要因
となっております。 すなわち、
所得税
において
専業主婦
に対する
配偶者控除
と
配偶者特別控除
があるために、
給与所得者
の妻は無業になるか、仮に
就労
したとしても
パートタイマー
として収入
調整
する傾向が強く、また
社会保険
において
給与所得者
の妻の
年収
が百三十万未満である場合は
保険料
を負担することなく、夫も
追加的保険料
を支払うことなく
基礎年金
を受け取る第三号被
保険者制度
も、サラリーマンの妻をして
就労調整
させる大きな
要因
となっていると考えられます。これに、多くの
企業
における
配偶者手当
の
支給要件
や
健康保険法
上の被
扶養者
の
要件
が、
国民年金法
上の第三号被
保険者
の
要件
に連動していることがさらに拍車をかけていると私は思います。 今、
女性
の
自立
のための
支援策
として
出産
・
育児期
に対する
支援
、とりわけ
保育施設
の
充実
と
専業主婦
を優遇し過ぎる
我が国
の
税制
と
社会保障制度
の
見直し
が論議されておりますが、本日はこうした点を
中心
に
質問
をさせていただきたいというふうに思います。 まず、
税制
について
財務省
にお伺いをいたします。
平成
七年の
労働省
の
調査
によれば、
所得税
における
非課税限度額
である百三万円以下を
基準
にして、
非課税限度額
を超えないように
勤務
時間等を
調整
するとして
就労調整
する
女性パートタイマー労働者
の割合が三八・六%であります。反対に、
年収
が
非課税限度額
を超えても
関係
なく働きますよと答えた人が二六・五%でありまして、
就労調整
をしている人が大幅に上回っているわけであります。また、
税制
上の
配偶者控除
や
配偶者特別控除
が受けられなくなるから、また、
社会保険
の被
扶養配偶者
から外れ自分で
保険料
を負担しなければならないから、会社の
配偶者手当
がもらえなくなるからなどという
理由
で
就労調整
する
女性パートタイマー
も少なくありません。 すなわち、
我が国
の
配偶者控除
などの
税制
や、
給与所得者
の妻の第三号被
保険者
などの
専業主婦
を優遇する
社会保険制度
が
専業主婦
と
パート
に従事する
女性
の
就業意欲
、
勤労意欲
をそぎ、
女性
の
社会進出
を阻む大きな
要因
となっていることは否定できないと思います。 税金を払えないような働き方を奨励し、若い
女性
の
専業主婦化志向
を高めるだけの
税制
との批判に対し、
税制
の
主務官庁
としての
財務省
として、こういう問題に対して、先ほども一部
説明
がございましたが、どういうふうに認識をしておるのか、御
説明
をお願いいたしたいというふうに思います。
若林正俊
8
○副
大臣
(
若林正俊
君)
配偶者控除
あるいは
特別控除
の存在が
女性
が
パートタイマー
としての
立場
を超えて
就労
することの妨げになっているのではないか、このような御
指摘
があったわけでございます。 具体的には、先ほどの御
説明
の
資料
にもございますが、
年間
百三万円を超えますと、そのことによりましてこれらの
控除
が受けられなくなるという問題があることは事実でありますが、しかし、この
配偶者控除
が
適用
されなくなる、そのことによりまして、従前、六十一年、六十二年より前は
納税負担者自身
の
世帯単位
で見た場合の
所得
が減るという、そういう問題を抱えておりました。いわゆる
パート収入
をめぐる
税制面
における
手取り
の
逆転現象
ということでございます。 この
仕組み
につきましては、特別
控除制度
を設けることによりまして段階的に
調整
をする
仕組み
を設けました。その結果、いわゆる百三万円を超えても、そのことによりまして
世帯単位
で収入が、
手取り
が逆転するというその問題は解消したものと、このように考えております。 御
指摘
の
パート
の方が百三万円を超えますと課税の負担がふえるということから
就労調整
をしているという意識
調査
の結果は確かにあるわけでございますけれども、それはこの
配偶者特別控除
制度
についての理解が十分浸透していない結果であろうかと思います。 百三万円を超えましても、
配偶者特別控除
を段階的に
適用
する
仕組み
になっておりますので、そのことによる課税上の負担増はないわけでございます。むしろ、
資料
の八ページにございますけれども、お話にもありました
健康保険法
上の被
扶養者
の
取り扱い
、あるいは
国民年金法
上の三号被
保険者
の
取り扱い
、あるいは
扶養親族
としての
取り扱い
などのこと、それと各
企業
が独自にそれぞれの判断で設けております
配偶者手当
などがございまして、税そのものではございませんが、そのような
仕組み
が
パート
の皆さんが百三万円を超えて
就労
し
所得
を
増加
させるという、そういうことにちゅうちょをしているということがうかがえるわけでございます。 少なくとも、
税制
の面から見ますと、この
配偶者控除
あるいは
特別控除
によりまして
就労
意欲が阻害されるというような問題は解消されているものと、こう理解をいたしております。
仲道俊哉
9
○
仲道俊哉
君 今、実際の
パート
労働者
が十分理解をしていないんだというようなことの御
説明
もあったわけでございますが、今私もお聞きをしましても、ちょっとまだ十分私自身が理解をするところまでいっていないんですが、この問題はまた今後この
調査会
でも十分論議をいたしたいというふうに思います。 先ほどの
説明
にもあったんですが、
所得税
の
課税単位
ですね、これが外国の場合にはそれぞれ
個人単位
であるとか
夫婦
単位であるとか、また
選択
制をとっているという先進国の、先ほどの二ページでしたか、
説明
があったわけですが、
我が国
が
夫婦
単位でなくて
個人単位
をとっておるという、そういうところも今後私たちが研究をする、
所得税
の
課税単位
のところを十分論議し、またもう少し詰める必要があるというふうに私は思っておるんですが、
我が国
で
個人単位
をとった
理由
、それとその長所と短所、どういうお考えでそういうふうにしたのか、
説明
をまずお願いいたしたいというふうに思います。
若林正俊
10
○副
大臣
(
若林正俊
君) 御
指摘
のように、
我が国
の
所得税
は
個人単位課税
を採用いたしております。これは、基本的に、
個人
が
一定
の
所得
を得る場合、
通常
その
所得
はその
個人
に帰属するというところから、
所得
が帰属する
個人ごと
に
税負担
を定めることが適当である、このような考えに基づくものでございます。 先ほども
資料
で御
説明
いたしましたが、OECDの三十カ国中二十六カ国で
個人単位課税
がとられているというように、世界的にも
個人単位課税
が主流となっております。また、イギリスや北欧の国でも従来の
世帯単位課税
から
個人単位課税
に移行するというような動きも出ているところでございます。 そこで、
世帯単位
で課税をする場合、
夫婦
所得
を合算しますから、合算したままそこで課税をしますと累進税率の
適用
を受けて大変高い税率の
適用
を受けることになります。そこで、
夫婦
合算をした上で、これを二つに割りまして、それぞれの分割、二分した後の
所得
で
適用
税率を決めて、それぞれ税額を定めて、その後それを合算するという方式、いわゆる二分二乗
課税方式
、これらが
世帯単位課税
でとられるところでございます。 この場合には、独身
世帯
に比べて
夫婦者世帯
が有利になる、あるいは
共稼ぎ世帯
に比べて片
稼ぎ世帯
が有利になるといったような問題も考えられるわけでございます。その意味で、
個人単位課税
方式をとることが
婚姻
や
配偶者
の
就業
に対しては相対的に
中立
的であって、
課税単位
についてはやはり
個人単位
とすることが適当だと、こう考えているわけでございます。 そして、この
個人単位課税
をとりながら
配偶者控除
や
扶養控除
などの
仕組み
を設けておりますが、それはあくまで
個人単位課税
の中での
控除
の
仕組み
でございまして、これらの
仕組み
は、
所得
がないあるいは
所得
が少ない
配偶者
や
扶養親族
を有する場合に、
納税者自身
の
担税力
が減殺されるという点に着目して、これをしんしゃくするという
観点
から設けられたものでありまして、
個人単位課税
とするか
世帯単位課税
とするかにかかわらず、
人的控除
の
あり方
として、
世帯構成
などに関してどの程度の
税制
上の
配慮
が適当かという
観点
から
議論
さるべき事柄ではないか、こう考えているところでございます。
仲道俊哉
11
○
仲道俊哉
君 この百三万の問題については、実は昨年七月の
政府
税調の中間答申に、
年間
給与百三万円以下の妻は、みずから課税されないばかりでなく、その夫も
配偶者控除
の
適用
も受け、二重の
人的控除
を受けているという
指摘
があり、
控除
の
あり方
を
検討
する必要があると中間報告で言っておりますし、答申をしておるわけでありますので、この答申に対して
財務省
としてはどのような見解を持っておるのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
若林正俊
12
○副
大臣
(
若林正俊
君) お話しのように、
配偶者
に係る
控除
について、
女性
の
社会進出
、
男女共同参画社会
の
進展
などを踏まえまして、
就業
に対する税の
中立性
の
観点
から、その性格、
あり方
の
見直し
が必要ではないかという
意見
が高まってきております。御
指摘
がございましたように、昨年七月の
政府税制調査会
の
中期答申
においてもそのような
指摘
がなされておるところであります。 その一方で、
配偶者控除
というのは現実に多数の
世帯
に
適用
されているという点だとか、あるいは
個人所得課税
の
課税最低限
を構成する主要な要素として
定着
している点にも留意すべきではないかといった
意見
が税調でも出ておりまして、
主要国
を見ても、
税制
上
配偶者
に対して何らかの
配慮
をする
制度
が設けられてきております。 しかし、
個人所得課税
については
経済社会
の
構造変化
などに応じて、
基幹税
としての役割、
課税ベース
としての
所得
のとらえ方などにも留意しながら抜本的に見直す必要があります。
配偶者
に係る
控除
の
あり方
についても、
女性
の
社会進出
、
男女共同参画社会
の
進展
などを踏まえて、
担税力
、
税負担能力
の減殺を
調整
するといった
所得控除
の
趣旨
や、他の基礎的な
人的控除
とのバランス、
制度
の
簡明性
などの
観点
から
検討
を加える必要があると考えております。 いずれにしても、その
見直し
につきましてはさまざまな
議論
があってしかるべきだと思います。今後、
国民
的な
議論
によって
検討
さるべき
課題
と受けとめております。
仲道俊哉
13
○
仲道俊哉
君
配偶者控除
なりすべての
税制
の抜本的な
あり方
ということについては、今後、
政府
税調等でまたいろいろと答申が出ると思うんですが、今私が述べておりますのは、
男女
共生社会
の中における
女性
の
社会進出
という
立場
から
税制
はどうあるべきかということでの
質問
でございますので、この点はお含みいただきたいというふうに思います。 最後に、
財務省
の方に、これまで、今言いました
配偶者控除
とか
配偶者特別控除
という、
専業主婦
の
就業意欲
をそぎ、
女性
の
社会進出
を妨げる
要因
となっているということは
指摘
をしたわけですが、
配偶者控除
や
配偶者特別控除
を廃止せよという
意見
、またはそれに対するもろもろの
意見
があります。
配偶者控除
を廃止することは、今、副
大臣
が申されましたように実質的な増税となって、多くの者の既得権を奪って
国民
に新たな負担を課することになりますので、何らかの代替
措置
を講ずることが必要であると思いますし、廃止することには多くの
国民
の強い反発が予想されます。 そこで、
一つ
の提案ですが、
基礎控除
額を大幅に引き上げることと引きかえに
配偶者控除等
を廃止する案が考えられないかどうか。廃止に対し
財務省
のお考えも今ありましたが、そういうことに対しましての
財務省
としてのお考えをお聞かせいただきたいというように思います。
若林正俊
14
○副
大臣
(
若林正俊
君) 先ほども申し上げましたけれども、
所得税
は基幹的な税としての役割を持っております。
配偶者控除
を減らし、あるいは廃止をして
基礎控除
でそれを埋めていくという御提案もございましたが、
基幹税
としての
所得税
の役割や
課税ベース
としての
所得
のとらえ方、こんなことも考えながら抜本的改革が必要であるという、そういう
税制
調査会
の考え方のもとで、
配偶者
に係る
控除
の
あり方
についても、
女性
の
社会進出
、
男女共同参画社会
の
進展
などを踏まえて、
担税力
の減殺を
調整
するといった
所得控除
の
趣旨
とか、他の基礎的な
人的控除
とのバランス、
制度
の
簡明性
などの
観点
から
検討
を加える必要があると私も考えております。 先ほども申し上げましたように、このような
控除
の
あり方
につきましては、抜本的な
見直し
の中でさまざまな
議論
があると思います。今後、そういう幅広い
国民
的な
議論
によって
検討
されていくべき
課題
だと考えております。
仲道俊哉
15
○
仲道俊哉
君 ありがとうございました。 次に、
保育施設
の
充実
について、
厚生労働省
の方にお伺いをいたしたいというふうに思います。
保育
料を低い水準に抑えることは、幼児を持つ
女性
の
自立
を
促進
する上での絶対
条件
であると思います。もし
保育
料が余りに高額であれば、多くの
女性
は働いて
保育
料を払うよりもみずから
育児
することを
選択
するでありましょう。その結果、
女性
の
社会進出
は大いに妨げられるわけであります。 そこで、
厚生労働省
として、
保育
料を低額に抑えることについてどのような努力をしているのか、まずお尋ねをいたしたいというふうに思います。
岩田喜美枝
16
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君)
雇用
均等
・
児童家庭
局長
の岩田と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ただいまの
保育
料についてのお尋ねでございますが、
平成
十年四月から児童福祉法が改正になっておりますが、その改正された法律の中で
保育所
の
あり方
について従来の方式を改めております。新しい方式は、近年、
保育所
利用が相当一般化したという現状に立ちまして、
保育
費用を基礎といたしまして、家計に与える影響なども考慮しながら、受けた
サービス
に応じて負担するという、そういう方式に改めております。
保育
料は、具体的には
所得
階層と
子供
の年齢区分によって定められておりますけれども、
平成
十年度にこの改正された方式を踏まえまして、相対的に
所得
の高い者の負担を軽減する、その一方で
所得
の低い者の負担が急激に高くなることを抑えるということを基本にいたしまして、
所得
階層区分の簡素化を図るなどの方向で
仕組み
を改正いたしたところでございます。 その後、
平成
十一年、十二年度の
保育
料については、
経済
情勢なども踏まえまして据え置きにいたしました。十三年度の予算の中にも、基本的には前年度と同様とするということでお願いをいたしているところでございます。 また、
保育所
に兄弟姉妹など複数の
子供
が同時に通うというような御
家庭
もございますので、そういった御
家庭
の
保育
料負担を軽減するために、第二番目の
子供
については二分の一、そして三番目以降については十分の一の
保育
料でいいというような負担の軽減の
措置
も講じているところでございます。
仲道俊哉
17
○
仲道俊哉
君 ありがとうございました。 次に、規制緩和によって、
平成
十二年三月からは、これまで
市町村
と社会福祉法人に限定されておりましたところの
保育施設
の
設置
主体が、株式会社などの営利事業にも開放されたわけでございます。 そこで、児童虐待が大きな社会問題となっております昨今、
保育
の質はどのように担保されるのか。先ほど
保育
料のことを聞きましたが、問題は、そうしますと今度は
保育
の質ですね、これがどのように担保されるのか、そこのところについてお伺いをいたしたいというふうに思います。
岩田喜美枝
18
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君)
保育
の質についてのお尋ねでございますが、規制緩和をいたしまして
保育所
の
設置
主体について社会福祉法人に限らなくてもいいということにいたしましたのは、
待機児童
がいましたり、また
保育
需要が大変多様なものになっておりますから、それに
対応
するための
措置
でございます。 しかしながら、先生御
指摘
のように、そのことによって
保育
の質が落ちるということでは困りますので、認可の最低
基準
、これについては
設置
主体のいかんを問いませんで、社会福祉法人であろうと株式会社であろうと同一の
基準
を
適用
して
保育
の質を保証したいというふうに思っているわけでございます。 その上で、民間主体が
保育所
を
設置
する場合には、その
経済
的な基盤がきちっとしているかどうかということで
保育
事業の継続性、安全性の
確保
を図っておりますし、また
保育所
運営のための運営費が配当や役員報酬などに回らないように、回った場合には補助金の一部を停止するなどで制裁的な
措置
も講じたいということを考えているところでございます。 そういうようなことで、規制緩和によりまして社会福祉法人以外の主体にもどんどん
保育所
を
設置
していただきたいというふうに思っておりますけれども、あわせて質の保証ということも十分心を配ってまいりたいと思います。
仲道俊哉
19
○
仲道俊哉
君 今、待機者の
観点
ということからの規制緩和ということですが、十分に質が担保されることが大事であろうと思いますし、ぜひそのことは厳重にやっていただきたいというふうに思います。 全国的に
保育
園不足は深刻でありますね。反対に幼稚園は、少子化と働く
女性
の
増加
で全国で百園近くが休廃業に実は追い込まれております。幼稚園の園児獲得の手段として、全国の三割以上の幼稚園が午後も
子供
を預かる預かり
保育
を行って、幼稚園の
保育
園化が進んでおると言われております。 幼稚園不足の解消策として大変都合のよい方法だとは思うんですが、本来教育機関であるべき幼稚園は設立目的が
保育
園とは違っていること、すなわち、保母ではなく幼稚園教諭が主体となる幼稚園には二歳以下の低
年齢児
を預かるノウハウがないことなどを
理由
に批判的な
意見
もないではありません。 デンマークやスウェーデンでは既に幼稚園と
保育
園は一本化されているというふうに聞くわけですが、
厚生労働省
として幼稚園と
保育
園の連携についてはどのように考えておるのか、お聞きをいたしたいというように思います。
増田敏男
20
○副
大臣
(
増田敏男
君) お答えをしていきますが、幼稚園と
保育所
については、幼稚園が三歳から就学前までの幼児教育を行う学校教育施設であります。先生のおっしゃるとおりですが、その一方で、
保育所
は零歳から就学前までの
子供
に対して保護者にかわって養護を行い、あわせて教育を提供する児童福祉施設であります。したがって両者は機能を異にすると、このように理解はしていますが、御心配の向きは私にも理解ができます。 これまでも両者の
あり方
については、臨時教育審議会や地方分権
推進
委員
会など、さまざまな場におきまして
議論
をされ、それぞれの
制度
の中で
整備
充実
を図ること、また両施設の連携強化を図ることなどについては提言のあったところでございます。
厚生労働省
としては、これまで両施設の連携を強化し、各
地域
の実情に応じた
設置
、運営が可能となるよう、
保育
上支障のない限り施設設備を相互に共用できるよう文部科学省と共同しての指針の作成、あるいは教育の側面についても幼稚園教育要領との整合性に留意した
保育所
保育
指針の改定、最低
基準
を満たす認可
保育所
をつくりやすくし、
待機児童
の解消等の
課題
に各
地方公共団体
が柔軟に
対応
できるよう
保育所
の
設置主体制限
を撤廃して、幼稚園を経営する学校法人等も
設置
できるようにするなどの
取り組み
を進めてきたところであります。 そこで、今後とも
子供
や
家庭
の多様なニーズに的確にこたえられるよう文部科学省と十分に連携をとってまいりたい、このように考えております。 以上です。
仲道俊哉
21
○
仲道俊哉
君 この問題は文部科学省等も随分論議をしておるようでございますが、縦割り行政の中で横断的な話し合いを十分して、要はやはり零歳から五歳までの同じ日本人がそれぞれ受けるわけですから、それから小学校に入る就学前の教育や
保育
になるわけでございますから、そこのところは話し合いを、今御答弁もございましたが、十分していただきたいというふうに思います。
保育
園は働く
女性
のニーズを十分に満足させるものでなければならないというふうに思います。すなわち、必要があればいついかなる時間帯でも、またいかなる事由によっても預けることができれば、
女性
も男性も同じように十分に残業に従事することもできましょうし、
組織
における
女性
の
地位
は飛躍的に
向上
するに違いありません。 時間制限のない
保育
、預ける
理由
は問わない
保育
は
保育
の理想だと思うわけですが、
厚生労働省
として、利用時間と利用事由の融通性を求めるニーズに対してどのように
対応
しようとしているのか、そのお考えをお聞きいたしたいというように思います。
増田敏男
22
○副
大臣
(
増田敏男
君) お尋ねにお答えをしてまいります。 多様化する
保育
ニーズに
対応
するためには、必要なときに利用できる多様な
保育サービス
の
整備
や、在宅の乳幼児も含めた子育て
支援
の
充実
などを盛り込んだ新
エンゼルプラン
を
平成
十一年度末に策定し、
平成
十二年度より実施してきているところであります。 先生のお話も、御理解の上の御発言でよく理解できましたが、次に具体的には、低
年齢児
の
保育所受け入れ枠
の拡大につきましては、
平成
十六年度までに十万人分ふやして六十八万人とする。それから、
延長保育
などの事業については、それぞれの
地域
において必要な
サービス
を
確保
することができるように、数字を申し上げますと、
延長保育
が一万カ所、休日
保育
が三百カ所、
地域子育て支援センター
が三千カ所、一時
保育
が三千カ所という、これは
平成
十六年度に向けた目標でありますが、目標を掲げて着実に頑張っていこうということでございます。
平成
十三年度予算においても、新
エンゼルプラン
の積極的な
推進
を図るために必要な予算を
確保
したところであります。今後とも利用者の多様なニーズに
対応
した
保育サービス
の
整備
に取り組んでまいりたい、このように考えておりますので、御
支援
もお願い申し上げます。 以上です。
仲道俊哉
23
○
仲道俊哉
君 予定をしておる問題が少し時間がなくなりましたので、
年金制度
について最後に一点お聞きいたしたいと思うんですが、
専業主婦
の
年金制度
ということですね、それについてです。 税や
社会保険制度
は
就労
に対して
中立
でなければなりませんが、みずから
年金
保険料
を負担することなく
基礎年金
を受け取ることができるとする
給与所得者
の
年収
百三十万未満の妻に対する第三号被
保険者制度
は、
配偶者控除
同様、
女性
の
就業意欲
をそぎ、サラリーマンの妻を
家庭
に閉じ込め、
女性
の
社会進出
を阻む
要因
の
一つ
となっていると一部識者の
意見
があります。 こういう
意見
に対して、
厚生労働省
としてはどのようにお考えでしょうか。最後にこの
質問
で終わりたいと思います。
桝屋敬悟
24
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君)
厚生労働
副
大臣
の桝屋
敬悟
でございます。
年金
関係
でありますから、私の方からお答えを申し上げたいと思います。 今お話がございました百三十万円の話でありますが、先ほどから話が出ておりますように、
パート
タイム
労働者
の実態
調査
からは、
税制
あるいは
社会保険
で被
扶養配偶者
としての
取り扱い
を受ける収入の前後で
就労調整
があるというお話も出ているわけでありますが、
調査
をいたしますと、
就労調整
の
理由
として、
非課税限度額
、先ほどの百三万円の話、さらには今御
指摘
の
社会保険
の被
扶養配偶者
の限度額百三十万円のお話、さらには
配偶者
の会社からの
配偶者手当等
もあるというふうに言われておりまして、
就労調整
は
社会保険
の被
扶養者
の扱いのみで生じているのではないというふうに思っているんです。 しかしながら、御
指摘
がありましたように、昨年の
社会保障構造
の在り方を考える
有識者会議
の報告にもありますとおり、働く意欲を持つ者が働くことができる社会としていくことが社会保障の
支え手
をふやすという
観点
からも極めて重要なことでありまして、このような御
指摘
も踏まえまして、先ほどありました
女性
と
年金
検討会
等も始めておりまして、こうした
検討会
においてしっかりと
検討
を進めていきたいと、このように考えております。
仲道俊哉
25
○
仲道俊哉
君 終わります。
小宮山洋子
26
○
小宮山洋子
君 民主党・新緑風会の
小宮山洋子
でございます。 私、お尋ねしたい点がたくさんございますので、最初にお願いですが、御答弁はなるべく簡潔明快にお願いをしたいということと、せっかく副
大臣
がおいでですので、余り書かれたものをお読みになるというよりはお話し合いをしたいなということをお願い申し上げて、まず
税制
の話から伺いたいと思います。 先ほどから
個人単位
の課税になっているというお話がございますけれども、やはり夫の税から
配偶者控除
、
配偶者特別控除
が引かれていくなど、性に
中立
とは決して言えないと思います。そして、先ほどから税調の
中期答申
のお話なども出ていましたけれども、税調に
女性
の
委員
が少し入るようになってこういう話題が表に出てきたのではないかと思います。 今、税調には
女性
委員
が何人いるのでしょうか。そして、先ほどお話がございましたけれども、税調でそのような性に
中立
な
制度
にということがどのように
議論
をされているのか、もう少しお話をいただければと思います。
木村幸俊
27
○
政府参考人
(木村
幸俊
君) 主税局担当の審
議官
の木村でございます。よろしくお願いいたします。 税調に今現在
委員
は三十名いらっしゃいます。その中で
女性
の
委員
でございますが、大田弘子
委員
、神津カンナ
委員
、今野由梨
委員
、竹内佐和子
委員
、吉永みち子
委員
、和田正江
委員
。ただ、これは昨年の七月の
中期答申
をまとめた
委員
でございまして、その後少し変わっておりますが、昨年まとめさせていただいた
委員
は以上のとおりでございます。全部で六名、三十名の中で六名の方であの
中期答申
を取りまとめたところです。 現在の
委員
につきましては、至急調べまして御報告いたします。
小宮山洋子
28
○
小宮山洋子
君 今のようなことについてもう少し中身をお答えいただけるでしょうか。副
大臣
の方からよろしければお願いします。
木村幸俊
29
○
政府参考人
(木村
幸俊
君) 御
質問
は、
中期答申
をまとめるに当たりましてこういった
女性
、
配偶者控除等
の問題につきましてどういう
議論
があったかということだと思いますが、
中期答申
を取りまとめるに当たりまして、要するに
我が国
の
構造変化
、それはどういうものがあるだろうかという中で、
一つ
、まず
女性
の社会的進出というのがあるだろうということがありました。その中で
個人所得課税
の問題についてどういうふうに
対応
していったらいいかといった
議論
がなされたところでございまして、その中で、先ほど来副
大臣
の方から御
説明
申し上げておりますように、
配偶者控除
、
配偶者特別控除
の
あり方
、さらには
課税単位
の
議論
がなされたところでございます。 それにつきまして、先ほど来
議論
が出ておりましたけれども、例えば
配偶者控除
につきましては、基礎的な
人的控除
がその
世帯構成員
の数などに応じて
納税者
の
税負担能力
を
調整
するための
仕組み
であることを踏まえると、
配偶者
を有する
納税者
への
配慮
として
配偶者控除
と
配偶者特別控除
の二つの
控除
の
適用
を認めていることは、
納税者本人
や
扶養親族
に係る
配慮
と比較してかなり大きなものになっているとか、それから二重の
人的控除
を享受する結果になっているのではないかと、そういった
議論
がなされておりました。「したがって、
女性
の
社会進出
、
男女共同参画社会
の
進展
などを踏まえ、
税負担能力
(
担税力
)の減殺を
調整
するといった
所得控除
の
趣旨
や他の基礎的な
人的控除
とのバランス、
制度
の
簡明性
などの
観点
から、
配偶者
に係る
控除
の
あり方
について
検討
を加える必要があると考えます。なお、その際には、
消失控除
の
仕組み
による税引後の
手取り
の
逆転現象
への
対応
の
必要性
にも留意しなければなりません。」という
指摘
がなされております。 それとあわせまして、先ほど副
大臣
からも話がありましたように、
配偶者控除等
は現実に多数の
世帯
に
適用
され
定着
していることなどからも、慎重な
検討
を要するのではないかとの
意見
もあった、そういった
議論
もなされたところでございます。
小宮山洋子
30
○
小宮山洋子
君 結構です。それぐらいで。 それで、副
大臣
に伺いたいのですけれども、その
配偶者特別控除
、私はこの
配偶者特別控除
というのは
逆転現象
をなくすということもございますけれども、そのときの
国会
答弁でも、内助の功に報いるという
国会
答弁がなされている。これは、
男女共同参画社会
が先ほど二十一世紀の最
重要課題
の
一つ
とおっしゃいましたが、私たちは
一つ
じゃなくて、基本法の前文に「最
重要課題
」と入れてあるのでお読みいただければと思いますけれども、一番大事な
課題
なんです。 その中で、内助の功に報いるなどと言っている
配偶者特別控除
は私は廃止をすべきだし、
配偶者控除
についても段階的になくしていく方法を考えるべきだと思いますが、副
大臣
はどのようにお考えでしょうか。書かれたものではなく、お答えいただきたいと思います。
若林正俊
31
○副
大臣
(
若林正俊
君)
個人単位
の課税の
制度
をとっております
我が国
の場合に、どこでどういう形で
控除制度
を活用して
調整
していくかというのは大きな問題であります。
委員
はもちろん御承知のとおり、
家族
制度
と大変かかわり合いがあるわけですね。明治以来、日本の
家族
制度
の中で、日本の明治旧民法下の
家族
制度
のもとでは
世帯
一体という形で、強いて言えば合算の
制度
を
適用
してきたわけであります。戦後の新しい民法の中で、それぞれ男性も
女性
も
家族
制度
の中で
自立
した主体としてとらえるべきであるということから、シャウプ勧告を受けて今の
個人
課税
制度
に移ってきたわけですね。 そういう流れの中で、それでは社会が、実際問題として、
女性
の
就業
機会
あるいは
女性
の
就業
の
条件
といったようなものが十分満たされているかというと、なかなかそのような
状況
が整わない中でそのまま個別のみの
税制
でいきますと、結果的には、むしろ専業の
主婦
あるいは少額の
所得
しか得られない、そういう
世帯
については非常に過重な負担になるというようなことが現実にあると思うんですね。 そういう中で、
基礎控除
に加えて
主婦
といいますか、特別
控除制度
も含めまして
控除
の中で
対応
をした、そのことをいわば内助の功に報いるというふうに評価をするのか、現実にそこで
雇用
の
機会
、
就業
の
機会
あるいは
育児
との
関係
などから十分なフルタイマーでできない、そういう方の
所得
機会
の現状からしますと、何らの手当てもしないでいるということは、かえって
女性
の
立場
というのは不利になるといったようなことが考慮されて
控除制度
というのが設けられていると理解しております。 しかし、社会の
変化
や、お話がありました
男女共同参画社会
の
進展
をにらみながら、
控除制度
自身の
あり方
については幅広く
議論
をし、
税制
全体の中で
対応
すべき事柄だと、税調でもそのように
指摘
されておりますし、私もそのように考えております。
小宮山洋子
32
○
小宮山洋子
君 内助の功に報いるというのは、その見方があるというのではなくて、できたときの
国会
で答弁をされている中身でございます。 それで、私も、全部ただなくせばいいということを考えているわけではありませんで、例えば今税調でも
指摘
されているように、二重な
人的控除
になっている、平等でないということに加えて、今
控除
が次々に加わって複雑な
仕組み
になってしまっているわけですね。ですから、
控除
の方はなるべく簡素化をして、そして必要な人には社会保障の給付をしていくという考え方もあるのではないか。 例えば、働けない人は、どういう人が働けないかといいますと、もちろん本人の意思にはよりますけれども、
子供
がいるとかあるいは高齢な
家族
がいるとか、その場合には、例えばこういう
控除
を廃止してその分を児童手当にするとか、いろいろな
介護
とか
保育
の基盤
整備
に使うとか、そういうような考え方もあるのではないかと思うんですが、方向性としてそんなようなことを考えることはどのようにお思いでしょうか。
若林正俊
33
○副
大臣
(
若林正俊
君) おっしゃられますように、
扶養控除
を含みます各種の
控除制度
、これが大変複雑になってきているという御
指摘
がございます。したがいまして、これらの情勢の
変化
などを見ながら、できるだけ簡明なものにしていくことが望ましいと考えております。その意味では、幅広く行われます
検討
の中で対処すべきものだと思いますけれども。 例えば児童について、児童手当で
対応
をするというような御主張もあるわけでございますけれども、基本的には
控除
の問題というのは
納税者
のその
世帯
の
担税力
といいますか、税の負担力との
調整
の中で生まれているものだと、それが基本でございます。種々の
控除
の中の
調整
で決められてきたものでございまして、手当というのはまさに子育てなら子育てという政策目的を達成するために直接財政
支援
をするという形のものですから、もちろんそのような
措置
がどのように講ぜられているかということを横でにらみながら
検討
は進めるべきだと思いますけれども、直ちに見合いで削れると、廃止してもいいというようなことにはならないと思っております。
小宮山洋子
34
○
小宮山洋子
君 その
検討
につきましては、先ほど、
検討
を加える必要があるので
国民
的な
議論
をとおっしゃいましたけれども、具体的に
国民
的
議論
をこれからどのようにお進めになるかということと、それから、
財務省
にはこれで最後の
質問
になりますが、
男女共同参画
基本計画、あるいは今度内閣府に
男女共同参画
会議
、参画局などができましたけれども、今回は内閣府の中で総合
調整
などもできる、それからチェックもできる、機能強化がされているわけですが、そうしたことについて
財務省
としてはどのような御認識をお持ちか、あわせて伺いたいと思います。
若林正俊
35
○副
大臣
(
若林正俊
君) おっしゃいますように、内閣府の中で重要政策に関する
会議
の
一つ
として
男女共同参画
会議
、
男女共同参画
局を
設置
して
推進
体制を強化しております。
財務省
は、当然、これらの内閣府におきます部局との連携を図りながら、
趣旨
に沿って
対応
をしたいと、一体になって
対応
していくべきだと考えております。
小宮山洋子
36
○
小宮山洋子
君
検討
をどのように進めていかれるか、もしお考えがあれば少し具体的に伺いたいと思います。
若林正俊
37
○副
大臣
(
若林正俊
君) 当然、与党の中の
税制
のプロジェクトチームもございます、与党間の話し合いというものも参考にしながら、
政府
としては、
政府税制調査会
、来年度
税制
以降の問題として対処してまいります。
小宮山洋子
38
○
小宮山洋子
君 この
質問
を通告いたしましたときに
財務省
の担当の方から、基本計画とか参画
会議
、参画局の動きはどういう意味でお聞きになるのですか、担当局がないのでわかりませんということがございまして、それが問題なのですと私は申し上げました。今回のこの
趣旨
は、基本法に基づいてこういう形でとにかく
男女
がそれぞれ生き生きと生きる、
能力
を発揮して生きるためのことというのは、決して一部局、
一つ
の省庁がやるということではなくて、全体にわたっているということで内閣府の今度の
仕組み
ができているわけですから、担当局があるのないのという話ではないと思いますので、基本的な認識をお持ちいただいて、ぜひお約束いただいた
検討
を進めていただきたいとお願いをしたいと思います。 次に、働き方のことについて
厚生労働省
の方に伺いたいんですが、
質問
を通告いたしました順番とはちょっと違うと思いますが、
税制
と
関係
のあります
年金
のことをまず最初に伺いたいと思います。
年金
につきましては、以前、私も
国民
福祉
委員
会にいたときに随分
女性
の
年金
のお話を当時の
大臣
などといたしましたけれど、そのときに、
女性
の
年金
を
検討
する
検討会
をつくるつくるとずっとお約束いただいて、そして確かにできて、もう既に何回か行われておりまして、私も聞かせていただいたりしておりますけれども、この
検討
、今年度内と先ほど伺ったと思いますけれど、どうも見ているところ、たくさんいろんな分野の方を集めてはいらっしゃるけれども、その二時間の中でかなりの部分を当時の厚生省の方が
説明
をされて、各地から来たいろんな分野の人たちはかなりフラストレーションがたまって帰っているということを
委員
からも聞いております。 このような形で、年度末に鳴り物入りでできた
検討会
が本当にきちんとした答えを出せるのか、ちょっと疑問に思っておりますけど、その運び方と、これからどういう形でその
検討会
が生かされていくのかをまず伺いたいと思います。
辻哲夫
39
○
政府参考人
(辻哲夫君) 御
指摘
の昨年七月に
設置
されましたいわゆる
女性
と
年金
検討会
についてでございますけれども、確かにこれまで三回、従来の審議会における審議の
状況
を紹介するといったところにとどまっておりまして、率直に申しまして、突っ込んだ
議論
にまだなっていないというふうに私どもも認識いたしております。 それで、今後の進め方でございますけれども、三月一日に次回開催をしていただきますけれども、進め方につきましても、むしろ
委員
御自身にレポートをしていただく、あるいは
委員
以外の有識者に大いに参画していただくといった形で、本当に
国民
の皆様に公開された形で相当突っ込んだ
議論
をより頻繁に行っていただきたいと思っております。そして、今年末という目途で努力をしてまいりたいと思います。
小宮山洋子
40
○
小宮山洋子
君 今年度ではなくて今年末、十二月ということでしょうか。──はい。 せっかく桝屋副
大臣
もおいでですので、
年金
の方、御専門だと思いますから、ぜひこの
検討会
を生かしていただきたいので、一言いただきたいと思います。
桝屋敬悟
41
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 突然のお尋ねでありますが、私も
厚生労働
を担当させていただくことになりまして、今お話の出ております
女性
の
ライフスタイル
の
変化等
に
対応
した
年金
の在り方に関する
検討会
、大変大きな関心を持って今までも見ておりましたし、
委員
御
指摘
のとおり、これからが本当の
議論
だろうと思っております。今、
局長
もこれからだというふうに申し上げましたけれども、これからだというのは、まさに今の日本の国において
女性
の
年金
ということはかなり
議論
がぶつかるところもあるわけでありますから、これからそうした激しい
議論
が年末まで行われるのではないかと期待をして、私もしっかりと……。
委員
も傍聴に来ていただいているということも伺っております。ぜひ関心を持っていただきたいと思います。
小宮山洋子
42
○
小宮山洋子
君 時間が少なくなりましたので、ちょっと絞って
質問
をしたいと思いますが、
仕事
と
家庭
の
両立
支援
の
取り組み
につきまして、先ほど御
説明
ありましたように、激変緩和
措置
としてとられていたものの延長という形で、今回、
育児
・
介護休業
の
見直し
の法案が出されておりますけれども、私は、ここはやはり
育児
・
介護休業法
の
見直し
にとどまらずに、もっと幅広に
仕事
と
家庭
の
両立
支援
ということに取り組んでほしいというふうに思っております。
子供
が少ないことに関しましても、少子化社会の何か
対策
をとるための基本法とかいうようなことも考えられたりいろいろしていますけれども、もう今、基本法をつくっているという段階ではなくて、個別法でしっかり
対応
をする、その中でも一番大切なのは、
仕事
と
家庭
が
両立
すれば持ちたい人が安心して自分らしく働きながら
子供
が持てる、そういう意味でもここはしっかりと魂を入れてつくりたい法律だというふうに思っております。今回提案されている法案の中には多少転勤のことも書いてありますが、ILOの百五十六号条約、
家族
的責任条約に盛り込まれていることをまだまだ日本はきちんと
実現
していない。こうした国際条約も、他国は条約を批准するということはそのための法改正もしてしっかり取り組むというのに、日本は何かおつき合い的に入るけれども、きちんと
措置
をとらない、非常に不思議な国だと言われているわけですよね。 そういう意味からしても、やはりここで
家族
を持った
労働者
が、そうでない
労働者
と差別、区別をされないという、この条約の精神にのっとったことをもっとしっかり入れていただきたいということですとか、あるいはパパクオータといったような男性の
育児休業
の
促進
とか、今ある法律を小手先で変えるというだけではなくて、確かに看護
休暇
が入ったりということは見るべき点もあるかもしれませんけれども、せっかくつくるわけですから、もうちょっと幅広く根本的なところから取り組んでほしいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
岩田喜美枝
43
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君) 今回、この
通常国会
に
育児休業
・
介護休業法
の
改正案
の提案をさせていただきたいというふうに思っておりますけれども、これは働く人たちの声、そして働く人を使う産業界の声、必ずしもすべて一致するわけではございませんので、そういう異なる
立場
の御
意見
を
女性
少年問題審議会というところで相当回数
意見
を重ねて、それで、両側に大変御不満は残っておりますけれども、何とか今時点ではここまでであればコンセンサスができそうだというところで私ども改正法案をまとめさせていただいたわけでございます。 先生、百五十六号条約のことをおっしゃいましたけれども、日本
政府
としては、
平成
七年ですから、
育児休業
法を改正して
介護休業制度
を導入したそのときをとらまえてだったかと思いますが、そのときに百五十六号条約を批准いたしました。 百五十六号条約自体は基本的な理念を掲げた条約でございまして、具体的な
対策
は
関係
の勧告に落ちております。今回、まさに先生おっしゃいましたような転勤についての
配慮
ですとか、子の看護のための
休暇
制度
ですとか、そういうものは勧告に盛り込まれておりまして、私どももILOのその勧告を勉強して、何とか
実現
できるものは
実現
をしたいということで今回
措置
されたものでございます。 パパクオータのこともおっしゃいまして、
女性
少年問題審議会の昨年の十二月の最終建議の中でも、やはり男性の
育児休業
の
取得
が少ないといったことは問題にされておりまして、男性の休業
取得
が進むよう、
職場
の理解を高めるための意識啓発などもしっかりやっていく必要があるというような建議をいただいております。 私どももそういう
観点
に立って、今回の改正法案でも
仕事
と
家庭
の
両立
についての意識啓発、特に
育児
などについての固定的な役割分担意識の解消ですとか、
職場
優先のそういった風土を変えていくといったようなところ、そこもあわせてしっかりやっていきたいというふうに思っております。
小宮山洋子
44
○
小宮山洋子
君 これもできれば桝屋副
大臣
にちょっとお尋ねしたいんですけれども、例えばこのパパクオータにつきましても、ノルウェーでパパクオータを入れたところ、お父さんになる人の七割が今
取得
をしていると。日本の場合はやっとふえて二・何%かですよね、今まだ。こういうことがやっぱり、社会のために産めよふやせよではありませんけれども、持ちたい人が安心して持てるためには私はこういうところに力を入れるべきだと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
桝屋敬悟
45
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 突然またお尋ねであります。 よほど私がパパクオータに理解がないように思われたんではないかと思うんですが、
委員
の御
指摘
も踏まえまして、私、パパクオータという言葉、正直申し上げて、
委員
の御
質問
があるということで聞かせていただきまして、
育児休業制度
をどうやってこれからこの少子化社会の中で広げていくのかということをずっと私も悩んでまいりましたけれども、
委員
の御
指摘
であります。せっかく
厚生労働
の
立場
を与えていただいたわけでありますから、しっかりと私も研究をしたいと思います。
小宮山洋子
46
○
小宮山洋子
君 突然で申しわけございませんが、理解がないと思ってではなくて、理解して
促進
していただけると思って期待をして
質問
申し上げておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それから、厚生省と
労働省
が一緒になったメリットというのは、私はやりようによっては非常にあるだろうと思っているんですが、例えば先ほどから
会長
も読みにくくて
局長
とおっしゃっていますが、
雇用
均等
・
児童家庭
局、これは両方をただこうやって重箱のように合わせただけで、いかにまだそこが統合されていないかを象徴的にあらわしているんじゃないかというふうに思うんですね。 最初は仕方ないかもしれませんが、特に働く人への子育て
支援
などについては、両方が一緒になったメリットというのがすごくあると思うんですよ。ですから、今年度の予算は、こちらは厚生省、こちらは
労働省
という形で御
説明
も受けましたけれども、そのあたりをぜひ上手に使っていっていただきたいと思うのですが、そのあたりの御決意と、具体的にこのあたりはもう進んでいるというようなことがありましたら、伺わせていただきたいと思います。
増田敏男
47
○副
大臣
(
増田敏男
君) まず、決意の方を申し上げます。 おっしゃるとおりだと、このように理解をいたしておりまして、私も、余り名前が長いので覚えるのに大変でした。だから、恐らく
委員
の先生方にも大変だろうと。同時に、簡明にわかって一体として
仕事
ができるような姿に早く戻さなくちゃいかぬ。予算の編成から今日を考え、無理はないなと思っていますけれども、御
趣旨
を体して十分
検討
していきます。何しろ、これではいかぬと思っています。これが
組織
上の決意であります。
取り組み
の決意であります。 それでは、
仕事
の方の
関係
の話は具体的に
局長
の方から答弁をしていただきます。
岩田喜美枝
48
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君) 私も、二つの局が統合されまして新しい体制になって随分やりやすくなった面、あるいはやらないといけない面というのが出てきているというふうに思います。端的に申しまして、
仕事
をしながら子育てができるような
環境
をつくるといったようなところはその分野ではないかというふうに思います。 十三年度予算で具体的に
実現
しましたのは、
ファミリー
・サポート・センターの大幅な拡充でございまして、これも旧
労働省
、厚生省一体になりましたので、従来は働く
女性
しか利用できなかったものを
主婦
も利用できるようにいたしましたし、また
保育所
と
ファミリー
センターが具体的に連携がとれるような、そういう
仕組み
も導入することにいたしましたのが
一つ
の具体的な統合の成果だというふうに思いますが、これからまたさらに統合のメリットを生かして政策の前進に努めてまいりたいと思います。
小宮山洋子
49
○
小宮山洋子
君 最後の
質問
になりますけれども、
厚生労働省
は、もちろん今回の
男女共同参画
基本計画あるいは内閣府の中に参画局ができて、参画
会議
ができて、今までよりは力を入れて、ホチキスでつなぐのではなくて、各省庁の総合
調整
ですとか監視、チェックなどもするようになったということは、各省庁の中でも十分認識のある省庁だと思いますけれども、ともすると、これは余り表では言いにくいことかもしれませんけれども、
女性
労働
のところは
労働省
がこれまでやってきて、どうも
男女共同参画
というのは総理府の方で、何か裏で覚書があったのなかったのみたいな、そういう話まであったりしたわけですので、ぜひ今度は内閣府と、仲よくと言うと変ですけれども、知恵を出し合って、
労働省
は各省庁の中でも担当部局ありませんなどと言うところではないことはよくわかっていますので、率先していい形で、内閣府の今回の機能とせっかく厚生省、
労働省
が合わさったところと、ぜひやっていっていただきたいと思います。その決意はどちらか副
大臣
に伺いたいと思います。
増田敏男
50
○副
大臣
(
増田敏男
君) 先ほどのお答えに
一つ
落ちておりました。 合併をして、しやすいか、しやすくないかということが言葉の背景にあったというふうにとりますが、私は大変やりよいと。強いてこれで教育まで来れば、国内全部、
国民
生活一手ですからね、生まれてから亡くなった後までですから。という理解を持って、人によって決まるだろうから、これからみずから精進をして
対応
していきたい、こう思います。 そこで、お尋ねの
関係
なんですが、こう言うとなんなんですけれども、二〇二二年までに
男女共同参画
基本計画の
関係
が示されております。十一、
項目
がありますが、半分以上が
厚生労働省
の担当であります。したがって、先ほど来の内閣府との
調整
、
関係
等は、十分意を用いながら、優秀な
局長
を初めスタッフがそろっていますから、これは、こう言うと変ですが、
女性
政策に経験のある
方々
です。十分連携をとって御期待に沿うように頑張りたい、こう思います。 ありがとうございました。
大森礼子
51
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。 きょうは、
女性
の
自立
のための
環境整備
ということがテーマであります。そして、
雇用
、
仕事
、それから
社会保障制度
、これを
中心
に
厚生労働省
の方から御
意見
を伺っているわけであります。 きょうは時間の
関係
で
厚生労働省
の方だけに
質問
させていただきます。
自立
ということを考えますときに、やはり
家庭
内においても
自立
しておかなくてはいけない。
女性
が
社会進出
しようとするときに、その大前提となるのは、やはり一人の
女性
として、人間として、精神的にも肉体的にも不法な制約がないということが前提になると思います。 そこで、
家庭
内における
自立
ということで、今この
調査会
ではプロジェクトをつくりまして、いわゆるDV
防止
法、仮称ですけれども、いわゆるドメスティック・バイオレンス
防止
法という、これを党派を超えて法案作成作業に取り組んでいるところであります。これとの
関係
で少し
厚生労働省
の方に
質問
させていただきたいと思います。 実は、このドメスティック・バイオレンスの問題につきましては、この
共生社会
調査会
で最初に扱ったテーマでございます。そして、いろんな参考人の方から御
意見
を聞き
調査
をしたときに、例えばシェルター
一つ
とりましても、これにきちんと
対応
するところがなかったということに気がつきました。 これを一応やっているところは、公的なものとしては婦人相談所、この一時保護施設がシェルターのような役割をしている。そして、この婦人相談所でいわゆる
家庭
内暴力についてもいろんな相談がふえているという、こういう実態がわかりました。ところが、この婦人相談所というのは法的根拠が売春
防止
法でありまして、本来、売春をするおそれがある女子といいますか、これを対象とする施設でありました。それから、例えば
平成
十一年から母子生活
支援
施設、これは児童福祉法に根拠がある施設ですけれども、こちらの方でもドメスティック・バイオレンスの被害親子が入所するような、こういう事業が実施されておりますけれども、これとてもいわゆるDVプロパーの問題ではない。つまり、これまでDV問題については、その保護について十分な法的根拠がないということがわかったわけであります。 そこで、私どもプロジェクトの方では、まず、今実際に婦人相談所がこのドメスティック・バイオレンス問題についても非常に重要な役割を果たしているのであるから、むしろそこの部分に法的根拠を与えるべきではないかと。そして存分にそういう
仕事
をしてもらうべきではないかということで、今作成を急いでおります法案の中でも婦人相談所の位置づけというものをきちっとしようとしております。 そこで、お尋ねするのですけれども、これまでの婦人相談所が果たしてきましたドメスティック・バイオレンスとの
関係
ですけれども、役割にかんがみまして、今度ここの部分にきちっとした法的根拠が与えられるということについて
厚生労働省
としてはどのようにお考えか、まず最初に簡単に伺いたいと思います。
桝屋敬悟
52
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) お尋ねの婦人相談所の一時保護施設、あるいは婦人保護施設、それからお話のありました母子生活
支援
施設についてでありますけれども、従来より、今お話がありましたように
配偶者
からの暴力によって被害を受けた
女性
の保護に重要な役割を果たしてきたという実績があります。 現在、今お話のありました件につきましては、本
調査会
におきまして、
配偶者
からの暴力の
防止
や被害者の保護の
あり方
全般について法的な
措置
に関する御
議論
がなされているというふうに思います。その中で、これらの施設の位置づけについても
検討
がなされているというふうに承知をいたしております。
厚生労働省
といたしましては、
調査会
における
議論
を踏まえ、今後とも被害者の適切な保護を図る
観点
から、これらの施設における
対応
の
充実
に努めてまいりたいと、このように考えております。
大森礼子
53
○大森礼子君 我々
調査
いたしまして、婦人相談所の相談員の方も
女性
に対する暴力等についていろいろ相談も受けておられる。そして、きちっとした位置づけがないがために、いろんな何というんでしょうか、夫がどなり込んできたりとか、非常に危険にさらされているとか、こういう話を聞きました。民間シェルターの方も同じような御苦労をされているわけであります。正当な
仕事
に対してはきちっとした法的根拠を与えておいて、そしてその使命を果たしていただきたいと、私どもはこのように考えております。 今、桝屋副
大臣
の方から機能強化を図る旨のお答えをいただいたんですけれども、もう少し具体的に言いますと、我々は法案が成立することを信じておりまして今本当に一生懸命努力しております。しかし、法律が成立いたしましてもまだ施行までという期間がございます。その間は法律ができるまで待っておけばいいというものではないと思いますので、それまでの間もるる努力をしていただかなくてはいけない。 そこで、例えば婦人保護施設の場合の入所
要件
、これは
子供
同伴の場合に非常に制約があるということ。それから、婦人相談所の一時保護の期間も、今二週間とされているんでしょうか、これも現状には合わないのではないかということ。都道府県に
一つ
ですので、数が少ないということもございます。それから、休日、夜間の
対応
とかをきちっとしていただかないと、いつ暴力を振るわれるかわかりませんので、ほかの施設と違って休日、夜間の
対応
というものが必要となってくるのではないか。それから、母子生活
支援
施設におきまして他区域からの受け入れ等、これをさらに改善する必要がないかどうか。こういう点について
厚生労働省
の方はどのようにお考えか、お尋ねいたします。
桝屋敬悟
54
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 今、婦人保護施設の入所
要件
でありますとか、それからさまざまな機能のお話がありました。 先ほどから話しておりますように、婦人相談所あるいは婦人保護施設、さらには母子生活
支援
施設、DVに対しても適切な保護に努めてきたところであります。今お話のありましたさまざまな機能の強化につきましても、特に最近
配偶者
からの暴力による被害が深刻化していると、こういう実態もあるわけでありまして、その
対応
として婦人相談所の一時保護施設における入所者の
状況
に応じた保護期間の弾力的な運用と、あるいは婦人相談所における夜間、休日
対応
の予算
措置
などに努めてきたところであります。さらに、
平成
十三年度予算におきましては、婦人相談所の一時保護施設等における夜間警備の
対応
の
充実
、それから母子生活
支援
施設における被害者への心理的なケアの
充実
、さらには婦人保護施設や母子生活
支援
施設の被害者の広域的な保護の
推進
と、こうしたことを図ることといたしております。 今後とも、
調査会
での
議論
などを踏まえつつ、これらの施設における
対応
の
充実
に、法
整備
の前にもできることはしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えております。
大森礼子
55
○大森礼子君 今のお答えの中で心理的ケアの
充実
というものもあったわけです。言葉で言うと簡単なんですけれども、本当にこの体制がとれるかどうか、とても大事なことだと思います。 例えば、我々が今作成を急いでおります、仮称ですけれども、ドメスティック・バイオレンス
防止
法とでもいいましょうか、この中には、例えばまず暴力被害に遭った方のシェルターもきちっと配置しなくてはいけないと、それから裁判所による保護命令の救済も必要であろう、こういうことを考えておりますけれども、やはり大事なことというのは、その被害者のまず心理的ケアであろうかと思います。ここのところができないと本当の、たとえ身体的な傷害というものがいえた後でも精神的な傷害というものは残るからであります。そしてまた、そういう暴力を振るう加害者に対する心理的ケアというものもいずれ必要になると、このように考えております。 ですから、これからいろんなこういう役割を、施設を考えるときに、これまではハード面といいますか、建物がきちっとあってそこに人員が何名配置されていると、これでよしとされてきた嫌いがありますけれども、これからはどういう人が、どういうプロフェッショナルといいますかスペシャリストが配置されて、そこで実質的にどのようなケアがなされるか、いわゆるソフト面というものが大事になってくるだろうと、私どもはこういうふうに考えております。 今の骨子案の段階では婦人相談所その他の施設に暴力相談
支援
センターという、こういうものを
設置
したいなと我々みんな考えているわけなんですけれども、それがどう機能するかということ、ただ看板を掲げるだけではだめなわけでありまして、ここにその目的が達成できるかどうかがかかっていると思います。 そこで、心理的ケアということで考えますと、例えば一昨年、児童買春・児童ポルノ禁止法、これも超党派の
女性
議員が
中心
となって議員立法で出しました。このときにも被害者である
子供
の心理的ケアをどうするかということが大きな問題となりました。それから、このドメスティック・バイオレンスというのは、ただ男が女を殴るというだけではなくて、今の社会
状況
を見ますと、例えば児童虐待、ドメスティック・バイオレンス、それからいずれ私は老人虐待ということも問題になるだろうと思っております。つまり、弱者への不法な攻撃ということで共通項がございます。また、お互いが関連している。ドメスティック・バイオレンスを考えるときには、実は児童虐待問題も同時に視野に入れなくてはいけないのではないかと思います。 よく暴力の連鎖という言い方がされるんですけれども、
子供
、児童虐待する
理由
としては、
育児
不安からのいらいらということもありますけれども、ドメスティック・バイオレンスの被害者である母親がそれをまた
子供
に向けてしまうということ、それから虐待された
子供
が成長してドメスティック・バイオレンスの加害者になるということも広く
指摘
されているところであります。こういう面からもカウンセリングの体制というのが必要となってきます。 そこで、ここら辺が具体的にどうされているかということを
厚生労働省
の
取り組み
として見るいい例があるので、これから
質問
いたします。 昨年十一月から児童虐待
防止
法が施行されました。そして、この児童虐待
防止
法の中では、児童福祉司による親へのカウンセリングを強化するという、こういう規定がなされております。児童虐待
防止
法では、児童の適切な保護とともに、そういう暴力を振るってしまう、虐待をしてしまう親へのカウンセリング
充実
が非常に大事だと規定されているわけなんですね。そこで、やはりこの体制をどうとっていくかということが、この児童虐待
防止
法の
取り組み
がどのようにされているかということが、実は我々がこれから規定するドメスティック・バイオレンス
防止
法についてもうまく成功するかどうか
一つ
のめどになるのかなと、このように思います。 そこで、例えば児童虐待
防止
法に見られる児童福祉司によるカウンセリング体制についてどのように取り組んでおられるか、お尋ねいたします。
桝屋敬悟
56
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) DVから今のお話は児童虐待
防止
法までのお話でございます。児童虐待
防止
法と、それから児童相談所の機能でありますとか心理的なケアの体制づくり、こうした御
指摘
だろうと思います。 お話がありましたように、まさに児童虐待もそうでありますけれども、虐待を受けた人がまた次の世代に影響を与えるということもあるわけでありまして、児童虐待
防止
対策
というものを少子化
対策
の重要な柱として
推進
していくことが必要であるというふうに考えているところであります。 お話がありました件につきましては、児童虐待
防止
法の施行ということも受けまして、
平成
十二年度には児童相談所の職員体制、これは地方財政
措置
で
措置
をしているものでありますけれども、標準団体当たりの児童福祉司が
平成
十一年度まで十六名であったわけですけれども、十二年度に一名
増加
したわけであります。十七名にいたしました。そして、これはもう本当に今まで数がふえなかったわけでありますけれども、坂口
厚生労働
大臣
、虐待
防止
法の成立も受けまして、施行も受けまして、何としてもここは重点的にやりたいと強い思いを持っておりまして、十三年度、児童福祉司についてはさらに二名を増員いたしまして十九名ということで二年続いて
増加
をすると。児童相談所における虐待の相談件数が極めてふえておるという実態を受けまして、こうした
措置
もさせていただいたわけであります。さらに、児童相談所のOB等を児童虐待
対応
協力員といたしまして各児童相談所に一名配置する、あるいは児童虐待の通報や
調査
機関との連携等に
対応
しているところであります。
平成
十三年度予算につきましては、
地域
の精神科医の協力による保護者へのカウンセリングの
充実
あるいは一時保護所への心理職員の配置など、児童相談所の体制の一層の
充実
を図ることとしております。今後とも、児童虐待の早期発見早期
対応
あるいは虐待を受けた児童の適切な保護など、総合的な児童虐待
防止
対策
を
推進
してまいりたいと思っております。 以上でございます。
大森礼子
57
○大森礼子君
一つ
の具体例としてお尋ねしたわけですけれども、国の赤字がふえて、行財政改革といいますと何でもかんでも削減しようとする動きになるかもしれませんが、本来ならばこれまで
充実
しておくべきなのに光が当たらなかったという部分があると思います、婦人相談所も
一つ
の例だと思うんですけれども。こういう人間に接する心理的ケアとか非常に大事な相談をするところには、やはりそういう心の傷とかをいやすのは人であろうと思いますので、こういう点には多く人員をふやしていただきたいと、このように思います。 そしてまた、もう時間がありませんけれども、ドメスティック・バイオレンス
防止
法、これにつきましても婦人相談所に非常に大きな役割を担っていただくことになると私は思っております。そこで、私どもが暴力相談
支援
センターとして予定しておりますところは、まだ仕上がっておりませんので途中経過ですけれども、例えば
配偶者
からの暴力に関する相談とか被害者と
家族
に対するカウンセリング、それから加害者の加害者プログラムというんでしょうか、そういうふうに暴力を振るってしまう加害者の側の心理的ケアとか改善プログラム、これも当然必要となってくると思うわけであります。 そして、こういうところについて、先ほども言いましたけれども、やはり専門的知識を持ったプロフェッショナルといいますか、こういう人を配置して研究を進めていただくとともに、婦人相談所につきましては、我々の願いとしては、これまでの婦人相談員の方の御苦労に報いたいと思いますし、またそういう方の知識とか経験を十分生かしたような形になるといいなと思っております。 まだ法律ができておりませんのでそれを前提にした
質問
をすることができませんけれども、この法律があろうがなかろうが、やはり婦人相談所等の役割というのが重大になっていくことは変わりありませんので、このDV
対策
につきましてひとつ、法律ができたらもちろんどんどん頑張るぞみたいな、そういうやはり決意のようなものを桝屋副
大臣
の方からお聞かせいただければうれしいと思います。
桝屋敬悟
58
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 本
調査会
で、今回の新しい法律の中で婦人相談所の機能というものについて新しい位置づけを今御
検討
いただいております。こうした本
調査会
の御
意見
等も十分踏まえながら、婦人相談所がしっかりと機能するように、先ほど
委員
御
指摘
のありました、機能面でというお話がありました、ハードではなくて機能でという。こうした御
指摘
を十分踏まえまして、しっかりと
関係
機関との連携を図りながら、まさにソフトの部分で機能するような、そんな努力をこれからもしてまいりたいと思っております。 以上でございます。
大森礼子
59
○大森礼子君 終わります。
八田ひろ子
60
○
八田ひろ子
君 日本共産党の
八田ひろ子
でございます。 きょうは
女性
の
経済
的、社会的
自立
というテーマでございまして、
厚生労働省
からいただきました
資料
にも最初に
女子学生
の
就職
の問題、
女性
が学校を卒業して
就職
をする入り口の問題が大事かというふうに私も思います。そこでは問題のある
企業
に対して指導を実施しているというふうに書かれておりますけれども、
女子学生
が、例えば
企業
名を挙げて相談をした場合にきちんとその相手の
企業
にも指導が行き届くのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
岩田喜美枝
61
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君) 先生おっしゃるとおり、大変残念なことなんですが、
女子学生
の内定
状況
を見ますと、男子学生もよくないんですけれども、さらに
女子学生
は
状況
が悪いというのが昨年の十二月の時点でございました。内定の時期が男子学生よりも遅いという従来の傾向もございますから、この後、内定
状況
は若干改善するのではないかというふうに思いますけれども、男子学生と比べて内定率が低い
状況
でございます。 そして、都道府県
労働
局に
雇用
均等
室がございますが、そこに
女子学生
からの相談も相当数来ているようでございまして、
女子学生
が具体的な
企業
の名前を挙げてどういう
取り扱い
を受けたかという御相談があれば、それは必ず
雇用
均等
室がその
企業
と接触いたしまして、
均等法
に違反しているということであれば個別の是正指導をいたしているところでございます。
八田ひろ子
62
○
八田ひろ子
君 必ず御指導いただけるという答弁をいただきまして、今とりわけ若い方の
就職
難ということが大変社会的に大きな問題になっておりますし、その中でも
女子学生
の
就職
難。私のところにも毎議会のようにそういった学生の皆さんがおいでになりまして、非常に生きる力を否定されているようだとか、自分は社会に要らないものだと言われているようだとか、そういう訴えをされますので、ぜひ入り口で、とりわけ
男女
差別がないようなそういう指導をしっかりとしていただきたいというふうに思います。 前回のときに参考人からも言われたんですが、日本の
就労
体系、とりわけ
女性
のM字型
就労
というのが日本の
女性
の社会的、
経済
的
自立
ができにくいことをあらわしているというふうに言われていますが、そのM字型のへこんだところの後の再
就職
といいますとやっぱり
パート
しかない、不安定
雇用
しかないというのが問題ですので、
パート
のことをお伺いします。 今、
女性労働者
の五人に二人くらいが
パート
だというふうに言われておりまして、
パート
の平均時給というのは九九年で八百八十七円という数字をいただいております。単純計算しますと、今
財務省
からもお話があったんですけれども、家計の補助だけでなく、
自立
している方が
パート
で働くと、例えば千八百時間働いたとしても、八百八十七円の時給ですと百五十九万六千六百円ということですね。 私はきょう、アルバイトニュース、こういう雑誌がいろいろとありますね。(
資料
を示す)これを繰ってきますと、最賃すれすれ、あるいは最賃より低いというのもここに堂々と載っているんですよね。ですから、本当に
パート
、アルバイトの
賃金
、時給というのが最賃に近づいている、あるいは最賃より低いところがあるのは深刻だと。私は愛知県ですので最低
賃金
は六百七十七円です。これで見ますと、千八百時間働きますと百二十一万八千六百円なんですね。これではとても
自立
した生活はできません。
パート
の
賃金
もこれに見られるように低いんですけれども、最低
賃金
そのものが低過ぎるんではないか、最賃が低いので引っ張られる、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
岩田喜美枝
63
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君)
パート
タイム
労働者
の
賃金
が低過ぎるのではないか、それが最低
賃金
との
関係
でどうかというお尋ねでございますが、全国の平均で見ますと必ずしもそうではございませんで、今全国の
地域
別最低
賃金
の平均は、これは各都道府県によって金額が違うんですけれども、全国の平均は時間当たり六百五十九円というのが最低
賃金
でございます。 限定された特別の事例については
適用
除外があるんですけれども、その
適用
除外に該当しないのに六百五十九円に抵触するような求人があるとすれば、それは最賃法違反ですから即是正されなければならないわけですが、一方、
パートタイマー
の全国の時給は今おっしゃいましたように八百八十七円でございますから、平均で見ますと六百五十九円と八百八十七円ですから、
パート
タイム
労働者
の
賃金
が最賃すれすれである、あるいは違反をしているような
状況
が一般的であるというふうには私どもは見ておりません。ただ、
通常
の
労働者
と比べて大変
賃金
に格差があるというのはそのとおりだというふうに思います。
八田ひろ子
64
○
八田ひろ子
君 例えばヨーロッパの最賃
制度
を見ますと、勤労者の平均
賃金
の六割、七割ということですね。それで日本は三割なんですよ。だから、
パート
の
賃金
改善のためにも、きょうは
労働
委員
会と違いますのでこの問題はこれでおしまいにしますけれども、やっぱり最賃の底上げを図って、日本全国どこでも労基法で言われている「人たるに値する生活」ができる対価、こういったものにするナショナルミニマム、全国一律の最賃
制度
というのをきちんと確立すべきではないかと私は思います。 今、
局長
がおっしゃいました一般の
労働者
と
パート
との格差ということですね。九三年に現行の
パート
法が施行されて七年たちましたが、適切な
労働
条件
にどのように機能してきたかということが今問題になっています。今お答えになった一般
労働者
と
パート
との
賃金
格差、これは
パート
法ができる前、八九年、またできた後どういうふうになっておりますか、直近の数字でお示しください。
岩田喜美枝
65
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君) 一般
労働者
と
パート
タイム
労働者
の時間当たりの
賃金
格差でございますが、一般
労働者
を一〇〇といたしました
パート
タイム
労働者
の水準ですが、
女性
に限って申し上げますと、
平成
元年には七〇・九でございましたのが
平成
十一年には六七・三ということで、若干格差が拡大をいたしております。 この格差の拡大の
要因
としてはもろもろあろうかと思いますが、
一つ
だけ例を挙げて申し上げますと、
パート
タイム
労働者
と比較いたしまして正社員の場合には勤続年数がこの間延びております。
パートタイマー
も延びておりますが、それに比べて正社員の場合には勤続年数がより延びております。また、勤続年数の延長ということが
賃金
に反映される度合いは、
パートタイマー
よりは正社員の方が大きいということもございます。そういうことで、この間の
パート
と一般の
賃金
格差の拡大の
一つ
の
要因
はそういった勤続年数の伸長の点であろうかというふうに分析いたしております。
八田ひろ子
66
○
八田ひろ子
君
パート
法ができてからも格差は開いている、その
理由
を今
局長
がお示しになったんですけれども、研究会報告では
パート
も基幹的、恒常的業務になっており勤続年数も長期化されている、こういうふうに報告もされておりますし、旧
労働省
自身の
調査
でも職務上の責任が一般
労働者
と同じか重い
パート
労働者
は四六・四%、類似の作業がよくある、時々ある、こういう
パート
は七七%ということで、この格差是正というのは、やっぱり差別をなくすためには本来なら縮まらなくてはいけない、それが開いていることは問題だと思いますし、
女性
パート
と一般男子の
労働者
と比べますと四三%ですね、
賃金
が。こういうこともやっぱり
女性
が多い
パート
の
仕事
でまさに
女性
差別、間接差別だと、こういうふうに国連の女子差別撤廃
委員
会からも
指摘
をされているのはこういうことではないかなと思います。 では、一時金、ボーナス、こういうのは
パート
法ができる前とできた後、平均支給額がどのようになっているか、数字でお示しください。
岩田喜美枝
67
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君) 退職金、それから賞与についてはちょっと直近の数字しか手元にございませんので、大変恐縮でございます。 まず、退職金につきましては、
通常
の
労働者
は退職金
制度
があるという
企業
が九割弱で八十数%でございますが、一方、
パート
タイム
労働者
に退職金があるというふうに答えている事業所は一三・九%でございます。 また、賞与についてでございますが、賞与について正社員の場合には九割以上のところで賞与の支給、賞与の
制度
があるというふうになっておりますけれども、
パートタイマー
については賞与が支払われる
企業
が五割強ということになっております。また、その金額でございますが、若干古くて恐縮ですが、
平成
七年の夏の賞与の
調査
によりますと、
パート
タイム
労働者
の場合には六万八千円程度ということになっております。
八田ひろ子
68
○
八田ひろ子
君 今お示しになったように、一時金も減っている。これは旧
労働省
の
調査
で八九年には七万七千百円、九九年が六万四千八百円ということで、
パート
の方、一番改善をしていることがこういったボーナスなども欲しいということで、
パート
法ができてから後退しているので残念なんですが。 それでは、この
パート
労働者
の
労働
条件
改善のための行政の体制というのを伺いたいんですけれども、
パート
法の所管の
中心
的な機関、
労働者
がそれぞれ相談なんかするのは都道府県の
均等
室だと思いますけれども、
パート
タイム
労働
の専門家、これは何人ぐらいいらっしゃるのかお示しください。
岩田喜美枝
69
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君)
パート
タイム
労働
法の所管がどこかということについてでございますが、
パート
タイム
労働
法の
内容
、そして
事業主
が講ずべき
雇用
管理の改善について具体的に定めた
パート
タイム
労働
指針の
内容
をごらんいただきますと、それはどこかの機関が、どこかの
組織
が一元的に所掌するということではございませんで、
項目
の数からいきますと最も多いのは
労働
基準
行政の中で、その次は職業安定行政の中で処理するということでございます。もちろん、
雇用
均等
室でも
パート
タイム
労働
法全体の周知啓発活動を
パート
タイム
労働
旬間などで行う等の業務はやっておるところでございます。 さて、専門の職員の配置でございますけれども、これは
パート
タイム
労働
法の施行時に特に業務がふえるんではないかというふうに思われた東京と大阪に一名ずつ配置をしていただきましたけれども、それ以外のところは定員
事情
もございまして現有の職員でやっていくということで、その職員の研修は十分やっているつもりでございますが、
パート
タイム
労働
だけに専任をしているということではなく、
雇用
均等
室の行政全般を受け持つ中で
パート
タイム
労働
の問題を担当する職員も必ず全
雇用
均等
室に一人は置いているという
状況
でございます。
八田ひろ子
70
○
八田ひろ子
君 今るるお述べいただきましたが、結局
パート
タイム
労働
専門官というのは全国四十七都道府県のうち定員は二、しかし今欠員があるので実際には東京に一人、全国で一人しかいないというお答えでした。 こういう体制で本当に
パート
労働
法がスタートしたときの
趣旨
が機能できるのかと心配をするんですが、昨年九月二十七日、参議院の本
会議
で我が党の
質問
に対して森総理が、
パート
の
質問
をしたんですが、今後とも、
パート
法に基づき、必要に応じて
事業主
に対し指導、勧告等を行うことなどを通じて、
通常
の
労働者
との均衡を考慮した処遇がなされるよう努めてまいりますとお答えになりました。今後とも努力をする。 今後ともというのは今までがあったということですので、
パート
法十条に基づく
労働
大臣
の
事業主
に対する報告の徴収、助言、指導、勧告の実績を伺います。
岩田喜美枝
71
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君)
パート
タイム
労働
法に基づきまして
企業
に対し助言、指導をやっているということは日常的に
労働
基準
行政、職業安定行政、
雇用
均等
行政の中で行われているというふうに思いますが、それは今ちょっと手元に業務統計としてまとまった形でございません。 先生が今おっしゃいました
パート
タイム
労働
法第十条に基づく
大臣
の報告徴収、助言、指導、勧告については、
大臣
みずからがそういう形で手当てをしたということは現在までございません。 しかしながら、さっきも申し上げましたが、
パート
タイム
労働
関係
の相談が
パートタイマー
から、あるいは
パート
タイムを使っておられる
企業
から多数それぞれの行政機関に寄せられておりまして、例えば
雇用
均等
室に寄せられました相談は
平成
十一年度で二千八百十四件でございます。この相談を受けて、
雇用
均等
室では
事業主
に対して必要な情報提供、指導等を行っておりまして、相当程度の問題は解決しているというふうに思っております。
八田ひろ子
72
○
八田ひろ子
君 実際には、先ほどお示しいただいたように
賃金
格差が広がっている。
労働
条件
の根幹、
賃金
だけでないいろんな
労働
条件
、これも後退している実態というのがありまして、それなのに助言、指導、勧告ゼロというのは、これは
パート
法ができても
政府
がやる気がないのか、体制をとっていないのか、怠慢なのかと言われても仕方がないのではないかと、私はもう本当に憤りを持つんですが。
パート
労働者
の実態
調査
、私幾つかの地方で聞き取りとそれから実態
調査
というのをさせていただいて、そこで切実な声をたくさん伺いました。これは公務
労働者
も民間の
労働者
もあったわけなんですけれども、ある方は、正社員と
労働
時間が一時間しか違わないのに給料が大差なのが悔しい、でも生きていかなくちゃいけないからやめられない。あるいは、
仕事
量は社員と同じ、時間もフルタイム、この方は九時から十七時、残業もかなりあり、だけど
パート
という身分のためにとおっしゃったんですが、
賃金
は違う、給料、賞与は何分の一か、余りにも給料袋をもらってばかばかしくて、もう怒るより驚いたというふうにおっしゃいましたけれども、こういう違法じゃないかという
状況
が各地で横行しているというお話を私は聞きました。 こういう
状況
を改善するためには、罰則つきで不当な差別を禁止するとか、基本原則として平等待遇を確立するとか、時間比例で
賃金
支給をする、こういう
パート
労働者
を守る抜本的な改正というのが今必要ではないか、求められています。 現行法では、
事業主
がいかに
パート
を管理するか、これはつくるときにも言われていたんです。実際に九九年二月の女少審建議の中でも
労働者
側の
委員
からは
均等
待遇原則等についての法律改正の
意見
が出ていますけれども、こういった
労働者
側の
意見
、あるいは全国で私がちょっと聞いただけでもすごく出てくるこういう
意見
を取り入れるべきだというふうに思うんですけれども、どうなんでしょうか。
増田敏男
73
○副
大臣
(
増田敏男
君) 私も大変悩んでいる問題で、お尋ねをいただきましたのでお答えを申し上げます。 まず現況なんですが、
パート
タイムの
労働者
の方と
通常
の
労働者
の処遇の均衡について、何としても不合理だ、何とかならないかというのが御
趣旨
だったと思いますが、
パート
タイム
労働
法の第三条に規定されておりますこの
趣旨
を具体化するためには、処遇の均衡をどう図るかについて公労使三者構成による
パート
タイム
労働
に係る
雇用
管理研究会におきまして報告書を取りまとめていただいたところであります。 お話が出ておりましたからそれらを踏まえての御発言だと思いますが、今後ともこうした報告書を踏まえながらこの問題についての労使の一層の理解を深めていくことが何としても先決でありますので、努力をしていきたいし、
パート
タイム
労働者
の処遇改善に向けた
事業主
への指導、
支援
を進め、
パート
タイム
労働
法の
趣旨
の一層の徹底を図ってまいりたいと思います。 そこで、抜本的な改正はないかというのが御
趣旨
のようでしたが、
パート
タイム
労働者
と
通常
の
労働者
の処遇の均衡を図るため、どうしても労使の理解を深めなけりゃなりません。現在の
パート
タイム
労働
法の
趣旨
をまず徹底していこう、これが現在の考え方であります。何しろまずこれが重要だ。そして同時に、公労使による話し合いを進めながら、世の中が大きく動いていますから、何としても
パート
労働
の
方々
には、格差が広くという
局長
の答弁がありましたけれども、そういうふうによい方向にありません。したがって、私たちはそれらを踏まえて努力を傾倒していこう、このように考えております。 ぜひ、時間がかかりますけれども、一生懸命頑張っていきますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。
八田ひろ子
74
○
八田ひろ子
君 よい方向に行っていない、改善ができていないというふうにおっしゃいまして、しかしまず徹底をしていこう、これは先ほど挙げた
会議
の中では使用者側の
意見
なんです。
労働者
側は、実際には
パート
という名のもとに
賃金
その他の
労働
条件
が不当に低く抑えられている実態があるんだから、現行の
パート
法では実効性がないんだという切実な声が出ているわけです。
パート
法を審議されるときに、その当時の
大臣
というのは、不十分な面が出てくれば十分法的に
整備
をしていかなければならないと。
パート
法の附則にも三年後の
見直し
がきちんと書かれているんです。ところが使用者側の
意見
だけとって、これは徹底がまず第一だと。徹底もむろんしていただかなければなりません。しかし、憲法が保障する健康で文化的な生活、そのために働く権利、こういうのをきちんと保障するためにも
女性
の、きょうのテーマであります
経済
的、社会的
自立
に資するような、そういう
パート
法に抜本的に改正していただく必要があるということを強く求めて、私の
質問
を終わります。
清水澄子
75
○清水澄子君 社民党の清水です。
女性
の
経済
的、社会的
自立
のための
環境整備
についてというテーマで今
質問
したり
議論
しているわけですけれども、このことの基本的な考え方というのは、
女性
はだれかに依存して、そして扶養されて生きるという
立場
ではないという考え方に基づいて、
女性
も健康で働ける人はちゃんと働いて、みずからも税金を納める主体、そして健康保険やいろんな
社会保険
料も自分たちで負担できるということで社会に貢献するというんですか、何か社会の寄生虫みたいに全部扶養される
立場
ではないですよという、そういう認識のもとでこういう
経済
的
自立
性を持とうということで、こういう問題意識で
議論
をずっとしていますし、そのための社会政策がどうあるべきかということを
女性
たちはみんな共通に主張しているわけです。 そういう中で、先ほど
厚生労働省
から出された
社会保障構造
の在り方について考える
有識者会議
の考え方ですね。社会の諸
制度
は
就労
に
中立
的であることが望ましく、少なくとも
就労
することで不利な扱いとなる
制度
についてはその
見直し
が必要であると、これが基本だと思うんです。しかし、これは社会保障と
税制
にしか言っていないわけですが、この考えが、
女性
が
経済
的に
自立
をしていくときにいろんな
制度
が本当に
中立
的であるかどうか、この
見直し
が必要だと思うんですけれども、その場合に、
環境整備
といいますか、
自立
のための
環境整備
の最も基本になるのは、やはり
経済
的な
自立
というのは差別的でない
賃金
といいますか、
個人
の
労働
の対価というものが差別されていてはだめだということが、本当は
経済
的
自立
の私は大前提でないかなと思うわけです。 しかし、日本ではこのところだけが一番手がついていないといいますか、国際的にどの国でも一番最初に手をつけているのが、いわゆる同一価値
労働
、同一
賃金
というその原則をきちんと整理しつつ社会保障とか
税制
とかそちらの方に手をつけているわけですね。ですけれども、日本では
女性
に対して同一価値
労働
、同一
賃金
の政策が進まない。こういう中で日本の
女性
は、最も
男女
賃金
格差がふえるばかりの国という、これも国際的には非常に大きな特徴として国連でもいつも問題視されているわけですね。 ですから私は、この辺をどのように
個人単位
の
賃金
システムにしていくのか、
厚生労働省
はどういう考え方で今後何をやろうとされているか、その点について、きょうは副
大臣
がおいでですから、ひとつぜひお答えいただきたいと思います。
増田敏男
76
○副
大臣
(
増田敏男
君) 大変時間が必要な広いお尋ねを背景にした答弁になっていくわけなんですが、要約して時間の
関係
でお答えを申し上げていきます。
男女
の
賃金
格差を見る限り、
女性
の
方々
の月間現金給与総額というのが、
平成
十一年の
調査
によれば男性の約五割となっています。この格差は、職種や職務上の
地位
が
男女
で異なること、
女性
の勤続年数が男性に比べて短いことなどによるところが大きいと考えていますが、また
女性
については、一般
労働者
に比べて
労働
時間が短く、時間当たり
賃金
の低い、先ほど来の
議論
の
パート
タイム
労働者
の割合が高いことも
一つ
の
要因
と考えています。 このために、
男女
間の
就業
分野の違いについては、募集、採用、配置、昇進における
女性
差別の禁止等、
雇用
の場における
男女
の実質的な
均等
の
確保
対策
を進めてまいりたい、実はこのような考え方で歩んでいます。 また、先ほど来の
パート
タイム
労働者
の処遇改善については、
パート
タイム
労働者
と
通常
の
労働者
の処遇の均衡について規定した
パート
タイム
労働
法の第三条に基づき、何しろその
趣旨
を徹底していこうと。具体化するものとして、公労使三者構成による研究会において取りまとめた報告も踏まえて、労使の一層の理解を深めていくとともに、
パート
タイム
労働者
の処遇改善に向けた
事業主
への指導、
支援
を進めてまいりたい、これが基本の姿勢です。 御発言の中にもありましたが、暮らしのすべての基本が
所得
にあることですから、御
意見
は謹んで承って参考にしていきたい、同時に取り組んでいきたい、このように考えます。
清水澄子
77
○清水澄子君
パート
労働
の場合は、
パート
、いわゆる短時間で働く人とフルタイムで働く人との格差をどうなくすかという
均等
待遇、そういう政策が別に必要なんだと思いますけれども、それらはいろいろ皆さんたちが問題にしていますから、私は、日本の
賃金
体系はもともと男性の方に扶養手当とか
家族
手当がつくという、こういう
世帯
主単位の
賃金
体系になっているわけですね。特に日本の場合は、
家族
手当というのは一番妻が第一
扶養者
として
子供
に対する手当額よりも高いわけです。私は高いのが全部悪いということを言っているんじゃないんです。これは
一つ
の歴史的な経過があったことは事実だと思うんです。しかし、
家族
手当というものの規定、
内容
というのは何かと言えば、これは病気とか家事とか、それから
育児
のために収入を得られない人のための手当だというふうに規定されている。いわゆる男は
仕事
、女は
家庭
という、それを前提にした時代の名残だと思います。 それらの
内容
は結局、今
家族
的な責任という分野は、これは社会政策でカバーしていく部分が非常に大きくなっていると思うんです。そして
女性
も、そういう扶養される
立場
ではなくて、働ける人、働きたい人はやはり自分できちんと働いて
経済
的なものを持つという、これが今の
男女共同参画社会
基本法の最も基本的な、
女性
に対してもそういう自覚を持つような、社会もそれを
支援
していくような時代ですから、やはり
賃金
体系の場合も社会政策にしていけるわけですね、ほとんど
家族
手当と言われている中身のものは。
女性
は非常に
社会進出
をしているわけです。しかし、
企業
は
世帯
主であれば男子と同額に
家族
手当も払いましょうということになっているんですが、
女性
は
世帯
主であっても
世帯
主としての扱いをなかなか受けられない、一方でそういう矛盾もあるわけです。現時点で、だけれども、それは
女性
であっても
世帯
主であれば払いますよ、建前上はそうなっている
企業
が八四%あるんです。しかし、実際に払っているかというと二〇%ぐらいしか払っていない。ということになると、母子
家庭
の皆さんというのはとても大変なんですね、離婚したり。ですから、その人たちは現実に
世帯
主であってもなかなかそういう扱いを受けないという、今の日本の
世帯単位
主義
賃金
の形態というのはいろんな面で
女性
に非常に不利益になっています。 そういう意味で、一度
労働省
はひとつこの実態を、
家族
手当とかこういうものを
女性
が
世帯
主としてどのくらい申請されたり、それに
企業
が
対応
しているのかとか、そういうことについて余り統計がないです。もう非常に古いものしかないんです。まず実態を把握していただきたい。ぜひこのことを私は要望したいんですが、いかがでしょうか。
岩田喜美枝
78
○
政府参考人
(
岩田喜美枝
君) 今の先生の御
質問
をお伺いいたしておりまして、二つお話ししたいと思います。
一つ
は、
企業
の
世帯
主の
支給要件
が百三万とか百三十万とか、それは連動する
必要性
は
制度
的には全くないんですけれども、慣行としてそういう形になっている
企業
が多いようです。そのことが先ほど来
議論
になっております
パートタイマー
の
就業
調整
に結びついているということもございますから、
一つ
の大きな問題ではないかというふうに思っております。 そしてもう
一つ
は、
世帯
主であるということを
条件
として
企業
が手当を支払う場合に、
世帯
主の認定の仕方、認定の
条件
が、男性が
世帯
主である場合と
女性
が
世帯
主である場合にもし違うということがあれば、これは
男女
同一
労働
、同一
賃金
を定めております
労働
基準
法四条に違反するということになりますので、もしそういうケースがあれば、それは是正の指導をしなければいけないというふうに思っております。 先生の御
意見
に直接お答えしないといけないわけですが、そういった
世帯
主手当の実態をよく把握するようにということでございますので、事前にお伺いしておりませんでしたから持ち帰って、なるべく先生のお気持ちに沿うように、どういう形でできるか
検討
してみたいと思います。
清水澄子
79
○清水澄子君 次に、私はやはり差別的な
賃金
を是正することが第一の
課題
だと言ったのは、社会保障、
年金
にいたしましても
賃金
が基本ですから、厚生
年金
になりますと
女性
はどうしても安いというのは、結局、
賃金
で不公平があれば、一生涯その
女性
の受け取る
年金
額は差別的な金額になるわけです。 そしてそのこととあわせて、
賃金
が低ければ今度、掛金を掛ける経営者の方も安くて済むわけです。健康
保険料
であれ
年金
であれ、経営者はその分、半分は負担しなきゃいけないんですけれども、経営者も低くなるという、やはりいろんな意味でこれは社会的に非常に問題だと思います。特に
年金
では三号被
保険者
やら、離婚による不利益とかいろいろありますが、それはきょうちょっと私はやめておきます。 私は、厚生
大臣
に
女性
と
年金
検討会
を直ちにつくるべきだと要求したのが今
検討
されているわけですが、これをただ
検討会
にゆだねているというだけじゃなくて、
厚生労働省
としては、
女性
の
年金
権をある程度公平に
中立
的にするためにはどのようにしたいのであるという決意をちょっとここでお伺いをしておきたいんです。副
大臣
、よろしくお願いします。
桝屋敬悟
80
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 先生、
検討会
に任せるだけではなくて
厚生労働省
としてもしっかり取り組んでもらいたいと、こういう決意を伺いたいということでありますが、正直申し上げて、
女性
の
年金
と、もちろん社会保障だけではありません、
税制
の問題も含めてきょうずっと
議論
が出ておりますが、大変難しい問題があるんだろうと思います。 今日まで数次の
年金
改革の中で
個人単位
でありますとかさまざまな
議論
をされてきたけれども、それをなかなか
実現
するに至らなかった背景があるわけでありまして、もちろん
雇用
慣行の実態でありますとかさまざまな背景があるんだろうと思います。恐らく先ほどの
検討会
でも、先生から御
指摘
をいただいてつくり上げた
検討会
でも今から本音の
議論
が始まるんだろうと思いますが、相当ぶつかるだろうと思うんです。その上で、
有識者会議
でもいただいたように、社会保障の
支え手
をふやすという
観点
からも私たちは極めて大事な
議論
だと思います。
中立
な
制度
にするということで、私ども
厚生労働省
としても、
検討会
にお任せするだけではなくて、しっかりと
議論
、
検討
を続けていきたい。そして、
検討会
の
議論
を
国民
の皆さんが見ながらまた御
意見
を出していただけるように、さまざまな
機会
を通じて
厚生労働省
としての考え方もどんどん出していきたいというふうに思っているところであります。
清水澄子
81
○清水澄子君
財務省
の副
大臣
にお伺いしたいんですけれども、もう時間がありませんので簡単に言います。 日本の
所得税
は
個人単位課税
を原則としているという表向き、事実そうなんでしょうけれども、しかしさまざまな
人的控除
が非常に
世帯単位
の要素を持っているわけです。ですから、片働き
世帯
、共働き
世帯
、単身
世帯
の間でバランスがとれなくなっております。
税制
というのは公平、
中立
でなければならないということなんですけれども、その点でも、
我が国
の
専業主婦
にだけは
配偶者控除
と
配偶者特別控除
と二重の
控除
がある、それが七十六万円という
控除
で、働かない方が有利であるような
内容
になっているわけです。 ですから、
就労
に対して、または
税制
に対して、
中立
的、公平でないそういう
税制
の
あり方
をどう改めようと考えていらっしゃるか、ひとつお答えいただきたいと思います。
若林正俊
82
○副
大臣
(
若林正俊
君) まず、御承知のことだと思いますけれども、
課税最低限
を超える
所得
を得られる場合は
男女
差はなく、それぞれ
個人単位
の課税を行う、こういう
仕組み
で
我が国
の
税制
ができ上がっているわけでございます。
所得
がないかあるいは非常に少ない
所得
の場合に、
自立
してそれで生活できる基礎とは言えない、そういう
状況
の場合を念頭に入れながら
世帯
主、
納税者
に対して各種の
控除制度
を設けておりますが、その
控除制度
の中に
配偶者控除
あるいは
配偶者特別控除
という
制度
を設けております。 この
制度
は、
基礎控除
なども含めまして他の
控除
との全体のバランスを考慮しながら
担税力
の
調整
という
観点
で導入されているものではありますけれども、とりわけ
配偶者特別控除
については
配偶者控除
制度
がある限り、それを超えたときに
世帯
として見て
所得
が減少する、そういう
逆転現象
を起こさないために漸減方式をとりながら、御承知のように、百三万円を超えても、
配偶者控除
がなくなって
世帯単位
として
所得
がむしろ逆転して減るというようなことがないような
趣旨
で設けたものなんです。 ですから、
配偶者特別控除
をやめますと、かつての状態と同じように
逆転現象
が生ずる。じゃ、
配偶者控除
そのものをどうするか、こういうことだと思うんですけれども、その
配偶者控除
があるから働かないとか、そのことによるインセンティブが直接あるような金額ではないように私は考えておりますが、しかし、その設けられている
趣旨
について、
基礎控除
とのバランスを考えながら、先ほど
仲道
委員
がお話しになりましたが、
配偶者控除
の方を減額しながら例えば
基礎控除
を上げて全体のバランスをとったらどうかとか、そういう御提案もあると思うんです。 そういう問題も含めまして、この
所得税
というのが基幹的な
税制
であるということを念頭に置きながら、今のような
女性
の社会的な進出、
男女共同参画社会
の
推進
という
観点
で大いに
議論
をしていただいて、
控除
のバランスの
見直し
を含めまして抜本的に改正を
検討
しなきゃならない、こんなふうに考えております。
石井道子
83
○
会長
(
石井道子
君) 本日の
調査
はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時三十分散会