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国務大臣(
川口順子君) 幾つか考え方について少し問題の整理をしてみたいと思うわけでございますけれども、この
地球温暖化の問題を考えるに当たって一番大事なことは、これから世界の国々がとろうとしている政策が本当に地球の温暖化の
防止につながるかどうかということが原点であろうかと思います。これを私はきのう、
環境の十全性と
日本語で訳されておりますけれども、という言葉で表現をさせていただきました。したがって、問題は何をすれば
環境の十全性につながるのかということだというふうに私は考えております。
それで、きのうEUは、EUの
立場について
お話をなさって、EUとしては
京都議定書に
アメリカが戻ってくる
可能性ということは大変に厳しいと見ている、したがってEUとしては、
アメリカが
参加してもしなくてもこの話を進めていって批准をするという考え方であるというふうに言いました。
それで、私はそれに対しまして、
アメリカの
参加は非常に重要であるということを繰り返し繰り返し申し上げました。それはなぜかというと、
アメリカは、
委員には特にもう耳にたこができるぐらいお聞きになっていらっしゃる話だと思いますけれども、アネックスⅠの国で三七%ぐらいの排出を持っている国である、それから
アメリカが
参加をしなかった場合に将来
途上国が削減をする行動をとるだろうかということについての懸念といったようなことがあるわけでして、
アメリカの
参加は重要だと私は申し上げたわけです。
整理をいたしますと、EUの考え方と、それから
アメリカが大事だというふうに、要するに
アメリカ抜きでも批准をしようじゃないかという考え方と
アメリカが大事だという考え方の違いというのは、これは方法論の違いであるということです。どちらの道を今の時点で選ぶことが
環境の十全性につながるかということです。
それで、
アメリカは、今の時点ではこの
地球温暖化問題については
閣僚レベルで
検討中であって考えている、それをアンブレラの国にも相談をし、それから国際プロセスを通じて議論をするということを言っているわけです。
したがって、EUが先に
アメリカ抜きで批准をし、それでその先
アメリカが入ってこない
可能性、あるいは
途上国が入ってこない
可能性ということを考えたときに、それがいい道であるか、あるいは今
アメリカが
検討して温暖化問題は重要だと言っているのだから、その
検討をできるだけ手伝い、かつ待ち、
環境十全性ということからいってそういう成果を生むように
働きかけることがいいということと、どちらが
環境十全性ということからいっていい道なんだろうかと、そういう選択の問題であるわけです。
それで、私どもは、
アメリカ抜きでやるかどうかということについては私は何も申しておりません、昨日の段階で。私が申し上げていることは、
アメリカが今議論をしている、それで何か考えると言っている、したがって
アメリカに
働きかけて、戻ってくるように
働きかけて、
COP6でいい結果を生むような、そういう形で議論をしていこうではないかと、そういうことについてEUと
合意をしたわけでございます。
それからもう
一つ、先ほどちょっと
委員がおっしゃられました死文化しているということを
アメリカが言っているということでございますけれども、私もこれを報道で、紙で見まして実は確認をしたいと思っているのですけれども、今の時点では確認ができておりません。ただ、私が見た文章、これは英語の文章ですけれども、これを見る限りは、
アメリカは国際的に
合意をした京都の議定書が国際社会の中で死文であると言っているのではなくて、
アメリカ国内で、先ほど来、
熊谷政務官が
お話をしているような
議会との
関係において、上院で決議が出ていることもあり、したがって
アメリカの中においてはそういう位置づけなんじゃないかということを言っているように私にはとれたわけでございます。
いずれにしても、この点についてはまだ確認がされていないことでございますので、仮定の話で議論をするという段階ではないと思っておりますが、念ために申し上げておきます。