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2001-04-05 第151回国会 参議院 環境委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十三年四月五日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員異動  四月四日     辞任         補欠選任         堀  利和君     朝日 俊弘君  四月五日     辞任         補欠選任         片山虎之助君     佐藤 昭郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         吉川 春子君     理 事                 清水嘉与子君                 末広まきこ君                 福山 哲郎君                 岩佐 恵美君                 清水 澄子君     委 員                 石井 道子君                 沓掛 哲男君                 佐藤 昭郎君                 成瀬 守重君                 西田 吉宏君                 真鍋 賢二君                 岡崎トミ子君                 藤井 俊男君                 松前 達郎君                 加藤 修一君                 但馬 久美君                 福本 潤一君                 中村 敦夫君    国務大臣        環境大臣     川口 順子君    副大臣        環境大臣    沓掛 哲男君    事務局側        常任委員会専門        員        山岸 完治君    政府参考人        総務省自治行政        局選挙部長    大竹 邦実君        経済産業省商務        情報政策局長   太田信一郎君        特許庁総務部長  藤田 昌央君        環境大臣官房長  炭谷  茂君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    岡澤 和好君        環境省地球環境        局長       浜中 裕徳君        環境省環境管理        局水環境部長   石原 一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環境省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○自動車から排出される窒素酸化物特定地域に  おける総量の削減等に関する特別措置法の一部  を改正する法律案内閣提出)     ─────────────
  2. 吉川春子

    委員長吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨四日、堀利和さんが委員辞任され、その補欠として朝日俊弘さんが選任されました。     ─────────────
  3. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境省設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会総務省自治行政局選挙部長大竹邦実さん、経済産業省商務情報政策局長太田信一郎さん、特許庁総務部長藤田昌央さん、環境大臣官房長炭谷茂さん、環境大臣官房廃棄物リサイクル対策部長岡澤和好さん、環境省地球環境局長浜中裕徳さん及び環境省環境管理局水環境部長石原一郎さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 環境省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 福山哲郎

    福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。  大臣は連日、温暖化のことで御苦労されているというふうに思います。冒頭でございますが、実は質問通告をしていなかったというか、私きのう夕刊を読んでいなくて、夕刊をけさ見たら、申しわけありません、少しこれはお答えをいただきたいんですが、川口大臣が六カ国と電話会談をした、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェーの環境大臣らと電話で協議をしたということが新聞に載っていました。本来なら通告をしなければいけなかったのですが、済みません、私これをしないで、読まないで出ていってしまったものでして、大変恐縮でございますが、お話の内容は御報告をいただけるものだというふうに思いますので、きのうのことでございますので、できればこの電話会談中身をお知らせいただければというふうに思います。よろしくお願いします。
  7. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 昨日の朝、日本時間でいえば昨日の朝、ほかの国は時間が違いますけれども、六カ国の国の大臣お話をさせていただきました。米国につきましては、ホイットマン環境保護庁長官ではなくて国務省高官電話に出ました。この電話会談は実は私が働きかけてするということになったものでございまして、EUトロイカと言われる現議長国のスウェーデン、それから今度の七月から議長国になるベルギー、それからEU委員会環境担当閣僚級の方ですが、この三人がアメリカに回り、その後日本も含めロシア、中国、イランといった国を回るということがございましたので、アンブレラ国々としてここで一度意見の交換を一緒にしておく必要があるのではないだろうかというふうに考えたからです。その中の何人かの方とは個別に話をすることは可能なわけですけれども、一緒にみんなで議論をしたらいいのではないかと。  それで、議題は、アメリカEUトロイカ訪問をいたしましたので、その報告を、どういう話があったかということをアメリカから聞こうということでございました。それで、そのアメリカには同じく議長をやっていたプロンクも訪問をいたしました。アメリカ側は、電話での話では、EUに対してブッシュが今まで言ってきていること、アメリカが今までやってきていること、すわなちブッシュ京都議定書は不支持である、それからアメリカとしては地球温暖化問題を非常に真剣に考えており、真剣に取り組んでおり、その手段としては市場のインセンティブを生かした方式、国際的なプロセスを重視し、革新的な方法とかあるいは技術ということを使ってやっていきたい、今それのアメリカ政策については現在閣僚レベル検討中であるという、これはこの場でも前に申し上げたかと思いますが、これをアメリカからEUに話をしたということでございました。それから、EU質問に答えて、アメリカはボンには出席をすると言ったということでもございました。  それについての若干の質問のやりとりがございまして、アンブレラ国々としては、今後アメリカ検討の結果がある程度といいますか、結果が出たときにはそれをアンブレラ国々相談をしてほしい、アメリカもするということを言っていたということでございまして、京都議定書というのが現在のその国際的な交渉のベースである、枠組みであるということを確認し、アメリカに対して、何かアメリカが言いたいことがあればそれはいつでも聞く用意があるということを言った、それからアンブレラ国々の連帯が重要であるということも確認をした、そういうことでございました。
  8. 福山哲郎

    福山哲郎君 済みません、ありがとうございます。  アメリカ検討の結果が出たときにはアンブレラグループにも相談をすることも合意があったというふうに言われましたが、アメリカの今言われている検討の結果が出たときというのが、大体、多分特定の時期は無理なんでしょうけれども、いつぐらいのめどでこの検討が出されるような会話はありましたでしょうか。とりあえずそれはいつぐらいなのか。もっと具体的に申し上げますと、COP再開会合前に一度アメリカからの検討結果が出るのか、その後かどうか、そこら辺が特定できないのか、その辺の会話はいかがでしたでしょうか。
  9. 川口順子

    国務大臣川口順子君) この問題は福山委員のみならず、実は私も最大関心事一つでございますし、それからEUにとってもほかのアンブレラ国々にとっても最大関心事一つでございまして、当然この点について質問をいたしましたけれども、今の時点では何も言えないということでございました。
  10. 福山哲郎

    福山哲郎君 ありがとうございます。  済みません、もう一度確認をさせていただきたいんですが、アメリカは今の状態ではCOP再開会合には出席の意向なんですよね。
  11. 川口順子

    国務大臣川口順子君) そういうふうに理解しております。
  12. 福山哲郎

    福山哲郎君 EU代表団来日をされるときには、当然大臣EU代表団とやられる、交渉というか会合を持たれると思いますが、EU代表団、正式にはいつ来日、済みません、細かいことで恐縮でございます。
  13. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 九日に来て十日に帰ると聞いておりまして、その中でどの時間帯に時間がセットされるかはこれからだと思います。
  14. 福山哲郎

    福山哲郎君 ごめんなさい、もう次へちゃんと行きますが、もう一個だけ。  アメリカ国務省高官お話をされた、その方のお名前を教えていただけますか。それは厳しいですか。
  15. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これ、何を外に出そうかということを話していたわけでございますけれども、その中で、名前を、国の名前は出しますが、だれが言ったということは、これ大臣はわかっていますけれども、たまたまこの方が出てきたということだと思いますので、特にその名前自体が今後のことについて重要な意味を持つということではないと思いますので、ちょっと控えさせていただきます。
  16. 福山哲郎

    福山哲郎君 基本的には今のアメリカ公式見解しかその方も述べられていないでしょうから、そこは別に深くこだわるわけではありません。  それともう一つだけ。ブッシュ大統領議定書支持を二十八日に発表されたときに、そういう発表をするんだというようなことは日本政府環境省事前には何か話があったんでしょうか。
  17. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 選挙の綱領にそういうふうに書いてございましたから、アメリカ共和党政権政権をとった後でそういうことを言うであろうという可能性認識はいたしておりましたけれども、言う前にアメリカ政府日本環境省あるいは日本のどこかに連絡をしてきたということはございませんでしたし、この点については、ほかの国の環境大臣とも話をしましたけれども、ほかの国でも事前連絡を受けていた国はなかったと私は認識しています。
  18. 福山哲郎

    福山哲郎君 ありがとうございます。本当に、事前通告をしていないのに大変丁寧にお答えをいただきまして、感謝を申し上げます。  じゃ、環境省設置法法案についてちょっとお伺いをしたいんですが、地球環境審議官の新たな設置ということになっていますが、これまでも国際交渉、それこそCOP6までずっと国際交渉の窓口になられてきた方がいらっしゃるわけだというふうに思いますが、今回の地球環境審議官ポストではなくて役割をこれまではどの立場でどのようにやられてきたのか、お答えいただけますでしょうか。
  19. 川口順子

    国務大臣川口順子君) だれがどのようにやってきたかという御質問でございますけれども、そもそも地球環境審議官役割というのは、環境省が所掌している事務のうち特に地球環境問題に、地球環境の保全に関係がある事項で国際的に取り組む必要のあること、これを大臣を助けて国際交渉に当たっていく事務次官級審議官ということでございまして、ほかの省のほとんどにこの審議官、国際問題を担当する審議官というのは既に存在をいたしています。  それで、地球環境審議官が行うという意味で、その事務事務次官級ということでございますから、今までだれがやっていたかということでいいますと、事務次官であったり、それから副大臣であったりと、そういうことかと思います。あるいは政務官であったりということかと思います。  それで、だれがどのような立場でやっていたかという御質問についてもう一つ申し上げたいのは、じゃ本来地球環境審議官がいたらやれていたことを十分にやれていたかというと、そうではなかったというふうに思います。したがって、だから必要であるということになるわけでございます。  やはり国際交渉でございますし、地球環境問題というある程度その専門的な知見が必要な分野であります。そこで交渉をしていくということですから、交渉能力、しかも国内交渉するのよりもさらに広くと申し上げていいと思いますけれども、外国人発想なりあるいは外国政府仕組みなり、そういったことをちゃんとわきまえて、それを踏まえていく、言葉能力も当然に必要であるということでございまして、そういった必要性というのが最近本当にふえてきておりますので、限界が来てしまっておりまして、そういう意味でこの設置が必要だということでございます。
  20. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は、今回の設置法地球環境審議官設置に対しては賛成の立場ですので、きょうは大変穏やかに話をさせていただいているんですが、今大臣おっしゃられたように、事務次官や副大臣政務官が形としては対応していたけれども、事務次官が行きますと、やっぱり事務レベルでいうと最高のところになりますし、外国人発想外国仕組みやこれまでの国際交渉経緯などをどれほど把握しているかという話の中で専門的に地球環境審議官が要るというお話はまさにそのとおりで、これまでは、大臣の言われている問題意識を逆にほかの環境省のスタッフの皆さんがそれぞれがそれぞれをカバーし合って一生懸命やられてきたんだというふうには思っています。  そういう点でいうと、この審議官設置に対しては私は本当に賛意を示しているんですが、この審議官、現実には任期とか任命基準とか、僕は役所の組織のことは余りよくわからないので、どういうふうな形で、先ほど抽象的には外国人発想がわかるとか外国仕組みがよくわかるとかいうことをおっしゃられましたが、任期とか任命基準についてはどのようにお考えなのかお教えいただけますでしょうか。
  21. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これは普通の一般の公務員一つの職でございますから、そういう意味では任期とかそれから任命基準とか、決まったものはございません。  ただ、じゃ実際にどういうスペックといいますか、どういうものが必要かということについては先ほど申し上げたとおりでございまして、それから期間についても、大事なことは顔になって、国際的なコミュニケーションが電話でと申しましたけれども、そういうようなことでもどんどん行われている時代でございますので、ある程度の長さが必要であろうというふうには思っております。
  22. 福山哲郎

    福山哲郎君 最後に重要なことをおっしゃっていただいて、やっぱり顔になるためにはある程度の長さが必要だろうと。例えば短期間でこのポストの人がかわるようだとやっぱりそれは問題だと思いますが、ある程度というのは、大臣、どのぐらいのイメージなんでしょうか、ある程度の長さというのは。それはその方の、つかれた方の年次だとかいろいろあるんだと思いますが、どのぐらいのイメージでいらっしゃいましょうか。
  23. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 具体的な年数とか月数で申し上げることはできないと思います。その人間がその分野で全部トータルしてどれぐらいの蓄積を持っているかということも長さのうちになりますでしょうし、それから人によって時計の進み方は必ずしも同じでないわけで、非常に早く立ち上がる人間とそうでない人もいますから、一概には言えないというふうに思います。
  24. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、この地球環境審議官設置に伴って環境省内ポストというのは何か変化が起こるのでしょうか。何か変化があるとすれば、お教えをいただきたいと思います。
  25. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 現在、組織の整備をするに当たっては、ふやすだけではなくて、その組織合理化し、それからよりその業務にふさわしい体制を整える。今、公務員の数も総定員法で決まっておりますし、ということでございますので、大臣官房審議官一つ、それから大臣官房参事官ポスト一つ削減をすることになります。それと、今後も組織体制のあり方を検討するということでございます。
  26. 福山哲郎

    福山哲郎君 前の機構図と新しい機構図を見比べながらお話しですけれども、大臣官房審議官一つ減る、それから参事官一つ減ると。それで、その分地球環境審議官がふえるということですね。  済みません、大臣官房参事官というのはどういう役割だったんでしょうか。よくわからないんですが。
  27. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 参事官というポスト各省それぞれやっている役割は違うというふうに思いますが、環境省参事官は現在その国際交渉に当たっております。例えば、今ミッションアメリカに気候温暖化問題について行っていますけれども、それに随行をしていると、そういうような仕事をやっております。
  28. 福山哲郎

    福山哲郎君 ですよね。参事官の方は結構重要な役回りでしたよね。例えば今ミッションに行かれていると。この地球環境審議官設置されたときには、これは国会の審議があって、その質問中身とかにもよるんでしょうけれども、法案にもよるんでしょうけれども、その参事官のかわりに地球環境審議官が例えばミッションの場合とかだったら行くという状況になるんでしょうか。
  29. 川口順子

    国務大臣川口順子君) おのずからそのランクが違いますので、今回のケースでしたらば行くことになるかどうかはわかりません。ほかの省からは地球環境審議官クラスの方も行っているということでございます。
  30. 福山哲郎

    福山哲郎君 済みません、これは本当にネガティブな話で言うんじゃなくて、国際交渉がこれだけ複雑になってきて、それも事務レベル会合は何回も何回も、非公式、公式にかかわらず行われるような状況になったときに、今言われたみたいに参事官の方が非常に何というか汗をかかれる機会ってこれまでもずっと多かったと思うんですね。先ほども大臣が言われたように、事務次官、副大臣政務官以外、事前のところではそういう方々が活躍をされていた、頑張っておられたと。  僕は地球環境審議官に関してはもう全然オーケーなんですが、いいと思うんですが、総定員法の枠もありますし行革ということの流れがあるんですが、私は、環境省だけは、環境庁から環境省に格上げをして、これからの社会ニーズが非常に高まっている中で、こういう機動的に動ける役割国際交渉の場で、役割審議官一人、参事官一人削らなければいけないということに対しては、ちょっと自分が行革とか言っている割には反するんですけれども、環境省さんに関して言うと国際交渉上こういう陣容はもっとそろえてほしいと思っておりまして、今回は多分いろんな法の枠組みとかで審議官マイナス一、参事官マイナス一で地球環境審議官がプラス一という話になって、結果一減るんでしょうけれども、そこら辺、大臣、中長期的な展望に立って、環境省陣容を整えるということも含めてどのようにお考えか、お知らせをいただけますか。  今の話ですと、今回のミッションにも地球環境審議官はひょっとしたら行かないかもしれないと大臣正直にお答えをいただいたので、その場合に、参事官がなくなった場合に今回みたいなケースだとだれが行くことになるのかなというようなことも含めて、お答えをいただければと思います。
  31. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 福山委員の大変に強いサポートのお言葉をいただいて大変に心強く思っておりますけれども、二十一世紀環境世紀ということで、環境問題に対応するために、国際的にも国内的にも環境省組織定員拡充していかなければいけないというふうに思っております。当然、それをやる傍らで組織合理化なり効率性なりということは考えていかなければいけないとも思っております。  さまざまな新しいニーズと、それから今までそれにこたえてきた体制と、どんどん需要がふえていきます、ニーズの方がふえていきますので、なかなかやりくりが非常に厳しいところではございますけれども、これはいただいた定員あるいはいただいた予算でやるべきことはやっていかなければいけないというのが基本でございますので、それを踏まえながら、可能であれば将来的に拡充をしていきたいし、そのための努力をいたしていきたいと思っております。
  32. 福山哲郎

    福山哲郎君 ぜひそうあっていただきたいと思っているんですが、すごく素朴な疑問なんですが、何で新たに環境省設置されるときに、省庁再編のときに地球環境審議官の話とか定員拡充とかが出なくて今なのかというのは、合理的な理由は多分あるんだと思うので、もしよければ、素朴な疑問なんですが、省庁再編設置をするときにこういうポストはつくれなかったのか、今何でこの法案が出てきたのかなと思いまして、お知らせいただけますか。
  33. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これは私が環境省に来る前のことでございまして、さまざまな経緯があったというふうには聞いておりますけれども、そのさまざまな経緯の中で今のような形で環境庁環境省になった、あるいはしていただいたということでございまして、それでまたこの時期に地球環境審議官設置ということでお願いを申し上げているという、そういうことになったということだと思います。
  34. 福山哲郎

    福山哲郎君 さまざまな経緯では全然わからないんですけれども、大した問題ではないので、まあいいです。  この削られた参事官と削られた審議官の今まで果たしてきた職責、役割については、大臣、どう思われていますか。ここのなくなった部分は、さっき言われたように地球環境審議官とは立場が違いますから、立場の違うところが二つ削られたわけで、ここの部分に対する今後のフォローとか陣容については、拡充とかいうレベルではなくて、現状これでやっていかなければいけなくなるわけですから、そこについてはどのような御認識か、お知らせいただけますでしょうか。
  35. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 審議官環境省では四人おります。それぞれある業務を担当いたしまして、その業務をやっているラインの局長等を補佐して仕事をしております。それから参事官は、先ほど申しましたように国際関係業務に従事をいたしております。  今、それぞれ仕事をやっているわけでございますので、これを減らしていくということは非常に環境省にとっては大変なことではございますけれども、これは工夫をしてやっていかなければいけないと思っております。
  36. 福山哲郎

    福山哲郎君 工夫というのはよくわからないんですが、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。  もう一つこの件についてなんですが、日本の場合、国際交渉に当たる場合に、例えば京都議定書COPへ行っても、各省庁から代表というか、日本政府代表団の中で、そこで国際会議の最中に日本政府代表団がいろんな議論をしながら、どのポジションで各国と交渉するかというのを決めていくというプロセスがあるというふうに思うんですけれども、その政府代表団から来ているときに、各省庁から来ているメンバーと地球環境審議官立場は同じぐらいになるんでしょうか、これで。それとも、今までも代表団で各省庁から代表で来ている人たち環境省が今まで代表団として出していた人の中での格差、大臣が先ほど言われた立場の違いというのはあったんでしょうか。
  37. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 地球環境審議官外国に行って交渉をする、あるいは国内外国の方がいらっしゃって交渉をするというときに、常に各省一緒にいるわけではないです。  例えば、今度の週末に日中韓の三カ国の環境大臣会合、これは、今お席を立たれましたけれども、真鍋委員環境庁長官だったときに始められたことですけれども、その場合に別に各省、これは外交関係でございますので外務省の方には出ていただきますけれども、別に各省が並ぶわけではない。  私が承知をしている限りは、関係省庁が割に多かったという意味では、私の知っているものはハーグの会議ですし、恐らくもっと多いのは総理が出かけられるときとか、何かもっと大きな国際交渉というのはそういうことになるだろうと思いますけれども。ハーグの場合には、環境庁事務次官出席をいたしまして、ほかの省からは審議官、今申し上げている地球環境審議官に当たる審議官がお見えになっていた省もございます。
  38. 福山哲郎

    福山哲郎君 わかりました。  先ほど申し上げましたように、私は今回の設置については賛成をしておるんですが、それで二つポストがなくなる、ここに関する国際交渉上のマイナスを最小限に食いとめていただいて、なおかつ今後はここもちゃんと埋めていただいて、さらに強固な体制国際交渉に臨んでいただけるようにお願いをしたいというふうに思います。  続いて、地方環境対策調査官のことについてお伺いします。  地方環境対策調査官は、基本的に総務省の行政監察局職員にお願いをしていた地方の環境事情の調査の職員を四十五名環境省に移管というんですか、移管をされたというふうに承っております。総務省の行政監察局の職員の方がこれ、「地方環境保全施策」とか「全国環境事情」とかいうのを書かれていまして、これは実は大変よくできているものでございまして、それが今回環境省に移管をされるということなんですが、これ、四十五人なんですよね。よくよく考えると、一都道府県一人なんですね。  現実に、今までの総務省の行政監察局職員の方がやられた環境事情の調査と、今回環境省が地方環境対策調査官として設置をされることの業務について、今後差異が出てくるのか、基本的には同じようなことをやられるのか、そこら辺はいかがでございますか。
  39. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 基本的には以前なさっていたことと同じでございますけれども、四月一日から食品リサイクル法が施行になりましたので、その関係業務が新たにつけ加わったということでございまして、基本的にはその情報収集等、それは前と変わりありません。
  40. 福山哲郎

    福山哲郎君 ところが、基本的には厚生省から廃棄物行政の移管とかが出てきています、環境省には。さらには各省庁との共管事務の増加などもあるというふうに承っていますし、この四十五人という体制については、僕はさっきから増員ばかり言っているみたいで、本当はちょっと余り自分のスタンスとは違うんですが、事環境に関してはちょっと、済みません、あくまで私見でございますが、党の方針ではありませんが、本当に各都道府県一人で一体何ができるのかがよくわからないんですけれども、そこら辺の体制について、特に今不法投棄等の問題がいろいろ出てきています。その不法投棄等の問題が出ているものに対して増加の必要性とか、この調査官の役割みたいなものに対してはこれ以上に、さらに今まで以上に高まるのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。
  41. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 委員おっしゃるように、廃棄物関係業務環境省に来まして、その関係で不法投棄などの課題に対応するということもこの地方環境調査官の大きな仕事一つでございます。地方にいてこの不法投棄などの事態を早く把握してそれを環境省政策に反映するということが重要だというふうに思っております。これはこの調査官の重要な仕事一つです。
  42. 福山哲郎

    福山哲郎君 今の四十五人という、一都道府県一人で、今のところ大臣は何とかなるとは思っておられるんですか。
  43. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 実際の配置は、全国をブロックに分けてそこに数人まとめて配置をするということになりますが、人数的に十分かとおっしゃられれば、環境省を担当している私といたしましては、いただけるのであればそれは多ければ多いほどいい仕事はできるというふうに思っておりますが、さまざまな今国の行財政改革ということの中で、同時に今やっている仕事を不断に見直して効率的な配置を行い、その中で実効性を持つような仕事をしてもらうということが大事だというふうに思っております。
  44. 福山哲郎

    福山哲郎君 ブロックに分けて数人の体制でやられるというのは、具体的に例えば何ブロックで何人ごととかいうのはもう決まっているんでしょうか。
  45. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 具体的には全国を九つのブロックに分けまして、そこに平均すれば五人ということになります。
  46. 福山哲郎

    福山哲郎君 これブロックとか、何人とか、教えていただけますか。
  47. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ブロックは、北海道、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州ということの九つでございます。  それで、それぞれのブロックに何名かというのは、ただいままだ検討中でございますので、四十五を九で割れば平均五というふうに申し上げたわけでございます。
  48. 福山哲郎

    福山哲郎君 県に一人と考えてもなかなか厳しいなと思いますけれども、ブロックで五人と聞くともっと何か絶望的な気分になるんですけれども、これはブロックに五人は一体どこで業務をされるんでしょうか。
  49. 川口順子

    国務大臣川口順子君) それぞれ、それぞれの地域の中心的な都市にいるということでございまして、北海道は札幌、東北は仙台、関東は東京、北陸は新潟、中部は名古屋、近畿は大阪、中国は広島、四国は高松、九州は福岡ということでございます。
  50. 福山哲郎

    福山哲郎君 場所はわかりますが、どういうところで、要は環境省の出先機関みたいなところが……。
  51. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 別にこのために建物を建ててとかいうことは全然考えておりませんで、国の合同の庁舎のようなものがございますので、その中に入れていただいてというふうに考えております。
  52. 福山哲郎

    福山哲郎君 なるほど。  それで、その中で地方分権一括法の施行後、機関委任事務については、環境のいろんな分野については自治事務になったものが多くなっていると思います。国としては、その自治事務に対して多くの場合関与規定がなされているわけですけれども、自治体の環境行政と国の環境省の関与、そして合同庁舎に五人いらっしゃるような方との関係というか、今後のそこら辺の関係性はどのように今お考えでしょうか。
  53. 川口順子

    国務大臣川口順子君) この地方環境対策調査官は、先ほども申しましたように、地域の現場の情報を踏まえて環境政策の企画立案あるいは実施といったことに、その機能は環境省が持っているわけですけれども、その強化、充実し強化をする、そういう役割を持っております。  この配置によって地方と中央、環境省との関係が変わるということはございません。例えば、この人たちが地方の、県で環境行政をやっていらっしゃる方の監督をするとか、監督行政をするとか、そういうことでは全くございません。
  54. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうすると、国の関与の監督を、地方の自治体についての監督をするという役割ではないということですね、この調査官に関しては。それはそういう確認でよろしいわけですね。
  55. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ということで結構でございます。
  56. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうすると、先ほど申し上げた不法投棄等の増加やいろんな環境調査、全国環境事情等をこの調査官の方々はブロックで五人ぐらいが一生懸命やられる、地方では地方の行政としての環境行政が行われるという状況の中で、その地方の行政を別にこの調査官は監督をするわけではないという状況の中で、環境省の中で言う地方と国との関係とかこの調査官との関係、さっき監督しないとおっしゃったわけですけれども、どのように考えておられるのか。ちょっと抽象的な質問になって恐縮なんですが、お答えをいただけますでしょうか。
  57. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 御質問が抽象的ですので、お答えも実は抽象的にならざるを得ないんですけれども、環境基本法でどう定めているか、環境行政における国とそれから地方公共団体の仕事といいますか、その責務をどう分けているかということで申しますと、国の責務というのは、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施をするということでございまして、地方公共団体の責務といいますと、環境の保全に関して国の施策に準じた施策、それからその地方の地方公共団体の特有な条件があるわけですから、区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、実施をする責務を持つということでございます。基本的に言えばそういうことでございます。
  58. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうすると、国がつくる、環境省がつくられる法律というのは各地方自治体に対する標準的な役割になって、地方がその特性に合わせて、例えば横出しとか追加とかという形で自治体が強化をしたり緩和をしたり追加をしたりすることについては、この調査官や環境省は関与しないということですか。
  59. 川口順子

    国務大臣川口順子君) この地方環境対策調査官の仕事というのは、何か緊急の課題が地方にあったときに、その状況をできるだけ早く把握し、従来ですと県の方とか地元の住民の方とか、そういう方を通して環境本省に上がってくるということを待つという体制仕事をするわけですけれども、そうではない環境省人間が、要するに環境省人間がその地方にいるわけですから、その人たちがその情報の把握を行い、本省にフィードバックをして伝えて、それをベースに環境政策の企画立案、実施ということができるということでございますので、その人たちと地方公共団体との関係は、従来の政策枠組み、法的な地方と中央を定める枠組みの中で地方と連携をして一緒仕事をすると、そういうふうに申し上げたらいいかと思います。
  60. 福山哲郎

    福山哲郎君 この地方調査官には、じゃ例えば何か問題が起こったときに、先ほど言った不法投棄のときの強制的な立入調査の権限とか、そういうものは与えられるんでしょうか。
  61. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 地方が、県等が立ち入りの検査をするということができるわけですね。それで、この調査官は、国の法律の枠組みの中でそもそも国が立ち入り権を持っているということについては、この人たちがやることはある、あるでしょうと、そういうことでございます。
  62. 福山哲郎

    福山哲郎君 四十五人で何ができるのかという問題と、どのぐらいの権限を擁していて、どれほどまでに地方の行政とのバランスをとるのかという問題については、もう少しはっきりさせていきたいというふうに思いますが、とにかく行政ニーズは高まっておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  これで質問を終わります。
  63. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございますが、環境省設置法の一部を改正する法律案について、私は基本的に賛成でございます。  設置法の中については環境省が所掌するさまざまな事務について規定してございますので、その関連で質問をさせていただきたいと思いますけれども、環境省の持っている役割というのは極めて大きい。先ほど大臣からも答弁の中にありましたように、やはりその役割中身についてどう対応していくかということについては拡充していかなければいけない。二十一世紀環境世紀とも言われておりますけれども、別の形から考えていきますと、災害の世紀、五十年後には世界の災害総額が三十数兆円になるというふうな話も聞いておりますが、そういったことを考えていきますと、それに十分対応できるような、あるいはそういう事態に陥らないような仕組み考えていく必要が、人間の安全保障、そういった視点からも十分考えられるというふうに思います。  それで、最初に私は、土壌汚染の問題、これは八王子市の農薬工場跡地におきまして水銀と鉛の検出があったということなんですけれども、海外の企業も関連しているということで、日本にはいわゆる土壌の含有濃度の基準あるいは土壌の処理にかかわるような法律がないわけでありますので、これは行政から責任を問うことができないというような言い方もされているわけでありますが、この辺について事実確認としてはどのように考えているでしょうか。
  64. 石原一郎

    政府参考人石原一郎君) 八王子市の農薬工場跡地の件でございます。  八王子市の農薬工場跡地につきましては、平成四年に水銀による汚染が判明しました。それ以降、事業者、日本バイエルアグロケムでございますけれども、におきまして、平成十年三月から十二年九月にかけまして汚染土壌の除去あるいは水銀の分離、回収の措置がとられたところでございます。この措置につきましては、環境省といたしましても、現地に職員を派遣し、東京都及び八王子市とともに現地の確認、あるいはその浄化対策の実施につきまして、周辺の環境の保全が図られるよう八王子市に対しての技術的助言等に努めてきたところでございます。
  65. 加藤修一

    ○加藤修一君 私が持っている資料によりますと、バイエル工場の稼働直後から住民がせきや口内炎、手足のしびれ、頭痛などの症状が続出というふうに表現してあるんですけれども、これは住民からは大気の測定をしてほしいという旨を行政にかけ合ったわけでありますけれども、なかなかそれは聞き入れていただけなかったと、黙認していたように書いてございますが、この辺の確認はどうでしょうか。
  66. 石原一郎

    政府参考人石原一郎君) この汚染土壌の浄化対策の実施に当たりましては、浄化対策でございますので原因者としての日本バイエルアグロケムが当たっておったわけでございますが、その対策期間中におきまして、毎月、工場周辺の井戸水あるいは敷地境界での大気中の水銀濃度を測定してきております。  水質につきましては、水質基準、これ〇・五ppmでございますが、それ以下であった。それから、大気中の濃度につきましては、これは基準と申しますかWHOの大気中の水銀の基準値、一マイクログラム・パー立米ですが、以下であったことを確認しているところでございます。
  67. 加藤修一

    ○加藤修一君 質問中身はそれも含まれていますけれども、今の答弁の中身ですね、手足がしびれ云々とかそういったことを行政にかけ合ったけれども、一切黙認されていた状態であったということについてはどうですか。
  68. 石原一郎

    政府参考人石原一郎君) その事実関係につきまして、お尋ねの件について今お答えする資料ございませんので、追って御説明に上がりたいと思います。
  69. 加藤修一

    ○加藤修一君 それじゃ、土壌汚染防止法の関係、法律それ自体がないわけでありますから、こういう行政責任を問えないという事態がますます拡大する可能性は決してなくはないわけでありますので、私は土壌汚染防止法を至急つくるべきだと考えますけれども、その辺についての見解はどうでしょうか。
  70. 石原一郎

    政府参考人石原一郎君) 土壌汚染につきましては、企業の工場跡地、あるいは事業者による自主的な汚染調査ということで判明件数が最近増加してきております。  このような状況を踏まえまして、環境省といたしましては土壌環境保全対策のための必要な制度のあり方の検討に着手しております。昨年十二月から、学識経験者から成る検討会を立ち上げまして、土壌汚染による環境リスクのとらえ方、あるいは調査処理対策のあり方ということについて検討を始めたところでございます。  この件に関しましては、さまざまな課題、難しい課題を抱えているところでございますが、できるだけ早く検討を進めまして、制度化も視野に入れた取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
  71. 加藤修一

    ○加藤修一君 至急法制化の方をよろしくお願いしたいと思います。  次に、それではグリーン調達にかかわってくる話でありますけれども、私自身の行動にもかかわってくる話でございます。地球規模の環境破壊の関係では熱帯雨林の破壊ということが言われているわけでありますけれども、世界の森林破壊を少しでもやはり防いでいかなければいけない。  選挙のいわゆる掲示板、これに熱帯材の合板が使われているケースが非常に多いわけでありますけれども、例えばこういう熱帯材の合板をなるべく使わないようにしていこうということであります。これ選挙の掲示板の関係でございますけれども、一九九六年では六十九自治体がいわゆる使用の削減を考えていこうと、関西で六十九自治体ですね。あるいは九七年には、全国で百七十以上の自治体がいわゆる熱帯雨林の使用削減を考えていこうという観点から使用を控え目にしているという話になっておりますけれども、ある面で非常にこういったことも細かな話でありますけれども大事ではないかなと思っております。  そこで、選挙にかかわるいわゆる所掌をしております総務省、この辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。選挙のたびにこういった面についての推奨とかそれなりのことを言っていく必要があるんではないかなと思いますけれども、どうでしょうか。
  72. 大竹邦実

    政府参考人大竹邦実君) ポスター掲示場についてのお尋ねでございますけれども、ポスター掲示板の再利用等につきましては、これまでポスター掲示場の恒久化促進につきましての国会での議論等も踏まえまして、総務省といたしましても、その促進について市町村の選挙管理委員会に対しまして要請してまいったところでございます。  しかしながら、市町村の現実の実務上の問題といたしましては、第一といたしまして、耐久性にすぐれたものを作製いたしましてそれを再利用していきますことは、一方で大量の掲示板を次の選挙のときまで保管しておく必要が一つあるわけでございますけれども、その保管場所の確保、それから保管に要する維持管理上の問題があること、さらには毎回の選挙ごとに候補者数が異なりまして掲示板の大きさも異なってまいりますこと、さらにはリースにつきましては、リースで提供してくれます事業者が全国に存在しているわけでもないこと等々の課題もございまして、実態としましてはなかなか恒久化が進まない状況にございます。  しかしながら、徐々にではございますけれども恒久的な掲示場もふえてまいっておりますし、また一方で古紙やペットボトルを再生利用いたしました掲示板の利用などの取り組みも進んでまいっているところでございます。  総務省といたしましても、今後、グリーン購入法の理念に沿った取り組みが進みますよう、都道府県あるいは市町村の選挙管理委員会とともに検討してまいりたいと考えております。
  73. 加藤修一

    ○加藤修一君 使用削減をやっている自治体については、これ具体的に実態調査になるようなことをやっておりますでしょうか、総務省としては。
  74. 大竹邦実

    政府参考人大竹邦実君) ポスター掲示場につきましては、恒久化あるいは非恒久といろいろとタイプがあるわけでございますけれども、恒久化しているものにつきましては毎回調査をやってございます。
  75. 加藤修一

    ○加藤修一君 別の機会に拝見をさせていただきたいと思います。  それでは環境省に、この辺についてどういう見解をお持ちかということでよろしくお願いいたします。
  76. 川口順子

    国務大臣川口順子君) グリーン購入法が施行になりましたけれども、まず、グリーン購入法で地方公共団体でグリーン購入の推進に努めるべきであるというふうに規定がなされております。  それで、選挙の掲示板ということでございますと、これは市町村の選挙管理委員会が調達をするということでございますので、市町村において環境保全に資する製品の調達に努めていただくということになります。それで、現在、環境に配慮をした掲示板という意味では、再生パルプを利用した掲示板などが使われているというふうに承知をしております。  環境省といたしましては、グリーン購入法というものが施行になりましたので、その説明会を開催するなどいたしまして、地方公共団体がグリーン購入をどんどん進めていただけるということのために説明会等で御説明を申し上げているということでございます。  それから、グリーン購入という観点からはそういうことでございまして、あと、熱帯雨林の熱帯材の使用という観点からいきますと、これは持続可能な経営を行っている森林から生産された木材かそうでないかということが問題になってくるわけでございまして、なかなか実際にこれがどちらがどうかというのがわかりにくいという問題もございますということをちょっと一言申し上げておきたいと思います。
  77. 加藤修一

    ○加藤修一君 総務省、それじゃよろしいですので、お引き取りくださってよろしいです。  それでは次に、情報公開法の関係ですね。四月から施行になっているわけでありますけれども、いわゆる行政が持っている情報をどの程度公開できるかどうか、これは極めて、例えば環境省関係のデータについても、それは環境政策を地方がつくり上げていく中では極めて重要なところだと思います。ですから、どの辺まで環境データを公表できるかどうか、これの開示の程度ですね、企業名がわからなければいけないし、あるいは場所についてもわからなければいけないと。そういったことはどう環境政策をつくり上げるかということについて極めて大きな影響を与えるわけでありますから、この辺についてどのようにお考えでしょうか、範域の問題ですね。
  78. 川口順子

    国務大臣川口順子君) まず、一般論といたしまして、私は、環境情報が公開をされ、それで地方のベースでそれがわかるということは大事だと思っておりまして、それによってそれぞれの地域にお住まいの方が自分の地域の環境の情報を把握して、あるいは他の地域と比較をすることが可能になるということで、ITの時代でもございますし、非常に重要なことだと思っております。  それであれば、じゃ、どれぐらいの情報が公開できるかということですけれども、行政機関の要請を受けて出した情報で、そのときに公にしないという条件で提供された企業情報である場合には、その条件が合理的であると認められるものについては情報公開法によりまして非公開、不開示情報というふうになっております。それで、実際に環境省が過去に入手をいたして保有している個別企業のデータというものは、その企業から公にしないという条件で提供されたというものであれば不開示情報に該当するというふうに思います。
  79. 加藤修一

    ○加藤修一君 これは、環境省がどの程度のデータを持っているかちょっとわかりませんが、公にしない条件でのデータのものと、公にしても構いませんよという、そういったデータの量というのはどのぐらいあるものでしょうか。これは通告はしておりませんので、後ほどでも構わないんですけれども。
  80. 炭谷茂

    政府参考人炭谷茂君) これについては、その都度請求があったときに、現在定められております情報公開法にのっとって判断するということになろうかと思いますけれども、大まかの予想もなかなか、割合もなかなかはかりかねることかと存じます。
  81. 加藤修一

    ○加藤修一君 それでは、在日米軍基地もございますし、それから自衛隊基地もございますけれども、PRTRの関係で自衛隊の関係についてもやるという話を聞いておりますけれども、これはどの範囲で出すような形になりますか。方面単位ですか、師団単位ですか。どの辺の段階で出すような形になりますか。
  82. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ちょっと抽象的なお答えになってしまいますが、それは情報公開法に基づきまして、情報開示の請求がありましたときに、これが開示情報か不開示情報かということを判断していくしかないと思っております。
  83. 加藤修一

    ○加藤修一君 ちょっと理解できないんですけれども、情報公開法が施行している段階でその辺のことがある程度決まっていないとちょっとまずいんじゃないかなと思いますので、十分検討をしていただきたいと思います。  在日米軍基地の関係については、これは国対国の関係でやっている部分もございますので、日米地位協定の関連の中でやっている部分もございますのであえて申し上げませんが、自衛隊の関係についてはそれなりの対応をやはりしなければいけないというふうに考えます。  それから、情報公開法の関係で、法案の調整をしてくる経緯があったわけでありますし、あるいは制度調整、そういったものをしてくる経緯があった中で情報公開法がつくられているわけですけれども、そういった面でのいわゆる省庁間の公式意見とかあるいは修正要求、そういったものが経緯の中でつくられてきていると思うんですね。それは公開する意味も十分あり得ると思うんですけれども、この辺についてはどういう取り決めがあったかどうか、その辺ちょっと教えていただきたいと思います。
  84. 炭谷茂

    政府参考人炭谷茂君) 行政機関の審議や協議等に係る情報につきましては、公にすることにより率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるなどのものにつきましては、情報公開法に基づきまして不開示の情報というふうにされております。  法案調整や制度間調整の際の私ども環境省の意見等につきましては、その調整過程においては不開示情報に該当するというふうに考えております。ただし、法案提出後など意思決定が行われた後においては、その中に個人情報や企業情報など、その他不開示の情報が含まれていないか検討の上、原則的に開示すべきというふうに考えております。
  85. 加藤修一

    ○加藤修一君 わかりました。わかってはいないんですけれども、別の機会にまた質問したいと思います。  それでは、湖沼問題で、霞ケ浦に関して、あるいは東京湾に関してもそうですけれども、有名な論文としては益永論文というものがございまして、いわゆる農業関係から出てくる副産物のいわゆるCNPにかかわるダイオキシンの問題を前回も取り上げてきましたけれども、ストックの処理をいかにするかという話になってきますけれども、前回の答弁の中で、後でまた説明をいただいたわけでありますけれども、しゅんせつした土壌を客土という形で、農耕地には直接使っていないわけでありますけれども、耕作土の下の方にしゅんせつ土を埋設している、約一メーター以下にですね。  実際、我々、ダイオキシンの関係についてはかなり神経質に取り組んできております。環境省も相当関心を持って一生懸命やってきたことについては私も十分理解しているわけでありますが、いわゆる焼却灰なんかも当然ダイオキシンが含まれているということで管理型に処理をしているというふうに聞いております。そういったやり方と、今回のような含まれているというふうに十分想定し得る土壌をこういう形で処理をしているということについてはちょっと理解ができないように思うんですけれども、どういうふうに環境省考えて、しゅんせつ土をこういう処理の仕方をしているかということについてどうでしょうか。全然問題ないという理解でしょうか。
  86. 石原一郎

    政府参考人石原一郎君) 霞ケ浦に係ります底の泥、底泥の処理の件でございます。  霞ケ浦におきましては、先生御指摘のとおり、湖沼の富栄養化対策ということで昭和五十年ごろから底泥のしゅんせつが行われてきております。このしゅんせつ土は、周辺の干拓地の低部農地の排水性をよくするということで農地のかさ上げということで使っております。その際、耕作用の表土は一メートル分はよそ、ほかのところから入れまして、高くするという基礎部分にしゅんせつ土を使っておるわけでございます。しゅんせつ土はそういう意味では耕作土として利用はしていないわけでございます。  御指摘のありましたように、しゅんせつ土は焼却灰と異なりまして廃棄物というような形では扱われておりません。それともう一つ、益永先生の論文の中にもございますが、ダイオキシン類の濃度を計算されているわけですが、十九・九ピコグラムということで、ダイオキシン類の土壌環境基準としましては一千ピコグラムという基準を設定しておるところでございます。  そういうことからしまして、現在の農地のかさ上げ、表土を一メートル盛っている、それと土壌環境基準ということから考えまして、特に問題があるというようなことではないというふうに考えておるところでございます。
  87. 加藤修一

    ○加藤修一君 十九ピコの話が出ましたけれども、湖水はあそこは下水が入ってきているのは当然ありますけれども、あの水を実は浄水して上水道に使っているわけですね、飲み水に使っているということで。そういったことも含めて全く問題がないというとり方でよろしいですか。
  88. 石原一郎

    政府参考人石原一郎君) ダイオキシン類の水質の基準につきまして、ダイオキシン類の水質の常時監視ということにつきまして、十二年度から霞ケ浦につきまして三点、湖心の部分、それから釜谷沖、それから外浪逆浦の三点で常時監視をやっております。データにつきましては取りまとめ中でございますけれども、これらの常時監視を実施しているということで、それを踏まえて適切な対応なりをしてまいりたいというふうに考えております。
  89. 加藤修一

    ○加藤修一君 また別の機会にやります。  それでは、厚生省の人口動態統計をもとにして、二十数年分の統計でありますけれども、その中で、いわゆる霞ケ浦流域や利根川河口、そういった町村でありますが、特定な地域名は言わないようにいたしますけれども、いわゆる胎児の死であるいわゆる自然死産の増加、あるいは胎内での発育不全、低体重児の問題がございますが、これは「奪われし未来」なんかでもよく出てくる話で、胎児の段階で暴露を受けて、環境ホルモン等の影響を受けた中で実は低体重児が生まれる可能性が極めて高いと。  それで、実際に、前回の質問の中でも多少言いましたが、男性の出生比率が極めて低いところがあると。これもまた別の話でありますが、いわゆるダイオキシン汚染の大事故があったイタリアのセベソと似たような形でそういう数値が出てきているという、いわゆる男性の出生率が極めて小さい、そういった言い方もされているわけなんですけれども、私は、これはある一研究者の論文をもとにして話をしているわけなんですけれども、こういった問題提起があるわけでありますので、霞ケ浦流域を含めて精査をすべきではないかと。不安に思っている住民の方もいるわけでありますので、ぜひお願いしたいと思いますけれども、どうでしょうか。
  90. 川口順子

    国務大臣川口順子君) この問題につきましては先日も御質問があって、その際に政府参考人からお答えを申し上げておりますけれども、これは、さまざまな要因を含め、統計学的にさらに検討をしていくことがまず必要だというふうに考えております。それで、現在、委員御指摘の報告の内容に関しまして、一連の人口動態統計データなどの関連する資料を収集しまして、統計学的な検討を進めているところでございます。
  91. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ、霞ケ浦周辺の全市町村という理解でよろしいんですか。
  92. 川口順子

    国務大臣川口順子君) そう御理解いただいて結構です。
  93. 加藤修一

    ○加藤修一君 それでは、ちょっと時間の関係質問をスキップいたしますが、不法投棄の問題が先ほど川口大臣からも話がありまして、それを調査して早く環境政策に反映するということが極めて大事だと、そういう答弁がありましたけれども、私、前回も取り上げてきたケースとしては佐渡島のPCBの関係でございます。  これは、さらにあれから私もヒアリングをやってまいりまして、ある企業の方が、余り深い認識のない中で新穂村ですか、佐渡島の新穂村に捨ててしまったと。捨てるのも、沢の中に捨てて、さらにその上に土壌をかけて見えないようにして捨ててしまったという話なんですけれども、これはやはり私は、事実確認、私自身がやっているわけじゃございませんが、ある寄り合いの中でも、これは一人が知っているわけじゃなくて複数の人が知っている話で、恐らく村役場も知っているというふうに、ヒアリングの中で出てきた話でございますが、ぜひこれ早急に対応しなければいけないんではないかなと思います。  回収してやはりきちっとした保管をしなければいけないというふうに考えておりますけれども、この辺についてさらに積極的な答弁をいただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
  94. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 新潟県から市町村に対しまして、現在、事実関係確認の作業を行っているところでございます。現在までのところ、現地では雪が積もっておりますので、トランス等が投棄されているという事実は確認はされていない状況にございます。  そのために県は、雪解けを待ちまして施設への立ち入りを行うということにいたしておりまして、環境省としても引き続き、県と密接に連携をしながら事実の確認に努めてまいりたいと思っております。  それからもう一つお話の一般廃棄物最終処分場、これに関しましては、排水基準値等を調べておりますけれども、その点では環境基準値を満足しているというのが現在の状況でございます。
  95. 加藤修一

    ○加藤修一君 恐らく雪は四月いっぱいぐらいで解けると思いますので、現地視察も含めて五月いっぱいぐらいには終わるように私は想定しておりますけれども、至急よろしくお願いしたいと思います。  それで次に、自然エネルギーの関係でありますけれども、やはりこれは地球温暖化対策を全面的にやっていかなければいけない。アメリカケースもああいう形で非常に残念な事態に陥っているわけでありますけれども、やはり将来の五十年後とか百年後のことを考えて今から十分対応していかなければいけない。そういった意味では、環境とエネルギーの問題というのは極めて密接な関係にあるわけでありますから、それは省エネルギーということも当然必要であります。あるいはライフスタイルをどう変えるかということも当然必要でありますけれども、さらに、環境に優しいといいますか、CO2をなるべく出さないような自然エネルギーというのを角度をつけてやっていくべきだと、そう思います。  それで、地球温暖化にかかわる世界的な九つのチームがさまざまなシミュレーションをやっているわけでありますけれども、その中で、再生可能エネルギー、とりわけバイオマスの関係については相当手がたいエネルギーである、ロバストエネルギーであるというふうに皆さんが認識しているということを聞いております。イタリアでことしG8の会合があるというふうに聞いておりますが、そこでも自然エネルギーの関係、つまり再生可能なエネルギーについて角度をつけてやっていくというふうに聞いておりますが、ある石油メジャーの方々も、二〇二〇年には世界の第一次エネルギーの三〇%以上、あるいは二〇六〇年には五〇%以上が実はいわゆる再生可能エネルギーで対応できると、そういう可能性を指摘しているわけなんですけれども、そういったことを考えてまいりますと、日本の現状は非常に寒いような状態だと私は思います。  再生可能エネルギー、とりわけバイオマス関係を含めて考えていきますとそういうふうに思いますので、私はやはり戦略的な取り組みといいますか、これは単に環境省だけじゃなくて、そのほかの省庁も含めて急速にやっていかなければいけない問題だと思いますけれども、その辺、いわゆる他省庁との連携事業なんかも含めた形で、どのようにこの辺について環境省はやっていこうというお考えをお持ちかどうか、その辺についてお願いいたします。
  96. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 今、環境に優しいというか、自然エネルギーの利用というのは、これから非常に重要になっていくというのは先生のおっしゃられるとおりですし、経済産業省においても、エネルギーのこれからの見通し等においても、この方面を非常に重視していくということを今やっておるところでもございます。  その自然エネルギーとしての代表的なものとしては、太陽光や風力、あるいは今先生おっしゃいましたバイオマス、間伐材やチップなどなど、そういうものの自然エネルギーというのは二酸化炭素の排出を伴いませんので、その導入は地球温暖化防止の観点からも非常に重要だというふうに考えております。  このため環境省では、太陽光、風力あるいはバイオマスあるいは雪氷等の利用状況について、今後とも自然エネルギーの導入を促進する観点から、利用状況及び導入可能性の把握に努めて、できる限り国民に対して情報提供をしていきたいというふうに考えております。  その際において、各省庁でいろいろ実施しておりますそういう対策についても取り入れていきたい。特に、経済産業省でいろんなことをやっております。例えば、NEDOでは風況マップなどをつくっておりますし、また環境省としても風力発電の導入状況などのマップなどもいろいろつくっておりますので、そういう省庁とも関連をとりながら自然エネルギーの導入を図って、気候温暖化問題への的確な対応に取り組んでいきたいというふうに考えております。
  97. 加藤修一

    ○加藤修一君 バイオマスの中でもやはり木質バイオマス、森林がかなり荒れているという話があって、間伐あるいは除伐をしなければいけないと、それから出てきたいわゆる林業関係の廃棄物、それもうまく使っていくことも十分考えていかなければいけないわけでありますが、ただ、流通経費、いわゆる運搬費用ですか、そういったものが非常に高くつくということで、それも含めて、それから安定的に供給ができるかどうかということもあるように、私は課題として残っていると思うんですね。  そういったことから考えていきますと、やはり環境税を導入する中でそういったものが十分使えるようになる、効果的に使えるような形で環境税をうまく駆使していくことも一つの方法であろう、そういうふうに思っておりますので、さらに積極的な検討も含めてやっていただきたい、そう思います。  それと、今副大臣がおっしゃったように、風況マップあるいは導入状況のマップという話が出てまいりましたが、私としてはやはり自然エネルギー一〇〇%コミュニティー、そういった構想も一つ考え方としてあっていいのではないかな、そう思っております。全国にどのぐらいの自然エネルギー、再生可能エネルギーというのが存在しているかどうか、いわゆる潜在力でありますけれども、風についてはかなりNEDOの方で掌握しているように聞いております。  しかし、そのほかの、例えばこれはデンマークのケースでありますけれども、こういう普及実態のマップをつくっているわけなんですね。つまり、どういうことかといいますと、風力発電とかわら燃焼、木片の燃焼、バイオマス、それから廃棄物ガス、バイオガス、ソーラー加熱システム、パッシブソーラー、太陽光発電、水力、地熱、こういった分類に分けて全国ベースでマップをつくっているわけでありますけれども、一つは潜在的な面にかかわるようなそういったマップができるかどうか、さらに、実際に導入している部分についてのマップをうまくつくっていくことができるかできないか、あるいは、そういったできたマップを環境教育という立場で使っていくことも十分考えられるのではないかというふうに思っておりますけれども、この点を含めてよろしくお願いいたします。
  98. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 今先生、デンマークとか外国の例もおっしゃられましたが、先ほど申しましたように、今まで経済産業省でエネルギーという、そういう自然エネルギーという観点から、また環境省としてもこの気候温暖化に関して負荷の少ないエネルギー、そういう点でいろいろ研究はしておりますけれども、全体的なものとしてまだ把握いたしておりませんので、諸外国の実情等も検討しながら、そういう問題へも検討を進めていきたいというふうに考えております。
  99. 加藤修一

    ○加藤修一君 これはエネルギーの問題ですけれども、エネルギーというと経済産業省という話になってしまいがちなんですけれども、環境省がやることについては何ら問題はないですよね、恐らく。どうでしょう、細かい質問で恐縮ですけれども。
  100. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 環境省としては、環境の面からしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
  101. 加藤修一

    ○加藤修一君 地球温暖化対策をいかに効果的に推進していくかということについては、今の提案というのは細かな提案でございますけれども、あらゆる手だてを考えて人類が総力戦をしていかなければ到底五十年後、百年後の姿というのは見るに忍びないような状態になってしまいますので、今から打つべき手は打つことである、そんなように考え質問をいたしました。よろしくお願いいたします。  以上でございます。
  102. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 改正案は地球環境審議官設置して地球環境保全への対応を強化しようというものです。そこで、私は、地球温暖化防止対策に関連をして質問をいたしたいと思います。  まず、IPCC、気候変動に関する政府間パネルは、地球温暖化による気候、生態系、人間社会への影響などについて、一九九〇年に第一次報告、九五年に第二次報告を出し、ことし、第三次報告を発表しました。第三次報告では、気候への影響が第二次報告より深刻になると予測しています。  気候、生態系、人間社会への影響について、第三次報告の概要を簡単に説明していただきたいと思います。
  103. 浜中裕徳

    政府参考人浜中裕徳君) IPCC第三次評価報告書についてのお尋ねでございますが、この第三次評価報告書のうち、地球温暖化とその気候面の影響について取りまとめました第一作業部会の報告書によりますと、過去五十年間の気温上昇の大部分が化石燃料の燃焼などの人間活動に起因しているという、新たな、かつ、より確実な証拠が得られたことを指摘しております。  また、二十一世紀中に、一九九〇年に比べ平均気温が一・四ないし五・八度C、平均海面水位が九ないし八十八センチ上昇することなどを予測しております。  また、地球温暖化による生態系や人間社会への影響を取りまとめた第二作業部会の報告書によりますと、近年の気温の変化が世界の多くの地域における生態系などに対し既に影響を及ぼしていることに高い確信があると指摘しております。  また、今後予測される気候変化のもとで、世界の浸水被害の拡大でございますとか、途上国の農業生産などへの悪影響、生態系の破壊あるいはマラリアなどの伝染病の拡大などが生じることを予測しております。これらの新たな知見によりまして、地球温暖化による気候、生態系、人間社会への影響が科学的により明確にされているというふうに受けとめております。
  104. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 私は、アルゼンチンで開かれましたCOP4に参加をいたしました。そのとき、島嶼の諸国の皆さんが、自分たちの土地が、住居がとにかく目の前でどんどん失われていくという深刻な状況を訴えておられました。私は、本当にその訴えに胸を突かれる思いでございました。  日本でも、しっかりしたまだ科学的な調査が必要だと思いますけれども、沖縄のサンゴの白化などのそういう現象も温暖化の影響ではないかというようなことが言われ、とにかく異変が起こっているわけです。  IPCCの報告では、今お話があったように、過去五十年間の温暖化の原因というのは人間活動によるものだということでありますので、私は、温暖化防止対策というのは本当に私たち自身がこれにどう取り組んでいくのかという自分たちに突きつけられた問題だというふうに思っております。そして、緊急に解決をしていかなければいけない問題だというふうに思っています。  日本温暖化防止、温室効果ガス削減の実態はどうなっているでしょうか。
  105. 浜中裕徳

    政府参考人浜中裕徳君) 我が国におきましては、これまでも各種の温暖化対策を実施してきておりまして、とりわけ京都会議以降、地球温暖化対策推進大綱を定め、さらに国会におきましては地球温暖化対策推進法をつくっていただきまして、現在、政府におきましてそれらに基づく対策を進めておるところでございます。  最新のデータでございます一九九八年度の排出量を見ますと、一九九〇年度に比べ五%なお増加している状況でございまして、最近環境省検討会の報告書をまとめたところでございますが、二〇一〇年におきます温室効果ガスの排出量は、現時点までに決定された確実性の高い政策や対策の実施を前提とした場合では、一九九〇年度と比べてなお五ないし八%増加すると推計されているわけでございます。六%目標達成のためには、なお一層の削減が必要な状況でございます。  このため、現在、中央環境審議会におきまして、これらの目標達成のための具体的な削減対策あるいはそれを実現するための国内的な制度のあり方につきまして早急に取りまとめをしていただくべく御審議をいただいているところでございます。
  106. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 炭酸ガス排出量の四〇%、最大のシェアを占めている産業部門ですけれども、九〇年度より減少していますけれども、これは主として不景気による鉄鋼やセメントなどの生産量の減少による影響を受けたものだと言えます。  環境省の温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討報告でも、この十年の間、省エネ設備の新規導入は進んでおらず、九〇年代にはむしろエネルギー消費原単位が増大している業種も多く見られる、またエネルギー効率向上や温室効果ガス削減に結びつく新たな技術開発も少ない、そう指摘をしています。私は、本当にこういう点から真剣に産業部門の削減ということについてもしっかりと対策を講じていかなければいけないというふうに思っております。ぜひやっていただきたいと思います。  それから、運輸部門なんですが、二一%と増加が著しいんです。それから民生部門も、特に業務関係で一六%増加をしています。  きょうは、これらの問題についてはまた後日いろいろ議論させていただきたいと思うんですけれども、廃棄物の焼却による炭酸ガス、この伸びについて伺いたいと思います。
  107. 浜中裕徳

    政府参考人浜中裕徳君) 廃棄物の関係でございますが、我が国の廃棄物の焼却に伴います温室効果ガスの排出量は、一九九八年度におきましては炭素の量に換算をいたしまして約七百万トンでございまして、一九九〇年度はこれが約三百九十万トンでございましたので、八一%増加をしているというような状況でございます。また、我が国の排出量の全体に占める割合について見ますと、九八年度は約一・九%でございまして、これは一九九〇年度以降、年々増加傾向にあるということでございます。
  108. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 廃棄物焼却による温室効果ガスは、九〇年比、今のお話にあるようにCO2換算で五百五十二万五千トンも増加をしています。非エネルギー起源の温室効果ガスの中で群を抜いています。CO2の排出量は九〇年度の一・九倍になっていて、これもまた他の分野と比べて特別に増加率が高いという実態です。  私は、温室効果ガス全体の中で占める割合が廃棄物焼却によるものが二%だからといって決して軽視できないというふうに思いますけれども、その点に関して基本認識を副大臣にお伺いしたいと思います。
  109. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 廃棄物の焼却に伴います温室効果ガスの排出量は、全体に占める割合は今先生おっしゃりますように二%でありますが、年々大変大きな伸びを示しております。京都議定書の目標を達成する上でこれを抑制していくことが非常に重要な課題だというふうに認識いたしております。  現在、平成十一年三月に政府が策定いたしましたダイオキシン対策推進基本指針に基づきまして廃棄物の減量化目標を設定し、その実現に努めているところであります。  今後、環境省といたしましては、地球温暖化防止の観点からも、廃棄物の発生抑制等の循環型社会を形成するための取り組みを通じて廃棄物の焼却量削減を一層推進してまいりたいと考えております。
  110. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 今言われたように、ごみの焼却量を減らすためにはそもそもごみになるものをもとでなくしていく、つまり循環型のシステムづくりが私も必要だというふうに思っています。循環型の考え方というのはかなり強調されておりますし、そういう循環型社会を推進しようという法律も通っているわけですけれども、じゃ具体化するということになるとまだまだ進んでいないというふうに思います。  私は、きょう特に提起をしたいのは、一般廃棄物の六割を占める容器に関して、ごみの発生抑制となるリターナブル化、再使用するということですね、リターナブル化が地球温暖化防止対策としてもとても重要だと考えます。ところが、現実には容器包装リサイクル法の制定の後、飲料の使い捨て容器が急増しています。この問題については、国土・環境委員会でも何度も議論をしたところです。  そこで具体的に伺いたいのですが、全国地球温暖化防止活動推進センターは飲料容器のリターナブル化による地球温暖化防止効果の試算を行っています。二酸化炭素に関する試算及び評価はどうでしょうか。
  111. 浜中裕徳

    政府参考人浜中裕徳君) ただいま御指摘の報告書によります試算の結果を見てまいりますと、飲料容器をリターナブル化した場合の二酸化炭素の排出量の削減量は、炭素の量に換算をいたしまして約七十八万トンと試算をされております。また、これに伴う環境コストの削減額は約五十四億円、このように試算をされているところでございます。
  112. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 そこで、また大気汚染の原因となる硫黄酸化物、いわゆるSOx、それから窒素酸化物、NOx、これに関する試算と評価があると思いますが、それも御説明いただきたいと思います。
  113. 浜中裕徳

    政府参考人浜中裕徳君) 御指摘の報告書にある試算結果でございますが、同じくリターナブル化によります硫黄酸化物の排出量の削減量は約三千七百トン、環境コストの削減額は約三十六億円ということでございます。また、窒素酸化物につきましては、排出量の削減量は約二千トン、環境コストの削減額は約十四億円ということになっております。
  114. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 今説明があったように、リターナブル瓶に換算をするとCO2で五十四億円、それからSOx、NOx合わせて五十億円の環境コストの削減になるということです。逆に言えば、使い捨て飲料容器のために百四億円相当の環境負荷があるということだと思います。  CO2だけじゃなくて、他のものもあわせて今議論をさせていただいていますけれども、次に、具体的に固形廃棄物についての試算及び評価はどうなっているでしょうか。
  115. 浜中裕徳

    政府参考人浜中裕徳君) 御指摘の報告書による試算結果でございますが、飲料容器のリターナブル化によります固形廃棄物の排出量の削減量は約百二十五万トンと試算されております。また、一般廃棄物処理費用の削減額は約千五百億円というふうに試算をされております。
  116. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 一般廃棄物処理費用、税金が一千五百億円節約できるということですから、これは大変なものになります。それから、飲料容器のリターナブル化によってCO2の削減効果もあるということですし、さらに大気汚染物質、今NOx法もかかっておりますけれども、このNOxだとかSOx、そうした汚染物質対策のための環境コスト、これも削減できる、あるいは容器のごみを九割減らすことができる、そして今ごみの最終埋立処分地がないということで大変ですけれども、その埋立量も一割減らすことができるということですから、私は、リターナブル化、リターナブル容器へかえていくということはまさに環境に優しい容器であるというこれらの試算が出ているというふうに思いますけれども、これを受けて真剣にリターナブル化ということを検討し、考えていく必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  117. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 容器というのはいろいろな種類がございまして、瓶もあれば缶もあればペットボトルもあれば紙製の容器もあるということでございます。  それぞれの容器ごとにどういうふうに使われるか、どういう飲料に適しているかというのがさまざま異なってくるわけでございまして、どういう容器を、あるいはどういう使い方でするのがいいのか、環境の保全という観点からいいのかというのは一概に言うことは非常に難しいと思いますけれども、一般的にワンウエーの瓶を使うということと、それからリターナブルの瓶を使うということと比較をいたしますと、温暖化の面あるいは廃棄物の減量の面ということである前提を置いて考えますと、環境への負荷はリターナブル瓶の方が低くなるという研究はございます。  それで、リターナブル瓶にしていくことの問題というのは、また逆に集めて瓶の工場に運ぶためにトラック等が使われる、それからその結果としてCO2が出るというようなこともございますけれども、そういうことを全部含めてある前提を置いて考えると、ワンウエーよりはリターナブルの方が環境負荷が少ないという研究があるということでございます。  それで、現在容器包装リサイクル法というのが施行になっておりまして、これによりましてその事業者が集めたところからそれを再製品化する、再商品化するというところまで責任を負っているということになっています。市町村、事業者の役割分担というのがそういうことであるわけですけれども、リターナブル瓶につきましては、一定の水準でリターナブル瓶が使われている場合にはこの事業者が負担している費用が免除をされるということになっておりまして、ですから、例えばビール瓶などは免除をされているということになっております。  それで、これによりましてリターナブルの容器の利用の促進を図っていくということを考えているわけでございます。
  118. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 リターナブルの容器を使っていると免除されるということにはなっているんですけれども、実際に容器包装リサイクル法ができてからリターナブルの容器がどんどん減ってしまっているという現実があります。そして、使い捨て容器は大変ふえていて、ごみ量がもう本当に倍以上にふえて、容器包装リサイクル法ができてからペットボトルのごみが倍以上もふえて地方自治体は悲鳴を上げているという実態があります。  その点についてこれから少しまた具体的な問題で議論していきたいと思うんですけれども、まず、現在飲料容器の家庭ごみに占める割合、これは重量、容積でそれぞれどのぐらいでしょうか。
  119. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) これは、全国的な統計の数字がございませんけれども、平成九年度に六都市を対象として調査した結果で申し上げますと、家庭ごみに占める容器包装の割合は重量ベースで二三%、容積ベースで五六%でございます。このうち飲料容器だけ取り出した場合には、重量ベースで六%、容量ベースで八%となっております。
  120. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 一般廃棄物というのは毎年約五千万トンを超える量が出ています。家庭ごみが約半分、都市部では半分、地方へ行くと六割ぐらいだというふうに言われていますが、大まかに言って家庭から出るものだけで飲料容器のごみというのは百二十五万トンあるということになります。事業系からも同じぐらいの数量が出ますから、合わせて二百五十万トンのごみとなると。飲料製品の中で清涼飲料が四七%を占めております。これは非常に多いわけですね。五割ぐらいが、半分ぐらいが清涼飲料の容器なんです。  清涼飲料の出荷量について、缶、瓶、ペットボトル、紙容器など、容器の種類別の割合はどうなっているでしょうか。
  121. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) 社団法人の全国清涼飲料工業会の資料でございますけれども、清涼飲料の容器別の出荷量比率は、缶入りが全体の四三%、ガラス瓶入りが四%、ペットボトル入りが四一%、それから紙容器入りが一〇%というふうになっております。
  122. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 ちょっと委員長の御了解を得まして、グラフにしてまいりました。(図表掲示)今お話しのものをグラフにしないとわかりにくいんですね。  清涼飲料の場合、缶が減ってきているんですね。そのかわりにペットボトル、これはもう五百ミリリットルが普及しましたからこれがどっとふえていっている。だから、これで見ると缶とペットボトルが恐らくもう二〇〇〇年には逆転するだろうというふうに思われるんですが、いずれにしてもこのような容器の割合で、そしてガラス瓶というのはもう本当にこの下の方をはっているという、数%。ガラス瓶は四・三%しかないという実態になっております。  容器の種類別の清涼飲料の出荷量ですけれども、九五年以降の伸び率で見るともっとよくわかるんですね。これは前にも議論しましたけれども、ちょっと見ていただきたいんですが、これがペットボトルで、こんなに急激にふえていまして、二・二倍に急増しています、ペットボトルは。そして紙容器も四割ふえるという状況になっていて、反面、ガラス瓶は下降しているんですね。四割減っちゃっているんですね。ですから、容器包装リサイクル法ができたという年から見るとこういう変化がよくわかるわけですね。  ちなみに、ガラス瓶の清涼飲料の中で占めるリターナブル瓶の割合はどうでしょうか。
  123. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) 清涼飲料全体についての統計は承知してないわけなんですが、炭酸飲料だけについてだと統計が、財団法人の日本炭酸飲料検査協会の調査がございます。  これによりますと、平成十一年におけるガラス瓶入りの炭酸飲料全体に占めるリターナブル瓶の割合は二五%、四分の一ということでございます。
  124. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 大体清涼飲料の中で占める割合というのは、日本はリターナブル瓶が約五%程度というふうに言われておりまして、これは以前私が業者からいただいた資料でそういうことがわかっているわけですが、なかなか政府に聞いてもこの数字が出てこないんですね。  実は私は、きょうの質問をするに当たっていろいろ数字をあちこちにお願いをしたんですけれども、二週間以上かかっているんですね。やれ財務省だ、やれ農水省だ、やれ経済産業省だとか、それで環境省だとか、本当にもう頭が大混乱するぐらいばらばらばらばらしているんですね。  それで、今、岡澤さんからお答えになった数字も政府が調べたわけじゃなくて清涼飲料協会ですか、業界が調べたものなんです。業界はなかなか私たちにまた資料を直接いただけないということで本当にもう苦労したわけで、私は実態の把握というのがまず対策の第一歩だというふうに思うんですが、きちんと環境省としてこれからごみ問題、リサイクルをちゃんとやっていくんだ、循環型社会をつくっていくリーダーシップを握っていくんだということを言っておられるなら、ちゃんとやるべきだと、やることをやっていただきたいと。環境省電話一本したらすぐにさっと資料が出てくるようにぜひしていただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
  125. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) 先生も統計の数字をとられるのになかなか苦労されるということなんですが、我々の方も実は簡単には数字が出てまいりませんで、直接やったらどうかというようなおっしゃり方もありましたけれども、業界そのものが非常に分散化していますといいますか、小さなまとまりの単位が多いものですから、なかなか全体を直接調べるというのは難しいと思います。  ただ、業界と相談しまして、全体の数字の把握の仕方について工夫をして、我々としてもその数字が表に出せるように努力したいと思います。
  126. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 いや、私は何も環境省が全部把握してくださいと言っているんじゃなくて、今お答えがあったあちこちの資料をまとめてよく分析をして、そしてそれに基づいて対策をとってほしいということを言っているわけです。  次に、清涼飲料に次いで多いビール瓶ですけれども、瓶と缶の出荷割合はいかがでしょうか。
  127. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) これも財団法人クリーン・ジャパン・センターの数字でございますけれども、平成十年のビールの容器別の出荷量は缶入りが四七%、ガラス瓶入りが三六%、たる入りが一七%ということでございます。
  128. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 それで、ビールの場合はほとんどリターナブルで、清涼飲料に比べるとずっと瓶のシェアが高いんですね。三六%のシェアを占めているんですけれども、それでもその推移を見てみると一貫して瓶が減って缶がふえているんです。九〇年にはビール瓶というのは六割を占めていたんです。(図表掲示)ところが、グラフをつくってみるとやっぱりビール瓶のシェアというのは一直線に、これを見ていただきたいんですが、実は私、このグラフというのは、最初見せていただいたのは瓶の回収をやっておられる業者の方々がつくられたその資料を見せていただいて、非常にショックを受けたものですから、それからその後をちょっとたどっていってみたんですが、私が気にしたときにはこのちょうどクロスをするところだったんですね、瓶と缶の割合が。ところが、今やもう瓶が減って缶がどんどんふえているという、そういう状況になっていて、最近では瓶は缶の六割から七割程度になってしまったという実態です。  次に、お酒についてはいかがでしょうか。
  129. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) これもクリーン・ジャパン・センターの平成十年の数字ですが、清酒で申し上げますと、一・八リットルのガラス瓶入りが四七%、小さな中小のガラス瓶入りのものが一四%、それからガラスカップに入ったものが五%、そのほか紙パック入りが三四%というふうになっております。
  130. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 これもやはりこういうふうにグラフにしてみたわけですけれども、やっぱりリターナブルの優等生である瓶の一升瓶というのが減り続けていまして、かわって紙パックが急増しています。(図表掲示)ですから、清酒も九七年でシェアが逆転をするということになってしまいました。  さきのセンターの報告では、容器をリターナブル瓶にかえると、サマータイム導入やエコドライブの推進よりもCO2削減効果が高いと試算をしています。私は、こういう立派な報告が出されているわけですから、そしてそういう調査研究機関があるわけですから、それを生かしていくということがとても大事だというふうに思います。  清涼飲料もビールも清酒もみんなワンウエー容器がリターナブル容器を駆逐してきている。そういう現状を市場任せで放置しておくということは、私はごみをふやして、CO2をふやして環境に負荷をますます与えるということになると思います。ですから、緊急にリターナブル化の具体化ということが必要ではないかと思いますけれども、副大臣、その点、今までこれちょっとお見せいたしましたけれども、そんな御感想も含めて伺いたいと思います。
  131. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 今、岩佐先生から非常に、清涼飲料分野における容器類がどんなに時系列的に変わってきたかと。やっぱり国民は非常に便利で清潔で、そういうようなものに偏り過ぎてきているんじゃないかな、やはり環境問題を考えた場合にはこのリターナブルということで物を利用していく、そういうことをやっぱりもう一度みんなに、奥様方また若い人たちにもみんな教育していく、あるいはPRしていく、そういうようなことが非常に重要だなという気持ちがいたしました。  今、言われましたことにもう少し基本的にお答えさせていただきますと、今度、循環型社会形成推進基本法がいよいよ施行されておりますけれども、ここにおきましては、まず第一に発生の抑制をすること、そして二番目には今のリターナブルのような再使用をすること、そして三番目が再生利用、それを壊してまた材料として別のものをつくっていく、リサイクルしていく、あるいは熱回収、そして最後に適正処分という廃棄物・リサイクル対策の優先順位を定めております。  瓶についていえば、リターナブル瓶としての再使用の方がワンウエー瓶等の再生利用よりも原則として優先するという、そういう体制にはなっているわけでございますし、また、例えば瓶などのようにリターナブルが望ましいと考えられているものにつきましては、容器包装リサイクル法におきましてリターナブルを実施している事業者を認定し、認定事業者に対する費用負担の軽減を図ることによりリターナブルの導入をいろいろ促進などいたしております。  これについては、先ほど大臣からも御説明いたしましたように、ある一定以上のものをリターナブルする場合には、リサイクル法に基づく、いろいろ事業者に対する負担を免除するとか、あるいは例えば瓶であれば洗浄機械等を設置する場合の融資あるいは固定資産税のある程度の税制上の優遇措置、そういうようなものは一応とられているわけなんですが、その結果として一部成果も出ております。  成果の方を申し上げれば、平成十二年度におきましてはこの新しい制度に基づきまして二十四事業者が認定を受け、平成九年の施行当時の三十二事業者に比べて、現在では七十九の事業者がこのリターナブルを実施する事業者としての認定を受け優遇税制などを受けているんですが、今先生おっしゃられましたように、なかなか全体としての流れが減少の方に進んでいる。やはり出てきたものに対してこういういろいろ税制上その他の優遇措置を講ずるだけではこのリターナブルは生かされていかないので、やっぱり国民運動として廃棄物、そういうものに対してはリターナブルをさらに優先する。法律的にはそのようになっているんですけれども、それが十分でないということを強く感じ、これからそういう面でも環境省としてもしっかりPRをしながら頑張っていきたいというふうに思います。
  132. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 大変率直な御感想ですので、よかったというふうに思います。なかなか、いろいろやっていますといっぱい並べても、結果的にはそうなっていないわけですから、その点について真正面から受けとめていただきたいというふうに思います。  ちょっと細かくまた伺いますが、さきのセンターの試算報告書では、ワンウエー容器とリターナブル容器の価格比較、これを行っていますけれども、簡単に説明してください。
  133. 浜中裕徳

    政府参考人浜中裕徳君) 御指摘の報告書による試算結果でございますが、これは五百ミリリットルの食用のお酢の瓶の事例でございますが、リターナブル容器の代金は二十九円五十銭、ワンウエー容器の容器代金は試算をいたしますと二十五円十八銭ということで、これで見ますとリターナブルの方が高い、こういうことになっておりますが、しかしながら、ある自治体での消費者からの回収、分別、保管までの費用が三十四円という事例がございまして、こうしたリサイクル費用も含めますと、ワンウエー容器の代金は五十九円十八銭ということになりますので、そうなりますとリターナブル容器の代金の方が安いというような結果を出しているところでございます。
  134. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 報告書は、結果的にリサイクル回収が自治体負担でなく事業者負担で商品価格に含まれる社会システムであれば、使い捨て容器に入った商品は高くなるためにリターナブル容器を選択する消費者がふえることが期待できる、こう指摘をしています。  廃棄物の処理コストまで含んだ価格設定を事業者にさせる、そういう仕組みにしなければ、結局は循環型社会推進と幾ら口で言ってもなかなかそういう実効が上がらないということになるのではないかと思いますが、この点改めてお答えいただきたいと思います。
  135. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) リサイクル、廃棄物処理、それぞれの費用について製品価格の中に内部化していくことによってより環境に優しい製品の流通を促すという考え方は御指摘のとおりだと思います。  それで、今まで容器包装というのは市町村が税金で処理をしてきていまして、処理費についても製品価格に転嫁されることはなかったわけですが、容器包装リサイクル法の導入というのは、そういう意味でメーカーに対してリサイクルの費用を負担させることによってその費用を価格に内部化させていくということをねらったものでございます。ただ、リサイクル率が高くない段階では価格に転嫁される割合も小さくなってしまいますので、そういう意味では余り効果が出ないということだと思います。  ただ、実際に企業の払っている価格で申し上げますと、平成九年度に十七億円だったんですが、十三年度は四百五十三億円まで増大しておりますので、もう少しリサイクル率が上がることによってこういう価格の内部化も進んでくるものと思われます。
  136. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 そこの議論は前の国会でもやっていますが、とにかく二割ぐらいのリサイクル率ではどうにもならない、だからごみがふえているということなんで、またそこはそこでやっていきたいと思います。  四つの生協が中心になって今瓶の再使用ネットワークをつくって、環境事業団の地球環境基金の助成を受けて超軽量リターナブル瓶を開発して実施をしているのですが、簡単に概要を説明してください。
  137. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) 御質問の事業は、瓶再使用ネットワークが環境事業団からの助成を受けて平成十年度から十二年までの三カ年にリターナブル瓶の軽量化による環境負荷の削減効果を把握するための実証試験の実施等を行った事業のことだと思います。  それでよろしいですか。
  138. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 はい、いいです。  同ネットワークでは供給瓶の七割以上を回収していて、ネットワークが行った超軽量リターナブル瓶のライフサイクルアセスメント、いわゆるLCAによると、環境負荷の分析が行われているんですが、超軽量の九百ミリリットル瓶、五百ミリリットル瓶は原料製造から廃棄までのCO2の排出量が従来の瓶に比べてそれぞれ一一・四%、二五・三%も減っているということです。さらに、使い捨てのワンウエー瓶に比べればCO2の排出量はそれぞれ六五%、七二%も少ないということです。  時間もなくなりましたので、最後にちょっと大臣に伺いたいんですけれども、私は、循環型社会を推進していこうという枠組みはできたんだけれども、やっぱり具体的な問題についてはまだこれからだというふうに思うんですね。  リターナブル化について言えば、大臣、前にも言っておられましたけれども、やっぱり市民が自覚をして取り組んでいく、そしてそれを行政がどう協力しながら手助けをしていくか、メーカーもそのことについて一緒考えていくという枠組みが、協力体制をとるという枠組みが必要になってくると思うんですね。  そして、こういう問題提起をすれば、ごみを減らすとかCO2の問題だとかということについて市民の中での知識とかあるいは教育というのがずっと広がっていくというふうに思います。せっかく環境省として事業団やあるいは先ほど紹介したセンターの取り組み等あるわけですから、私は、そういうものを基礎にしながら、このリターナブル化をどうするかということについて環境省がイニシアチブを持って検討会などを立ち上げていくという積極的な取り組みをぜひしていただきたいというふうに思います。  その点を最後に大臣に伺って、終わりたいと思うんです。
  139. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 循環型社会の形成というのは、もう二十一世紀をかけてやっていかなければいけない重要な課題だというふうに私は思っております。ただいま委員がおっしゃられましたように、それから先ほど副大臣も申しましたけれども、このためには市民の方々の取り組み、行政の取り組み、その他いろいろなことが総合されて初めて可能になるということだと思います。  リターナブル化をするということは、循環型社会にするという意味ではさまざま大変なメリットがあるというふうに思いますけれども、他方で、例えば輸入品をどうするかという問題もありますし、それから現在のような商流が大規模ストアでまとまって売るというような形態になってしまった社会で、なかなかリターナブルをそこでやるというのは難しいとか、あるいは市民の方がペットボトルが何よりもいい、軽くて持ちやすいということになってしまうといったさまざまな問題を時間をかけて解決していかなければいけないというふうに思います。  環境省といたしましては、こういう循環型社会をつくっていくための働きかけというのをそれぞれのところに、時間がかかるかもしれませんけれども、ステディーにやっていく必要があって、そのための取り組みは循環型社会形成の一環としてやっていくべきだと思っております。
  140. 岩佐恵美

    ○岩佐恵美君 終わります。
  141. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時七分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  142. 吉川春子

    委員長吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、環境省設置法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  143. 清水澄子

    ○清水澄子君 社民党の清水澄子です。  ちょっと質問の順位を変えて、家電リサイクル法の施行に伴う課題の方を先にやりたいと思います。  今、日本国内で処分されている家電の四品目、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、これは年間千八百万台と言われていますし、さらにこれが途上国に輸出されているのは数百万台と言われているわけですが、ほとんど実態はつかめていないというのが現状です。  そこで、このリサイクル法ができるときに、この処分するときのリサイクル費用、これを後払い方式にすれば必ずこれは不法投棄が起きてくるんじゃないかというのを非常に論議したことを思い出しております。そしてまた、不法投棄が起きれば、それの撤去とかその回収の費用は自治体の負担になってしまう、だからこの費用というのはやはり商品にきちんと前払いで入れるべきだという、うんと論議をしたことを思い出しているわけです。  しかしそれは、当時の通産省は現在の後払い方式を実行してしまったわけなんですけれども、この家電リサイクル法が四月一日から施行された。そうしますと、わずかな金額だと思いますけれども、それでもこれだけ駆け込みの何といいますか需要というのは非常に大幅にふえている。そしてまた、やはりこれが、今後自治体が回収する粗大ごみが増加するんじゃないかという心配とか不法投棄の増大など、相変わらずやはり報道がされておりました。特に回収とリサイクル費用の料金というのは、やっぱりそういう意味でも最後までそんなにすっきりしていないわけですね。ごたごたと報じられているわけです。  この問題の背景には、家電リサイクル法の仕組み、やはりこれが、後払いというのが本当に、産業省はそれでいいとおっしゃるわけですが、本当にこれがいいのかどうかということ、ここで本当にまた新たに出てきた問題だと思います。  そこで、経済産業省に伺いたいわけですけれども、この回収・運搬費用について、大手量販店のコジマ電機が最初それを無料としていたわけですよね、自分たちが負担すると。しかし、経済産業省はそれを有料にすべきだということで、有料にしたわけですけれども、その事情を説明いただきたいと思います。
  144. 太田信一郎

    政府参考人太田信一郎君) お答えいたします。  いわゆる家電リサイクル法、国会等で御審議いただいていろんな議論があった結果として、今先生がおっしゃられたように、製造業者等にはリサイクルを実施する義務を課し、小売業者には消費者から製造業者等までの廃家電の収集、運搬を行う義務を課し、また消費者には廃家電の小売業者への適正な引き渡しと収集、運搬及びリサイクルを実施するために必要な費用を負担いただくという役割分担を定めておるところでございます。  御質問の小売業者が行う収集、運搬に関する料金は、この家電リサイクル法の第十三条第二項で、特定家庭用機器廃棄物、テレビとか冷蔵庫とかそういう廃棄物の収集及び運搬を能率的に行った場合における適正な原価を勘案して定められなければならないというふうに規定されているところでございます。このような法の規定を踏まえ、私ども経済産業省では、従来から小売業者の皆様方、大体全国八万店舗ぐらいございますが、家電リサイクル法に基づき適正な原価を勘案した料金設定を行うよう要請してきたところでございます。  家電リサイクル法が施行された四月一日、施行状況確認するため、コジマを含む各小売業者に対して、トラブルがなかったかどうか、あるいは料金の設定、公表状況電話により聴取するとともに、これまで同様、料金の設定に当たっては、法を踏まえ適正に料金を設定、公表するよう要請したところでございます。
  145. 清水澄子

    ○清水澄子君 それじゃ、その五百円というのは、適正な原価とおっしゃるんですが、適正な原価の基準というのは一体何なんですか。
  146. 太田信一郎

    政府参考人太田信一郎君) 能率的にそれぞれ、恐らく量販店の場合、町の小売店の場合でいろいろ違うかと思います。それぞれみずから能率的に業務を行った場合における料金を適正と呼んでおりますが、私ども今回四月一日に施行された状況を調べますと、大体千円から二千五百円ぐらいの幅で、大体六割ぐらいの販売店がそういう値に設定しておるというふうに承知しているところでございます。
  147. 清水澄子

    ○清水澄子君 環境大臣にお伺いしたいわけですけれども、循環型社会形成推進基本法、これでは拡大生産者責任の一般原則というのを規定しているわけですが、今回のこの家電リサイクル法、これはやはり循環型社会基本法のもとに運用されるというものであるべきと思うんですけれども、その点についてはどのようなお考えでしょうか。
  148. 岡澤和好

    政府参考人岡澤和好君) みずから生産する製品につきまして生産者が、生産、使用段階だけでなくて、使用後の廃棄物となった後まで一定の責任を負うという拡大生産者責任の考え方がございますけれども、これは、循環型社会の構築のために極めて重要な視点として、先般制定されました循環型社会形成推進基本法においてもその考え方を位置づけているわけでございます。  この拡大生産者責任でございますが、具体的には、製品等の耐久性の向上やリサイクルの容易化等のための製品の設計、材質の工夫、それから製品等に関する情報提供などとあわせまして、使用済み製品等の引き取り、引き渡しのルートの整備及びリサイクルの実施といった措置をとることを規定しているわけでございまして、個々の物品の性状や処理、リサイクルの実態等を考慮しながら、また関係者の適切な役割分担のもとで実現していくというふうな考え方を示しているわけでございます。  家電リサイクル法でもメーカーに特定家庭用機器廃棄物の引き取りとそのリサイクルの義務を課しているわけでございますが、こうした考え方は循環型社会形成推進法に示されております拡大生産者責任の考え方と整合性がとれたものというふうに理解しているわけでございます。
  149. 清水澄子

    ○清水澄子君 経済産業省自身が作成された資料によりますと、OECDのフェーズ2、その解説によりますと、拡大生産者責任、EPRの原則というところがあって、それの考え方の核心というのは廃棄物の管理費用をだれが負担するかという点にあると言い切っておりますね。つまり、製品が消費された後の段階でだれかが回収、処分の費用を負担しなければならないが、それを減らすためにはメーカーに対する働きかけが必要なのだと。言いかえれば、拡大生産者責任というのは、生産の段階から廃棄物の可能性を減らしていく、そして処理費用を最小化して、それでも避けられない費用は最初から製品価格に含めることである、そういうクリーンな製品を設計できるのは生産者以外にない、メーカーに対してそこまで拡大して責任を求めるのだという理念であると思うわけです。  だから、コジマ電機が引き取りを無料にすると計画したのは、結果的にはメーカーに廃棄物の処理費用を減らさせる働きかけ、圧力となると思うわけですが、今またここで御紹介したOECDの拡大生産者原則にも沿っているのではないでしょうか。ですから、むしろ他の小売店、また最終的にはメーカーがこれに倣って回収・処分費用を引き下げる努力をしていくべきであって、これは私は国がそれを支援していくのが当然ではないかと思います。  ところが、経済産業省は、これはそれぞれが負担するものであるという全く形式的な御判断によってコジマ電機に対して強引に有料化させたというのは、この拡大生産者責任の原則に反するものではないかと思いますが、どのようにお考えになりますか。
  150. 太田信一郎

    政府参考人太田信一郎君) 清水先生お話しの拡大生産者責任、本年三月に公表されましたOECDのいわゆるEPR、拡大生産者責任のガイダンスマニュアルによりますと、使用済み製品の処理または処分に関して、生産者が財政的または物理的に相当程度の責任を負うという政策アプローチというふうに承知しております。ただ、これが必ずしも生産者が処理または処分にかかる費用を負担することを意味しないというふうに承知しているところでございます。  翻って、家電リサイクル法でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、既に販売されている、家庭内で使用されている家電製品についてもいろんなことを考えなくちゃいかぬということで、製造業者、小売業者、消費者の役割分担を定めて、廃家電を引き取る際に排出者に対して料金を請求することとしたところでございます。  使用済み製品の処理または処分にかかる費用の負担方法としては、生産者が一時的に負担して製品価格に転嫁する方法と、廃棄時に消費者が負担する方法が考えられますが、先ほど申し上げましたOECDのガイダンスマニュアルにおきましても、日本の家電リサイクル法のように、製品が不要になった時点で義務的に支払うリサイクル費用によっても、製品の購入時の価格に上乗せするリサイクル費用と同様の効果、いわゆる社会的費用の内部化が実現するというふうにガイダンスでも記されたところでございます。  また、小売業者の収集・運搬料金につきましては、家電リサイクル法において、収集、運搬及びリサイクルを円滑に進めるため、小売業者が排出者に請求する収集・運搬料金については、先ほど御答弁申しましたように、法律に基づいて適正な原価を勘案して定めなければならないとされております。  経済産業省としては、各小売業者に対して家電リサイクル法に基づき適正な原価を踏まえた収集・運搬料金を設定、公表するよう要請しており、今回も同様に要請したものでございます。  それから、なるべく生産者のそういうリサイクルの費用を軽減するような支援ということは、税制、金融あるいは技術開発等で、私どもも関係省庁と連携をとりながら一生懸命やっているところでございます。
  151. 清水澄子

    ○清水澄子君 私は、それは全然逆だと思います。やはりメーカーが、使い捨てになると環境に有害になるようなもの、そういうものをできるだけ生産しないように導いていくということは、私はリサイクルだけが表面的にできればいいわけじゃなくて、生産の段階からむしろ考えていくことだと思うんですね。  そういう意味で、後払いだと購入のときにリサイクルしやすい製品を選ぶという、ユーザーの側がそういう選ぶということについての関心が低くなると思いますし、またそこには事業者の競争原理も働きにくくなるんじゃないか。だから、購入時の価格に上乗せする私は前払い方式に見直すべきだと思います。  経済産業省は、じゃ、これは日本版の拡大生産者責任という解釈でやっていかれるわけですね。消費者に負担させるのは、事業者責任を甘くすること、私は消費者は絶対負担しちゃいけないと思っていませんよ。だから、最初にそういう意識を持つように、そしてその中でよりそういう技術のすぐれた製品を選ぶという、そういう方向がリサイクルをより効果的に導くのではないかと思います。  ですから、結果的に消費者の使い捨てや不法投棄を助長するような、それはまさに大量消費社会から脱却できないわけですから、それがいつも経済産業省の方針はそういう方向で来ておりますので、私はそういう考え方を改めていただきたいということをあえてここで申し上げておきたいと思います。後払い方式がこの混乱の根本的原因になっているということはもう一度私は考えていただきたいと思うわけです。  そして、いま一つ、家電のリサイクルをめぐって知的所有権の問題が絡んでいる判決が出ております。それは使い捨てカメラを製造会社とは別の者がフィルムを詰めかえて販売をしたということで、特許権とか意匠権侵害で訴えられた事件がありましたが、その内容について説明してください。
  152. 藤田昌央

    政府参考人藤田昌央君) 先生今御指摘がございました判決は、東京地裁が平成十二年八月に判決したものでございまして、レンズつきフィルムにつきましては、これは消費者が一回限りで使用しまして、再使用、再販売を想定していないという製品でございまして、そういう意味で例外的に、特許法の世界で言います消尽論が適用されないで、リユース製品、こういう再利用製品にも特許権が及ぶという判決でございます。  特許法では、先生御案内かとも存じますが、特許権は特許出願の日から二十年間存続をいたします。しかし、特許に係ったものが国内市場におきまして権利者により適法に販売、譲渡された場合には権利者はその段階で十分な利益を得られるということから、そういう製品につきましてはその段階で特許権は消尽するという考え方が、消尽論という考え方がございます。  したがって、一般的には、特許権の存続期間でございましても、一たん譲渡されたものにつきましては、その後の転売やあるいは中古品の再販売、再利用というのは自由にできるというのが一般的な考え方でございます。
  153. 清水澄子

    ○清水澄子君 しかし、この問題は、それはもう従来の製品が再使用するとかリサイクルして使うということは前は考えられなかったわけですね。こういう問題は今後、家電のリサイクル製品でも同じ問題が起きてくるのではないかと思います。  捨てられた家電製品をリサイクル業者が入手して、そしてリサイクル製品としてまた製造し販売する、消費者が再利用するということは、家電リサイクルを促進するこの法律とか、またその上位法である循環型社会基本法の立場からは好ましいことであると思うわけです。このときにはもはや二十年間というその特許権や知的所有権は消滅していると私はみなして、むしろ奨励すべきではないかと思うんですね。  特許権ができたその時分のときには、再生資源の十分な利用とか再使用とかそういうことが、特許法の中には、再使用は想定していたかもしれませんけれども、再生資源の利用なんというのは射程範囲には入っていなかっただろうと思います。ですから、それらは時代に沿ってやはり変わっていくべきだと思いますが、経済産業省はどう考えますか。
  154. 藤田昌央

    政府参考人藤田昌央君) お答え申し上げます。  今回の東京地裁の判決のいわゆるレンズつきフィルムの件につきましては、地裁の判決でも述べられておりますけれども、いわゆる詰めかえ業者がその特許製品を大幅に改造をいたしまして、それで、もはや特許製品を再利用するというものではなくて、新たな製品の販売、新たな製造行為であるという評価をされた点が一般的に消尽論、譲渡された場合には特許権はその後は効力が及ばないわけでございますが、この判決では消尽論を否定しまして、特許権の効力が及ぶ事由であるとされたわけでございます。  リユース製品についてはいろんな態様があるかと思いますが、特許権の効力をどう及ぼすかということについては個別具体的な事案に即しまして判断がなされるべきでございまして、したがって司法の判断にゆだねていくべきものであると考えておるところであります。
  155. 清水澄子

    ○清水澄子君 なかなか、一つの循環型社会基本法という新しい社会という方向を踏まえた法体系のもとで、リサイクル促進の方向でやはりいろんな現行法を見直さなきゃならない時期に来ていると思うんですけれども、そういう点で今のこの議論を、副大臣、どのようにお考えになりますか。
  156. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 廃棄物のリサイクルを推進して、そして循環型社会を形成していくことは、先生今おっしゃられたように大変重要な課題だというふうに認識いたしております。  しかしながら、リサイクルを推進する場合であっても、既存の法制度を尊重、遵守することもまたこれは必要だというふうにも考えております。今後とも、関連する法制度との整合性を保ちつつ、循環型社会の形成に向けた取り組みが円滑に進むように、関係省庁と連携して必要な情報の提供等に努めていきたいと考えております。  なお、特許法等の工業所有権法は、使い捨てカメラのリサイクルそのものを妨げようとするものではなく、使い捨てカメラに関する判決は、リサイクルを目的としたものであっても特許権等を有する者の権利を侵害するような形で行われるものについてはこれを違法とし、認めないこととしたものと理解いたしております。
  157. 清水澄子

    ○清水澄子君 現状の認識を、この判決をどう思うかと言っておりません。  ぜひ環境大臣に伺いたいんですが、今いろいろ申し上げたように、この基本法以前からの古い法体系というのがいろんな意味で循環型社会の実現、それからリサイクル推進には思わぬ壁ができてくるということがあると思います。そういう意味でも、循環型社会を進めるためにこれらをどのように克服していくのかという、そういう新たに出てくる問題についてやはり検討していく必要があると思うんです。  今回の家電リサイクル法は、やはり後払いという点、それからそれらの生産の段階でリスクを少なくするというメーカーの責任を消費者にかぶせている点、これも本当にこの法律をつくるときにすごい論議になっていたわけです。そして、ここで拡大生産者責任の原則、これはやはりいま一度世界の流れに沿って日本の中でこの点を緊急に徹底する、改めるということが必要だと思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  158. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今のお話のように、循環型社会を形成していくためにリサイクル等を推進していく必要性というのは本当に大きくあると思いますし、非常に重要なことだと私も思っております。  それから、同時に、日本の社会では、その他の日本の社会をつくっていくいろいろな規範、例えば今の特許権のケースですと、知的所有権を保護するというのは、恐らく資本主義社会として社会が活性化をしていく、あるいはその活性を維持し続けるための非常に基本的に大事な枠組みだと思っております。  そういったことが相互にどういう関係にあるべきなんだろうかということが恐らく日本の社会がどうあるべきだということを考えるための基本的な問題であると思います。それをどう考えていくかということは、恐らく少し時間をかけて、みんなの議論が煮詰まってきて、やはりどちらの方が大事だということで徐々に結論といいますか社会の流れが出てくるということではないかというふうに思います。  私は、個人的には知的所有権の保護というのは非常に重要だと思っておりますし、また、国際的に現在グローバル化された社会、世界経済でございますから、その中で日本がきちっとほかの国から信頼される国としてやっていくということも重要であると思いますので、この場合は、先ほど副大臣が申しましたように、やはり特許権というのは尊重されるべきではないかと思います。
  159. 清水澄子

    ○清水澄子君 今後、さまざまな問題が出てくると思います。ですから、ぜひそういう問題は軽視しないで、やはりすぐそういう問題は検討をしてみる、調査する、そして新たな、何が最も適切なものか、そういう検討をされることを要望しておきます。  そして最後に、今度は地方環境対策調査官と地方の環境行政の方向性について伺いたいと思います。  もう時間がありませんので、まず、古い環境庁のときは、非常にこれはおくれて発足した官庁でしたから、本部機構だけで現場の機能は持っていない。そういう意味で、他の省庁から見て非常に現場での仕事がしにくい省だったと思います。これから環境政策をすべての分野に広げていくためにはやはり地方機関の役割というのが非常に大切になってくると思うんですが、今回の法改正に当たってはこの地方機関のあり方、環境行政にとってどういうふうにやっていくのかということをもっと中央環境審議会に諮問をすべきだったのではないかということが一つ一緒質問してしまいます。それが一つ。  それからもう一つは、地方環境対策調査官、この役割は地方機関とどのように位置づけて展開していくか。先ほど説明はあったんですけれども、もう少し踏み込んで、例えば緑の行政を環境行政の中に位置づけていくとすれば、他の省庁のことを今言うということじゃないんですけれども、本当に関連するものが多いと思うんですね。林野庁とか、それから本当は河川なんかもあるんですけれども、そういう他の省との関係も非常に多いわけですけれども、そういう問題が非常に地方機関の中で具体的な問題が出てまいります。この機会に環境行政の手足となる地方機関についてどのような今後方向で考えていかれるのか、そのお二つを伺って終わりたいと思います。
  160. 川口順子

    国務大臣川口順子君) このたびの地方環境対策調査官の設置につきましては、これは中央環境審議会では今まで政策についての御議論をいただくということでございまして、例えば地球温暖化のためにどういう政策が必要かというようなことはただいま中央環境審議会で御審議いただいているわけですが、今回の調査官の設置というのは、現在行っている環境省政策の実施の段階でそれを整備するということでございますので、政策の基本にかかわってくる話ではない、実施の段階、事務の仕方の整備ということでございますので、中央環境審議会にかける性格のものではないというふうに考えております。  それから二番目の、緑の行政とおっしゃいましたけれども、環境行政を地方のレベルでどういう連携をとっていくかということですけれども、本省のレベル環境行政は、これは必ずしも環境省だけでやっているわけではございませんで、他の幾つかの、例えば農林水産省ですとか国土交通省ですとか、そういうところでの行政に環境保全という視点を持ってやっていただくことが必要なわけでございまして、現にそれをやっていただいているわけでございます。  地方のレベルでも、例えばこの間、名古屋の交通につきまして、本省ベースでもやりましたし、地方でも名古屋の国土交通省の出先のところと経済産業省の出先のところ、その他と集まって、その地域でどういう対策が必要かという御議論をいただいたわけですけれども、本省レベルで行われている連携と全く同じように、それぞれのその地方のレベルで国の出先の機関が連携をしてやっていくということもやっておりまして、ということで連携がとられている。  それから、国の機関と県ということにつきましても、幾つかこれは法律によって法定受託事務ということでやっていただいているということでございますので、連携はとって進めさせていただいておりまして、今度の地方環境対策調査官というのは、その意味で今までの環境行政における国と地方の役割を変えるものでは全くない。単に、やり方の、実行する段階での体制の整備であるというふうに御理解をいただければと思います。
  161. 清水澄子

    ○清水澄子君 終わります。
  162. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 私の質問はすべて環境省に対してのものであります。ですから、どなたでも、心当たりのある方、意欲のある方はお答えいただければ結構です。  まず最初の質問は、地球環境審議官の民間登用と任期についての質問です。  環境大臣説明によりますと、地球環境審議官は主に環境問題に関する国際交渉国際会議を担当するということになっていますね。この役割は極めて重要であると思います。地球温暖化交渉に限らず、国際交渉には、粘り強く、駆け引き巧みな交渉能力、問題解決に対する知識と熱意というものが必要になります。  多くの国ではこうしたタフネゴシエーターというのがいて、長年にわたり国際交渉を取り仕切り、また国内ではそうした問題に関する政府のブレーンとして活躍しているというふうに聞いております。また、海外では、国際交渉に多くのNGOメンバーや学者などが政府の公式メンバーとして参加し、交渉に当たっているという事実もあります。こうした背景があるため、地球温暖化対策でも柔軟で思い切った交渉政策の計画立案が可能となっているわけですね。  今回、この地球環境審議官というものをまず官僚の職務として固定してしまうということに私は多少の疑問を持っております。つまり、個人的にどなたがどうということではなくて、官僚の固定席、つまり事務次官レベルとか、そういうようなものとして固定化してしまうと、順送り人事で二年ごとにただただ職務をやるというような感じになってしまう。そうしますと、余り大きな期待ができないような気がするんですね。せいぜい今まで行けなかった国際会議にかなり行けるようになるという程度の話になってしまうのではないかというふうに危惧しているわけです。  つまり、環境問題というのは二十一世紀最大の政治テーマになるというふうに私は考えているんですよ。そして、これは今、環境問題というと何か自然を守るとか生態系を守るとか、守りというような形の考え方が支配的なんですけれども、実はそうじゃなくて、世界の経済政策そのものの転換というものに発展せざるを得ない運命にあると思いますね。ですから、それを一国を代表してこの地球環境審議官というものが出ていくわけですから、その国の顔になるような、非常に重い、大きな役割を担っていくと。  ですから、やはりそういう人をただ役人の人事でもって決めていくのではなくて、やっぱりふさわしい、日本の顔となるような人物を出すためには、この地球環境審議官というのは、地球環境問題に非常に熱心な専門的なNGOの代表なり学者なりという、こういう民間から登用する道というのも考えておいた方がいいんじゃないか。しかも、一年、二年でどんどん変わっていくという顔のない存在ではなくて、少なくとも四、五年は日本代表として世界に印象づけるとともに、主張の一貫性とか、それから内容の充実というものを展開するためには、こうした可能性のことを構想した方がいいのではないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
  163. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 私と同じようにお考えいただく方がいらっしゃるということを知りまして、私としては非常に心強く思っております。  環境審議官ということだけではありませんで、一般論として私は、民間企業の、あるいは民間企業に限らず、学者あるいはNGOの方が霞が関に来て官の世界で仕事をしていくということは非常にいいことだと思っております。外国でも、今おっしゃられましたように、例えばNGO出身の人ですとか学者出身の人が政府に入って仕事をしているわけでして、日本でもぜひそういうことがふえていったらいいというふうに思います。  幸い、少しではありますが、任期付採用ですとか官民交流法ですとか、そういう制度ができ上がってきて、多少そういう方向に動きつつあるということは、私としてはうれしいと思っております。  ただ、具体的にこの地球環境審議官にどういう人がいいかということでいいますと、私は、官であれ民であれ、適材適所だと思っております。ですから、別に官だからだめということではありませんし、民だからだめということではなく、その仕事をするのにふさわしい能力のある人がいればそれでいいというふうに思っております。  実際にできつつあります制度が任期付採用ですとか官民交流ですとか、そういった制度が、地球環境審議官のような比較的役人の中では給与の高い、それから長い期間いなければいけない、それから知見があり識見があり、その交渉者として政府の中の動き方も、国際的なところも、実際に環境の世界で起こっていることも全部熟知をしてという人が本当に今いるだろうかということになってきますと、給与はなかなか余り高いのが払えないとか、民のそういう方ですと外の世界で非常に高い給与をもらっていらっしゃるということで、なかなか難しいということが現状でございますが、私は、適材適所でいい方がいらっしゃれば、その出身のどこであれ、そういう方が来ていただければいいというふうに思っております。
  164. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 私の質問に対してかなり前向きなお答えをいただいたというふうな印象を持つんですけれども、給与の問題でしたら、それなりのものを払うだけの価値のある仕事だと思います。余り安い給料だと、それはそれなりの人が来ないということもありますから、そこのことを余り心配しないで、ぜひともいろんな可能性検討していただきたいと思いますけれども。
  165. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ちょっと私が申し上げたことに誤解があったかもしれませんけれども、官では高い給与が払えないということなんですね、制度的に。ということが一つのその障害であるということを申し上げたわけです。
  166. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 ちょっとわかりにくいんですが、つまり、あれですか、民間を登用してそれだけの人物にすると高い給料が払えないというんですか。官僚だったら安くて済むという話なんですか。そうじゃないんですか。よくわからないんですが。
  167. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 官僚の給与というのはもう決まっておりまして、法律の枠で決まっておりまして、あるポスト仕事にはある決まった金額しか払えないということなんですね。ですから、民間で例えば地球環境審議官をなされる、ちょっと民間でという言葉は忘れていただいて、地球環境審議官ポストをなさることができるレベルの識見、能力を持った方というのは官の外にあっては実はもっと高い給与をもらってやっていらっしゃるという世界ですから、そういう方が実際に官の世界に来て給与が下がってもいいとおっしゃっていただける人はなかなかいらっしゃらないということなんですね。それは一つの障害の例として申し上げたわけですけれども。  それから、先ほど申し上げた、例えば交渉をしてそれで、交渉しただけではいけないわけですから、外で交渉するという人は、その交渉する中身国内で例えば受け入れられることなのかそうでないのか、いろいろなそういう情報を持っていなければいけませんし、それを例えば法律にするとかというやり方についての識見も必要である。そういう方がもう一つはなかなかいらっしゃらない。  ですから、私は、思いとしては民であれ官であれということで考えておりますけれども、実際に民の中でそういう方がいらっしゃらないということが非常に問題だということを申し上げたわけでございまして、したがって、民であれ官であれとにかく適材適所でいい方がいらっしゃればと考えておりますということを申し上げたわけです。
  168. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 民にはなかなかいないというふうに最初から断定されるということは、ちょっと私は疑問なんです。  それからもう一つは、給料の問題というのは、この人一人もちろん活動するためにはいろんな費用が要るでしょうけれども、必要なものは必要だということであるので、給料の面から民からの採用をちょっと消極的になるというふうな役割ではないんじゃないかな。機密費で競馬馬を買う人までいるわけですからね。その程度の額面ということでは消極的にならなくて結構だと私は思っております。  次は、地方環境対策調査官とその活動の体制についての質問でございます。  地方環境対策調査官の前身というのは総務庁の行政監察局の職員であったわけですね。しかも四十一人しかいなかった。当時、この人たちがやっていた仕事というのは専ら地元の新聞を切り抜きすることだったというような、余り高い評価を得ていないんですね。  今回、地方環境対策調査官になったとしても、ただ本省に情報を上げてくるだけということだと似たようなことになってしまうのではないかなと。しかも、この環境対策調査官の数が全国で四十五人しかいないというのは、都道府県当たり一人もいないというぐらいの、余りにも少数であるというふうに思います。  なぜかといいますと、やはり彼らに期待される業務の内容というのはかなり実は大きくなってしまうと思うんですね。地域の環境問題に関する情報収集、これはもうもちろん必要ですし、それが四十五人でできるかというふうな疑問もあります。廃棄物の不法投棄に際しての調査、これも大変です。環境問題に関しての国民からの相談業務。やはりこれができれば、それはやりたくないと言ったって事実人々はそこに行くと思うんですよね。ですから仕事の量もふえる。それに、リサイクル関連諸法に基づく申請の受理や窓口業務というようなことも期待されるんだと思うんですね。  大変な少数でこれだけ膨大な業務がある。新聞の切り抜きだって本当に四十五人でできるかどうかというぐらいに私は想像しますけれども、調査官の補佐役とか、あるいは事務所のあり方とか、それから調査費というのはやはり具体的に問題になってくると思うんですね。  これはどういうような体制でやるおつもりなのか、お答えいただきたいんです。
  169. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) ただいまの地方環境対策調査官についての御説明でございますが、これはまだできているわけではなくて、この法律が通って、それからこの制度を立ち上げていきたいというものでございますが、当面は現在の地方で環境調査等に従事しております総務省の環境調査官などの職員を任用していこうというふうに考えているわけですが、そうすると、その職務内容については、総務省にあった当時においてはあくまでもやはり行政監察あるいは相談業務の一環として環境問題も取り扱っていたわけで、これから、今先生おっしゃったように、今度、環境省に移ってきた場合、地方環境対策調査官として幅広いいろいろな実務をなさるという方向になっていくんだというふうに思います。  そういう中において、九カ所にこの人たちを、四十五人ですから平均一カ所五人ということになるわけですが、そういう方々に機動的にこのエリアにおいて行動していただいて、まず精いっぱい頑張っていただくことが今回のこの地方環境対策調査官の立ち上げで、これからそういう業務が恐らく非常に重要視し、ふえていくとなれば、またこれからのそういう時点においていろいろな拡充、強化していくようなことについても、当省としても、また皆様方の御支援もいただきながら検討していくことになるというふうに思っております。
  170. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 これからやられるということで、頑張ってほしいんですけれども、これをつくった途端に実は多分関係者が想像していないほどの期待というものが集まって、具体的な問題で非常に追いまくられるようなことがあり、例えばその土地土地に十分な知識を持ちながら環境問題に非常に詳しい人材というようなものが即必要になるような、そういう状況が起きるんじゃないかと私は想像しているんです。  やはりこれもお役人のとにかく単なる定席としてマニュアルで配置するというようなことだとまずいんじゃないかなと。そういう意味では、地方環境対策調査官に民間のそういう専門家を任命したり公募したりするというようなことは考えられませんか。
  171. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほどの御質問とも関係するものですから、ちょっとまず私から申し上げさせていただいて、もし何かあれば副大臣から補足をしてもらいたいと思いますけれども。  先ほどとの関係でちょっといまだに誤解があってはいけないと思いますものですから、最初に申し上げますと、私は、民間から登用を大いにすべきだと基本的に思っているわけです。実は事務局にも、この仕事ということではありませんけれども、一般論として、特に自然関係ですとか広報ですとか、民にあった方が、民の経験を持った人の方がうまくいく仕事というのはあるわけですから、そういう人をぜひ採用したらどうだろうかということはもう既に言いまして、指示をいたしております。  ただ、では、実際に本当にそういう人がうまくいるかというと、先ほど申し上げたように、給料の点で、これは決まった給料しか払えませんから、あちらの方がお断りになるとか、嫌だとおっしゃるとか、いろいろな官で仕事をするときの制約があり過ぎて、今まで民でなさった方に必ずしもなじまないという問題があるわけでございます。  ということで、気持ちは委員と全く同じに私は思っておりますけれども、その範囲の中でいい人がいれば適材適所で、なおかつその方がそれでいいとおっしゃってくださればぜひ来ていただきたい。それは、官からの人間と比べてみてどちらが適材適所かという判断をこちらの方でした上で、いい人であればぜひ定員の範囲内で、それから許された給与の範囲内でお願いをするということでございまして、思いは同じですけれども、現実にはなかなか難しいところがありますと、そういうことでございます。
  172. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 これは、人材がいるかいないかという問題はやってみなきゃわからないということでして、現実は常に難しいわけですから、やっぱりそれを切り開くためにはその努力をしていただけないかなというふうに思います。  それから、地域住民が環境問題に関してどうしても調査官のところへ相談にやってくるケースがふえると思うんですが、ただ相談に乗ってそれでおしまいというわけにはいかなくなると思いますね。何らかのやはり具体的な現場処理なりなんなりをする権限というようなものはどうしても必要になるんじゃないか。すべて後は裁判にしてくれみたいな話だと、この調査官に対する信頼というものが地元住民からなくなります。  そういう意味では、事業者への資料要求をする権利とか、実態調査のための立ち入りをできる権利とかということを将来的に法的に担保すべきではないかなというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
  173. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほどもちょっと申しましたけれども、この仕事というのは、この調査官を設けることによって今までの本省と、環境省と国と地方の権限が何ら変わるものではないんですね。これは国が環境仕事をしていくときにその事務体制の整備をするということであるわけですので、したがって今までの範囲で本省として、環境省として持っている権限は当然持っていますし、現に例えば立ち入りが必要なことであればこの人たちが行くということももちろんあるわけでございますので、ただ、この人たちができたから新たに何か権限が環境省全体に付与されるということではない、そういうことでございます。
  174. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 具体的な場面でそういう考え方が大体自治体のそういう問題に対する権利とぶつかり合ったり、いろいろな様態になると思うんですけれども、なかなか具体的なイメージがわかない。ある場面では自治体が遂行する事業というものとぶつかるような、そういうケースも出てくるんじゃないかなというふうに思っているんです。それで、結局何かが進み始めるときにやっぱり問題になっていく、計画の段階ではなかなかそれは住民がわかりませんから。  そうした場合に、大体もう自治体のバックアップで始まってしまう事業が多いと思うんですが、そういうことで住民が、これはもうちょっと情報をくれとか、どうなっているんだとかということでこの地方環境対策調査官のところへ駆け込んでいくような、そういうケースが上がり、既にそれが客観的に判断しても非常に悪い結果を生んでいる、環境破壊が進んでいるというような待ったなしの現実というものがあった場合、この調査官たちはどういうふうに対応すべきなんですか。
  175. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 基本的なこの地方環境対策調査官の現地における心構え、それから対応について申し上げれば、環境省の心と目を持った分身として、地域における環境の実態の把握あるいは国民からの相談、要請に合ったようなものに対応し、現場を踏まえた環境行政推進の一翼を担うものでありまして、相談を受けた内容については本省の方の担当部局と連携し、環境省として責任を持って対応していく、そういうふうに考えております。
  176. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 やってみなきゃわからない部分は大分あると思いますけれども、やはり住民に具体的な、納得するような活動、対応というものをやっていただきたいと強く要請したいと思います。  さて、今までの例から見ますと、大規模な公共事業に環境庁がイニシアチブを発揮して中止に追い込んだというのは藤前干潟の埋め立て以外ほとんどないわけなんですね。これまでの評価からすると、環境省はやっぱり他省庁に対して弱腰だというのが一般的になっています。  ですから、やはり省に昇格して大変国民の期待は大きいわけですから、どんどんリーダーシップをとっていただきたいと思うわけですけれども、環境省が地方環境対策調査官からの情報で大規模な環境破壊の計画を察知した場合、たとえそれが国土交通省の直轄事業であっても強硬に異議を申し立てていくというような、そういう姿勢があるのかどうかお聞きしたいんです。
  177. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、委員がおっしゃった藤前干潟の例は、真鍋委員環境庁長官だったときのことでございまして、おっしゃったようなことで推移を、そういう意味環境保全ができたというケースでございます。  環境省には、環境保全に関する基本的な政策を企画立案して、それを他の省庁と調整して、それから必要であれば勧告をするという権限がございます。それから、今度の省庁の再編成に伴いまして幾つかのことが共管になってきているということでございます。例えば、森林ですとか緑地の保全、あるいは河川、湖沼の保全といったようなことであるわけです。  それで、こうした機能を生かしまして、環境省といたしましては政府全体をリードするような政策を打ち出して他省庁を引っ張っていく、それから新たに共管となった部分を活用しまして、そこの部分政策について新しい環境保全という観点をより強固に組み入れていくといったようなことで、そういった権限を使ってやらせていただくという、そういった取り組みを進めたいというふうに思いますし、それから森総理から私は、嫌なことは嫌だ、だめなことはだめとはっきり言えというふうに言われておりまして、できるだけそういう方向で行動をとっているつもりでもございますし、これからもとりたいというふうに思っております。
  178. 中村敦夫

    ○中村敦夫君 終わります。     ─────────────
  179. 吉川春子

    委員長吉川春子君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、片山虎之助さんが委員辞任され、その補欠として佐藤昭郎さんが選任されました。     ─────────────
  180. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  環境省設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  181. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  182. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  183. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 自動車から排出される窒素酸化物特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。川口環境大臣
  184. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ただいま議題となりました自動車から排出される窒素酸化物特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  大都市地域を中心とする窒素酸化物による大気汚染については、工場等の固定発生源や自動車排出ガスに対する規制に加え、本法に基づいて特別の排出基準の設定等の施策を実施してきたところでありますが、自動車の交通量の増大等により、対策の目標とした二酸化窒素に係る大気環境基準をおおむね達成することは困難な状況にあります。  一方、浮遊粒子状物質による大気汚染も厳しい状況にあり、とりわけ近年、ディーゼル車から排出される粒子状物質については、発がん性のおそれを含む国民の健康への悪影響について社会的関心が高まっております。このため、窒素酸化物に対する従来の施策をさらに強化するとともに、自動車交通に起因する粒子状物質の削減を図るために新たに施策を講ずることが喫緊の課題となっております。  このような状況を踏まえ、新たに、自動車から排出される粒子状物質による大気汚染の防止に関して、窒素酸化物と同様に国、地方公共団体を通じた総合的な対策の枠組みを構築し、一定の自動車について、粒子状物質の排出量に係る規制を行うとともに、従来の事業者に対する指導等の制度を拡充強化することにより、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る大気環境基準の確保を図る必要があるため、本法律案を提出した次第であります。  次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一に、本法に基づいて対策を行う物質として粒子状物質を追加することであります。  特定の地域において自動車から排出される粒子状物質の総量の削減を図るため、国は自動車から排出される粒子状物質の総量の削減に関する基本方針を策定することとし、特定の地域の都道府県知事はこれに基づき総量削減計画を策定することとしており、さらに、国は一定の自動車について粒子状物質の排出量に係る規制を行うこととしております。  第二に、自動車を使用する事業者に対する措置の強化であります。  事業活動に伴い自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の排出の抑制を図るため、一定の要件に該当する事業者について、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の排出の抑制のための措置の実施を義務づけるための措置を講ずることとしております。  従来の対策に加え、これらの対策を総合的に講ずることにより、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の総量を削減し、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る大気環境基準の確保を図ることとしていることから、法律の名称も、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法と改めることとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  185. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十四分散会