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2001-03-15 第151回国会 参議院 環境委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十三年三月十五日(木曜日)    午後一時二十一分開会     ─────────────    委員異動  二月二十三日     辞任         補欠選任         岩城 光英君     西田 吉宏君      海老原義彦君     真鍋 賢二君      南野知惠子君     橋本 聖子君      矢野 哲朗君     成瀬 守重君      海野 義孝君     加藤 修一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         吉川 春子君     理 事                 清水嘉与子君                 末広まきこ君                 福山 哲郎君                 岩佐 恵美君                 清水 澄子君     委 員                 石井 道子君                 沓掛 哲男君                 成瀬 守重君                 西田 吉宏君                 橋本 聖子君                 岡崎トミ子君                 藤井 俊男君                 堀  利和君                 松前 達郎君                 加藤 修一君                 但馬 久美君                 福本 潤一君                 中村 敦夫君    国務大臣        環境大臣     川口 順子君    副大臣        環境大臣    沓掛 哲男君    大臣政務官        環境大臣政務官  熊谷 市雄君    政府特別補佐人        公害等調整委員        会委員長     川嵜 義徳君    事務局側        常任委員会専門        員        山岸 完治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○環境及び公害問題に関する調査  (環境行政基本施策に関する件)  (平成十三年度環境省予算及び環境保全経費等  の概要に関する件)  (公害等調整委員会業務等に関する件)     ─────────────
  2. 吉川春子

    委員長吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二月二十三日、海野義孝さん、矢野哲朗さん、岩城光英さん、南野知惠子さん及び海老原義彦さんが委員を辞任され、その補欠として加藤修一さん、成瀬守重さん、西田吉宏さん、橋本聖子さん及び真鍋賢二さんが選任されました。     ─────────────
  3. 吉川春子

    委員長吉川春子君) この際、川口環境大臣沓掛環境大臣及び熊谷環境大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。川口環境大臣
  4. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 環境大臣川口順子でございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。  環境省に対する国民皆様期待を裏切らぬように、全力環境行政に取り組んでまいりたいと思っております。吉川委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻をぜひよろしくお願い申し上げます。(拍手
  5. 吉川春子

  6. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 環境大臣を拝命いたしました沓掛哲男でございます。  環境世紀と言われるこの二十一世紀の冒頭におきまして、環境省川口大臣もと、その責任を十分果たせるように力いっぱい頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手
  7. 吉川春子

  8. 熊谷市雄

    大臣政務官熊谷市雄君) 去る一月六日、環境省設置と同時に環境大臣政務官を拝命いたしました熊谷市雄であります。  大臣、副大臣を補佐して、環境行政全力を尽くしてまいる所存であります。委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻よろしくお願いを申し上げて、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)     ─────────────
  9. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。  まず、環境行政基本施策について、川口環境大臣から所信を聴取いたします。川口環境大臣
  10. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 第百五十一回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ちまして、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。  今日の環境をめぐる状況を概観いたしますと、自動車に起因する大気汚染などのように従来から解決が求められている課題に加え、近年の科学的知見充実社会的関心の高まりにつれて、取り組むべき環境問題がますます広がっております。  まず、地球温暖化は、人類存続そのものに深刻な影響を及ぼすおそれのある重大な問題であり、既にその影響海面上昇等の形であらわれ始めていると考えられますが、さらに、最新の科学的知見によれば、今後の気温上昇が従来の見込みよりも大幅なものになると予測されるなど、人類社会基盤を揺るがしかねない状況が生まれつつあります。  また、廃棄物問題に関しては、大量の廃棄物発生が継続していることや、最終処分場等残余容量の逼迫、不法投棄などの不適正処理の増加といった深刻な状況が生じております。  さらに、自動車排出ガスに起因する大気汚染大都市地域中心に依然として深刻であることや、ダイオキシン類環境ホルモンなどの化学物質による人の健康や生態系への影響が懸念されていることが、国民に大きな不安を与えております。  また、自然林や干潟などの貴重な自然や里山などの身近な自然が減少しており、野生生物種の多くに絶滅のおそれが生じています。  これらの環境問題は、いずれも大量生産大量消費大量廃棄という二十世紀を特徴づける社会あり方に根差したものであります。  このような社会あり方を根本から見直し、二十一世紀文字どおり環境世紀とすべく、新たな社会を創造していかねばなりません。  私は、この目指すべき新しい社会を「地球共生する「環の国」日本」と表現し、簡素で質の高い活力のある持続可能な社会実現を目指して、百年先を見通した構造改革を進めていく決意であります。  この世紀の節目に、国民皆様からの期待を背負って創設された環境省は、市民、企業、自治体、さらには諸外国等とのパートナーシップのもと、さまざまな壁に挑戦する行動官庁として、「地球共生する「環の国」日本」の創造に取り組んでまいります。  以上のような認識のもと、「環の国」の実現に向けた第一歩として、次の施策に重点的に取り組んでまいります。  第一に、地球温暖化を初めとする地球環境問題への取り組みであります。  地球温暖化問題については、京都議定書の二〇〇二年までの発効に向けて、本年開催される予定であるCOP6再開会合で確実に合意ができるよう、国際交渉をリードしていくとともに、我が国みずからが京都議定書を締結できるよう、温室効果ガスの六%削減目標を確実に達成するための総合的な国内制度の構築に向けて全力取り組みます。  また、地球温暖化防止及びオゾン層保護のため、フロン回収破壊に係る立法措置検討に積極的に協力してまいります。  来年二〇〇二年は、地球サミット後十年目に当たり、持続可能な開発に関する世界サミットが開催されます。これを契機として、京都議定書発効にとどまらず、途上国を含む世界環境保全への取り組みが一段と進展するよう、我が国としてもアジア太平洋環境開発有識者会議の成功を期すなどの取り組みを進めてまいります。  第二に、循環型社会形成推進であります。  昨年成立いたしました循環型社会形成推進基本法及び改正廃棄物処理法を初めとする廃棄物リサイクル関連法の円滑な施行に最大限努力してまいります。  次に、長年処理が進まず、環境汚染の懸念が高まっているポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCB廃棄物を確実かつ適正に処理するため、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理推進に関する特別措置法案及び環境事業団法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしております。  さらに、廃棄物の安全で確実な処理を確保するため、廃棄物処理施設整備を着実に推進するとともに、不法投棄監視体制強化など不適正処理防止に向けた総合的な取り組みを進めてまいります。  また、浄化槽設置などに関する資格制度の適正な実施を確保するため、浄化槽法の一部を改正する法律案を提出いたします。  第三に、国民の安心と安全の確保であります。  自動車排出ガスに起因する大気汚染対策については、自動車NOx法に、粒子状物質に係る規制を追加するとともに、自動車を使用する事業者に対する措置強化する改正案を今国会に提出いたしております。また、自動車関連税制グリーン化導入などにより、低公害車普及を一層促進してまいります。  ダイオキシン類環境ホルモン等化学物質対策については、PRTR法を本年四月から円滑に施行し、事業者による化学物質管理の改善及び化学物質環境リスクに対する国民理解促進するとともに、環境ホルモン等リスク評価を鋭意進めてまいります。  さらに、近年、有害物質により土壌が汚染されていることが判明する事例が急増していることを踏まえ、土壌環境保全対策のために必要な制度あり方検討を進めます。  また、公害健康被害者救済に万全を期するとともに、健康被害を予防するための施策の着実な推進を図ります。  第四に、豊かな自然環境保全であります。  地域における多様な生態系を維持回復するとともに、自然と人間の共生を確保することは、次世代の国民に対する責務であります。  日本のさまざまな自然環境国民共有財産であることを国民皆様に実感していただくため、自然環境に関する情報をITも活用してわかりやすく提供してまいります。  また、在来種に対する影響が深刻となっている移入種駆除対策強化充実に取り組んでまいります。  さらに、自然と触れ合う機会の提供や、そのための施設整備促進を図るとともに、温泉分析機関登録制度整備等を行うため、温泉法の一部を改正する法律案を提出いたしております。  最後に、環境省体制充実であります。  環境省が直面する課題に対応していくためには、事務効率向上のための不断の見直しに加えて、組織体制の一層の充実が必要であります。とりわけ、地球環境保全に関する国際交渉に的確に対処するため事務次官級地球環境審議官設置するとともに、地域環境の実態を迅速に把握するための体制整備を図ることとし、環境省設置法の一部を改正する法律案を提出いたしております。  以上の施策を軸に環境行政を進めてまいります。  本委員会及び委員各位におかれましても、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
  11. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 次に、平成十三年度環境省予算及び環境保全経費等概要について説明を聴取いたします。沓掛環境大臣
  12. 沓掛哲男

    ○副大臣沓掛哲男君) 平成十三年度環境省所管一般会計予算及び環境保全経費等について御説明申し上げます。  まず、平成十三年度の環境省所管一般会計予算について、その概要を御説明申し上げます。  平成十三年度環境省所管一般会計予算総額は二千七百六十九億六千七百万円であり、これを前年度の当初予算額二千五百九十一億三千三百万円と比較すると、百七十八億三千四百万円の増、六・九%の伸びとなっております。  以下、その主要施策について御説明申し上げます。  第一に、廃棄物リサイクル対策等に要する経費については、廃棄物減量化リサイクル、さらに不法投棄対策等推進するため、物品に応じたきめ細かな事業リサイクル技術向上監視体制強化等を図ることに加え、ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCB廃棄物対策として、新たにPCB処理のための法制度を設けるとともに、国、地方公共団体等拠出によるPCB廃棄物処理促進のための基金を創設してその早期処理に向けた基盤を固めることとして、合計で四十二億四百万円を計上しております。  次に、廃棄物処理施設整備事業については、市町村のごみ焼却施設ダイオキシン類排出削減事業に対して引き続き財政支援を行うとともに、リサイクル関連施設合併処理浄化槽などの整備を積極的に推進してまいります。  このほか、都道府県域を越えて広域的な処理を行う廃棄物処理センター補助対象に加えるとともに、PCB廃棄物対策として、新たに環境事業団に対してPCB廃棄物処理施設整備のための補助を行うなど、着実に事業実施することとしております。これらに必要な経費として、合わせて一千七百十一億六千三百万円を計上しております。  第二に、総合環境政策に要する経費については、昨年十二月に閣議決定をいたしました環境基本計画に盛り込まれた施策の方針を各方面に徹底していくほか、化学物質対策強化環境影響評価制度充実など、環境行政基盤となる施策の一層の展開を図ることとし、これらに必要な経費として四十億四千四百万円を計上しております。  なお、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく大気水質土壌に係る環境基準の維持、達成等に必要なダイオキシン類関係経費や、いわゆる環境ホルモン関係経費につきましては、総合環境政策にかかわる経費に加え、その他の各事項の中にも盛り込まれており、合わせて一千五十億五千四百万円を計上しております。  第三に、地球環境保全対策については、地球温暖化オゾン層破壊を初めとする地球環境問題への国内取り組みを積極的に推進するとともに、二〇〇二年に開かれます持続可能な開発に関する世界サミットにおきまして、世界全体の環境対策が飛躍することができますよう、我が国関係の深いアジア太平洋地域環境対策推進支援に積極的に取り組むため、二十九億百万円を計上しております。  第四に、大気汚染等防止については、大型ディーゼル車中心とした窒素酸化物浮遊粒子状物質の問題に対する総合的な対策強化するため、自動車NOx法改正を行うとともに、低公害車普及事業を進めるほか、ベンゼン等有害大気汚染物質対策等推進することとしております。  また、騒音、振動及び悪臭対策についても、引き続き充実を図ることとし、これらに必要な経費として二十七億四千二百万円を計上しております。  第五に、水質汚濁防止については、健全な水循環の回復のための総合的な取り組み推進するとともに、海域における富栄養化対策及び水質総量規制湖沼水質保全等推進するための経費として二十七億七千九百万円を、各種有害物質による土壌汚染防止及び農薬対策として二十一億七千二百万円をそれぞれ計上しております。  第六に、環境対策の現場における取り組み支援を行う環境事業団については、建設譲渡事業地球環境保全に取り組む民間団体の活動を支援するための地球環境基金事業、さらに新たに実施するPCB廃棄物処理事業等推進を図ることとし、同事業団の諸事業に対する助成等に必要な経費として七十三億二千万円を計上しております。  第七に、環境保全に関する調査研究のための経費については、廃棄物の適正な処理地球環境保全環境汚染による健康影響の解明、大気汚染水質汚濁等施策向上等に関する各種調査研究を進めることとし、合わせて百四億一千五百万円を計上しております。  第八に、自然環境保全対策については、国土のそれぞれの場所に応じた生物多様性保全施策を総合的に推進することとしております。  また、絶滅のおそれのある野生動植物については、その保護対策強化を図るとともに、野生鳥獣の科学的、計画的な保護管理に関する対策充実することとしております。  これらに必要な経費として、合わせて三十四億円を計上しております。  次に、自然公園等整備事業については、人と自然との豊かな触れ合いを確保するため、我が国を代表するすぐれた自然を有する国立国定公園等における施設整備を進めるほか、人と野生鳥獣との共生環境整備することとし、これらに必要な経費として百七十億二百万円を計上しております。  第九に、本年四月に独立行政法人となる国立環境研究所において、地球環境問題を初め環境全般にわたる研究推進するために必要な経費として九十五億五千万円を計上し、また、国立水俣病総合研究センターにおいて、水俣病発生地域に根差しつつ、有機水銀による公害国内外で防ぐことに貢献し得る研究推進するために必要な経費として六億四千八百万円を計上しております。  第十に、公害による健康被害者救済等については、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、環境保健に関する各種調査研究推進することとし、これらに必要な経費として百八十億六千三百万円を計上するとともに、水俣病対策に係る熊本県の地方債償還に必要な経費として六十九億二千百万円を計上しております。  以上、平成十三年度環境省所管一般会計予算概要につきまして御説明申し上げました。  次に、各省庁平成十三年度環境保全経費等概要について御説明申し上げます。  まず、歳出予算について御説明申し上げます。  環境保全経費につきましては、昨年十二月に閣議決定をいたしました環境基本計画に盛り込まれた施策の効果的な実施に資する観点から、環境基本計画に示された施策の体系に沿って取りまとめております。  平成十三年度における環境保全経費総額は三兆四百八十四億円であり、前年度の当初予算に比べ六十五億円、〇・二%の増となっております。  これを事項別に見ますと、地球環境保全のために六千四百二十五億円、大気環境保全のために二千二十八億円、水環境土壌環境地盤環境保全のために一兆三千百十三億円、廃棄物リサイクル対策のために二千百十三億円、化学物質対策のために百七十五億円、自然環境保全と自然との触れ合い推進のために五千九百二十六億円、各種施策基盤となる施策等のために七百四億円が計上されております。  次に、環境保全関係財政投融資は、貸付規模等において、総額二兆七千七百八十二億円を予定しております。  機関別の主な内訳としては、環境事業団事業規模で二百七十一億円を予定しており、地方公共団体下水道整備廃棄物処理等事業推進するため、地方債計画において二兆七千四百八十億円を予定しております。  このほか、日本政策投資銀行等において廃棄物リサイクル対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。  最後に、環境保全関係税制改正措置について御説明申し上げます。  まず、自動車に起因する大気汚染地球温暖化への対策として、環境負荷に応じた自動車税軽課・重課措置導入、すなわち自動車税グリーン化や、自動車NOx法改正に伴う自動車取得税の軽減を行う予定であります。  また、PCB廃棄物処理推進するため、PCB廃棄物処理基金への拠出金損金算入措置や、PCB廃棄物処理施設に係る特別償却措置等を行う予定であります。  このほか、フロン回収破壊廃棄物リサイクル対策等に関し、所要税制措置を行うこととしております。  以上、平成十三年度の各省庁環境保全経費等概要について御説明申し上げました。  以上です。
  13. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 次に、公害等調整委員会業務等について説明を聴取いたします。川嵜公害等調整委員会委員長
  14. 川嵜義徳

    政府特別補佐人川嵜義徳君) 公害等調整委員会平成十二年中に行った公害紛争処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用調整に関する業務について御説明申し上げます。  まず、公害紛争処理に関する業務について申し上げます。  第一に、平成十二年に当委員会に係属した公害紛争事件は、香川県の住民から香川県及び産業廃棄物処理業者等相手方として申請のあった豊島産業廃棄物水質汚濁被害等調停事件東京都の住民等から東京都を相手方として申請のあった杉並区における不燃ごみ中継施設健康被害原因裁定事件、島根県の住民等から国を相手方として申請のあった中海本庄工区干陸事業水質汚濁被害等調停事件等合計十一件であり、これらのうち、平成十二年中に終結した事件は、我が国最大規模産業廃棄物不法投棄事件と言われ、昨年六月の調停成立により全面的な解決を見た豊島事件等四件であります。  なお、以上のほか、水俣病損害賠償調停事件調停成立後に申請人の症状が悪化したとして慰謝料増額等を求める申請が七件あり、うち五件が終結しております。  第二に、平成十二年に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は八十七件であり、廃棄物処理場及び工場、事業所に係る事件が多くなっております。これらのうち、平成十二年中に終結した事件は三十九件であります。  公害紛争処理法においては、当委員会都道府県公害審査会はそれぞれが独立機関として職務を遂行することとされておりますが、公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るという観点から審査会との間の連絡協議を密にするとともに、審査会に対し、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。  第三に、平成十一年度における全国の地方公共団体公害苦情相談窓口に寄せられた公害苦情は約七万六千件となっております。  これを苦情種類別に見ますと、いわゆる典型公害に関する苦情は約五万九千件で、典型公害以外の苦情は約一万七千件であります。  公害苦情につきましては、都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会としては、この事務を担当する職員の研修、苦情処理に必要な情報提供等を積極的に行っているところであります。  続きまして、平成十二年中に行った鉱業等に係る土地利用調整に関する業務について御説明申し上げます。  第一に、鉱区禁止地域指定に関する事務について申し上げます。  当委員会は、主務大臣または都道府県知事請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認める地域鉱区禁止地域として指定するものとされております。  平成十二年に当委員会に係属した事件は、徳山ダム関係地域指定請求事件等合計三件であり、これらのうち、東京都の陸域及び沿岸海域部関係地域において処分を一部保留した地域に係る指定請求事件は、昨年十二月却下により終結いたしました。  現在係属中の事件につきましては、事業計画進捗状況等を考慮して審理手続を進めることといたしております。  第二に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する事務について申し上げます。  鉱物の掘採、岩石、砂利採取許認可処分等については、当委員会に対して不服の裁定申請することができるものとされております。  平成十二年に当委員会に係属した事件は、鹿児島県砂利採取計画認可処分取り消し裁定事件等合計七件であり、これらのうち、平成十二年中に終結した事件は六件であります。  第三に、土地収用法に基づく意見申し出等に関する事務について申し上げます。  当委員会は、土地収用法鉱業法等に基づき主務大臣裁決等を行う場合には、意見申し出承認等を行うものとされております。  平成十二年に当委員会に係属した事案は、土地収用法に基づく意見申し出等が三十一件であり、平成十二年中にすべて処理しております。  以上が平成十二年における公害紛争処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用調整に関する業務概要であります。  続きまして、平成十三年度公害等調整委員会歳出予算要求額について御説明申し上げます。  当委員会歳出予算要求額は六億四千八百万円であり、これを前年度の当初予算額六億一千七百万円と比較いたしますと、五%、三千百万円の増額となっております。  次に、その内訳でありますが、第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費等として六億一千四百万円を計上し、第二に、公害紛争処理を担当する都道府県公害審査会委員及び担当職員との連絡協議のための経費等として三千四百万円を計上しております。  以上が平成十三年度公害等調整委員会歳出予算要求額概要であります。  公害等調整委員会といたしましては、今後ともこれらの事務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存であります。何とぞよろしくお願いをいたします。
  15. 吉川春子

    委員長吉川春子君) 以上で所信及び予算等の説明の聴取は終わりました。  本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十一分散会