○山谷
分科員 もうちょっと頑張って、さらに数字を進めていただきたいというふうに思うんです。
民生の家庭部門も、
経済産業省の総合資源エネルギー調査会、今度新しくできた審
議会ですね、それの資料によると、九〇年度比三一%の増加ということで、業務部門よりはまだいいけれ
ども、でもやはりここにも厳しい何か政策を入れていかないと、CO2削減は難しいのではないかというふうに思っております。これは、トップランナー機器の普及、住宅のエネルギー効率改善等が進むこと等によりというふうに書いてあるのですが、私は、これはちょっと楽観的な見方過ぎやしないかというふうに
考えております。
確かに、トップランナー機器というのは、ここ一、二年大変な勢いで
開発されておりまして、私も、カーペットから掃除機から洗濯機からがどのぐらいエネルギー効率が高まったかというのを、各メーカーに調査に出向いて、実際に使ってやったことがあるんですが、それは本当に、物によると三、四〇%、五〇%エネルギー消費が少なくて済むような機器が
開発されていて大変なものなんですね。
ですから、今はそれが出回り始めたということでこのような楽観的な書き方になっているんだと思うんですが、そのうち、子供たちが一人一人テレビを持ち始めるとか、今は一家にクーラーは多分一台とか二台だと思うんですが、そのうち三、四台、五台、すべての部屋にクーラーをと、バブルのときには物置にまでクーラーを入れていた人がいるというような感じで、所有の数が、それから一人一人が個人家電を持ち始めたら、とてもこのような楽観的な数字というのは、楽観的でもないんですけれ
ども、現行
対策ケースに対してほぼ横ばいという評価なんですが、これはそうはならないのではないかというふうに
考えております。
それから、住宅のエネルギー効率改善等が進むこと等によりというのがあるんですが、これも断熱材を入れるとかなりエネルギー、光熱費は四六%ぐらいカットできるんですけれ
ども、今現場の建築業者さんたちを取材してみますと、やはり断熱材をどういうふうに使ったらいいのかというノウハウがまだまだ行き渡っていないんです。ましてや複層ガラスの使い方といったらまだまだなんですね。それは一流建築メーカーでもそういう
状況でございまして、やはりそこはもうちょっと、それは国土交通省の分野だと言われればそれまででございますけれ
ども、やはり本当に現場はまだまだそのノウハウと、いかに、どの場所で、どう物を使ったらいいかということが行き渡っていないというような現状を認識していただいて政策をつくっていただければというふうに思います。
ほかにも、省エネに取り組む条件というのを調べたことがあるんですが、簡単にできればいい、エネルギー資源がなくなることが実感できればいい、生活習慣を変えなくていいならいい、得ならいいという、なかなか正直というかわがままな、これはなかなか難しいなというようなことを感じます。ですから、広報活動なんかしてもなかなか難しいと。民生部門でも、産業部門のように技術力を駆使して、そんなに無理しなくてもできるようなメニューをどんどん
開発していくということが大事だろうというふうに思います。
ITなんかを利用して、最近広まり始めておりますけれ
ども、センサーが取りつけられていて、そこで使わなくなった照明が自動的に消えるとか、あるいはエスカレーターなんかも人が前に立てば
動き始めるとか、いろいろなことが始まっておりますけれ
ども、そういうようなシステムの導入に対しても政府は積極的に支援していったらいいんだろうと思います。
実際にエネルギーがカット、節約されるということもさりながら、歩いていて、自分が通った廊下の後ろが電気がぱたぱたと消えていくと、常に、ああ、エネルギーというのは生もので、こうやって消費されていてというのが実感できるわけですね。そういう意識改革の面でも非常に私はこれは大きな影響があるんじゃないかと思います。
フランスなんかに行きましても、私は大して立派なホテルに泊まらないせいか、廊下なんかでも歩き始めるとぱっと電気がつく、駐車場も入ると電気がつく、駐車場の中でもたもたしていると消えてしまう、ちっちゃなレストランなんか、トイレに入ればつく、もたもたトイレの中にいると消えてしまう、そういうようなシステム。いっとき、今はちょっと知りませんが、フランスなんか電気料金が非常に細かく季節とか時間帯によっていろいろ違っていたりするというようなこともありまして、そういうようなさまざまなプログラムをやっていくことによって恐らく意識改革というのはできてくるんだろうなというふうに思います。
最後に、現在、総合資源エネルギー調査会というのがまさにエネルギー政策の
検討をしているわけでございますけれ
ども、エネルギーセキュリティワーキンググループとか天然ガス小委員会、これは新しく設けられたワーキングチーム、委員会だというふうに思います。一緒になったのでたくさんの部会ができて、これはなかなか大変だなというふうに思っているんですが、エネルギー政策全体の
検討をこのような場所でしながら、しかしながら、今後資源エネルギー問題、環境制約というのは先鋭化していくというふうに思っておりますので、本当に政治の出番、総合的なエネルギー政策を構築して、多元的で戦略的な政策を打ち出して実行していく必要があるというふうに、政治の出番だというふうに
考えております。
これは国際的な視野でできるだけ長期に
考えていくべきプログラムではありますし、それから、ただお金で買ってくるというだけではなくて、相手国との信頼感を高めながら
開発からかかわったり、その他、新しい技術の移転によってその国のためになるような形とか、多元的な協力関係をつくりながら進めていく問題だというふうに思っております。
その際に、やはり
国民への
説明とか信頼関係というのが大事だろうと思うんですね。COP3の後、たしか二〇一〇年までに
原子力発電所の
設置、二十一基とか言っていたのが、今、電力会社のいろいろな
データなんかもあって、いや、十三基とかもじょもじょと、じゃ、いいんじゃないの、要らないんじゃないとか、数字は、だから森林三・七%、何か笑われちゃって、
日本のエネルギー政策どうなっているんだろうということがございますので、やはり複合的な視野を持って
説明していくということが大事だろうというふうに思います。
原子力発電所に関しては、もちろん安全とかさまざまな影の
部分がまだ解決されておりませんので、その
部分をしっかりと念頭に置きながらも、しかしながら、どう
考えていったらいいのだろうかということは、政治的なリーダーシップで多元的な視野、複合的な視野から論じていっていい課題ではないかと思います。
最後に、時間が参りましたけれ
ども、何か全般的なエネルギー政策に対する御決意がありましたら、一言、
大臣の方からお願いしたいと思います。