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2001-03-30 第151回国会 衆議院 本会議 第19号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年三月三十日(金曜日)
—————————————
平成
十三年三月三十日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
石油
の安定的な
供給
の
確保
のための
石油備蓄法等
の一部を
改正
する等の
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時三分
開議
綿貫民輔
1
○
議長
(
綿貫民輔
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
石油
の安定的な
供給
の
確保
のための
石油備蓄法等
の一部を
改正
する等の
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
綿貫民輔
2
○
議長
(
綿貫民輔
君) この際、
内閣提出
、
石油
の安定的な
供給
の
確保
のための
石油備蓄法等
の一部を
改正
する等の
法律案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
経済産業大臣平沼赳夫
君。 〔
国務大臣平沼赳夫
君
登壇
〕
平沼赳夫
3
○
国務大臣
(
平沼赳夫
君)
石油
の安定的な
供給
の
確保
のための
石油備蓄法等
の一部を
改正
する等の
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
我が国
の
エネルギー供給
の大宗を占める
石油
は、
国内供給
のほぼ全量を
輸入
に依存しており、その安定的な
供給
の
確保
は
我が国
の
エネルギー政策
の根幹をなすものであります。しかるに今日、
国際石油市場
の一層の
発達等
、
石油
の
供給
をめぐる経済的、
社会的環境
に新たな変化が生じております。 このような状況の中で、引き続き
石油
の安定的な
供給
を
確保
するため、
石油産業
の
需給調整規制
を撤廃するとともに、緊急時における
石油供給
の
確保
の
基盤
である
石油備蓄制度
の
強化
及びより効率的かつ確実的な
自主開発原油
の
確保
を図ることが必要であります。 こうしたことから、
政府
といたしましては、このたび、
石油業法
を廃止するとともに、
石油備蓄法
及び
石油公団法
を
改正
するため、本
法律案
を提出した次第であります。 次に、本
法律案
の要旨を御
説明
申し上げます。 第一に、
石油業法
の廃止であります。 これは、
需給調整規制
を廃止し、
市場原理
を一層導入することにより、
石油
の安定的な
供給
という重要な役割を担う
石油精製業者等
がみずからの
創意工夫
により強靱な
経営基盤
を確立することを促進するものであります。 第二に、
石油備蓄法
の
改正
であります。 その
改正
の第一点は、同法の題名を
石油
の
備蓄
の
確保等
に関する
法律
とすることであります。 第二点は、
石油精製業者等
による
石油備蓄業務
の
履行
の
確保
の
強化等
を図るため、
石油精製業
、
石油ガス輸入業
、
石油販売業
を届け出の
対象
とするとともに、
石油輸入業
を登録の
対象
とすることであります。 第三点は、
石油公団
が保有する
国家備蓄
の的確な
放出
を
確保
するため、
経済産業大臣
は、
石油
の
供給
が不足する等の事態が生ずる場合において、
石油公団
に対してその
備蓄
に係る
石油
を譲り渡すことを命ずることができるものとすることであります。 第四点は、
石油備蓄
の
放出
の
実効性
をより確実なものとするため、
経済産業大臣
は、
基準備蓄量
を減少し、または
石油公団
に対し
備蓄
の
譲り渡し
命令
を行う等の場合に、
石油精製業者
、
石油輸入業者
及び
石油販売業者等
に対し、
指定石油製品
の
生産予定量
の
報告
をさせ、
当該報告
に基づき
生産予定量
の
増加等
の措置をとるべきことを勧告し、正当な理由なく勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができるものとすることであります。あわせて、
経済産業大臣
は、緊急時に
国民
が的確に対応できるよう必要な
情報
を
国民
に提供するものとすることであります。 第五点は、
石油備蓄義務
の
履行
の
確保
の
強化
を図るため、罰則に係る規定の整備を行うことであります。 第三に、
石油公団法
の
改正
であります。 その
改正
の第一点は、より効率的かつ確実な
自主開発原油
の
確保
を図るため、
石油
及び
本邦周辺
の海域における
可燃性天然ガス
の
採取
をする
権利等
を譲り受けて
採取
を行うために必要な
資金
を
供給
するための出資を行うことを
石油公団
の
業務
に加えることであります。 第二点は、
石油公団
が保有する
国家備蓄
の的確な
放出
を
確保
するため、
経済産業大臣
の
命令
に基づいて
石油備蓄
の
譲り渡し
を行うことを
石油公団
の
業務
に加えることでございます。 以上が、本
法律案
の
趣旨
であります。 何とぞよろしく
お願い
を申し上げます。(
拍手
)
————◇—————
石油
の安定的な
供給
の
確保
のための
石油備蓄法等
の一部を
改正
する等の
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
綿貫民輔
4
○
議長
(
綿貫民輔
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。これを許します。
中山義活
君。 〔
中山義活
君
登壇
〕
中山義活
5
○
中山義活
君
中山義活
でございます。 民主党・
無所属クラブ
を代表いたしまして、ただいま議題となりました
法律案
について、
質問
をさせていただきます。(
拍手
) ちょうど昨年の
通常国会
、二月に、あの
日本
の有数の
国家プロジェクト
でありました
アラビア石油
の
採掘権
が、
サウジアラビア
において
権益
が
失効
になりました。これは大変大きな問題なんです。 もともと
国家プロジェクト
でやっているものを、
最後
に
権益
を失うときに、あれは一
民間企業
だから、これは
企業
としてつぶれるのは当然だ、または
権益
を
失効
するのは当然だ、このような論議がされたのです。しかし、
石油
を
開発
していくことは
国家
の
プロジェクト
でありました。あるときは
国家
の
プロジェクト
、あるときは
民間企業
だからばっさり切ってしまう。
一体
、これでは
日本
の
石油政策
、どうなっているのでしょうか。 ここは、
石油政策
の
上流
から
下流
まで、どこを国がやるのか、どこを
民間
がやるのか、まずはっきり御
答弁
をいただきたいというふうに思います。(
拍手
)
日本
の国は、
外交
、これについて
戦略
がないと言われて久しいわけであります。今回の問題についても、
石油
に対する
戦略
がありません。 御承知のように、
アメリカ
は
世界
第二位の
産油国
です。しかし、五一%を
外国
から
輸入
しているのです。そして、中近東はもとより、ベネズエラ、メキシコ、そしてカスピ海にまで手を伸ばして
石油
の
安定供給
を求めているわけでございます。本当に
アメリカ
は
戦略国家
だ、このように思うわけです。しかも、二百年分、石炭をため込んで、何があっても
エネルギー
は
最後
は
政府
が責任を持つ、このような体制であるわけです。そういう面では、
日本
に果たして
外交
的な
戦略
があるのでしょうか。 はっきり言いましょうか。
外交音痴
ですよ。きのうも、おとといですか、ノルウェーの国王が答礼で
総理大臣
をお招きしてパーティーをやろうというのに、それをすっぽかして
すし屋
へ行っている。まさに、これは
外交音痴
と言わずして何と言ったらいいのでしょうか。(
拍手
) もし、私
たち
の敬愛する
天皇陛下
が
外国
へ行って同じような仕打ちを受けたら、どうしますか。私のような愛国心の塊は、
外国
へ行って、こぶしを振るって抗議してまいります。
皆さん
が、
天皇陛下
がもしそんなことをされたら、怒るのが当たり前なんです。しっかりその辺の
理解
をしていただきたいと思います。 今、
日本
は、
石油
の
中東依存
八六%、しかも
外国依存
が一〇〇%、そして
エネルギー
に対する……(発言する者あり)何言っているんだ、君は。
日本
の
エネルギー
の
石油
の
依存率
は五一%、このような中で、
石油
は本当に
日本
の工業や
社会
を支えているわけです。そういう面では、
外交
、防衛、こういうものに対する
戦略
がないこの
日本
は何と悲しいことだと、このように思うわけです。
外務大臣
、そして
総理大臣
も
通産大臣
も、
サウジアラビア
へ行きました。しかし、結局は、あの
アラビア石油
は
権益
を
失効
してしまったのです。これでは
外国
へ行った意味がないじゃありませんか。つまり、
日本
の
外交
は機能していないということでございまして、これについても、
外務大臣
からしっかり
答弁
をいただきたいと思います。(
拍手
)
皆さん
、
石油
の
中東依存
がどんなに怖いか、これは
皆さん
が一番知っているわけです。第一次の
石油ショック
、第二次の
石油ショック
。私も、この間、超党派でヨーロッパへ行ってまいりました。そのときには大変な
石油ショック
だったのです。一バレル十ドルが三十ドルに上がった。これで大騒ぎの
世界
が、
日本
だけは何とか安心していたのは今ある
法律
だ、このように思うのです。そういう面では、
日本
のこれからの
備蓄
やそしてまた
石油
に対する考え方、もっとしっかり
国民
に
理解
をしてもらわなければいけないと思います。
中東依存
を変えるのにいい方法があるのです。それは、
サハリン
から
天然ガス
を
パイプライン
で引くことなんです。これをすれば、
石油依存
は、そして
中東依存
は変わってくるのです。 しかし、
皆さん
、
天然ガス
の需要がまだまだ足りないのです。それは、
天然ガス
のマーケットをしっかりつくる、特に大口の
使用者
である
火力発電所
にはどうしても
天然ガス
を使ってもらうよう、ここにいる全部の
議員
さんが働きかけて、そして
日本
の
中東依存
から
天然ガス
に変えていく、この辺が必要だと思います。 例えば、
皆さん
、
原子力発電
だって、今は
日本
の
原子力発電
、チェルノブイルとは違います。
日本
の
原子力発電
は、軽水炉で、大変成熟したものとなっております。そういう面では、自信を持って、CO2の出ない新しい
エネルギーシフト
をしていかなければならないと思います。 それから、
石油公団
について申し上げます。 あの
アラビア石油
は、二千億の、つまり
鉱山鉄道
をつくってくれと、それでつくらないから
失効
したのです。しかし、今まで、
皆さん
、
石油公団
には一兆円もお金をぶち込んでも、何の
自主開発
もしていないのですよ。 そういう
石油公団
を残しておくこと自身が本来は間違いなんです。しかし、
石油公団
は、徐々にではありますけれ
ども
、今までのことを反省しながら、しっかりやっていこうという意思に燃えているのかどうか、まず
産業経済大臣
からお聞きをいたしたいと思います。 ただいま、
産業経済大臣
と間違えました。
経済産業大臣
です。計算の得意な経産
大臣
がなぜ
アラビア石油
の
失効
をやったか、こんなところも、
皆さん
、問題ではありませんか。 我々は、この
エネルギー
の問題、
大変次元
の高い問題です。次の世代にしっかりとした
エネルギー
をもたらさなければなりません。そういう面では、今、燃え尽きた
石油ストーブ
のような
森政権
でこういう
次元
の高い話をするのは甚だ残念でたまりません。これからも、この
エネルギー政策全般
を、まず
総理大臣
を初め、そして、しっかりとした
エネルギー対策
を見せるべきだと思います。
石油公団
の問題については
経済産業大臣
、そして、今までの
外交
の失敗については
外務大臣
にそれぞれ御
答弁
を
お願い
して、私からの
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣河野洋平
君
登壇
〕
河野洋平
6
○
国務大臣
(
河野洋平
君) 私は、
中東
を訪問した折に、
我が国
の
中東政策
について、しっかりとそこに根をおろす
外交
が必要だ、こう考えました。 したがって、私は、まず、
日本
の
外交政策
の中で、
一つ
は、
イスラム文明
に対する
理解
というものが十分でない、
イスラム文明
との
文明間対話
というものをしっかりやろうではないかということを
中東
で呼びかけてまいりました。 もう
一つ
は、
中東
における一番大きな彼らの
ニーズ
は、水の問題でございます。この水の問題について、
日本
が持つ
技術
を、お互いに
技術
の交流をしながら、
中東
における
ニーズ
というものを我々が充足させていくということも必要ではないか、こう考えたからでございます。 さらにもう一点、我々は、
中東
の
指導者たち
に、
政策対話
をこれからもしっかりやろうではないかということを
提案
いたしました。 すなわち、私が
中東
を訪問いたしましたときに、三つの
提案
をしたわけです。
文明間対話
をやろう、水についての
技術
の交換をしっかりやっていこう、そして
政策対話
をやろうではないか、こういったことを私はまず
提案
をいたしました。 私は、頭から
石油
、
石油
と、そればかり言っていて
石油
が手に入ると思わないのです。もっと重層的に、そしてもっと根本的に、
日本
と
中東
との、
イスラム
の
人たち
との
関係
というものをしっかりと根づかせていく、そういうことが必要ではないか、こう考えたからでございます。
外交
というものは、そう簡単なものではございません。
一つ
の問題だけで
外交
をやるというわけにはいかないのです。あらゆる
政策対話
を行い、そして先方の
ニーズ
もしっかりと受けとめ、そして
文明
間の
対話
もしっかりとやる、こういうことから
日本
と
中東
における彼らとの
関係
というものをしっかりと積み上げていく、そこに本来の
外交政策
がある、こう考えた次第でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣平沼赳夫
君
登壇
〕
平沼赳夫
7
○
国務大臣
(
平沼赳夫
君)
中山議員
にお答えをさせていただきます。
上流
、
下流
、こういうことに関して
政府
が一貫して取り組むべきではないか、
アラビア石油
の例を説かれまして、そして、
政府
は今後どういう形でこの
エネルギー
の
対策
を進めていくか、こういう御
質問
だったとまず第一に思います。 これに関しましては、
アラビア石油
の件は、
政府
も一生懸命
努力
をしましたけれ
ども
、今
議員
御
指摘
のように、大変膨大な
鉄道
の
プロジェクト
、こういう懸案がございまして、当時の
通商産業大臣
も現地に参りまして一生懸命交渉したわけであります。言うまでもなく、
石油
というのは
日本
のいわゆる
産業
の血液でありまして、非常に
努力
をしたわけでございますけれ
ども
、やはり膨大な
資金
を要する、こういうような
観点
の中で断念せざるを得ない、そういういきさつがございました。 私
ども
といたしましては、どこからどこまで
政府
がやるということではなくて、やはり
官民一体
となって、この国の基幹的な
エネルギー政策
、これを協力し合って、そして遂行していくことが一番正しい道ではないか、このように思っておりまして、今後とも、私
ども
はそういう
観点
で一生懸命やってまいりたいと思います。 例えば、私が
経済産業大臣
に就任をいたしました。そして、イランとの、アザデガンという
油田
のいわゆる最
優先権
というものの交渉で、これは
日量
四十万バレルの
油田
でございますけれ
ども
、
政府
が主体となってこの四十万バレルの
油田
の
開発
のいわゆる
優先権
を獲得した、こういう事実もございました。 私
ども政府
といたしましては、やはり国のことでございますから、一生懸命そういう面ではやっていかなければならないと思っております。 また、
石油公団
、これは今
提案
をさせていただきまして、そして
法律改正
を
お願い
いたしておりますけれ
ども
、やはり
石油公団
というものが国の
エネルギー政策
にとって重要な機能を果たすために、私
ども
としては、今、そういう
改正
を
お願い
しているところであります。 しかし、もちろん、
石油公団
も
改革
をしていかなければなりません。
石油公団
は、現在まで、
プロジェクト採択基準
の
定量化
だとか、あるいは
損益見通し
の
明確化
、出
融資先会社
の整理、
情報開示
の徹底を行っており、
保有株式
の売却も早急に実施する
予定
であります。 こういうことで、
石油公団
も、
国民
の
皆様方
にわかりやすい、そういう
情報
の
開示
を含めて
改革
を行い、この国の
エネルギー
の
政策
に遺漏なきように私
ども
は期していきたい。私は
指導官庁
の長として、
石油公団
をそういう形で監督して、そして
国民
の
皆様方
の御期待におこたえしてまいりたい、このように思っているところでございます。 また、
天然ガス
、新
エネルギー
という形で、いわゆる
可燃性天然ガス
も、
パイプライン
を引いて、そしてこれを導入すべきことはどうか、こういう御意見もございました。 私
ども
としては、
サハリン沖
に有望な
天然ガス
、これが
開発
されております。しかし、そういった
経済効率
を含めて、今、一生懸命に検討しているところでございまして、もちろん、こういった新しい
エネルギー源
、こういったものも国の
一つ
の
基本方針
の中に取り入れてやっていかなければならない問題だと思っておりまして、この件も、御
指摘
のとおり、重要な問題でございますので、私
ども
としては一生懸命に取り組んでまいりたいと思っております。 そういう形で、
エネルギー政策
に関しまして、
中山議員
より非常に貴重な御提言をいただきました。そのことを我々はしっかりと受けとめて、これからの
エネルギー政策
を展開してまいりたいと思いますので、どうかよろしく
お願い
を申し上げる次第であります。(
拍手
)
綿貫民輔
8
○
議長
(
綿貫民輔
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
綿貫民輔
9
○
議長
(
綿貫民輔
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十五分散会
————◇—————
出席国務大臣
外務大臣
河野
洋平
君
経済産業大臣
平沼
赳夫
君
出席
副
大臣
経済産業
副
大臣
中山
成彬君